【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
今日からいよいよ『シロップ村編』に突入します!
ナミを協力者として迎えた一味が次に辿り着いたのは、平和で閑静な「シロップ村」。
そこで出会った自称・大海賊団船長のウソップとの賑やかな遭遇と、ルーサスが展開する静かなる情報警戒をお楽しみください!
バギー海賊団との騒動から数日。
探検船の甲板では、新しく『協力者』として加入したナミが手際よく海図を広げ、真剣な面持ちで舵を握っていた。
「いい? 次に目指すのは『シロップ村』よ。グランドラインに入るためのしっかりした『大きな船』と、十分な『食料・備品』を確保するには、あの穏やかな島が一番都合がいいわ」
「おーっ! でっかい船か! 楽しみだなぁ!」
船首の特等席で風を受けながら、ルフィがニシシと笑う。
「ふん、まともな船になれば、俺の部屋(鍛錬場)も作れるな」
ゾロが甲板で胡坐をかき、三本の刀を研ぎながら口角を上げた。
俺は甲板の縁に腰掛け、海風に吹かれながら手元の小型デンデン虫で周辺海域の微弱な電波をモニタリングしていた。
「シロップ村か。……表向きは平和な離島だが、油断は禁物だ。海には思わぬ潜伏者が牙を研いでいることもある」
「相変わらず警戒心が強いわね、ルーサス。でも、あの島は本当に平和で有名なのよ?」
ナミが呆れたように笑うが、俺の『見聞色の気配察知』と『戦術眼(タクティカル・アナライザー)』は、すでに島へ近づくにつれて微かな「違和感」を捉え始めていた。
◇
やがて探検船は、緑豊かなシロップ村の小さな海岸へと着岸した。
無風の海岸線に足を踏み入れた瞬間――崖の上から、甲高い叫び声が響き渡った。
「止まれぇぇぇ!! この島は俺様が率いる『ウソップ海賊団』の縄張りだ!!」
見上げると、崖の上に立つ一人の鼻の長い青年が、手下の子供三人(にんじん、ピーマン、たまねぎ)を従えて見下ろしていた。
「うおおおっ! 命が惜しくば今すぐ引き返せ! 俺様の配下には『八千人』の部下が控えているんだぞ!!」
「八千人ぁぁぁっ!??! ほんとかぁっ!?」
ルフィが目を丸くして大声を上げる。
「んなわけねぇだろアホ船長、ウソに決まってんだろ」
ゾロが呆れたように溜め息をつく。
崖の上の青年――ウソップは、ルフィの素直な反応に味をしめたのか、得意気に胸を張った。
「へっ、見破れなかったか! だが俺様の『パチンコ』の腕前は本物だぞ! 容赦なく蜂の巣にしてやる!」
ウソップはパチンコ(パチンコ弾)を構え、震える手でルフィに狙いを定めた。
だが、ルフィはニッと不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと帽子に手を当てた。
「命を賭ける覚悟もないのに……ピストル(銃)を人に向けるもんじゃねぇぞ」
「……っ!?」
シャンクスの教えを胸に宿したルフィの放つ一瞬の『威圧感』に、ウソップはガタガタと恐怖で震え出し、パチンコを落としそうになった。
「っ……あ、兄貴! この人たち、マジでヤバい奴らじゃ……!」
「逃げようウソップ隊長ー!」
子供たちがパニックになる中、俺は静かに一歩前に踏み出した。
「争うつもりはない、ウソップ。俺たちは船と備品を手に入れるためにこの島に寄っただけだ」
「え……? 俺様の名前を知ってんのか……!?」
ウソップが目を丸くする。俺はポケットに手を突っ込んだまま、静かに言葉を続けた。
「お前の父親の名は『ヤソップ』だな。……赤髪海賊団の狙撃手だ」
「なっ……!! おやじのことを知ってんのか!? 赤髪の……シャンクスたちの船に乗ってるあのおやじを!?」
ウソップの目が一瞬で驚きと輝きに包まれた。
「ああ。噂は知っている。……立ち話も何だ、村のレストランで話そうじゃないか」
「う、うおーっ! おやじの話を聞かせてくれ!! 飯なら奢るぞ!!」
ウソップの警戒心は一瞬で吹き飛び、俺たちを歓迎するように大はしゃぎで走り出した。
「しししっ! 面白い奴だなあいつ!」
ルフィが笑いながらウソップの後を追う。
俺は歩き出しながら、ふと村の奥に立つ巨大な屋敷――カヤの暮らす屋敷の方角へ視線を送った。
(……ウソップの父親の話で打ち解けつつ、村の動向を探るか。……そして、あの屋敷に潜む『執事クラハドール』……いや、『百計のクロ』の牙をどう抜くか)
参謀としての頭脳と、全物理制御の力を秘め、俺たちは静かにシロップ村の渦中へと足を踏み入れるのだった――。
ご覧いただきありがとうございました!
第20話より『シロップ村編』がスタートいたしました!
ウソップとの賑やかな遭遇、ヤソップの名を出して一瞬で打ち解けるルーサスの知略、そして裏で蠢く『百計のクロ』への静かな警戒を描きました!
次回第21話からは、ウソップとカヤの絆、そして執事クラハドール(百計のクロ)の陰謀をルーサスの『未来予測』と情報網で暴き出す展開をお届けします!
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