おたべちゃん   作:チャーシューメン

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このシリーズ、一話に付き、1000文字以上1100文字以下と決めています。
大体一時間以内に書けるんで、更新がラクなんですよね。



以下、登場人物紹介です。

○登場人物
 ・九十九弁々    琵琶の付喪神。背はやや高め。鉄壁スカート。冷静で大人びている……。
 ・九十九八橋    琴の付喪神。中背。太眉。勝ち気で無鉄砲……。




「×」

 <九十九姉妹ハウス 寝室 昼 晴れ>

 

 ガンダム禁止! の張り紙が付けられた、ハロのぬいぐるみ。

 八橋のベッドの上で、ゆらりゆらりと揺れている。

 八橋の頭越しに、ぬいぐるみが揺れているのが見える。

 

 八橋   「そんなに和菓子ばっかり食べてると、今にゆっくりになるわよ。」

 

 部屋中央の木製テーブルの前で、向かい合うように座る弁々と八橋。

 向かいに座る弁々は食べかけの生八ツ橋をはむッと食いつく。

 八橋は両手で頬杖をついている。肩越しには、死角になって、ぬいぐるみが揺れているのが見えない。

 

 弁々   「おたべちゃん、お行儀わる~い。」

 

 手についたニッキの粉を丁寧に舐め取りながら、弁々は言う。

 テーブルの上には、生八ツ橋の入った白い箱と、ティーセット。

 陶器製の白いポットに、花の形をかたどった、これまた白いティーカップ。カップは二人分。中からは湯気が立っている。

 むに~っ、と頬を両側に引き伸ばす八橋。大きな目が横に伸ばされ、狐目に。

 

 八橋   「八橋だから。あと姉さん、それ、外でやらないでね。特に男の人の前でやっちゃダメだかんね」

 

 弁々は紅茶を優雅にすすると、机の下から新聞紙の束を取り出す。

 

 弁々   「やっぱ『あふたーぬーんてぃ』の時には新聞は欠かせないわよね」

 八橋   「(顔をあげて)何読んでんの?」

 

 ニコニコしながら紙面を突き出す弁々。

 一面には大きく「早苗の恋愛相談室」の文字。。

 その中でも、競馬新聞の下馬評のような、「カップル下馬評」が大きく記載されている。

 発行者、射命丸文と隅に小さく書かれている

 

 八橋   「好きねぇ、姉さんも」

 弁々   「あんただって好きでしょ?」

 八橋   「(イヤらしく笑いながら)わかる? わかっちゃうぅ?」

 

 八橋は、とてとてと向かいの弁々の隣に走る。(背景のぬいぐるみの動きは止まっている。)

 弁々の手元を覗きこむ八橋。

 名前×名前の下に、競馬新聞のように◎○△が付いている。

 『魔理×霖◎』筆頭に、『レイ×マリ◎』『パチュ×アリ○』、「慧×霖△」など。

 

 八橋   「あー、やっぱり『魔理×霖』は◎かー、強いなぁ。個人的には『慧×霖』を応援したいんだけどな。」

 弁々   「あら、私はレイマリを押すわ。原典にして頂点じゃない」

 八橋   「えー、ユリカプは邪道よ!」

 弁々   「それ以上いけない」

 

 八橋の視線が、一番隅の「しず×みの」の欄で止まる。

 

 八橋   「うわ、秋姉妹とかもあるよ。姉妹なのにねぇ。」

 

 『秋姉妹△……仲はいいが、存在感ががが』とある。

 

 弁々   「あら、私たちはないのね。」

 八橋   「無くていいわよ」

 

 肩越しに振り返り、八橋を見上げる弁々。

 

 弁々   「私達だったら、なんて呼び方になるのかしらね? やっぱり『おた×べん』?」

 

 八橋は太い眉をくゆらせて、呆れたように言う。

 

 八橋   「……便所飯?」

 

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