魔王が新世界を破壊するだけの簡単なお仕事♪   作:野原健介

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第1話

「はぁ…今日も暇だよ~」

 

 こんなに暇なのは、魔物を見境なく殺していった勇者のせいだ。ボクはアイツが泣くまで絶対許さないんだかr...コホン。恥ずかしいところをお見せしました。

 初めまして。ボクはバロンドール・クリスハートです。こう見えまして魔王なんて職業に勤めています。主な仕事は世界を滅ぼしていくことです。

 でも、勇者がボクの部下達を情け容赦なく殺していったせいで、世界征服というボクの大切な仕事が果たせないのです。ハッキリ言ってしまって、ボクは迷惑を被っています。

 だから、魔王なのに玉座で暢気に紅茶を啜っているボクは今、勇者のカs...勇者のせいで、いつも以上に暇な時間

を過ごしながら、何か面白いことは無いかと模索しているところです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何か面白いことは無いのかな~?」

 

 意識して口を閉めておかなければ、つい溜め息が溢れ出てしまいます。 

 それもこれもボクの仕事を奪ったあの憎き勇者のせいです。女の癖に勇者とか、マジレスすると『本気でワロスwww』です。

 でも、超絶美人な奴なので、誰もボクに味方してくれる者は居ないのです。

 

「...百円見~っけた」

 

 足元に視線を向ければ、何故か日本の通貨が落ちていました。

 ボクは元々日本という国から時空間移動してきたので、日本という国のことは大概は知っています。

 しかし、ボクがここに来てからもう今年で数百年あまり。

 そろそろ向こうのことは、頭からぽろぽろと抜けて落ちている気がしています。

 

「.....今日も面白いことはないのかな~?」

 

 やれやれ。今のボクはとてつもなく暇です。このままでは、ボクは暇と退屈の名において死んでしまいます。 

 ある程度、頭を働かせて無駄に脳細胞を殺してしまいましたが、結果的に何も思い浮かびませんでした。

 それもこれも全てあの女勇者のせいだ。部下達を骨抜きにしやがってぇ.....

 

「それにしても暇だな~」

 

 欠伸が勝手に漏れてきてしまいました。これでは職務怠慢というものです。気を引き締めなければ!

 

「....寝よう」

 

 やっぱり無理です。ボクには忍耐力とか根性とかないです。だってボク、一応【魔王】ですし。

 惰眠を貪り、人を見下し、力で征服していく魔王ですから。

 おっと。そろそろ眠気が本気で洒落にならないレベルまで迫って参りました。

 ですからこれにてお休みなさい。

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

「今日は何をしようかな~?」

 

 はい。またまた昨日の今日で暇であります。何もすることがありません。

 ですが、今日は()()()が異世界から帰ってきたという報告が来ました。

 これはもう誘うしかないでしょう!!

 

「今日はブロスを誘って釣りに行こう。うん、そうしよう」

 

 そうと決まれば早速。ボクは転移魔法を発動させてアイツの居る場所へと空間移動しました。

 ん?あんなところで一体何をやっているのでしょうか?少し離れたところに立っていたボクは、身体強化魔法を発動させて視力をあげます。すると、彼は目を伏せて座禅を組んで滝に打たれていました。

 

「おーいブロス、今日釣りに行こうよ!」

 

 ボクは友達であるブロス・D・ライアント

 

「しょうがねぇなあー、ドールじゃあ今から、釣りの準備するから、準備ができたら電話するからよ♪」

 

 

 

「わかったよ、バロン、またな」

 

 

 

「ああ、またなブロス」

 

 

 

「今日は、大物をつるぞぉ~」

 

 

 

「俺も!」

 

 

 

「じゃあ、そろそろ帰ろうぜ!」

 

 

 

「何か、落ちてるぞ!」

 

 

 

「ちょっと、拾って見ようぜ」

 

 

 

「何かの仕事の紙みたいぜ」

 

 

 

「ちょっと、電話掛けてみようぜ!」

 

 

 

「誰も、でねぇーぞ!」

 

 

 

「なんだよ、いたずらしたかったんだろう、なぁバロン」

 

 

 

「多分、そうだろぉーね!!」

 

 

 

「おいバロン、お前体が、どんどん消えていってるぞ!」

 

 

 

「まじかぁー、って言うかお前もだぞブロス」

 

 

 

「ここは、何処だ?、バロン?」

 

 

 

「俺も、分からねぇーよ」

 

 

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