さて、今回はだいぶ恋愛的な感じ。
主にヒロイン目線。
こういうラブものが好きなので、今後もこんなような感じのときがあるかもしれません。
「「「「「夏だっ!!」」」」」
「「「「「海だっ!!」」」」」
「「「「「臨海学校だっ!!」」」」」
「ウルセェわお前ら」
なにはともあれ臨海学校。
よくもまぁいろんなことあったのに、呑気に宿泊学習なんて気楽なもんだ。
「一夏くん!」
「なんだフランス」
自由時間。水着姿で走ってくるメス犬。
「どう?似合ってる?これ、一夏くんが選んでくれた水着!」
「言わんでも分かってるわ。俺の目は使い捨てじゃねぇ」
クルクル回るビッチ。
「どう?似合ってる?ねぇ?似合ってる?」
「あーあーうるせぇ!……似合ってる」
「…え?」
「…二度も言わねぇよバーカ」
しつこいったらありゃしない。
「……それでそこの包帯ぐるぐるはなんだ?誰が臨海学校にミイラなんか連れてきた?」
察するに眼帯軍人か。
「なんかね〜水着姿になるのが恥ずかしいんだって〜。僕も手伝ったんだから、見たっていいのにねぇ?」
「そこで俺に同意を求めるんじゃねぇ」
というか仲いいなお前ら。お互いいろいろあった身、通じるもんでもあったのか?どうでもいいけど。
「…ラウラが出てこないなら、僕たち二人だけで遊ぼうかなぁ」
「なっ!それは許さんぞ!断じて許さん!浮気はいけないんだぞ!」
「てめぇと結婚した覚えはねぇって何度も言ってるだろうが!あと勝手に腕組んでくんな馴れ馴れしい。二人だけなんてのも許可した覚えはねぇ」
やっぱりこいつビッチだ。
「ま、待てっ!え、えーーいっ!」
何枚バスタオル巻いてたんだよ。いっきに殴り捨て、現れたのは黒のレースがたくさんあしらってある随分と大人っぽい水着だった。
「…ヘェ〜」
「わ、笑いたければ笑うがいいっ!」
「別に」
嫁はそう言いながら私の頭の上に手を置いた。
「可愛い」
「〜〜〜〜〜っ!」
耳元で呟かれ、身体が急に火照る。
この暑さは夏のせいか?いや、そうじゃないことはわかっている。単純にその言葉に鼓動が高鳴る。ドキドキ、している。
恋するとはこういうことなのだと、
「こっち、見ろって」
「あっ…」
両頬を包むように私の顔を持ちあげる。目を逸らそうとするが、顔は固定されじっと見てくる。
「照れてんじゃねぇ、バーカ」
……恋するとはこういうことなのだと、改めて理解した。
「一夏〜〜!って、ぐわっ」
「いきなり飛びついてくんじゃねぇ猫かお前」
「だからって一本背負いすることないじゃない!」
ただ後ろからいきなり飛びついてきた猫を、その前足を掴んで勢いを用いて投げ飛ばしただけ。なんもおかしいことなどない。
「勝負よ一夏!」
「なんの?というかなんで?」
正直何やっても負けないけど。
「向こう岸までどっちが早く泳げるかよ!昔はいろんなことで勝負したじゃない」
「昔の話だろうが。俺に勝てるとでも?」
「あたしだって、泳ぐの得意なんだから」
俺は得意ってレベルじゃないんだが。お前、水の上走れねぇだろ?せめてそれが出来るようになれ。
「とにかく勝負ね!それじゃスタート!!」
「おい、勝手にやんな!!」
体操していけ!
最近、一夏の周りに女の子が増えてる気がする。気がするじゃなくて増えてる。
最初は怖がってた子たちも、少しずつコミュニケーションを取ろうとしている。ホント少し。
(……問題は他の候補生たちね)
何よりも代表候補生たち。一夏と何かイベントがある度、ギャルゲーかと思うくらい墜ちていく。
(……油断できないわね)
特にシャルロットとラウラ。
シャルロットはあんな待遇だけど、なんか、ある意味いいポジションにいる。……たまに哀れだけど。
ラウラはなんか公言しちゃってるし。しかもは、ははは裸でベットに潜り込んだって……。速攻で粛清されたらしいけど。…………。
(な、何考えてるのよあたしーーー!!?)
ついそういう場面を想像して慌てて頭から追い出す。
裸になったのはラウラで、一夏じゃない。なのに、なぜそんな妄想を?
(あたしじゃ……おかしい、よね……)
そんなことする勇気だってないし、あれはラウラのああいうキャラだから許されて、あたしがしたらホントに嫌われそう。
……それは、ヤだな。
(……よし!なんか他の方法で頑張ろう!)
あたしにはあたしなりのやり方があるはず!
そう決意した時、足に痛みが走った。
(イッタ…ヤバい、足つった……!)
パニックになり、本格的に溺れ始める。
(…一……夏……)
その時、あたしの腕を引っ張りあげた手が。
「……一夏」
「ったく、溺れてんじゃねぇよ。準備体操は大切にって、習っただろうが」
「ごめん……」
「謝んな面倒くさい。いいからさっさと運ぶぞ」
「運ぶって……うわっ!」
いきなりあたしを担ぐ一夏。
「ななな、なにすんのよ!?」
「足つったんだろ?浜辺まで運んでやるってんだ。こら、おとなしくしろ。黙って負ぶされてろ」
「……うん」
やっぱり優しい。口は悪いし、暴力的だし、今も面倒くさそうだけど、なんだかんだ助けてくれる。
「背中……大きいわね」
「お前に比べりゃあな。……ちゃんと掴まってろ」
「うん」
その大きな背中が頼もしくて、そこから伝わる一夏の温もりが心地よかった。
「一夏さん!サンオイルを塗ってくださいまし!」
「なんでだよ」
「そういう約束でしたでしょ!」
「勝手に約束してんじゃねぇ、埋めんぞ」
そんなことを言いつつ、こちらのお願いを聞いてくれる一夏さん。これが俗に言うツンデレというものなのでしょうが、本人に言うと冗談じゃないレベルで痛い目に遭うので自粛します。
「……お前って自分のこと淑女とか言ってるけど、実のところ痴女だろ?」
「なっ何を仰いますか!?」
オイルを塗られていると不意にそのようなことを言われる。
「自分から水着の紐解いて、サンオイル塗りたくってくださいなんて、淑女がすることじゃねぇだろ、少なくとも」
言われてみれば。以前のわたくしならば、きっとこのようなことを頼んだりはしなかったでしょう。
「自覚なしってことは、隠れてんのかねぇ?淫らなお前が」
「そ、そんなこと……ひゃうん!」
彼の言葉に翻弄されつつ、サンオイルを塗るその手に思わず声が出る。
「ここが、いいのか?」
「だ、駄目です!」
「なんで?お前の言う通り、オイルを塗ってやってるだけじゃねぇか」
一夏さんの言う通り、一夏さんはただ塗ってるだけ。何も如何わしいことはしていない。
「もう少し、優しく……」
「優しくって……結構力抜いてやってるつもりなんだが、これでも」
分かっています。ただの言い逃れにすぎないことは。
彼に身体を触られることに、少なからず幸福を感じる。その事実に、嬉しいような恥ずかしいような複雑な気分になる。
彼の言う通り、わたくしは淫らなのかもしれない。けど今みたいにこんなことをされるなら、そんな自分でもいいのかもしれません。
少なくとも、そんな自分を嫌には思いませんでした。
もう公言します。一夏はいい奴。
俺が書く男キャラは、なんでみんなこんなんになっちゃうんだろ?乙女ゲームのやりすぎ?いや、AMNESIAくらいしかやってないけど。
とりあえず、一夏の『ヒロイン玩具化計画』は順調です。
あと、今日はバレンタインですね。そんなことより、小木曽雪菜おめでとう!!このSSには関係ないけど。
感想等待っています!!来たら五体投地しながら歓喜に震えます!!