【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第19話は『オレンジの町編』決着回です!
ナミとの知的な交渉、復活して襲いかかるバギーに対し、ルフィの豪快な打撃、ゾロの鋭いアシスト、そしてルーサスの固有技が炸裂する圧巻の完封劇をお届けします!
ルーサスが語る「自分たちがまだ海賊として認知されていない理由」にもご注目ください!
「な……な……なんなのよこの化け物たちの戦闘はぁぁぁぁっ!??!?」
目玉をポーンと飛び出させ、顎が地面に着くほどの超オーバーリアクションで絶叫したナミが、ガタガタと膝を震わせながら俺たちと黒焦げの広場を交互に見つめていた。
「しししっ! ルーサスのやつ、相変わらず派手だな!」
ルフィが満足そうに口を大きく開けて笑う。
「ふん……まあ、ルーサスの手間をかけさせるほどでもねぇ相手だったがな」
ゾロも三本の刀を鞘に収め、ニッと口角を上げた。
俺は煙が立ち込める広場の中央へと静かに歩みを進め、地面に転がっていた革筒――『偉大なる航路(グランドライン)の海図』を拾い上げた。
「おい、そこのお嬢さん。これが目的だったんだろう?」
「え……? あ、はい!……ううん、その海図は私がバギーから命がけで盗み出したものよ!」
ナミは俺が差し出した海図を抱きしめるように受け取ると、警戒心を露わにしながらもその瞳に強い意志を宿らせた。
「あんたたち……一体何者なの? 見たところ普通の海賊じゃなさそうだけど」
「俺はルフィ! 海賊王になる男だ!」
「俺はゾロだ。で、こっちが俺たちのルーサスだ」
ゾロが短く紹介すると、ナミは「海賊王……?」と呆れ顔になりつつも、ポケットに手を突っ込んだまま平然と佇む俺の顔をじっと見つめてきた。
「ルーサス……ね。あんたたち、海賊を自称してるみたいだけど……」
「訂正しておこう、ナミ」
俺はナミの言葉を遮り、静かに首を振った。
「俺たちはまだ『海賊』ですらない。賞金首の配下でもなければ、海軍から手配書が発行されているわけでもないからな。世間的にも海軍的にも、俺たちはただの無名の流浪集団だ」
「え? でも、さっき海賊王になるとか言ってたし……」
「海賊として世に認知されるのは、しかるべき『実績』を叩き出してからだ。……それよりナミ、お前のその手、ただの泥棒のそれじゃないな」
俺はナミの指先や、海図を扱う手つき、そして雲の動きを見る眼力に視線を送った。
「風の匂い、潮流の兆候、気圧の僅かな変化……。お前は相当優秀な『航海士』だな。それも、ただ海を渡るだけでなく、膨大な『資金』を必要としているように見える」
「……っ!?」
ナミの身体がぴくりと強張る。俺の見抜くような言葉に、ナミは息を呑んだ。
「なぜそれを……」
「お前の目の奧にあるのは、ただの欲深さじゃない。明確な目的のための『執着』だ。……どうだナミ、俺たちと取引をしないか?」
俺は静かに笑みを浮かべ、論理的に言葉を紡ぐ。
「俺たちには『偉大なる航路』を目指すための優秀な航海士が必要だ。そしてお前には、目的を果たすための資金と、危険な海を生き抜く『圧倒的な武力』が必要だろう? ルフィの腕力、ゾロの剣術、そして俺の知略と物理制御。お前が俺たちの舵を取るなら、どんな金儲けの現場からもお前を無傷で守り抜いてみせる」
「……!」
ナミはその提案に一瞬心を揺らされたように目を見開いた。
その時――崩れ去った瓦礫の奥から、怨念のこもった凄まじい叫び声が響き渡った。
「ぬぁぁぁぁぁっ!! よくも……よくも俺様の綺麗な鼻と拠点をハデに吹き飛ばしてくれたなぁぁぁっ!!」
「キャァァァッ!? バ、バギーが生きてる!?」
ナミが悲鳴を上げて俺の背中に隠れる。
煙の中から姿を現したのは、服を黒焦げにしながらも殺気を全開にした『道化のバギー』だった。その身体がバラバラと空中へ分解し、手首から先が鋭いナイフを握りしめて高速で飛来する!
「死ねぇぇぇ! 痛快バラバラ緊急脱出(エマージェンシー)!!」
「ルフィ、ゾロ」
「「おう!!」」
俺の短く静かな指示と同時に、二人が阿吽の呼吸で動いた。
「ゴムゴムの――ピストル!!」
「二刀流――鷹波(たかなみ)!!」
ルフィの伸びる拳がバギーの胴体を強烈にぶち抜き、ゾロの繰り出した衝撃波の斬撃が空中を舞うバギーの腕パーツを正確に叩き落とす!
「な……なにぃっ!? 刀も打撃も効かん身体だというのに、動きを完璧に制限された……!?」
バラバラになったパーツが空中でもがき焦る中、俺は両手をポケットに入れたまま、静かに一歩前へ踏み出した。
「悪魔の実の能力に頼り切った二流か。……お前程度の精神、直接壊すまでもない」
視線すら変えず、脳内で思考を完結させる。
相手の脳神経へ直接、微弱な電磁パルスを送り込む――。
固有技の発動――『電磁神経介入・仮想精神牢獄(パノプティコン・ダイブ)』。
「――ガハッ……!??!?」
空中と地上で動いていたバギーの身体パーツが、完全にピタリと停止した。
バギーの脳内では今、現実の0.1秒の間に『ルーサスに何度挑んでも、電磁の刃で切り刻まれ、絶対零度で凍らされ、無限の暗闇の中で何千回も殺され続ける絶望のVR空間』が超高速で叩き込まれていた。
「ひっ……ひぃぃぃぃぃっ!?? ごめんなさいごめなさい助けてくれぇぇぇっ! もう二度と海賊なんてやらねぇから許してくれぇぇぇぇっ!??!」
現実世界ではほんの一瞬。
空中から落ちたバギーの身体パーツが地面にくっつくと同時に、バギーは泡を吹いて恐怖に引きつった顔のまま白目を剥き、失神して倒れ込んだ。
「え……? な、なにが起きたの……!? 触れてもいないし、手すら動かしてないのに……!」
ナミが目玉がこぼれ落ちそうな顔で固まっている。
「これがルーサスの『精神牢獄』だ。……相変わらずおっかねぇ技だぜ」
ゾロが苦笑しながら刀を収め、ルフィはニシシと無邪気に笑った。
「すげぇぞルーサス! 一発も殴らないで勝っちゃった!」
「無用な殺生は好まない。これでオレンジの町を脅かす脅威は去った」
俺は倒れたバギーの横を通り抜け、ナミへと振り返った。
「話の続きだ、ナミ。俺たちの武力と、お前の航海術。互いの目的のために手を組む価値は十分にあるはずだ」
ナミは呆然とバギーの巨躯を見つめ、それから俺たち三人を見渡した。圧倒的な安心感と、計算し尽くされた利害の一致。ナミの口元に、ふっと魅力的な笑みが浮かぶ。
「……いいわ。ただし『仲間』じゃないわよ? お互いの利益のための『協力関係』! これなら組んであげる!」
「しししっ! やったぞー! 航海士ゲットだー!」
こうして、知略の参謀ルーサス、船長ルフィ、剣豪ゾロ、そして天才航海士ナミを加えた一味は、さらなる波乱が待つ海へと舵を切るのだった――。
ご覧いただきありがとうございました!
第19話にて『オレンジの町編』が完結いたしました!
ナミのオーバーリアクション、ルフィ&ゾロの見事な連携、そしてルーサスの固有技『VR精神牢獄(パノプティコン・ダイブ)』によるクールな完封劇をお届けしました!
「まだ海賊として認知されていない」というルーサスの先を見据えた冷静な洞察と知的な交渉により、ナミが協力者として加わります!
次回第20話からは、いよいよ『シロップ村編(ウソップ登場&百計のクロ戦)』へ突入します!
ルーサスの『未来予測』と『レールガン』が、クロの無差別高速移動をどう叩き潰すのか……ご期待ください!
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