【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第12話は、ついに17歳を迎えたルフィとルーサスの出航編です!
旅立ちの直前、数年間の修行の集大成として互いの全力をぶつけ合う激熱の模擬戦、そしてかつてシャンクスの腕を奪った『近海の主』を一瞬で粉砕して海へ飛び出す圧倒的無双シーンをお楽しみください!
エースとサボが『スペード海賊団』として大海原へ一足先に旅立ってから、さらに三年の月日が流れた。
17歳となったルフィの背丈は大きく伸び、その肉体には無駄な脂肪が一切ない、しなやかで強靭な体幹が完成していた。
勝手知ったる師匠として弟子であるルフィを鍛え上げ、自身も生体電流と電磁界の精度を神域の域まで極めた俺――ルーサス。
「……ルーサス! 出航の前に、ずっとやりたかったことがあるんだ!」
コルボ山の頂上、かつて三人で暴れ回った大広場で、ルフィがニシシと口角を吊り上げながら俺を見つめていた。
「へぇ、言わなくてもわかるさ。……俺と本気でやり合いたいんだろ?」
俺がポケットから手を出して構えると、ルフィは拳と拳を固く突き合わせ、全身からバリバリと黒紫色の雷光――覚醒した『覇王色』と『武装色』の圧力を解き放った。
「しししっ! 流石ルーサス! 師匠のお前を越えて、俺は海賊王になるんだ!」
「いい度胸だ。手加減なしでいくぞ、ルフィ!」
――ドンッ!!
次の瞬間、地面が爆発的な音を立てて爆砕した。
ルフィが一瞬で消え去り、俺の死角へと侵入する。見聞色の未来予知すら置き去りにするような圧倒的な『剃』と『弾性加速』の融合。
『――ゴムゴムの、銃(ピストル)・極!!』
一直線に放たれたルフィの拳には、体幹の軸が寸分の狂いもなく固定され、さらに内部破壊の流桜(覇気)が纏われていた。
俺は静かに手をかざし、電子の荷電粒子運動を一瞬で強制制動(減速)させた。
『――【熱力学操作・氷結領域(フロスト・ゾーン)】』
シュゥゥゥゥッ!!
ルフィの拳が迫る空間が一瞬にして絶対零度の極寒へと変貌し、分厚い氷の障壁が生成される。ルフィのパンチはその氷壁を打ち砕くが、わずかに殺気が殺がれた。
「次は熱だ!」
間髪入れず、俺は空気中の分子運動を超高周波電磁波で一気に激化(熱励起)させ、手のひらから猛烈な火柱を解き放つ。
『――【熱力学操作・熱粒子砲(プラズマ・フレア)】』
ゴオォォォォン!!
「うわぁっ!? 氷が出たと思ったら次は火だぁ!?」
ルフィは空中での『月歩』で間一髪火柱を回避し、ニカッと不敵な笑みを浮かべた。
「でも、電気は効かねぇぞ! ししっ! ゴムだからな!」
ルフィが豪快に笑いながら、空中から一気に急降下して拳を繰り出してくる。
(ふっ、知ってるさ。お前に電撃が通じないことくらい……だからこそ、この数年で電子の運動制御による『氷』と『火』の熱力学戦闘を完成させたんだからな)
俺は心の中でニヤリと笑った。
これまで俺が本気の「電磁移動」や「電気分解」を見せたのは、ガープ、シャンクス、そしてエースとサボ、あとは高台の城門を破壊した時くらいだ。
これから海に出て世界政府や海軍、他の海賊と戦うにあたって、自分の能力の全貌を一発で悟られるわけにはいかない。
雷、氷、炎、さらには波動攻撃――相手に「何の悪魔の実の能力者か、あるいは悪魔の実すら食べていないのか」すら判別不能にさせる多角的な戦闘スタイルこそ、参謀たる俺の真骨頂だ。
「見事だルフィ! 仕上げだ!」
『――【電磁瞬間移動・雷光撃】!』
『――【流水・浸透掌打(パルス・クラッシュ)】!!』
俺は一瞬でルフィの背後へと回り込み、電流ではなく「寸勁による衝撃波」を体内に叩き込んだ。
ズズズッ……!
ルフィは全身のゴムの柔軟性と流桜の膜で衝撃波を受け流し、くるりと体勢を反転させて着地した。
「にしし! 衝撃波も流桜で弾くぞ!」
「ハハッ……本当に怪物になりやがったな、ルフィ!」
互いに膝をつくこともなく、息を弾ませながら顔を見合わせる。
俺が教えた物理と化学の理、六式、そして覇気。ルフィはその全てを自身の『ゴムの実』の特性と融合させ、完全なる独自の大技へと昇華させていたのだ。
「合格だ、ルフィ。……もう俺が教えることは何もない」
俺が不敵に笑って手を差し出すと、ルフィは最高の笑顔でその手をガシッと力強く握り返してきた。
「ルーサス! お前は最高の師匠で、人生の中での最高の兄弟かつ親友だ!」
「……ハッ、言われなくても分かってるさ、相棒」
二人は固く拳を突き合わせ、ニッと笑い合った。
◇
数時間後。コルボ山の港には、俺たちの莫大な資金によって建造された漆黒と金のラインが映える最高の小型探検船が浮かんでいた。
「準備は整ったな。インゴットを換金した莫大な資産も、最新の航海装備も、食糧も完璧だ」
俺が船のデッキで腕を組むと、赤いベストに麦わら帽子をかぶった17歳のルフィが、自慢げに船首へと飛び乗った。
「よし! 出航だーーーっ!!」
船が滑り出し、港を離れて大海原へと向かう。
その時――ザザーーーッ!!
海面が激しく割れ、かつて7歳のルフィを脅かし、シャンクスの左腕を奪った巨大な海の悪魔――『近海の主』が口から猛烈な水飛沫を上げて姿を現した。
グォォォォォォン!!
鋭い牙を剥き、俺たちの小船を一噛みで飲み込もうと襲いかかってくる近海の主。
「……ふん。懐かしいな」
俺は手をポケットに入れたまま、静かに横に立つルフィを見やった。
ルフィは一切の動揺も見せず、ただ静かに近海の主を見つめ――その瞳に凄まじい威圧の光を宿した。
『――【覇王色】』
ドォォォォン……!!
目に見えるほどの黒紫色の衝撃波が空間を破砕し、近海の主の脳腔を直接叩きつける。
「ガハッ……!?」
白目を剥き、一瞬で意識を失った近海の主。
ルフィはその頭上へと軽やかに跳躍すると、右拳に漆黒の武装色と内部破壊の流桜を纏わせた。
「あの時はお世話になったな……! 『ゴムゴムの――銃(ピストル)!!』」
ドドォォォォン!!
一閃。
ルフィの拳が空気を爆砕し、近海の主の巨体は海面を何キロも跳ね飛びながら、遥か彼方へと吹き飛んで気絶した。
「しししっ! ざっとこんなもんだ!」
ルフィが着地し、ニカッと太陽のような笑顔を浮かべる。
俺はそれを見て、不敵に口角を吊り上げ、氷と火の粒子を指先で遊ばせた。
「行くぞ、ルフィ。東の海(イーストブルー)をさっさと制覇して、エースとサボが待つグランドラインへ突入だ」
「おう!! 俺は海賊王になる男だ!!」
最高の船長と、正体を秘めた最強の参謀。
二人の怪物による伝説の航海が、今、高らかに幕を開けたのだった――。
ご覧いただきありがとうございました!
第12話にて、17歳となったルフィとルーサスの出航編が完了しました!
【ルーサスの今後の戦闘スタイルについて】
ルーサスが本気の電磁能力(電気分解や電磁移動など)を見せたのは、ガープ、シャンクス、兄弟、ゴア王国の城門破壊などごく一部に限られています。
そのため、今後の海での戦いでは海軍や敵に能力の正体(理・電磁制御)を悟らせないよう、電子の加減速による「氷」や「炎」、さらには「衝撃波」などの複数属性を偽装して戦う戦略的参謀スタイルを展開していきます!
次回からは東の海の猛者たちを圧倒的な力で蹴散らしながら、最高の仲間たちを集めてグランドラインへ突入する東の海完結編へ向かっていきます!
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