【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第35話は世界各所を駆け巡る「ルフィ&ルーサス初手配書」の衝撃!
フーシャ村やコルボ山の面々、海軍本部のガープやセンゴク、赤髪海賊団、そしてグランドライン手前の猛者たちまで――史上空前のダブル3000万ベリーの噂を聞きつけて大騒ぎ。
それぞれの場所で巻き起こる熱狂とリアクションを、超大ボリュームでお届けします!
世界経済新聞が発行した一枚の『緊急号外』は、穏やかな海風に乗って、瞬く間に世界中へと拡散されていった。
東の海の片田舎から、偉大なる航路(グランドライン)の海兵たち、さらには世界を裏で牛耳る大物たちの間まで――その情報は、あまりにも衝撃的かつ異質だった。
「東の海から、常識を粉砕する新人(ルーキー)の“幼馴染コンビ”が現れた」と。
◇
**【其之壱:東の海・フーシャ村&コルボ山】**
東の海の風車がのんびりと回る平和な村、フーシャ村。
その中央にある『マキノの酒場』に、ドサリと世界経済新聞の最新号が届けられた。
カウンターを拭いていたマキノが、届いた号外の一面を開き――その場に文字通り釘付けになった。
そこに印刷されていたのは、見慣れた麦わら帽子を被り、豪快に笑う少年の顔。そしてその隣には、いつもルフィの傍らにいたはずの、見慣れた冷徹な眼光の若者の姿。
太い文字で刻まれた数字と、見慣れない二つ名に、マキノは息を呑んだ。
『指名手配 - モンキー・D・ルフィ / 30,000,000ベリー』
『指名手配 - 盤上の規格外 ルーサス / 30,000,000ベリー』
「ルフィちゃんが……30,000,000っ!? しかも、いつも一緒にいたルーサス君まで……っ!?」
マキノが驚愕に声を震わせると、酒場の扉がバーンと勢いよく開き、村長ウツツが杖を激しく突きながら飛び込んできた。
「マキノ! 見たかおい! あの問題児のルフィめ、ついに海軍からとんでもねぇ金額をつけられちまったぞ!! しかも問題はあのルーサスだ。『盤上の規格外』だぁ……!? アーロンパークの島全体を氷で封絶し、気候すら支配してやがる。あいつら、ガキの頃から散々暴れ回ってたが、まさか本物の海賊になっていきなり世界をひっくり返しやがったのか……!」
村長が眉間にしわを寄せ、呆れと動揺が入り混じった様子で杖を床に叩きつける。その傍らで、マキノは手配書のルフィの笑顔と、その隣で変わらぬクールさを湛えるルーサスの写真を交互に見つめ、優しく複雑な微笑みを浮かべた。
「……ルフィちゃんとルーサス君、二人一緒に海へ出て、本当にすごいことになっちゃったんだね……」
時を同じくして、フーシャ村を見下ろす険しいコルボ山の奥深く――。
山賊アジトのちゃぶ台に、その号外が叩きつけられた。
「ぎゃははははははっ!! おい聞いたかお前ら!! あのルフィの野郎が、初っ端から3000万ベリーの賞金首だぁっ!?」
巨体の山賊統括・ダダンが、手にした骨付き肉を喉に詰まらせかけながら、血相を変えてひっくり返った。
「お頭、それだけじゃねぇですよ! 見てください、その隣を!」
手下であるマグラとドグラが、新聞を突き出して青い顔でわめき立てる。
「『盤上の規格外 ルーサス』……!? おい、あのルフィと一緒に育ったルーサスの小僧じゃねぇかっ!! なんであいつまでルフィと同じ3000万ベリーなんだよ!!」
ダダンが手配書を引き寄せ、幼馴染として見知っているルーサスの顔写真を食い入るように睨みつけた。
「裏書きに書いてあるぞ。『アーロンパークの島外全域を氷壁により完全封絶。常軌を逸した物理制御能力』……? はぁ!? 氷だと!? あの冷静だったルーサスが、いつのまにルフィと一緒にこんな物騒な怪物になちまったんだ……! ガープのじじいめ、あいつら揃って面倒臭ェガキどもを育てやがって……っ!!」
文句を叫びながらも、ダダンはコルボ山で共に過ごした幼馴染二人組が世界にその名を轟かせたという事実に対し、どこか胸を突かれるような複雑な感情を覚えるのだった。
◇
**【其之弐:海軍本部・マリンフォード】**
「……な、なんだとぉっ……!!??」
海軍本部の広大な元帥執務室に、センゴク大仏の異名を持つ海軍元帥センゴクの怒号が轟いた。
机の上に叩きつけられた世界経済新聞の号外。そこには、ルフィとルーサスの顔写真と、共に刻まれた『30,000,000ベリー』の文字。
「ルフィというあのガキはともかく……なんだと!? あのルーサスだとぉっ!?」
センゴクが手配書を文字通り鷲掴みにし、信じられないものを見る目で顔を歪めた。
「よりによって、あのルーサスじゃないか……! 昔、ガープが『将来は大将になれる逸材だ』と連れてきて、海軍本部でも特例として仮面を被らせ、様々な作戦の補佐や技術開発の天才児として期待されていたあのルーサスが……っ! なぜ海軍の未来ある椅子を蹴っ飛ばし、よりによってガープの孫の船に乗って海賊になっとるんだぁ――っ!!!」
センゴクが頭を抱えて激昂する。海軍本部が喉から手が出るほど欲しかった「将来の大将候補」という最強のコネと才覚が、自らドブに捨てられたどころか、最大の敵(海賊)として牙を剥いたのだから怒り狂うのも無理はない。その目の前で、カモメの帽子を被った海軍大参謀ツルが、頭を押さえてやれやれと首を振った。
「やれやれ、ガープが頭を抱えて隠蔽しようとしたところで、これじゃあ言い訳できまいさね。海軍の最高峰に立つはずだった天才児が、わざわざ海賊の参謀に成り下がったんだからねぇ」
センゴクが怒りのあまり机を真っ二つに叩き割っているその時、執務室の扉が勢いよく吹き飛んだ。
「ガハハハハハハハハハハ!! いやぁ、まさかあいつが本当にルフィの船に乗っちまうとはな!」
「ガァーーープ!!! 貴様のせいだぞ、このボケナスめが!! あのルーサスを海軍に引っ張ってきたのは貴様だろ! なぜあいつが海賊などになっているんだ!!」
「いやぁ、わしも驚いたわい! ルフィが『俺の船の参謀になる男だ!』って連れ回してたのは知っとったが、まさか本気で海軍の未来を蹴ってついていっちまうとはな! ガハハハ!」
大笑いしながら鼻をほじりつつ入ってきた海軍中将モンキー・D・ガープの手には、まったく同じ号外の新聞が握られていた。ガープは豪快に笑い飛ばしながらも、その眼の奥で苦い光を走らせる。
((盤上の規格外)ルーサス……か。昔から怪物じみた頭脳と物理制御の才能を持っておったが、海軍の大将になれる特等席を自ら捨て、あえてルフィの隣で世界をひっくり返す道を選ぶとはな。……まったく、最高に厄介で愉快なコネをドブに捨ててくれたもんじゃわい)
◇
**【其之参:グランドライン某所の海域・赤髪海賊団の船上】**
「おいおいマジかよ……おいシャンクス! 見ろこれ!!」
赤髪海賊団の主砲とも言える巨漢、ラッキー・ルゥが骨付き肉を放り出し、手配書を両手で持って甲板を駆け回った。
「ん? どうしたルゥ、そんなに慌てて」
麦わら帽子を預けた男、赤髪のシャンクスが酒樽を片手に陽気な笑みを浮かべる。その隣では、世界最強の剣士――鷹の目のミホークが、静かにワイングラスを傾けていた。
ラッキー・ルゥが突き出した手配書を見て、シャンクスは目をパチクリとさせ、次の瞬間――吹き出すように大爆笑した。
「ハハハハハハハハッ!! すげぇ! すげぇぞルフィ!! ついに初手配書だ! それも幼馴染のルーサスと一緒に、いきなり3000万ベリーじゃねぇか!!」
「……ほう」
ミホークが冷ややかな黄金の瞳を向け、もう一枚の手配書の文字を拾う。
「『盤上の規格外』ルーサス……か。ルフィの幼馴染であり、傍らにいる参謀らしいが、手配書の裏書きを見る限り、アーロンの一味を海ごと隔離し、物理法則を無視した氷壁を作り上げた男か。……船長が力で暴れ、幼馴染の参謀が理不尽なまでの物理制御で盤面を支配する。面白いコンビだな」
「おっ、ミホークも気に入ったか?」
シャンクスはニカッと満面の笑みを浮かべ、ルフィの顔写真とルーサスのクールな顔写真を交互に見つめた。
「ルフィの予測不能な突撃と、幼馴染であるあいつの冷徹な頭脳と規格外の能力……東の海から、とんでもねぇ嵐がグランドラインに向かってきやがるぞ!」
ミホークはワイングラスを静かに置き、遠くの水平線を一瞥した。
「……あのガキ共が、どこまで世界をひっくり返すか、見ものだな」
◇
**【其之肆:海軍訓練施設・コビーとヘルメッポ】**
「ひ、ひえぇぇぇぇっっ――!!! ル、ルフィさんと……幼馴染のルーサスさんが、揃って3000万ベリーの海賊にぃぃぃっ!?」
海軍の訓練施設の一角。海軍に入隊し、日々過酷な雑用と鍛錬に明け暮れていたコビーが、届いたばかりの手配書を見て腰を抜かし、ひっくり返った。
隣にいたヘルメッポも、目玉を飛び出させて手配書を凝視している。
「おいおい嘘だろ……!? 初額で3000万なんて、東の海じゃ聞いたこともねぇぞ! しかもルフィと同じ3000万ベリーで、島を丸ごと氷漬けにした化け物参謀……!」
コビーはガタガタと震えながらも、その胸の内に熱いものを込み上げさせていた。
(ルフィさん……! そして、いつも一緒にいたルーサスさんも……! すごい、すごいです! でも、こんなに高い懸賞金がついてしまったら……いつか本当に、海軍本部の大勢の人たちと戦うことに……!)
コビーが拳をぎゅっと握り締める横で、ヘルメッポが冷や汗を流しながら呟いた。
「おいコビー、あんなバケモノコンビに関わってたお前、よく無事でいられたな……」
◇
**【其之伍:偉大なる航路手前・スモーカーの執務室】**
そして――すべての情報が収束する場所。
ローグタウンの海軍支部執務室で、白煙をくゆらせながら手配書を眺める男がいた。
海軍本部准将、スモーカーである。
スモーカーの傍らには、愛刀『時雨』を携えたたしぎ少尉が緊張した面持ちで立っていた。
「スモーカーさん、その……麦わらのルフィと、その幼馴染で参謀のルーサスという海賊ですが、東の海でアーロンの一味を壊滅させ、さらに島の周囲の海を氷結させるほどの物理制御を見せたとのことです……! 懸賞金は二人とも同額の3000万ベリーです!」
スモーカーは葉巻の煙を長く吐き出し、険しい顔つきで机を叩いた。
「フン……東の海を『最弱の海』と侮っていたが、とんでもない新人が現れやがったな。賞金同額の船長と参謀……しかも幼馴染のコンビか。ルフィの底知れぬ破壊力と、ルーサスとかいう男の『規格外の物理制御能力』。――待て」
スモーカーがふと、手配書に書かれたルーサスの名前と経歴を二度見した。
「……ルーサスだと? まさか、かつてガープ中将が海軍本部に連れてきて、将来の大将候補として特例で仮面を被らせて技術や作戦の補佐をさせていた、あの天才児か……!? 海軍の将来を担うはずのコネを自ら捨てて、あんな海賊の船に乗り込みやがったのかあの野郎……っ!」
スモーカーは苛立ちまぎれに葉巻を灰皿に押し潰し、立ち上がってコートを翻した。
「おい、たしぎ。部隊の準備をしろ。ローグタウンを訪れているあの麦わらの一味を、一匹たりともグランドラインへ通すわけにはいかん。……海軍の未来を裏切ったその『天才児』の首もまとめて、この俺が叩き落してやる」
フーシャ村のマキノや村長、コルボ山のダダンたちが驚愕し、海軍本部ではセンゴクが頭を抱えてブチギレ、世界中の強者たちがルフィと元・大将候補の天才児「盤上の規格外」ルーサスの名を刻んだダブル3000万ベリーの衝撃。
物語は、いよいよローグタウンでの激熱な直接対決へと突入していく――!
ご覧いただきありがとうございました!
第35話は「ルフィ&ルーサス初手配書」に対する世界中の人々の大反響編をお届けしました!
ルフィを育てたフーシャ村のマキノさんや村長、コルボ山のダダンたち山賊団の驚きに加え、海軍本部ではセンゴクが「かつてガープが連れてきた大将候補の天才児(ルーサス)が海軍のコネを捨てて海賊になったこと」にブチギレ、当のガープは豪快に笑い飛ばし、赤髪海賊団やコビー、そしてローグタウンのスモーカー准将までが激震に見舞われる大ボリューム回です!
次回第36話からは、いよいよローグタウン本編!スモーカー准将との激突と、ルーサスの能力がロギア(自然系)にどう挑むのかを描いていきます!
※今作のルフィは「敵の全力を引き出しつつ自分も戦いを楽しむ」ために、あえて初手から全力を出さずに力をセーブするスタンス(ドラゴンボールの孫悟空スタイル)をとっています。参謀ルーサスだけがその本質を見抜いている信頼関係にもぜひご注目ください!
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