【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第55話は、アラバスタ編のラストを飾る後始末と感動の出航スペシャルです!
宮殿での大宴会にて、ルーサスが全員に贈る特製腕輪! 海軍の包囲網を破る脱出劇、そしてビビとの永遠の絆を誓う「腕輪が輝く左腕の×印」の名シーンをお届けします!
どうぞお楽しみください!
アラバスタに恵みの雨が降り注いでから数日――。
激闘の傷を癒やしたアルバーナの宮殿では、国王コブラの主宰による盛大な復興と勝利の宴が開かれていた。
「肉だぁぁぁぁーーーっ! 肉持ってこーい!!」
「酒だ酒ぇ! 飯が足りねぇぞ!!」
大広間では、ルフィとゾロが浴びるように肉を食べ、酒を煽っている。ウソップとチョッパーは鼻に箸を突っ込んでドジョウすくいを踊り、サンジは給仕の侍女たちにメロメロになりながら極上の料理を振る舞っていた。
そんな狂乱のどんチャン騒ぎの中、ルーサスが静かに黒いケースを抱えて大広間の中心へと歩み出た。
「おい、宴のバカ騒ぎの途中で失礼する。……全員、手を止めろ」
ルーサスの冷徹だがどこか誇らしげな声に、ルフィたちが肉を咥えたまま振り向く。
ルーサスがケースを開けると、そこには人数分の青いプラズマ光を放つ金属製の腕輪(アームレット)が収められていた。
腕輪の表面には、麦わらの一味の象徴である**『麦わら帽子とクロスした骨のトレードマーク』**と、アラバスタで刻んだ絆の証明である**『×の刻印』**が、洗練された白金デザインで刻み込まれている。
「うおっ!? なんだこれ! めっちゃカッコいいぞ!!」
ルフィが目を輝かせて飛びつく。
「ルーサス、これは一体何なんだ?」ゾロが酒瓶を置いて腕輪を持ち上げる。
ルーサスは手に取った腕輪を示しながら、いつもの知的な口調で解説を始めた。
「――【多機能戦術デバイス・トレードマークアームレット】だ。全員の左腕に装着しろ。主要動力源には、俺が前世の物理知識と電磁重力理論から設計した超小型プラズマ融合炉……言わば『アーク・リアクター』を組み込んである」
「あーく・りあくたー……!?」チョッパーとウソップが目を丸くする。
「簡単に言えば、永久機関に近い無制限の超高出力エネルギー源だ。で、お前たちが怪しまないように、外部への説明としては『俺が食べた特殊な悪魔の実の能力で作った錬金術ガジェット』ということにしてある」
「すっげえええぇぇ!! 悪魔の実の力なのか!!」ウソップが大興奮で腕輪を左腕に装着する。
ルーサスはニヤリと知的な笑みを浮かべ、さらにその驚異的な機能を説明した。
「機能は主に二つある。一つは、悪魔の実の能力者や戦闘員の入力を物理拡張する『能力補助・出力増幅機能』だ。そしてもう一つは――」
ルーサスが腕輪の『×』の刻印を軽くタップすると、周囲の空間が一瞬にして青いホログラムに包まれ、美しい仮想現実(VR世界)が全員の脳内にダイレクトに展開された!
「うわああああっ!? なんだここ!? 海の中にいるみたいだぞ!!」
「凄いわ……! 視覚も触覚も完璧に再現されたバーチャル世界……!?」ナミが息を呑む。
「この腕輪のボタン一つで、離れた場所にいても全員がいつでも俺の構築した『全感覚共有型VR世界』へとダイブと通信ができる。宴の続きをやってもいいし、VR空間内で安全に極限の戦闘訓練(シミュレーション)を行うことも可能だ。そして何より――アラバスタに残る思うビビにもこれを渡してある」
「ビビにも……!?」ルフィの瞳が大きく見開かれる。
「そうだ。この腕輪がある限り、距離など物理的な障害に過ぎん。ビビはいつでもVR空間を通じて、俺たちと会って会話や俺たちが体験した冒険ができる仕組みだ」
「ルーサス……お前、最高だなっ!!!」
ルフィが爆笑しながらルーサスの首に抱きつき、一味全員が歓声を上げて左腕に腕輪を装着した。
その狂乱の輪から少し離れた陰で、様子を見ていたニコ・ロビンが可憐に微笑みながらルーサスに近づいてくる。
「……ふふ、本当に恐ろしい科学力ね。『悪魔の実の能力』なんて偽装で誤魔化すには、あまりにも時代を超越しているわ」
ルーサスは淡々と応じる。
「物理法則に従っているに過ぎん。……お前にも一つ用意してある、ロビン。一味に同行するなら受け取れ」
ロビンは驚いたように目を見開き、そして愛おしそうに左腕に腕輪を装着した。
「……ありがとう、頼もしい参謀さん」
◇
宴が終わり、夜が明けた頃――。
海軍少将ヒナ率いる軍艦群が、アルバーナからの脱出港である東の港を完全に包囲していた。
「脱出ルートに海軍の艦隊か。面倒な害虫どもだな」
ルーサスが絶対領域を微弱発振させ、周囲の警戒網を即座にハックする。
「行くぞ野郎ども! 東の港を突破する!」
ルフィの号令と共に、麦わらの一味は宮殿を抜け出し、海軍の包囲網を突破すべく港へと疾走した。
「逃がさないわよ、麦わら!」
立ち塞がるヒナの『オリオリの実』による鉄の檻の挟み撃ち。だが、そこへ躍り出たのはルーサスだった。
「――【ベクトルの空間屈折(ベクトル・ディフレクション)】」
バチバチッ!
ルーサスが空間の曲率をハックし、ヒナの放った鉄の檻の進行方向を完全に歪めて海軍自身の船へと跳ね返した!
「なっ……!? 攻撃が曲がった……!?」驚愕するヒナ。
「さらに――【電磁煙幕(エレクトロ・スモーク)】」
ルーサスが大気中の微粒子を強制帯電させ、海軍の視界と通信電波を完全にシャットアウトする漆黒の濃霧を発生させた。
サンジとゾロが海兵たちを蹴散らし、ゴーイング・メリー号は無事に東の港から大海原へと滑り出した。
◇
そして――海岸線の岩場。
そこには、変装したカルーに乗り、涙を浮かべて立ち尽くすビビの姿があった。
その彼女の左腕にも、ルーサスから贈られた**『アーク・リアクター搭載・トレードマークアームレット』**が美しく輝いている。
「みんなーーーーっ!!」
船の上から、ルフィ、ナミ、ゾロ、サンジ、ウソップ、チョッパー、ロビン、そしてルーサスがビビを見つめる。
ビビは拡声器を手に、溢れ出る涙を拭いながら叫んだ。
「私……一緒には行けません! 今まで本当にありがとう……! 冒険はまだしたいけれど……私、やっぱりこの国を愛しているから! この国を立て直さなきゃいけないから!!」
風がビビの髪を揺らす。ビビは声を張り上げて、魂の底から問いかけた。
**「いつかまた会えたら……! もう一度、仲間と呼んでくれますか!!!?」**
その問いに、海軍の監視が周囲にある中で、ルフィが口を開こうとした――その瞬間、ルーサスが静かに首を振った。
「待て、ルフィ。声を出せば海軍にお前とビビの関与が証明され、王女の立場が危うくなる。……言葉は不要だ」
「おう……! 言葉はいらねぇな!」
ルフィの力強い頷きと共に、一味全員――ルフィ、ゾロ、ナミ、ウソップ、サンジ、チョッパー、ロビン、そしてルーサスが、静かに背を向けた。
カチッ……!
全員が左腕を天高く掲げた瞬間、装着された腕輪のアーク・リアクターが青く神秘的なプラズマ光を放ち、刻まれた**『麦わらのトレードマーク』**と**『×の刻印』**が、空に向かって眩しく輝き輝いた!
声を出さず、ただ背中で、そして左腕に光る【絆の腕輪】で示す絶対の約束。
『言葉など届かなくても、この腕輪で俺たちはいつでも繋がっている――』
「みんな……っ……!!」
海岸でそれを見たビビは、ポロポロと大粒の涙をこぼしながら、自らの左腕の腕輪を強く握り締め、青く光る『×』の刻印を天高く掲げて、愛する仲間たちの旅立ちを見送った。
◇
大海原を進むゴーイング・メリー号の甲板。
ビビとの感動的な別れの余韻が残る中、ルフィは晴れやかな笑顔で左腕の腕輪を見つめ、空を見上げた。
「ししし! ビビとはVR世界でいつでも会えるしな! さあ! 次の冒険へ出発だーーーっ!!」
「まったく、ルーサスのおかげで寂しくないわね」ナミが微笑む。
船首の羊首の横に立つルーサスは、手元の端末で上空の異常な気圧配置と重力波を観測していた。
「……ルフィ。浮かれている暇はないぞ。上方高度からの大気歪みが急激に増大している」
「へ? ルーサス、何かあんのか?」
ルーサスが指し示した頭上の空――突如として雲が割れ、巨大な影が音を立てて落下してきた。
「――上方高度8000メートルからの自由落下物体を確認。……『空』から巨大な船が落ちてくるぞ」
「うわああああっ!? 空から船が降ってきたあぁぁぁーーっ!?」
アラバスタの激闘と絆を胸に刻んだ麦わらの一味の前に、次なる未知なる冒険――『空島編』への壮大な扉が、いま新たな衝撃と共に開かれようとしていた――!
ご覧いただきありがとうございました!
第55話をお読みいただきありがとうございます!
アラバスタ編の最後を飾る、大宴会、アーク・リアクター駆動のトレードマーク&×印腕輪の登場、海軍脱出、そして腕輪が眩しく光る「左腕の誓い」の別れを描かせていただきました!
ルーサスの科学力でいつでもVR空間でビビと会える仕様になり、切なくも前向きで最高に熱いアラバスタ完結編となりました。
次回第56話からは、空島への手がかりを求めて「ジャヤ島」へと向かう新たな大冒険が始まります!
どうぞお楽しみに!
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