【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜   作:フォレスティアル

22 / 23
ご覧いただきありがとうございます!
第22話はいよいよ『シロップ村編』クライマックス!
百計のクロの周到な計画に対し、ルーサスの圧倒的な頭脳と固有技による知略戦が火を吹きます。百計vs副船長・参謀の知略戦を、ルーサスの「戦術眼」や「情報網」がどう完封するのか――知恵と知恵のぶつかり合いをお楽しみください!



第22話 『嘘つきの海と、新たな船出』

屋敷の壁に叩きつけられたクロは、血を拭いながら狂気的な笑みを浮かべた。

 

「ふざけるな……! 私の三年間かけた計画が、お前ごときの出鱈目な洞察で狂うものか……! ジャンゴ!! 全軍を率いてこの村を血の海に変えろ!!」

 

クロが懐から取り出した通信用デンデン虫で叫ぶ。

だが、そのデンデン虫から返ってきたのはジャンゴの間の抜けた悲悲鳴だった。

 

『ひぇぇぇっ!? 船長、助けてください! 謎の部隊に囲まれて……ていうか味方同士で大混乱ですぅ!』

 

「なに……っ!?」

 

クロが驚愕に目を見開く。俺はポケットに両手を突っ込んだまま、冷ややかにクロを見下ろした。

 

固有技の発動――『全知の軍師・情報統轄網(オーバーロード・ネットワーク)』。

 

「お前の計画の致命的な弱点は、『人心の統率』を恐怖と個人のカリスマだけに頼っていたことだ。俺が通信網を書き換え、すでにジャンゴたちの軍勢は同士討ちで自滅している」

 

「バカな……! 私の絶対的な計画が……!」

 

クロが絶望に顔を歪めたその時――門前の激しい爆音と大騒ぎを聞きつけ、屋敷の奥から身を隠すように走ってきた一人の少女がいた。

 

病弱な身体を押して様子を見に来ていたカヤだ。彼女は大きな樹の陰に身を潜め、震える手で口を覆いながら、信じていた執事の恐ろしい本性とやり取りの一部始終を物陰から隠れて見ていたのだった。

 

「クラハドール……! あなたが本当に……私を殺して財産を狙っていたなんて……!」

 

「ちっ……見られていたか、カヤお嬢様……!」

 

舌打ちしたクロの姿が、一瞬で残像となって消えた。

 

「なっ……!?」

 

次の瞬間、クロは木陰から飛び出し、カヤの細い首元に鋭利な『猫の手爪(ヌキテ)』を突きつけていた。カヤの白い肌に刃が食い込み、微かな血が滲む。

 

「動くな! 動けばこの女の首を掻き切る! 私の命と引き換えに、この女の命も貰うぞ!!」

 

「カヤーーーっ!!」

 

ウソップが悲鳴のような叫びを上げる。

 

「フハハハ! どうだ!? どんなに知略に長けていようと、人質を取られれば手も足も出まい!」

 

勝ち誇るクロ。だが、俺、ルフィ、ゾロの三人は顔色ひとつ変えなかった。

 

「ゾロ、左右の牽制を」

 

「へっ……応よ!」

 

ゾロが三本の刀を構え、疾風のごとき踏み込みでクロの視界の左右へと刃の衝撃波を放つ!

 

「二刀流――犀印(サイハインド)!!」

 

「なっ……この局面で斬りかかってくるだと!?」

 

ゾロの強烈な斬撃がクロの退路を完全に塞ぎ、クロの意識が一瞬だけゾロの刃へと逸れた。

 

そのコンマ一秒の隙を、俺の脳内演算が見逃すはずもない。

 

固有技の発動――『絶対領域・局所事象改変(イベント・ホライゾン)』。

 

両手をポケットに入れたまま、クロとカヤの間の僅かな空間に、極小の電磁排斥力場を展開・炸裂させる。

 

ドォン……!!

 

「ぐあぁっ!??!」

 

衝撃波すら伴わない目に見えない物理的な『弾頭』が、クロの腕だけにピンポイントで着弾。クロの肘関節が強烈な衝撃で弾き飛ばされ、カヤの首元から爪が力なく離れた。

 

「なに……っ!? 手が……動かん!?」

 

「ルフィ、決めろ」

 

俺が短く告げた瞬間、頭上で凄まじい風圧が巻き起こった。

 

「カヤに手ぇ出してんじゃねぇぇぇっ!!」

 

すでに空高く跳躍していたルフィが、両腕を限界まで後ろへ引き伸ばしていた。成長し、より威力を増したルフィの全身から圧倒的な覇気が溢れ出す。

 

「ゴムゴムの―――銃弾(バズーカ)ぁぁぁぁっ!!!!」

 

「が……はぁっ!??!?」

 

超重量の二条の拳が、クロの胸板へ叩き込まれた。

 

ドガァァァァァァァァン!!

 

屋敷の庭を突き抜け、クロの巨躯は大気圏を切り裂くような爆音とともに遥か彼方の空へと吹き飛ばされ、そのまま姿を消したのだった。

 

静まり返る屋敷の庭。

百計のクロの周到な謀略は、ルーサスの完璧な知略、ゾロの隙のないアシスト、そしてルフィの一撃の前に、完全に粉砕されたのだった。

 

◇

 

数日後。

 

シロップ村の海岸線には、見違えるように立派な大型船――カヤから感謝の証として譲り受けた『ゴーイングメリー号』が静かに波に揺れていた。

 

「すげぇぇぇっ! でっかい船だぁぁっ!!」

 

ルフィが甲板を駆け回り、ゾロが自分の刀置き場を確認しながら満足そうに頷く。

 

「これなら『偉大なる航路』でも十分に戦えるわね。ルーサス、あんたの頭脳と武力のおかげよ」

 

ナミが海図を片手に微笑む。

 

タラップの上には、決意を秘めた顔をしたウソップが立っていた。

 

「お前たち……俺も、海の男として自分の足で旅に出る! ウソップ海賊団改め、一人前の男として連れて行ってくれ!」

 

「しししっ! 当たり前だ、行こうぜウソップ!」

 

こうして、知略の参謀ルーサス、船長ルフィ、剣豪ゾロ、航海士ナミ、そして狙撃手ウソップを加えた新生『麦わらの一味』は、新たな誇りとメリー号を携えて、大海原へと盛大に漕ぎ出すのだった――。

 




ご覧いただきありがとうございました!

第22話にて『シロップ村編』が完結いたしました!
クロによるカヤの人質劇に対し、ゾロの牽制技『犀印』、ルーサスの固有技による電磁排斥での完璧なカヤ救出、そしてルフィの『ゴムゴムの銃弾(バズーカ)』が炸裂する大迫力の決着を描きました!
ウソップの正式加入と「ゴーイングメリー号」獲得を経て、一味の旅はさらに加速していきます!

次回第23話からは、いよいよ海上レストラン『バラティエ編(サンジ登場&首領・クリーク戦)』へ突入します!
ルーサスの知略と物理制御が、世界最強の海軍や海賊艦隊をどう揺るがすのか……ご期待ください!

面白かったら評価やブックマークをしていただけると、すごく執筆の励みになります!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。