【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
記念すべき第50話を迎える今回は、アラバスタ編のクライマックスへと直結する大ボリュームの潜入&罠回です!
犯罪の都レインベースに到着した麦わらの一味を待ち受ける、B.W.(バロックワークス)の巧妙な罠。そして、サー・クロコダイルが君臨する黄金のカジノ「レイン・ディナーズ」で、海軍のスモーカー大佐や部下のたしぎと共に水牢の雨地獄へ叩き落とされる絶望の密室劇と、ルーサスのハックによる脱出を描きます!
どうぞお楽しみください!
砂漠の過酷な行軍を抜け、麦わらの一味の眼前に突如として現れたのは、ギラギラとしたネオンと贅沢な建造物が立ち並ぶ人工のオアシス都市――犯罪の都『レインベース』だった。
「うおーーっ! すっげぇ街だ!! なんか色々な色ががピカピカ光ってるぞーーっ!!」
砂漠の乾きから解放されたルフィが、目を輝かせて街の雑踏へと駆け出そうとする。
「ちょっとルフィ、はしゃぎすぎないでよ! ここはバロックワークスの連中がうろつく敵の本拠地なんだからね!」
ナミが慌ててルフィの襟首を掴んで引き戻す。
ルーサスは冷徹な視線で街の監視カメラや警備体制の網をスキャンし、周囲の電磁波の乱れから敵の通信拠点のおおよその位置を割り出していた。
「……街全体が極めて高度な情報統制下にある。クロコダイルの所有するカジノ『レイン・ディナーズ』を中心に、住民の動向がすべて監視されているな」
一味が警戒を強めながら街を進む中、目的地である街一番の巨大かつ豪奢な黄金のカジノビル――**『レイン・ディナーズ』**の正面玄関へとたどり着いた。
「ここが……クロコダイルの巣窟……!」
ビビが固唾をのんで見上げる。
「よし、乗り込むぞーーっ!」
ルフィが相変わらずのマイペースで正面玄関から突撃しようとしたその瞬間、カジノの自動扉がガシャアァァンと音を立てて開き、中から大量のバロックワークス高級エージェントたちが武器を構えて飛び出してきた。
「お待ちしておりましたよ、麦わらのルフィに……そして、『盤面の規格外』ルーサス!」
待ち構えていたかのように、大量の銃口が一味を射抜く。
しかし、ルーサスが瞬時に右手を掲げ、周囲の空間ベクトルを固定する。
「――空間固定。全弾の運動エネルギーをゼロに収束する」
ズズン……! と空中で弾丸がピタリと停止し、次の瞬間、パラパラと無力な音を立てて床へと落下した。
「なっ……!? 弾が止まっただと……!?」エージェントたちが驚愕に目を見開く。
「雑魚の相手をしている暇はない。突破するぞ」
ゾロが刀の柄に手をかけ、サンジが鮮烈な足技で敵の群れを次々と蹴散らしていく。ルフィも「おりゃあ!」とゴムゴムの拳でエージェントたちを次々と壁の向こうへ吹っ飛ばし、一味は一気にカジノの最深部へと突入していった。
◇
たどり着いたのは、薄暗く、不気味な熱気を帯びた広大な地下の監禁室のような空間だった。
「よくぞここまでたどり着いたな、麦わらの小僧ども……そして、厄介な『規格外』さんよ」
頭上の貴賓席から、葉巻の煙をふかしながら冷酷に微笑む男が姿を現した。
王国を裏から崩壊させようとする七武海――**『サー・クロコダイル』**その人だった。
「クロコダイルーーーっ!!!」
ビビが怒りと憎しみのあまり、叫び声を上げて突進しようとする。
クロコダイルは不敵に笑い、カジノの分厚い鉄製の格子を閉ざすレバーをガチャンと引き下ろした。
ガシャアァァァンッ!!
一味の周囲を取り囲むように、幾重もの巨大な海楼石を混ぜ込んだ特殊な鉄格子が天井から落下し、ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、チョッパー、ビビ、そしてルーサスを完全に閉じ込めてしまった。
さらに――その隣の牢獄には、先ほどまでナノハナで交戦していたはずの海軍本部大佐――**『スモーカー』**と、部下の**『たしぎ』**の姿もあった。
「……っ! 貴様らは海軍の……!」ナミが息を呑む。
「大佐ぁ……! 私たち、一体どうしてこんなところに……っ!」たしぎが鉄格子を必死に揺らしながら青ざめた顔で叫ぶ。
スモーカーは葉巻を強く噛み締めながら、忌々しそうに吐き捨てた。
「……くそっ! 罠に嵌められたか……! 麦わらに、『盤面の規格外』……! 貴様らもこのワニ野郎の罠にかかったか……!」
「ハハハ海軍の大佐殿もご招待とはな。この街の警察も軍も、すべて俺の手のひらの上で踊っているのさ」
クロコダイルが冷酷な瞳でガラスの向こうから見下ろす。
カジノの壁面から、不気味な機械音が響き渡る。
ゴゴゴゴゴ……! と水門が開き、大量の水が一気に地下室へと流れ込み始めた。
「な、水……!? 水が押し寄せてくるわ……!!」
ナミが恐怖に顔を青ざめさせる。悪魔の実の能力者であるルフィやスモーカー、そして檻に閉じ込められた者たちが水底へと沈もうとしていた。
「海水だ……! 海楼石の檻の中で海水に浸かれば、能力者は一巻の終わりだぞ……!」スモーカーが歯噛みする。「大佐ぁ、息が……!」たしぎが水に浸かりながら必死にもがく。
「ハハハハ! 砂漠の街で溺れ死ぬ絶望を味わうがいい! 麦わらのルフィ、海軍大佐スモーカー、そしてすべてを計算づくで気取っていた『規格外』の参謀よ、お前たちの知性も、この水底ではただのゴミ屑に変わるのだ!」
みるみるうちに水位が上がり、ルフィたちの腰まで水が浸かっていく。
「くそっ……! 体が……動かねぇ……!!」ルフィが水の中で力なくもがく。
絶体絶命の危機――仲間たちが恐怖と水圧に飲み込まれそうになるその瞬間。
ルーサスだけは、冷徹な眼鏡の奥の瞳を微動だにさせず、流れ込む水の水圧と、鉄格子の応力歪みのデータを脳内で高速演算していた。
「……フッ。水流の圧力、および合金の引張強度データ、すべてインプット完了した」
クロコダイルの冷笑が響き渡る中、ルーサスが静かに右手を鉄格子へと向けた。
「――空間干渉・構造破壊ハック。この程度の密室劇、一瞬で書き換えてやろう」
すべての運命が水底へと沈むその刹那、『盤面の規格外』の指先から放たれた青白い光が、レイン・ディナーズの鉄の檻を完全に粉砕し、地下室の壁ごと水流を一気に外へと解放する――!
ご覧いただきありがとうございます!
記念すべき第50話をお読みいただきありがとうございます!
犯罪の都レインベースへの到着、カジノ「レイン・ディナーズ」への突入、そして海軍のスモーカー大佐やたしぎたちも巻き込んだクロコダイルの絶望的な「水の檻(雨地獄)」の罠と、ルーサスによる鮮烈な構造破壊ハックの脱出を描かせていただきました!
ところで、読者の皆様にお知らせがございます。
これまでも不定期で1日に10話ほどハイペースで投稿してまいりましたが、現実の仕事や生活の方が非常に忙しくなってしまいましたため、今後は1日に投稿できるお話の数が少なくなってしまいます。
楽しみにしてくださっている読者様には大変申し訳ございませんが、自分のペースでしっかりと執筆を続けてまいりますので、今後とも何卒よろしくお願いいたします!
次回第51話では、水地獄からの決死の脱出劇、スモーカーとの奇妙な共闘、そしてクロコダイルとの直接対決が待つアルバーナへの最終決戦へ突入します!
どうぞお楽しみに!
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