さて、まずは現状を整理しようか。まずは自分の置かれた状況を理解することは重要だからね。俺の名前は「山田太郎」。あだ名は「ドカ
ふと、窓の外に目をやった時に何か気配を感じたような気がした。それを理解する間もなく、次の瞬間に俺たちは吹き飛んでいた。校舎の外から何かが飛んできたらしい。古典の小林先生はヅラであると噂されていたが、実際にカツラが小林先生の頭を離れ、中を舞う光景はなんと芸術的だろうか。そんなことを考えている間に地面に叩きつけられることになる。ものすごく痛いが、何が起きたのか理解するために身体を起こす。
そこには形容しがたい化物がいた。頭はモジャモジャした触手に覆われ、ハサミと銃、そして翼を持つ化物がいた。教室は阿鼻叫喚の嵐となっており、我先にと教室から逃げるクラスメイトたち。どうやら、俺は置いていかれたようだ。よし、状況確認は完璧だ。いや、完璧なわけ無いだろ、ふざけるなよ? 明らかに死ぬだろ?
眼前の化物はこちらにハサミを振り下ろしてきている。死ぬんだな、俺は何もできずに死ぬんだな。意外と冷静だと思いながらも、おしっこをチビってる自分に驚きながら目を閉じる。
鈍い金属音が響く。俺はゆっくりと目を開けると、そこには可憐な美少女が──いるわけないんだなコレがぁ!!
眼の前にいるのは筋骨隆々として浅黒い肌の女性であった。かろうじて女性とわかっただけでも褒めてほしい。ボディビルダーの男性でもここまでの筋肉にならないだろう。まあ、化物と戦うには細腕じゃ無理なのは分かるけども夢くらい見たかったな……。だって手に持っていた斧を化物にぶん投げたあと、素手で化物の腕をちぎっているんだもの。本当に同じ人間なのでしょうか?
筋骨隆々の女性はこちらを向く。先程まで化物だったものがあたり一面に転がる。なるほど、次は自分の番ですか。あまりの怖さに腰は抜け、お尻に温かな弾力を感じていた。
「貴様が我が契約者か?」
歴戦の戦士であろう女性はこちらに話しかけているようだ。運命に出会いそうな構図で気分が高まるが、返答次第で殺されるかもしれない。正直な話、事態は飲み込めないが生き残るためには彼女に応えるしかない。
「そうです。たぶん俺が契約者です」
彼女は一瞬笑みを浮かべたあと俺の手を掴んで片手で持ち上げる。一体どういう
「そういえば、俺は山田太郎です。あなたの名前をお聞きしても?」
「我が名は、リリィ・メイフラワガンだ。よろしく頼む……」
彼女の口から出た名前は見た目に似合わない花の名前だが、不思議と悪くないように感じた。湿り気と温かみを帯びたズボンが気にならなくなっていた。
その後、俺を狙って様々な化物が襲いにきて、その度にリリィが返り討ちにしていくこととなる。俺とリリィの戦いはこれからも続いていくだろう。本当にどうしてこんなことになったのだろうか?
次回へ続く(続かない)
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