織斑一夏が世界を壊そうとする話   作:ソナ刹那

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一巻分も終わったし、タイトルルールも変更。

注意
今回は少しばかり、過激な表現が存在します。



10 転入

「今日も転校生を紹介します!なんと2人です!」

 

そのままお帰りになってもらえ。面倒くさいことになる未来しか予想出来ない。

 

「フランスから来ました、シャルル・デュノアです」

 

転校生の一人が男ということで途端に騒ぎ出す女共。

このクラスの連中は男に飢えてるのか?万年発情期か?

ていうか、絶対女だろうが。あんな『女共がイメージする理想の男』みたいな奴いねぇからな!夢見る少女でいられねぇんだよ。現実見やがれ。そんなのはフィクションなんだよ。

 

「続いてお願いします!」

「…………」

「あ、あのぉ……」

「…ボーデヴィッヒ、自己紹介しろ」

「はい、教官」

 

……一瞬で分かったわ。こいつは俺が嫌いな奴だ。

 

「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」

 

あーあー出た出た。織斑千冬教信者、しかもかなり狂信してやがる。あいつがドイツ行ってた頃の下僕か?

とにかく関わりたくない。絶対面倒なことになる。

 

「!……お前が、織斑一夏か?」

「いきなりタメとは、礼儀知らずだなぁチビっ子軍人」

 

関わりたくないって思ったばっかだってのに…。

 

「俺が織斑一夏だったらなんだってんだ?」

「っ!!」

 

いきなり手を振るかざして来た。

 

「〜〜〜〜〜っ!」

「滑稽だな。無駄に堂々としてカッコつけて思いっきり叩いたら、結果ダメージ食らったのは自分だけってのは。ドンマイとしか言いようが無いわ」

「お前さえいなければ……!!」

「あぁん?」

「教官が……あんな顔することも無かった!!」

「はっ?」

 

なんだよあんな顔って。弟心配してますよアピールでもしてたのか?気持ち悪い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら行くぞ、金髪転校生」

「え?行くって?何処に?」

「何処って、更衣室に決まってんだろ?次は実習だぞ。それともなんだ?そんな顔して女連中と一緒に着替えたいなんて男の欲望に忠実な肉食系だったのか?そういうのがいいって良いっていうなら、別に止めはしないけど。女連中もキャッキャフフフのウハウハだろうし」

「そ、そんなこと考えてないよ!」

 

……怪しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いきなり服脱がないでよっ!」

「はっ?なんで着替えにお前の許可がいるんだよ。お前は今日知り合ったばっかの同性にも、いきなり束縛し始めるのかよ。イタイしキツイし重いわ」

「そ、そうじゃないけど…」

「確かに男同士でも恥ずかしいって奴もいるだろうけど、だからってそんなに激しく拒否反応出しやがるなって。さすがにオーバー過ぎるって」

「そう、だよね……」

 

……怪しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕のような者のために、咲き誇る花の一時を奪うことは出来ません。こうして甘い芳香に包まれているだけで、もう既に酔ってしまいそうなのですから」

 

……怪しい。……ってかそんなこと誰も言わねぇよ!何処の乙女ゲームだよ!いや乙女ゲームでもそんなクサいこと言わねぇよ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

実習訓練は面倒くさいのでパスさせてもらい、あいつのことを見ているとどう見ても男に見えない。なので、

 

「えっ?な、なに?なにしてるの?どうしたの?」

 

ベッドの上に押し倒しました。

 

「お前さぁ、女だろ?」

「えっ?な、なにを言ってるの?」

「しらばっくれるんだな?仕草、言動、声、骨格、魂の質。どれを見ても、女にしか思えないんだわ」

「幾つか信じられない発言があったんだけれど……」

「確かに女顔の男だっているだろうし、声が女より高い野郎だっているだろうよ?でも今のお前はさぁ、あからさまに『女の理想の男』感がすげぇんだわ。いねぇからな?こんな男」

「そ、そうかなぁ……」

「っつうか、この学園はどうなってんだ?わざとなのか?なぁわざとなのか?これ気づかないって、相当残念過ぎるだろ。世界最高レベルのセキリュティならもっとしっかりしろよ!この間と言いいろいろザル過ぎんだよ、ここは!」

「それは僕悪くないよね?」

「んで?女だろ?」

「僕は……」

 

まだ躊躇ってんのか面倒くさい。さっさと済ませろよ。

 

「だったら証拠見せろよ?」

「証拠……?」

 

至極簡単なことだ。

 

「男ならついてるものがあるだろ?」

「っ!」

「なにを驚いてる?手っ取り早いだろ?ほら、男だって言い張るなら見せてみろって。……まぁ、男同士だからって見せ合うもんじゃねぇけどしゃあねぇだろ?それが一番簡単なんだから」

「で、でも……」

 

強く押さえつける。

 

「早くしろ。お前なんかに時間を使うコッチの身になれ。寝ているすきに殺されるなんてヤだから、こういうことやってんだよ。まぁ、襲われても先に殺っちゃう自信あるけど」

「まっ、待って!」

「3秒だけな。3秒経ったら、無理矢理脱がす」

 

面倒だって言ってるだろうが。

 

「3……2……1……」

「ダメッ!!」

「……クロか」

 

はぁ、不毛な時間を使った。

 

「なんで…分かったの?」

「理由は言ったろ馬鹿が。二度も言わせんな。……で、どうすんの?俺にバレちゃったから、白式のデータをどうこうってのも無理だろ?色仕掛けでもするか?悪いけど、むしろこっちが狂わせちゃう自信あるし、女の身体なんて見飽きた」

「見飽きたって?」

「ガキの頃、よく襲われたってだけ」

「えっ……!」

 

なにを驚いてる?しかもそういう顔は最高にウザい。

 

「別にこの世界じゃ普通だろうが。ショタ好きの女連中は気に入ったガキ見つけりゃよく犯ってたよ。しかも、それなりに権力持ってる奴だとまともに裁かれないしな。中にはなんのお咎めもなしに即解放ってのもよくあったし。まぁ、俺の姉は女連中の狂愛対象だったから、俺を襲った奴は案外ちゃんと罰せられてたけど」

「そんなこと……」

「信じられない?ありえない?だから、お前らみたいな女のガキは嫌なんだよ。なんも知らねぇ。ただただ、自分たちの環境を当たり前だと思ってる。男の居場所なんて、もうとっくにないんだよ」

「……僕はね」

 

なんか話し始めようとするスパイ。

 

「話すな。俺の耳が穢れる。お前の過去とか身の上話とか興味ないから。別に大体の事情は察すること出来るし。というか、そのタイミングで話したら同情誘ってるようにしか思えないから」

「そんなことないよ……!」

「そんなことあるんだよ。お前にそんな考えが無かろうと側から見りゃ、私可哀想な子ですって言ってるだけだから。ただただウゼェ」

 

というか別にお前のことなんか可哀想ともなんとも思わねぇけど。

 

「どうする?」

「……何、が?」

「これからだよ。お前がどうしたいかって。正直、目の前にお前なんかがいると迷惑なんだよ」

「……多分、無事じゃないよね。よくても……」

 

……何でどいつも人の話を聞かねぇんだ。

 

「事実はどうでもいい。お前がどうしたいかって聞いてるんだ。ただ何もしないでクヨクヨしてるってんなら、選択肢は二つ。自国に戻って一生拘束、或いは処刑。もしくはここで俺に消されるか。どっちがいい?選ばせてやる」

「そんなの……うっ!」

 

ウゼェから首根っこ掴んで締める。

 

「くっ…かっ…ぐはっ……」

「いい加減待つのやめろって。何もやってねぇのになにかなるとでも思ってるんだ。願えば叶う?祈れば救われる?そんな甘っちょろい現実なわけないだろ?自分の欲望に素直になれよぉなぁ?果たしたいと思うんなら、何もかも犠牲にしてやるってくらいの意地汚さ見せろよ、なぁ!」

 

俺は捨てれる。いや、元から何もかもない。

 

「ほら、言えよ?お前の渇望とやらをよぉ。早くしないとここで死んじゃうぞ?」

「…………たい」

「あん?はっきり言えって」

 

聞き取れねぇんだよ。

 

「……生き、たい!ただ、普通に暮らしたいんだよっ!なんでもない、お母さんが居た時のように、暖かい世界で、生きたいんだよっ!」

「そっか。じゃ、そうすれば」

 

手の力を抜き、崩れ落ちる幸薄い子。急に呼吸が出来るようになって、むせてる。

 

「不正入学だしなぁ、IS学園のルールなんか通じるわけねぇし」

 

学園に通ってる間は何処の国にも干渉されない、みたいな奴。

 

「なんなら壊すか?デュノア社」

「えっ?」

「物理的に。そこらの建築系の業者よりは仕事早いぜ?けどまぁ、さすがに指名手配になったりするのは面倒くさいしなぁ。やっぱ上に掛け合うか」

「……なんで?」

 

絞り出した僅かな呟きは疑問の言葉だった。

 

「言っとくけど、お前のためじゃねぇ。ただ気に食わねぇ。お前も言っちまえば、この世界に狂わされた身だろ?特に身内に。俺と同じような環境の奴が、そうやってウジウジしてるとイラつくんだよ。見てて不愉快。気持ち悪い。だから、お前をさっさとこっから追い出したいだけ」

 

邪魔だ。男同士っていう理由で同室になっても、もうすぐ効かないだろうが。

 

「んじゃ、ここにいろ。ちょっと行ってくるから」

「えっ?ちょ、ちょっと!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらくすると、彼が戻ってきた。

 

「OK貰ったわ。いろいろやることあるから、まだ男装してろって」

「えっ?なんで?えっ?」

 

急過ぎて事情が掴めない。つまり僕は、無事なの?

 

「条件突き出してきた」

「……なんて?」

 

怖かった。聞きたくない。けど、口は開いていた。

 

「シャルル・デュノアに危害を加えた場合、IS学園に所属する生徒及び教師含めた全人間をIS学園ごとぶっ壊す。ただそんだけ」

「……なに…言ってるの……?」

 

何事もないように彼は淡々と言う。つまり彼は脅した。IS学園すべてを人質に取ったのだ。

 

「なんで?なんでそんなこと……」

「これでお前は俺に逆らえねぇだろ?」

 

不敵な笑みを浮かべる。

 

「……もうお前は、俺の手を取るしか無いってこった」

 

そう言いつつ、手をこちらへ伸ばす。

 

「……本名は?」

 

答えてはいけない。答えたらそれは、契約の同意に違いないのだから。

 

「シャルロット……」

 

それでも僕は、

 

「シャルロット・デュノア。それが、お母さんが僕にくれた名前だよ」

 

その手を取った。

 

「俺のことは苗字で呼ぶなよ、永遠に」

 

悪魔よりもタチが悪い、彼の手を。

 

 





不思議な感じになってしまった今回。
一夏がクズい。

さて、学年末テスト二週間前と言うことで、更新スピードが下がるかもしれません。ご了承ください。

感想等待ってます!!来たら五体投地しながら歓喜に震えます!!
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