おたべちゃん   作:チャーシューメン

6 / 8
今回字数超えちゃった。


以下、登場人物紹介です。

○登場人物
 ・九十九弁々    琵琶の付喪神。背はやや高め。鉄壁スカート。冷静で大人びている……。白い薄衣のワンピース。紫縞ぱん。
 ・九十九八橋    琴の付喪神。中背。太眉。勝ち気で無鉄砲……。長袖長ズボンのシマシマパジャマ。




「寝言でも」

 <九十九姉妹ハウス 寝室 夜 晴れ>

 

 窓の外に月が掛かる。満月。

 白い薄衣のワンピース姿の弁々が、ベッドの上に腰掛けながら、んん、と唸って、大きく伸びをする。ワンピースは透けて、下着が見えている。

 

 八橋   「姉さん……」

 

 向かいのベッドに同じく座る八橋。半身を掛け布団の中に入れながら、はあ、と溜め息をつく。

 

 八橋   「またそんなはしたない格好で」

 弁々   「いいじゃない。家なんだし」

 

 くあ、と欠伸する弁々。

 八橋はベッドの上に転がるハロのぬいぐるみに手をやろうとするも、ぬいぐるみは光る糸で巻き取られ、弁々の方に飛んでいった。

 

 弁々   「(ぬいぐるみを床に置いて)ガンダム禁止!」

 

 八橋はぷくっと膨れる。

 

 八橋   「ん、もう!」

 弁々   「さ、もう寝ましょう。おやすみなさい」

 

 言うが早いか、弁々は掛け布団の中に潜り込む。瞬時にスースーと寝息。

 

 八橋   「おやすみなさい!」

 

 勢い良く掛け布団を頭に被る八橋。

 

 

 <九十九姉妹ハウス 外観 夜 晴れ>

 

 煌々と照りつける月に照らされる九十九姉妹ハウスと、それを囲む森。

 ホーホー、とふくろうの鳴き声。

 どこかで小さくぶつぶつと声が聞こえる。

 

 

 <九十九姉妹ハウス 寝室 夜 晴れ>

 

 弁々   「はんにゃはらみたじーしょうけんごうんかいくうー」

 

 耳を塞いで立つ八橋。

 眼下には、ベッドの上で仰向けで目を閉じながら、口だけパクパクと動かす弁々。

 

 八橋   「(弁々を揺り動かす)あの……」

 

 目をパチクリと開いて、大きく欠伸をする弁々。

 

 弁々   「ん、もう。なぁに?」

 八橋   「(ジト目で)うるさいんですけど……」

 弁々   「(不機嫌)何ようるさいわねぇ、もう寝なさいよぉ」

 

 ごろり、と八橋に背を向ける。

 

<九十九姉妹ハウス 外観 夜 晴れ>

 

 煌々と照りつける月に照らされる九十九姉妹ハウスと、それを囲む森。

 ホーホー、とふくろうの鳴き声。

 どこかで小さくぶつぶつと甲高い声が聞こえる。

 

 

 <九十九姉妹ハウス 寝室 夜 晴れ>

 

 弁々   「(裏声)ベントラー、ベントラー、スペースピーポー!」

 

 耳を塞いで震え立つ八橋。

 眼下には、ベッドの上で仰向けで白目を向きながら、口だけパクパクと動かす弁々。

 

 八橋   「(弁々を揺り動かす)あの……」

 

 目をパチクリと開いて、大きく欠伸をする弁々。

 

 弁々   「ん、もう。なぁに?」

 八橋   「(怯えて)怖いんですけど……」

 弁々   「(不機嫌)何よしつこいわねぇ、もう寝なさいよぉ」

 

 ごろり、と八橋に背を向ける。

 

 

<九十九姉妹ハウス 外観 夜 晴れ>

 

 煌々と照りつける月に照らされる九十九姉妹ハウスと、それを囲む森。

 ホーホー、とふくろうの鳴き声。

 どこかで小さくぶつぶつと声が聞こえる。

 

 <九十九姉妹ハウス 寝室 夜 晴れ>

 

 弁々   「べんべんべべんべんべんべべんべん……」

 

 耳を塞いで立つ八橋。

 目の下にクマを作っている。眼下には、ベッドの上で仰向け目を閉じながら、口を動かす弁々。手は琵琶をかき鳴らすように動いている。

 ジト目で、弁々の方に手を伸ばす八橋。

 

 弁々   「あら、貴女。貴女も付喪神?」

 

 八橋の手がぴくっ、止まる。弁々の顔を見やる八橋。

 優しい笑みを浮かべる、弁々の寝顔。

 

 弁々   「まあ、貴女は琴の付喪神なのね。素敵。私たち、同じ日、同じ時、同じ場所で生まれたんだわ」

 八橋   「(つぶやく)姉さん、あの時のこと……」

 

 顔をほころばせて、出した手を引っ込める八橋。

 

 弁々   「まるで私たち、姉妹みたい。そうよ、素敵だわ。私たち、本物の姉妹になりましょう。二人で力を合わせて、助けあって、生きて行きましょう」

 八橋   「(にこにこ笑う)ふふ……」

 

 ベッドサイドに肘を置き、うとうととまどろむ八橋。

 

 弁々   「私は弁々。貴女のお名前は? まあ……えっと……」

 

 沈黙。

 まどろむ八橋も目を開けて、訝しげに弁々のほうを見やる。

 弁々の手はピタリと止まり、口は喘ぐようにパクパクと何かを言いかける。

 やがて。

 

 弁々   「あ、そうそう。おたべちゃんって言うのね! 甘くってお上品で、素敵なお名前!」

 

 ズっこける八橋。

 

 八橋   「おォい! 台無しだよ!」

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。