神時代に現れた戦闘民族 作:SS4のビジュアルが一番好き
突然目の前に現れた黒い穴に吸い込まれたかと思えば見知らぬ森にいた。
黒髪に黒い瞳、色黒でも色白でもない中間的な肌の色、左右非対称の独特なハネのある癖毛をした、猿のような尻尾を生やした少年――ターメリクは唖然とするが、次の瞬間には正気に戻り鋭い目つきで周囲を警戒する。
しばらくの間周囲を警戒し、危険は無いと判断すると自分に何が起きたのかを考える。
「いったい、ここはどこだ。さっきの黒い穴に吸い込まれたかと思えば、知らない森に飛ばされている、誰の仕業だ」
ターメリクは少し考え、腹から大きな音が鳴ると考えを打ち切る。
「……まあいい、誰の仕業だろうがこの俺が気づくこともできずに一瞬でこんなところにまで連れ攫れたんだ。少なくとも俺の手におえるような相手じゃない、考えるだけ無駄だ」
少なくとも自分に如何にかできるような相手では無いと判断し、ひとまず本来の目的である朝食に食べられる獲物を探すことにする。
ターメリクは獲物を求めて森の深くにずんずんと歩みを進めていく、暫く森を歩き続けると微かに大地を踏みしめる音が聞こえた。
歩みを止め、目を閉じ耳を澄ます。更に大きくなった足音の方へ息を殺し素早く近づくと、そこには3メドルはある大きな熊がいた。食いごたえのありそうな獲物を見つけターメリクの口角が吊り上がる。
ターメリクは地を蹴り獲物が気づけ無い程の速度で距離を詰め、一瞬でその首を手刀で刎ね飛ばした。頭を失った体がズシンと重い音を立てて崩れ落ちる。
「朝飯ゲット、ひとまずこいつを食って腹ごしらえとするか」
倒れた死体に近づき、手に刃物のような鋭い魔力を纏わせ解体していく、先ほど熊の首を刎ね飛ばしたのもこの力だ。
解体した獲物を魔力による光線――魔光波で焼いていく、程よく焼け目がついた所で止め、勢いよく噛り付く。
「まあまあだな」
獲物を全て食べきり腹ごしらえを済ませたターメリクは、本格的にここがどこなのか調べることにする。体内の魔力を操作し宙に浮き、一気に飛び上がった。
空高くに飛び上がったターメリクは周囲を見渡す、そこにあったのは見渡す限りの広大な森だった。
「俺はいったい何処に飛ばされたんだ……ん?」
周囲の森を見渡していた時、ターメリクの視界の端に微かに空に向かって伸びる何かが見えた、そちらに向けてよく目を凝らしてみると、遠くの山から煙が立ち上っている。
「山火事か、人か?……まあいい、仮に人ならここが何処かぐらい聞き出せるだろ」
立ち上っている煙の根元に人がいると考えたターメリクは、そこへ向かって飛んでいくのだった。
◇◇◇
煙の根元に近づいてみると、どうやらそこは河原らしくガタイのいい老人と白髪の子供が魚を串焼きにして食べていた。
「当たりを引いたみたいだな」
ターメリクは老人と子供のいる場所に降りていく。
「おい爺さん、お前に聞きたいことがある」
「「…………!!」」
老人と子供の近くに降り立ったターメリクが声をかけるが、どうも驚きのあまり二人そろって声が出ないようだ。仕方なく、ターメリクはもう一度声をかける。
「おい爺さん!聞いてい――」
「おお!ベルよ、わしはもう駄目じゃ。年のせいか、ついに子供が空から降ってくる幻覚が見えるわい」
「おじいちゃん、しっかりして!あれは幻覚じゃないよ!本当に人が空から降ってきたよ!」
大きな声で話を遮られて、イラっとしたターメリクだが自分のようなガキが空から降ってくれば、普通のヒューマンは驚くかと、感情を抑える。
「そこの白髪のガキの言う通り俺は幻覚じゃ――」
「ベルゥ!幼いお前を置いて逝くわしを許してくれ~!」
「おじいちゃん話を聞いてあげて!?あのお兄さんさっきからおじいちゃんに話しかけてるよ!?」
「おい爺さんいい加減俺の話を聞け!お前に聞きたいことが――」
「ベルゥ!わしの代わりにわしの夢を叶えてくれ~、美女美少女ハーレムを築き、おっぱいとお尻を揉みしだくのじゃ~!」
「何言ってるの!?おじいちゃん!?」
何度も話を遮られついに我慢の限界を迎えたターメリクは、魔光弾を掌に生み出し老人に向ける。
「おい、いい加減にしろよ爺、殺されたくなかったらさっさと俺の質問に答え……ろ?」
次の瞬間、気付けばターメリクは宙に投げ出され、空を眺めていた。
主人公の見た目は傷の無いバーダック(7歳)。
悟空よりも目が鋭い。
ちなみに、主人公の名前の由来はウコンです。