それでもって、dies 炸裂。
お付き合いください。
一言で表すのなら、劣勢。
「くっ……!効かなさ過ぎて笑いそうだ、よっ!」
具現化したBT兵器と衝撃砲で応戦する。
一夏が戦っている白いISのようなものは、その身体から紅黒い杭のようなものを打ち出してくる。まるで嵐の如く、際限なく、無数に飛んでくる。
「ちっ!くそ…がっ!!」
それを一つ一つ己の武器を用いて、対処する。対処しきれないものは自らの手で。
「……お前、なんなんだ?」
抽象的ではあるが、それでいて核心を突く問い。
「空っぽだ。けど、ただの無人機とは違う。まるで、屍に魂を後付けしたみたいに、奇妙なんだ」
「-----」
白は答えない。そもそも答えられないのか、意図的にそうしているのか。
「……そんな芸当、あの馬鹿ウサギでも出来ねぇわな、なぁ?つうことは、1人しかいないわなぁ……」
頭の中で該当した者は1人。
「……く…っそ、ニートーーーーーーーー!!!!」
自分以上に人外めいてる彼くらいしか、彼を上回るものなど出来ないだろう。
「また試練か!?神様気取りかあの蛇はよぉっ!!」
「-----」
激昂している一夏に白貌は襲いかかる。
「うっぜえんだよっ!!」
一夏は新たにワイヤーブレードを具現化する。その数はオリジナルのシュバルツェア・レーゲンよりも多い10本。その全てが天を舞う龍の如くうねりながら白貌に迫る。
「-----」
「くそがっ……!」
だが、その全てを打ち出した杭で破壊し、何事もなかったかのように、こちらに加速する。
「んにゃろおおお!!」
アクティブ・イナーシャル・キャンセラーを用いて動きを止めようとするが、まるで意に介していない。
「……ここまで差があると、あのガラクタも蛇野郎の術を持っているってことは確定だよな。んでしかも、俺よりも上の段階か……」
あの蛇野郎が俺に与えた力は『エイヴィヒカイト』とかいう魔術を使って『聖遺物』とかいうマジックアイテムを扱うというもの。そしてこれには、4段階のレベルがあって、一つレベルが違うだけで、別次元の力になるらしい。だから基本、レベル1のやつがレベル2に勝つのは無理だという。
レベル1『活動』位階
平たく言えば、能力が使えるようになって、人外になってしまった状態。凡人を殺すには十分だが、同種の連中と戦うには不十分。まだ、聖遺物に振り回されている段階。
レベル2『形成』位階
簡単に言えば、武器を具現化できるようになった段階。俺の白式の展開がこれに当たるらしい。
ちなみに言うと俺は特殊で、『最初のISのコアの欠片』であるこのネックレスと『ISを世界に知らしめたきっかけである白騎士のコア』が用いられている白式がセットで一つの聖遺物らしい。つまりどちらかが欠けると不完全になり、暴走する危険があるということ。
そしてこの上に二つ位階があるらしいが、そっから先は知らない。
だが、『形成』位階の俺が圧倒されてるってことは、少なくとも
「そりゃあ、歯が立たんわ……けど」
勝てる見込みがないことが、戦うことを諦める理由にはならない。ここで負けたくねぇんで、もうちょい足掻かせてもらうわ。
「ムカつくんだよてめぇぇぇぇっ!!」
BT兵器並びに衝撃砲の個数を倍加。
先ほどよりも激しい弾幕となる。
「おまけだああああ!!」
リボルバーカノンをさらに二つ具現化する。そして放たれる、巨大な二線。陽動にかかってくれてサンキューだ。……ここで、ハズさねぇ!!
「-----!」
見事命中。あぁでもこんなんじゃ、くたばんねぇんだろ?だったらお代わりくれてやる……!
「全砲門、一斉放射!!」
あぁ耳いてぇ。激しいって本当に。
「……これでやられてくれなきゃ、キツすぎマジで無理」
煙が立ち込める。その先に、
「……冗談キツいってホント」
野郎が立っていた。
「結構、全力でやったんだけどな……絶望的過ぎるだろこれ。無理ゲーかっての」
少年は少なからず焦っていた。
神は、越えられぬ試練は与えないと言う。だが、この状況を与えたのは、神などではなく、1人の化け者じみたペテン師。越えられぬ試練だって、面白がって与えるだろう。
故に少年は焦っていた。久方ぶりに味わう恐怖に、懐かしさを覚えつつ、死を今までで一番身近に感じていた。
「……どうすっかなぁ……このまんまじゃ、死ぬな俺」
諦めることはしない。けど、どう捉えても勝利を思うことは無理だった。
その時だった。
「かつで何処かで そしてこれほど幸福だったことがあるだろうか」
「っ!!??」
それは突然聞こえてきた。
「貴女は素晴らしい 掛け値なしに素晴らしい
しかしそれは誰も知らず また誰も気付かない」
「……てめぇか?」
確かに、声を辿れば元は先程まで沈黙を貫いていた白貌のIS。
「幼い私は まだあなたを知らなかった」
だが聞こえてくるのは、無感動な機械音などではなく、男のものと思われる声。
「いったい私は誰なのだろう いったいどうして
私はあなたの許に来たのだろう」
どんどん連なれる祝詞。
「もし私が騎士にあるまじき者ならば、このまま死んでしまいたい」
それになんの意味があるのか。この白貌の鉄塊は何をしようとしているのか。
「何よりも幸福なこの瞬間 私は死しても 決して忘れはしないだろうから」
「いったい何を………っ!!??」
少年には分からない。だが、世界が変わっていくことは理解できた。
「ゆえに恋人よ枯れ落ちろ 死骸を晒せ」
世界が暗く、紅く染まっていく。空には満月が浮かぶ。
「何かが訪れ 何かが起こった 私はあなたに問いを投げた」
「……これは、何が………」
一瞬で夜と化す。それも狂気に満ちた夜。
「本当にこれでよいのか 私は何か過ちを犯していないか」
「………ぐっ」
吐き気が襲う。頭痛に見舞われる。目眩がする。そして身体から力が抜けていく。
「恋人よ 私はあなただけを見 あなただけを感じよう」
「くっそ、が………」
吸血鬼が血を吸うように、この夜は生気を吸う。シールドエネルギーも減っていく。
「私の愛で朽ちるあなたを 私だけが知っているから」
止めなければ。気づいた時には遅かった。
「ゆえに恋人よ枯れ落ちろ」
なぜならば
「
既にそれは
「
完成された。
途端に全身に駆ける脱力感。
「これは……ヤベェ!!」
このままいると、吸い尽くされただの肉塊となる。
「…っ、はぁぁぁぁああああ!!!」
叫んで恐れを飛ばし自分を欺く。
そして、翔ける。白貌へと。
だが、
「-----」
「ぐはっ!!!」
自分の身体を一つの杭が貫いていた。
「こっの……バンピーが……っ!!」
浮遊感。落ちていく感覚。見えるのは、遠くなっていく空。
「…………俺、死ぬな」
そこで意識は途絶えた。
さて、このまま終わりにはさせんよ。
君には『
ここで散ってもらっては、非常に無念極まりない。私とて残念だ。
さぁ、君の再生を機に第二幕の開幕としよう。
君が、本当に
魅せてくれたまえ。
さて、この先どうなるのか?
補足あった方がいいですかね?要望があれば、書きます。
感想等お待ちしています!!来たら五体投地しながら歓喜に震えます!!