未踏級の頂点になったが此処は違う学園都市らしい 作:WhiteQueen
連邦生徒会。超巨大複合学園都市『キヴォトス』の政治的なトップを担う中枢組織。
その連邦生徒会では現在、ある会議が開かれていた。
「……では、誰もその『
「はい」
「“
白銀メリー。今キヴォトスでは彼女の話題で持ちきりであった。
腰まで届くほどの銀のツインテール。輝くような美貌を備える顔。甘く蕩けるような声。同性でも深く魅了される
眉唾にも程がある存在だが、実際に見たという者が集団幻覚では説明できないほど多い現状、いるとしか仮定できなかった。
「いつ出現したかは全く不明────出身も不明────目的も不明。不意にどこかで目撃情報は上がるものの、目撃者はみなその者の信者……“儀仗兵”となり、存在を秘匿。
監視カメラ等の電子機器類には映像にも音声にも記録されず、あらゆるセキュリティを無視して様々な場にどこからか侵入、出現。しかし特に何もせず立ち去る。
…………一体何がなんなのかワケが分かりません」
七神リン、と呼ばれる連邦生徒会員の一人はふう、とため息をつき、進展のない会議を「目下調査中」で締めくくる。
これが最近の連邦生徒会の臨時会議のお決まりの閉幕となっていた。
────side 『白銀メリー』
オッスオラ転生者! いや憑依者? とにかく元の人生が終わってしまったけどいつの間にか違う肉体で別世界にいた者!
早速だが本題に入ろう。俺は元はしがない自動車整備工の男であり、作業中の事故で亡くなってしまったことは覚えている。それがいつの間にかこうして生まれ変わっていたわけだが……
「なんで『白き女王』やねん……」
その肉体はかつて俺が読んでいたライトノベル「未踏召喚 :// ブラッドサイン」のヒロインにしてラスボス、『穢れなき真実の剣持つ“白き”女王』となっていた。
知らない人に説明すると、ブラッドサインというラノベは異界から怪物を召喚して戦う術を身に付けた召喚師と呼ばれる術者たちのオカルトバトル兼ラブコメだ。
すごいのになると、中には惑星や銀河を丸ごと消滅させるような、人知の及ばない化け物も出てくる。
俺はそんな化け物たちの頂点────未踏級被召物の『白き女王』になっていた。
「つーかここ学園都市って聞いたのに全然違う……」
学園都市と聞いたからには「とある魔術の禁書目録」の世界に来たに違いない。肉体が白き女王という他作品のキャラクターなのは気になるが、とあるも未ブラも同じ作者の作品で、セルフコラボまでした関係だ。
そもそも白き女王は世界の壁を破って自由にどこにも行けるほぼ全能の存在。ならばおかしくない。
そう思って色々見て回ったが────何もかも違う。
まず獣人が歩いてる。ロボットも歩いてる。いやロボットは俺の知る学園都市にもあったが、こんな市民みたいに平然と人間の服を着て歩いていたりしない。
次に子供が女の子しかいない。男子生徒が存在しないのである。
極めつけはそれら女の子ばかりの生徒の頭に浮かぶ
「でもなんか見覚えあるんだよな」
確かブルー……ブルーアーケードだかなんだか……俺は基本的に本の虫で、あまりスマホでゲームをやらない人種だったからよく覚えていない。
とあるとコラボしたという噂を聞いたことだけは覚えているが、確かに「学園都市」という
しかしそれ以外がほとんど違う。
しかもこの『白き女王』の肉体は俺の望む望まないに関わらず周りを魅了してしまう様で、いつの間にか原作未ブラのように俺=白き女王を信仰する団体まで立ち上がってしまった。
それを問題視する治安組織も動き出している、という噂は、聞いてもいないのに信者と化した生徒の一人が俺にわざわざ報告しに来てくれたから。
というか教えてないのになんで居場所わかるの?
最初に俺が目覚めたのはアビドスという地区らしく、その地区の現在唯一活動している学校に情報を求めて訪ねたところ、その学校の生徒全員が俺を見るなり恍惚とした表情となり、「ん、貴女のお名前をどうか教えて」「うへ~、おじさんはこの方に仕えるために生まれて来たんだね」等と言って傅いてしまった。
……なんかダメなことした気がする。
「マジでどうする? 俺……」
腹も減らないし喉も渇かない。未ブラの世界やとあるの世界は何故か見つからないが、どうやら異界には行ける様で、そこで過ごすこともできる。
生きるために努力する必要はないが、とにかくこの世界がなんなのか知らなければならない。
……あと、信者にしてしまった子たちを正気に戻す方法を探したい。