【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第24話は『バラティエ編』中盤戦!
餓死寸前で店に飛び込んできた首領・クリーク海賊団の総隊長ギンの登場と、どんな悪党であれ「腹を減らしている者には飯を出す」サンジの一流のコックとしての美学を長文でじっくりと描きます。
裏で動く巨大な脅威をルーサスが固有技で察知する迫力の展開をお楽しみください!
バラティエの店内で最高級の料理と酒を堪能していた俺たちの元に、唐突に重々しい足音が響き渡った。
「め、飯を……くれ……」
店の扉を押し開けて倒れ込んできたのは、痩せこけた体でボロボロの服を纏った一人の男だった。ガタガタと全身を震わせ、今にも息絶えそうな眼光。
「おいおい、なんだあの男……! 餓死寸前じゃねぇか!」
ウソップが息を呑む。
客席にいた副料理長パティがすかさず駆け寄り、男の胸倉を掴み上げた。
「おいおい客人! 飯が食いたきゃ金を出しな! 金がねぇならここはボランティア施設じゃねぇんだ、とっとと失せな!」
「頼む……金を……金なら……あとで払う……! 頼むから……飯を……!」
金がないと分かると、パティは容赦なく男を店の外へと放り投げ、痛烈な蹴りを叩き込んだ。店内の客たちは「当然だ、無一文の海賊に食わせる飯はない」と冷たい視線を送る。
だが――サンジだけは違っていた。
サンジは煙草に火を点けると、静かに厨房へと戻り、数分後に熱々の炒飯(チャーハン)が盛られた皿を持って、裏口のデッキへと向かった。
俺はその背中を静かに追いかけ、デッキの陰からその様子を見つめた。
「食え」
サンジは地面に倒れ伏す男――『鬼人のギン』の前に、湯気の立つ炒飯をそっと置いた。
「な……なぜだ……俺は金もない……お前たちの客でもないんだぞ……!」
「腹が減ってる奴に飯を食わせる。……それ以上に必要な理由があるか? 食えよ、死にたくねぇなら」
ギンは震える手でスプーンを握り締め、涙をボロボロとこぼしながら炒飯を口へと駆け込んだ。
「う、うめぇ……! うめぇよ……! こんな美味ぇ飯……生まれて初めて食った……っ!!」
一口食べるごとに涙を流し、生への執着を爆発させるギン。
その光景を階段の上から見下ろしていたルフィが、ニシシと嬉しそうに歯を見せて笑った。
「決めたぞ! あいつ、絶対に俺たちの船のコックにする!!」
「フッ……いい目を持ってるな、ルフィ」
俺はポケットに両手を突っ込んだまま歩み寄り、サンジの横に並んだ。
「素晴らしい美学だ、サンジ。料理人としてのプライドがある」
「あぁ? 金持ちのボッチャンが、冷やかしかよ」
サンジは煙草をふっと吐き出し、照れくさそうに視線を逸らした。
その時――俺の脳内で微弱な電波アラートが高速で鳴り響いた。
固有技の発動――『全知の軍師・情報統轄網(オーバーロード・ネットワーク)』。
海上の気圧変動、遠方の船体振動、そして異常な密度の電波通信。広大な海原の先から迫る『圧倒的な脅威』のデータを俺の脳内演算が捉える。
「……来たか」
「あん……? 何が来たってんだ、ルーサス?」
ゾロが刀の柄に手をかけながら、俺の隣へ滑り込んできた。
「東の海(イーストブルー)最大の兵力を誇る海賊艦隊――『首領(ドン)・クリーク』だ。……いや、正確にはグランドラインで『鷹の目』に滅ぼされ、ボロボロになって逃げてきた哀れな幽霊船だな」
「なっ……首領クリークだと!??! 50隻の艦隊を率いるあの巨大海賊団か!?」
ナミとウソップが顔を蒼白にして叫ぶ。
ギンの身体が恐怖と焦燥でガタガタと激しく震え始めた。
「ドン・クリーク首領……! 助かった……助かったんだ……! おい、頼む……! 船長に……首領に飯を食わせてやってくれ! 船にはまだ、腹を減らして死にかけの仲間がいるんだ!」
頭を床に擦り付けて懇願するギン。
サンジは煙草の灰をトントンと落とすと、特に慌てる様子もなく冷ややかに言い放った。
「知らねぇよ。だが……目の前に腹減らした奴が来たら、飯を出してやるのがコックの仕事だ」
海上の平和なレストラン『バラティエ』に、東の海最強の武力を誇る海賊団と、それを追う世界最強の影が忍び寄っていた――。
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第24話では、餓死寸前のギンへのサンジの優しさとコックとしての誇り、そして首領・クリーク艦隊の迫り来る脅威を描きました!
サンジの「目の前に腹を空かせた奴がいれば飯を出す」という無骨なポリシーと、ルーサスの固有技『全知の軍師』による状況察知の緊張感をお楽しみいただければ幸いです!
次回第25話は、満身創痍の巨大戦艦で現れた首領・クリークの暴虐と、サンジ&ゼフの過去、そしてルーサスが仕掛ける絶対的な頭脳戦をお届けします!
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