デスノイフ 月がリュークに名前書かれる直前から   作:never learns

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無様に這いつくばる月、否、キラ

 

 

「こ、殺せ! 誰か こいつらを 殺せー!」

 

 

 

 誰もが白けた目で見つめる中その声は響いてきた

 

「いいだろう」

 

 誰もが驚愕し辺りを見回したが誰も見当たらない

 その声はまた響いてきた

 

「キラ……ニア、いやこの際お前を実質的な二代目としてこう呼ぼう。L……お前達の小競り合いなどどうでもいい。正義も悪も神だろうとただの人殺しだろうとどちらが上だのどうでもいい。

 

 

【世の中に必要かどうか】だ。加害者天国、やったもん勝ちな世の中、キラのような存在は間違いなく必要だと断言できる。L……お前は否、お前達はなんだ? いくつもの難事件を解決してきたからどうだというのだ? それは世の中にとって必要なことか? 必要だとしてキラより優先されることか? 当然共存が理想的だがどちらかを排除するのならば消えるべきなのはL、お前だ」

 

 

 言葉が終わると同時にキラ以外の全員が苦しみだした

 

 

「キラ。忘れるな。お前は【必要だから生かされる】。正義だの神だのそう思い込まないとやってられないというのもわかるがとにかくキラが世の中に必要なのは自明の理だ。今回だけは助けてやる。次はないぞ。死神。お前もそれでいいな?」

 

 

「いやお前……本当何者なんだ? 何故俺を認識できる、というかどこにいる? ……まあ別にそれでもいいけどさ」

 

 

 気配は去り気づいた時にはキラ以外全員が息絶えていた

 キラは満身創痍ながらもなんとか立ち上がり周囲を見回す

 

 

「……必要だからか……確かにその通りだ。初心を思い出した気がするよ。僕は必要なことをしていくだけだ」

 

 

 キラと死神はそのまま黙って倉庫を後にした……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 倉庫から出た月は、しばらく無言だった。

 

 

 隣を歩くリュークも、珍しく口を開かない。

 

 

 やがて月が足を止めた。

 

 

「リューク」

 

 

「なんだ?」

 

 

「さっきの声の主……お前には見えていたのか?」

 

「いや。声は聞こえたが、姿は見えなかった。俺の目にもな」

 

 

「死神のお前にも認識できない存在か……」

 

 

 月は考え込む。

 

 

 あの存在が何者なのかはわからない。

 

 

 しかし、一つだけ確かなことがある。

 

 

 自分は助かった。

 

 

 しかも、Lだけではない。ニアも、メロも、あの場にいた者は全員死んだ。

 

 

「ククッ。お前、ずいぶんと運がいいじゃないか」

 

 

「運?」

 

 

「いや、あんなのに助けられるなんて、俺でも初めて見たぜ」

 

 

「……そうだな」

 

 

 月は笑った。

 

 

 

 

 

「僕は選ばれたんだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホテルの一室。

 

 

 弥海砂は、ベッドに腰掛けながら携帯電話を見つめていた。

 

 

「ライト……遅いなぁ」

 

 

 約束の時間はとっくに過ぎている。

 

 

 何度電話をかけても繋がらない。

 

 

「もう、何してるのよ……」

 

 

 不満そうに頬を膨らませる。

 

 

 しかし、すぐに表情を曇らせた。

 

 

 ニュースでは、キラ事件の捜査関係者が全員死亡したと報じられている。

 

 

 ライトもその現場にいたはずだ。

 

 

「ライト……大丈夫だよね?」

 

 

 返事をしてくれる者はいない。

 

 

 今となっては、相談できる相手すらいなかった。

 

 

 そのとき。

 

 

「大丈夫だよ」

 

 

 突然、声が響いた。

 

 

「えっ!?」

 

 

 ミサは飛び上がるように立ち上がり、部屋を見回した。

 

 

 誰もいない。

 

 

「だ、誰!?」

 

 

「そんなに警戒しなくてもいい。私はお前に危害を加えるつもりはない」

 

 

「どこにいるの!?」

 

 

「さて、どこだろうな」

 

 

「もう! ふざけないでよ!」

 

 

 声は楽しそうに笑った。

 

 

「安心しろ。ライトは無事だ」

 

 

「えっ!?」

 

 

 ミサの表情が一変する。

 

 

「ライトを知ってるの!?」

 

 

「もちろんだ。つい先ほどまで一緒にいたからな」

 

 

「ライトは今どこ!? 怪我してない!? 無事なの!?」

 

 

「質問が多いな。まあいい。少なくとも命に別状はない」

 

 

「よかったぁ……!」

 

 

 ミサは胸をなで下ろした。

 

 

「ねえ! ライトに会わせて!」

 

 

「それは本人に頼め。そろそろ電話も繋がる頃だろう」

 

 

「えーっ!」

 

 

「それにしても、お前もなかなか面白い人間だな。唐突すぎるわけのわからない私のような存在相手にフツーに会話するとは。そして自分の命を救うために命を捨てた死神がいたというのに、今はそのことよりライトの心配か」

 

 

 

「ミサはこまけえこたぁ(ryの精神の持ち主なのです。……で、誰のこと?」

 

 

 

「……そうか。今のお前はデスノの記憶が無いんだったな。まあその内思い出すかもな」

 

 

 

「なんなのそれ! デスノって何!?」

 

 

 

「まあ焦るな。ライトにでも聞いてみろ」

 

 

 

 

 少しだけ間が空いた。

 

 

 

 

「ライトは世の中に必要な人間だ。そして、お前もライトにとって必要な人間かもしれない。せいぜい仲良くすることだ」

 

 

 

「当たり前じゃない! ミサはライトのお嫁さんになるんだから!」

 

 

 

「ククッ。そうかそうか」

 

 

 

 

 声が遠ざかっていく。

 

 

 

 

「待って! ねえ、あなた誰なの!?」

 

 

 

「ただの通りすがりの超常存在だ。気にするな」

 

 

 

「超常存在って何よー!」

 

 

 

 返事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 部屋には再び静寂が戻る。

 

 

 

 ミサはしばらく呆然としていたが、やがて携帯電話を手に取った。

 

 

 

「ライト……早く帰ってきてね」

 

 

 

 今度こそ電話が繋がることを願いながら、彼女は画面を見つめ続けた。

 

 

 

 




この話の月は「自分を救った存在」を神格化していく可能性がありますね。

原作の月が自分を神だと思っていたのに対し、今度は自分より上位の存在に必要とされた人間になるわけです。

これはこれで、なかなか愉快な方向に転がりそうです。


ああなるほど。今度は月が神! 私は仰せの(ryになるかもしれないってことか
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