【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第52話は、王都アルバーナへの到着からバロックワークス最高幹部たちとの激闘までを一網打尽でお届けする超大ボリューム回です!
数万の反乱軍と国王軍が迫る中、ビビを宮殿へ届けるために立ち上がる麦わらの一味。ゾロvsMr.1、サンジvsMr.2、ウソップ&チョッパーvsMr.4&ミス・メリークリスマスの激闘、そしてルーサスの科学的アプローチが交錯する白熱のバトルをお楽しみください!
砂嵐が吹き荒れる広大な砂漠を突き抜け、麦わらの一味の眼前に、ついに目指す巨岩の城塞都市――王都『アルバーナ』がその全貌を現した。
「見えた……! アルバーナよ……!!」
ビビが風に髪をなびかせ、悲痛な叫びを上げる。
すでに街道の向こうからは、地鳴りのような響きが聞こえていた。コーザ率いる反乱軍の数万の軍勢が、狂気と誤解に突き動かされたまま、凄まじい砂塵を巻き上げてこの王都へと進撃してきているのだ。
「時間がないわ……! コーザたちの進撃を止めないと、本当に国が滅びちゃう……!」
ナミが青ざめながら叫ぶ。
ルーサスは静かに手を掲げ、アルバーナ全体の構造と空間データを脳内演算で立体展開した。
「……反乱軍の突入ポイントは、主に『南門』および『西門』だ。対する国王軍も全戦力を配置しつつある。このまま衝突すれば、最初の激突だけで数千の犠牲が出る計算になる」
「ルーサス! 何か、何か止める方法はないの!?」
ビビがルーサスの衣服を強く掴み、すがるような瞳で見上げる。
ルーサスは冷徹だが、力強い眼光でビビを見つめ返した。
「安心しろ、ビビ。俺たちの目的は『この国のプログラムの正常化』だ。……作戦を伝える。お前は宮殿へと一気に上がり、国王軍の指揮系統を直接抑えろ。反乱軍との直接の接触はリスクが高すぎる」
「でも、コーザたちに真実を伝えないと……!」
「――真実の伝達は、物理的に最も伝達効率の高い方法で行う」
ルーサスが大気中の微細な振動波形データを指し示す。
「俺の『絶対領域』を増幅し、大気中の電磁波と音波をハックする。王都全体に、お前の声を広域指向性スピーカーのように全方位へ直接共鳴発振させる。お前が宮殿の屋上から叫べば、アルバーナ全体の戦場へお前の声が届く仕組みだ」
「私の声が……戦場全体に……!?」ビビが目を見張る。
「そうだ。だが、それまでの間、お前を無事に宮殿へ送り届ける必要がある。そして――向こうも手ぶらで待ってはいないようだ」
サンジが煙草に火をつけながら、鋭い視線を街道の物陰に向けた。
「……出て来いよ。コソコソ隠れてねぇでよ、バロックワークスのクソ野郎ども」
砂煙の中から、続々と不気味な気配を纏った影たちが現れる。
全身を刃物に変える暗殺者――**Mr.1(ダズ・ボーネス)**。
指先から針を突き出す――**ミス・ダブルフィンガー**。
変幻自在の変身能力を持つ――**Mr.2(ボン・クレー)**。
そして巨大なバットを担いだ怪力――**Mr.4**と**ミス・メリークリスマス**。
バロックワークス最高幹部陣が、一味の行く手を完全に塞ぐように陣を敷いていた。
「クハハ……クロコダイル様からの指令だ。王女ビビの首と、お前たち残党をここで全員片付ける」
Mr.1が冷酷に腕を交差させ、鋭い金属音を響かせる。
「ビビちゃんを行かせるわけにはいかないわよ凡様たち!」Mr.2が奇妙なポーズを決める。
一瞬にして緊張が走り、空気の圧力が跳ね上がる。
「ビビ、ナミ! ここは俺たちに任せて先に行け!!」
サンジが前方に立ち塞がるB.W.幹部たちを睨みつける。
「でも……!」躊躇するビビの背中を、ルーサスが静かに押した。
「行くぞビビ。俺が宮殿の最上階まで最短ルートで護送する。――各自、敵の撃破および排除を完遂せよ!」
「任せとけ!!」
一味が二手に分かれた瞬間、B.W.の刺客たちが一斉に襲いかかった!
◇
**【ゾロ vs Mr.1(ダズ・ボーネス)】**
「逃がさんぞ、王女」
全身を刀剣に変える『スパスパの実』の刃物人間、Mr.1が冷酷に立ち塞がる。その腕がシャキィンと研ぎ澄まされたスチールの刃へと変貌した。
「おいおい、お前の相手は俺だ」
ゾロが三本の愛刀を抜き放ち、前へ出る。
「フン、剣士か。だが無駄だ。俺の体は硬い『スチール(鋼鉄)』そのもの。人間が斬れる代物ではない」
Mr.1が踏み込み、腕を振り抜く。**「『微塵斬(スパイダー)』!!」**
ドガガガガッ!!
建物ごと切り刻む凄まじい刃の嵐。ゾロは刀で防ぐが、その強烈な硬度と質量に押し込まれ、足元の石畳が砕け散る。
「くっ……! 確かに硬ぇ……!」
刀を弾かれ、手首に痺れが走るゾロ。
その攻防を一瞬で見抜いたルーサスが、離れ際に冷徹な声で助言を飛ばす。
「――ゾロ! 敵の分子構造は単なる炭素鋼だ。硬度を力で上回ろうとするな。物質が固有に持つ『振動の節目(クラック・ポイント)』を見極めろ!」
「……固有の振動……だと……?」
ゾロの瞳が鋭く光る。ルーサスの科学的な示唆が、ゾロの中で「物の息吹を知る」という剣士の境地と見事に合致した。
「そうか……呼吸か……! 呼吸を聴くってのはそういうことか……!」
ゾロが深く息を吐き、構えを低く整える。
「いくぞ鋼鉄野郎……! 俺はお前を斬って、さらに上の領域へ行く!!」
「戯言を! **『滅裂斬(スパーリング・ダイス)』!!**」
全身を刃に変えて突進してくるMr.1に対し、ゾロは静かに一本の刀を静寂の中で振り抜いた――!
◇
**【サンジ vs Mr.2(ボン・クレー)】**
「あ~れ~、逃がさないわよ男たち! ワタシのオカマ道を甘く見ないでちょうだい!」
バレエの衣装を纏ったMr.2(ボン・クレー)が、流麗かつ変幻自在の蹴り技で立ち塞がる。
「女の顔に化ける卑怯な真似をしやがって……! だがな、その脚使い……ただのオカマじゃねぇな!」
サンジが激しい炎のような蹴りを叩きつける!
「当然よ! ワタシの**『オカマ拳法』**を食らいなさい! **『あの夏の日の回顧録(メモワール)』!!**」
ガカンッ! ドゴォンッ!!
空中で激突する二人の脚。サンジの鋭く重い蹴りと、Mr.2の柔軟かつトリッキーな回転蹴りが熾烈な空中戦を繰り広げる。
「ビビちゃんの国を守るためだ! 邪魔立てする奴は、男だろうとオカマだろうとブッ飛ばす!!」
「フン! 友情のために戦うのはアンタだけじゃないわよ! ワタシの友情の舞を見せてあげるわ!!」
互いのプライドと信念を賭けた熱き蹴り技の応酬が、アルバーナの街角を吹き荒れていく!
◇
**【ウソップ&チョッパー vs Mr.4 & ミス・メリークリスマス】**
「うわああああっ! 地面からオババが飛び出してきたぞーーっ!?」
モグラ人間であるミス・メリークリスマスが地中から急襲し、ウソップの足元をすくい上げる!
「キャハハハ! 逃がさないよバカ息子! Mr.4、ぶちかましな!」
「あ……い……」
巨大なバットを持った巨漢Mr.4が、銃の付いた犬(ラッスー)の吐き出す爆弾野球ボールをフルスイングで打ち込んでくる!
ドカーーーンッ!!
「ひいいいっ! 爆弾が飛んできた!!」
「ウソップ! 僕が角強化(ホーンポイント)で掘り返して援護する!!」
恐怖に震えながらも、チョッパーとウソップは互いの弱点を補い合い、知恵と勇気を振り絞って強敵ペアへと立ち向かう!
◇
「みんな……!!」
仲間たちが命を賭して道を切り開く姿に、ビビは涙を拭い、前を向いた。
「泣いている暇はないぞ、ビビ。……行くぞ、宮殿へ!」
ルーサスが絶対領域を展開し、迫り来る雑兵の群れをベクトル弾きで吹き飛ばしながら、ビビと共に王都の階段を一気に駆け上がっていく。
反乱軍の突入まで、あとわずか――。
アルバーナの各地で激化する仲間たちの死闘を背に、真実を届けるための最後の疾走が始まった――!
ご覧いただきありがとうございます!
第52話をお読みいただきありがとうございます!
王都アルバーナへの到達から、バロックワークス最高幹部たちとの全戦局の決戦配置を一まとめにして描かせていただきました!
反乱軍の地鳴り、ルーサスの広域電磁波音波ハック作戦の提示、ゾロvsMr.1の「鉄を斬る(呼吸・振動)境地」、サンジvsMr.2の蹴り技対決、そしてウソップ&チョッパーの奮闘と、アルバーナ開戦の熱い熱量を詰め込んでおります!
次回第53話では、ビビとルーサスが宮殿最上階へ到達! 反乱軍と国王軍の衝突を止めるための「広域電磁波音波ハック作戦」が発動します!
どうぞお楽しみに!
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