【ONE PIECE】電気(ことわり)を統べる者 〜海賊王の右腕となる雷の能力者〜 作:フォレスティアル
第6話は、サボの隠された過去(ゴア王国貴族としての出自)と、なぜ不確定物の終着駅(グレイ・ターミナル)が焼き払われようとしているのか――天竜人の来訪と貴族たちの恐ろしい陰謀が明かされる回です!
コルボ山の主を倒し、俺たち四人の絆と実力は日増しに強まっていた。
だが、平和な森の日常の裏で、ゴア王国という国家の醜い闇が着実に忍び寄っていた。
ある日の昼下がり。
秘密基地の近くで一休みしていた時、サボがどこか重い面持ちで地面を突っついていた。
「……なぁ、お前たちはさ……『貴族』ってどう思う?」
「貴族? あんな連中は自分勝手で、汚ねぇことばっかやってるクズの集まりだろ!」
ルフィが迷いなく言い放つ。その言葉に、サボは苦しそうに顔を歪めた。
(サボが自分がゴア王国の貴族――オウタ伯爵家の人間であることを隠しているのは知っている。だが、そろそろ限界か……)
俺は静かにサボに歩み寄り、その肩にそっと手を置いた。
「血筋や身分が人間を決めるわけじゃない。サボ、お前が誰であろうと、俺たちの兄弟である事実は微塵も変わらないさ」
「……っ、ルーサス……ありがとな」
サボは救われたように目元を拭ったが、その翌日、最悪の形で事態は動いた。
◇
街へ出かけていたサボが、いつまで経っても森へ戻ってこなかった。
「おかしいな……サボの奴、いくらなんでも遅すぎるぞ」
エースが眉をひそめる。
見聞色の感覚を広げていた俺の脳裏に、嫌な気配が引っかかった。
サボの気配が、中心街(高台の貴族街)の方角へ、大勢の大人たちに囲まれたまま移動していたのだ。
「サボは……連れ戻されたんだ。実の父親と、ブルージャム海賊団の手によってな」
「なっ……!? 実の父親だぁ!?」エースとルフィが目をむく。
サボは貴族の家から逃げ出してきた身だった。サボの父親は、逃げ出した息子を捜し出すためにブルージャムに金を払い、強引にサボを買い戻すように連れ去ったのだ。
そして、それ以上に恐ろしい情報が、見聞色で探った街の兵士たちの雑談から俺の耳に飛び込んできた。
(――数日後、世界貴族『天竜人』の視察船がこのゴア王国へやってくる……だと?)
世界を統べる特権階級・天竜人。
選民思想の塊である天竜人をお迎えするにあたり、ゴア王国の国王と貴族たちは「国の恥部」と考えた不確定物の終着駅(グレイ・ターミナル)――すなわち広大なゴミ山とそこに住む貧民たちを、視察団に見られる前に『丸ごと焼き払って清掃する』という狂気の発想に至ったのだ。
その大規模な放火工作を請け負ったのが、貴族の称号と引き換えに手を汚すブルージャム海賊団だった。
「……天竜人に綺麗な国を見せるためだけに、ゴミ山ごと人間を焼き殺す気か……!」
俺の説明を聞いたエースの全身から、メラメラと激しい怒りの波動が立ち昇る。
「許せねぇ……! 住民も、ゴミ山も、サボの思い出も全部焼き殺す気かよ!!」
「サボを助けて、あのクズどもを全員ブッ飛ばすぞ!!」
ルフィも怒りで顔を真っ赤にして拳を握りしめた。
◇
その頃、高台の豪華な屋敷に閉じ込められていたサボは、父親や周囲の貴族たちの会話から「グレイ・ターミナル焼却計画」の全貌を知り、絶望に打ちひしがれていた。
「やめろ……! やめてくれ父さん! あそこには人が住んでるんだ! エースやルフィ、ルーサスもいるんだぞ!!」
「だまりなさいサボ! あんなゴミ溜めの住民など人間ではない! 国を美しく保つための害虫駆除だ!」
冷酷に切り捨てる父親の姿に、サボはポロポロと涙をこぼしながら、屋敷の鉄格子を叩いた。
「自由なんてどこにもねぇ……! ここはゴミ山より汚ねぇ、人間の腐った匂いがする街だ……!!」
夜が訪れ、ついにグレイ・ターミナルに放火の火の手が上がった。
赤々と夜空を染め上げる巨大な業火。街の高台からそれを見下ろす貴族たちは、「これで国が綺麗になる」と嘲笑っていた。
だが――彼らはまだ知らなかった。
その燃え盛る地獄の炎の中に、理(物理)を統べ、絶対ゼロ度の静寂をもたらす『悪魔』が解き放たれたことを。
「行くぞ、エース、ルフィ。炎も、ブルージャムも、腐った貴族の陰謀も……俺の電磁界ですべて凍りつかせてやる」
絶望の火の海へと、俺たち三人は颯爽と飛び込んでいった。
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次回はついにルーサスのチート能力『熱運動の強制停止(絶対零度領域)』による無双消火と、ブルージャム一味の壊滅、そして革命軍ドラゴンとの接触へ向かっていきます!