織斑一夏が世界を壊そうとする話   作:ソナ刹那

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タイトルは思いつかなかった。

やっぱバトルは苦手だ。なんか淡々としている。
一応、正田卿をリスペクトしてますが、まるで及ばない。


21 女戦士

意図的なのか、偶然なのか、代表候補生たちが追加パッケージの換装を終えるその瞬間まで、一夏は戦っていた。

 

(考えすぎか……)

 

砲戦パッケージ『パンツァー・カノニーア』。両肩に装備した八十口径レールカノン《ブリッツ》が火を噴いた。

 

「…初弾、目標の装備に着弾。爆散し、目標変わった様子なくこちらへ進行中。引き続き砲撃を行う」

 

迎撃対象『白貌』は杭を打ち出しこっちの砲撃に応戦する。かつ、速度を落とすことなくこちらへ向かってくる。

 

「くっ…やはりスピードは落ちるか……!!」

 

名前の通り、遠距離からの戦闘を考えられたこのパッケージは機動性に重点を置いてはいない。

気づけば、視認出来るほどの距離に迫ってきている。

 

「-----」

「……セシリア!!」

「もらいましたわっ!!」

 

ステルスモードからの急接近。零距離からの大型BTレーザーライフル《スターダスト・シューター》の射撃。

 

「-----」

「これを躱しますの!?」

 

銃口先から機体までは数センチ。トリガーを引き、閃光が放たれるまでのコンマ数秒で、『白貌』は身体を捻り難なく躱した。

 

「セシリア!早く距離を取れ!!」

「くっ!!」

 

ラウラが叫んだ時には、既に杭は飛んでいた。

強襲用高機動パッケージ『ストライク・ガンナー』の機動性で10メートル以上は離れたが、その距離を一瞬で無と化す速度の投擲。

 

「危ないっ!」

 

それを防いだのはシャルロットのリヴァイヴ。防御パッケージ『ガーデン・カーテン」。並の兵器では、そうそうに落とされることはない。だが、

 

「嘘っ!?一撃で大破させちゃうの!?」

 

杭の一突きで使用不可能となった。

 

「全員追加パッケージで遅くなるなら直ぐに取り外せ!目標との戦闘は機動性を重視しろ!攻撃を一撃でも食らえば、前線離脱は免れんぞ!」

 

『パンツァー・カノニーア』を緊急脱離したシュバルツェア・レーゲンがリボルバーカノンで牽制する。

 

「鈴!まだか!」

『もうすぐで宿に着く!もうちょっと待ってて!』

「分かっているが速くしてくれ!」

「正直、絶体絶命だよね、この状況……」

「えぇ、お世辞にも優勢とは言えませんわね……」

 

一夏救出に成功し鈴が戻ってくるまでの間、三人で持ち堪えなければならない。

 

「けど、なんとか保ってる」

「あぁ嫁との訓練のおかげだ」

 

彼女らは毎日のように一夏と訓練をしていた。人外との戦闘訓練の成果が、今人外との戦闘に現れていた。以前の彼女たちなら、数分と持ち堪えることはできなかっただろう。

 

「しかしそれでも、絶望的なのには変わりません、がっ!!」

 

ビットを全てスラスターとしたブルー・ティアーズの武器はライフル一丁のみ。だが、それで得た速度はこの中で一番対抗できていた。

《スターダスト・シューター》の連射は『白貌』にとって、小雨が打ち付けるのとなんら変わりはしない。食らってもその装甲に、大した傷跡は残らない。

 

「頑丈過ぎますわっ!」

「全く!レーザーも実弾も効かないなんて、これこそ無理ゲーだね!」

「シャルロット!無理ゲーってなんだ!」

「無理ゲーっていうのはねラウラ!攻略が無理だろうっていうほど難しいゲームとかそういう展開のことだよっ!」

「シャルロットさん!よりによって今そんなことを説明しないでください!ラウラさんも自分で調べてください!」

『アンタたち今戦ってるのよね?』

 

無線で呆れたような鈴の声が聞こえる。

 

「こうでもしないと正気でいられない、じゃん!」

 

二丁拳銃により、激しく轟く銃撃音。その全てが特別な防御なしに、ただのその装甲に防がれる。

 

「近づき過ぎるなシャルロット!」

「分かってる!」

 

ここで砂漠の逃げ水(ミラージュ・デ・デザート)など、愚の骨頂。自ら死に行くようなものだ。

 

「-----」

「くっ!!」

「これは……!!」

「ヤバイ、ね!」

 

一斉に杭を狂い放つ『白貌』。

 

「させないわよっ!」

 

現れたのは甲龍を身に纏った鈴。機能増幅パッケージ『崩山』により増設された衝撃砲が無数の紅蓮の弾丸を放つ。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

その後ろからは『紅椿』を纏った箒が、『雨月』の打突がエネルギー刃を打ち出し、残りの杭を撃ち落とす。

 

「遅くなっちゃってごめん!」

「すまない!待たせた!」

「いいところで来てくれた!」

「タイミングがヒーローみたい」

「とりあえずあたしと箒でやるから、三人は援護をお願い」

「分かりましたわ」

「……行くわよ、箒」

「あぁ……!」

 

甲龍と紅椿が翔ける。

豪炎を纏った砲弾は杭を蹴散らし、『空裂』から放たれた斬撃が斬り伏せる。

 

「くっ!キリがない!」

「あぁもう!しつこい!」

 

いくら撃っても斬っても放ち続ける。

 

「どうやら本当に人外みたいだね。弾数があるわけでもなくて、エネルギー系のものでもない」

「一夏さんと同じく、無制限。長期戦は得策ではありませんわね」

「だったらなおさら!」

 

アタックを仕掛ける箒。

 

「あまり前出過ぎないで!」

「はぁぁぁぁぁぁっ!」

 

『雨月』と『空裂』の二刀から放たれるエネルギー波が、『白貌』を仕留めるために空を走る。

杭をも斬り裂くその出力は、第四世代の名に相応しいものであった。

だが、

 

「ぐっ!!?」

「箒!!」

 

一つ。第四世代と言えども、改良の余地は大いにあり、例としてエネルギー燃費の悪さ。これほどの猛攻を凌ぐため刀を振るい続けたために、既に『紅椿』のエネルギーは限界に近くなっていた。

二つ。篠ノ之箒自体のIS経験は浅いということ。他の専用機持ちに比べ、戦闘経験の無さは否めない。

故に、一撃喰らい、その隙に他の候補生たちに攻撃が移るのは、至って当然なことでもあった。

 

「こんのおおおおぉぉぉっ!」

 

ただ、一つ。これは偶然か必然か。

 

「鈴!!」

 

箒を助けようとした鈴が『たまたま』攻撃対象になったこと。

 

「-----」

「……っ!!」

「鈴ーーー!!」

 

堕ちていく龍。たった掠っただけで、ただのISに致命傷を与えるには十分過ぎた。

 

「大、丈夫……」

「すまない……」

「いいって……それより次来るわよ!」

 

再び放たれた杭の雨。射撃・斬撃・実弾・レーザー、全てを防ぎきれるわけではない。

 

「きゃっ!!」

「くっ!!」

「うわっ!!」

 

当たったか当たってないか、其れ程にも関わらず皆のシールドエネルギーは10%を切っていた。

 

「このままじゃ……箒!!」

「え……っ!?」

 

後ろに現れたのは、『白貌』。至近距離で放たれる杭。

 

「くっ!!」

 

刹那、

 

「……あ、れ?」

 

飛んで来なかった。

 

「……打鉄?」

 

量産機の打鉄がそこにいた。

 

「……無事か?篠ノ之」

 

聞き覚えのある、凛とした力強い声。

 

「……千冬さん?」

 

そして見覚えのある姿。

 

「織斑先生、だ」

 

その目に映るは、世界最強(ブリュンヒルデ)。戦女神の背中だった。




今回を含めて、あと3〜4話で自分が考えてたところに達すると思います。
その後は原作通りの展開に進めていくか、Dies 要素を取り入れていくか。まだ未定ですが、そのうち聞くかもしれません。
感想等お待ちしています!!来たら五体投地しながら歓喜に震えます!!
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