SAO ~属性を操りし豪剣士~   作:ALHA

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いや~、冬季休学様々ですなぁ~

でなかったらここまで書くのに1ヶ月は遅れていたでしょう。

さて、やっとこの話ですよ、正確には次に書く話を含めてですが、この話書き始められたのもこれを読んでくださる方々のおかげです。感謝感激です!!

では、第十六話どぞ~!


第十六話 ~落ちた場所で会うは黒猫団~

キリトside

 

 その日、ケイタは、遂に目標額に達したギルド資金の全額を持って、ギルドハウス向けの小さな一軒家を売りに出していた不動産仲介プレイヤーの元に出かけた。それを転移門の前で見送った後、メイサーのテツオが言った。

 

「なぁ、ケイタが家を買いに行ってる間にさ、少し稼ごうよ」

「あっ、家具を買うの?」

「じゃあ、ちょっと上の迷宮に行くか」

 稼ぎに行くのはいいけど、上の迷宮に行く?嫌な予感がした。だからこそそれより下のいつものフロアに行くように誘導したかった。だけど俺の提案は―――

 

「上なら短時間で稼げるよ」「オレ達のレベルなら安全だって」

 

―――ササマルとダッカーの二人の反論に流されてしまった。

 こうなったら、いつもどおり俺が彼らを守る。そう、いつもどおりに……

 

第27層迷宮区

 

 迷宮区では俺のレベルはもちろんのこと、俺が今いるギルド《月夜の黒猫団》も十分なレベルを持っていたため順調な狩りが続き、一時間ほどで目標額を稼ぎ上げ、帰路に着いていた。

 

「言ったろぉ、オレ達なら余裕だって!」

「もう少しで最前線へ行けるかもな」

「あったぼうよぉ!……、おっ!」

 

 俺達の目の前の壁に不思議な紋様が浮かび上がっていた。ダッカーがそれに触れると紋様は壁を構成するタイル一面に拡がり、音を立てて凹み、先程まで見えていなかった扉が新しく出現した。

 

「(隠し扉?こんなところに?)」

 

 俺が疑問に思っている間にも、扉はダッカー達の手によって開かれ、そして中にあったものは……

 

「ぉお、……トレジャーボックスだ!」

 

 おかしい!隠し通路とかならいざ知らず、宝箱(トレジャー・ボックス)だと?ここは迷宮区、俺も彼らに気付かれないようにマッピングやレベリング目的で何度か訪れているし、それは他の攻略組も同じだ。こんな場所にあったんなら、一人や二人気付かないはずはない……、これは開けるべきじゃない!

 しかし、宝箱を見つけたダッカーやササマル、テツオのテンションは高く3人して宝箱に一直線に向かっていった。

 

「ま、待て!」

「なんだよ、キリト。さっさと開けちまおうぜ?」

「その宝箱、開けるべきじゃないと思う。嫌な予感がする」

 俺なりに考えたが、咄嗟にはこれ以上の言葉は出なかった。勿論、俺が本当は攻略組でここの層を何回も来ているし、この層からトラップの難易度が一段階上がるからと言うこともできた、いや今からでも遅くはない。

 

 でもこれを言うということは、今まで本当のレベルを隠し欺いてきたことを公表する、つまり彼らとの決別を意味する。

 このギルドに入ったのは25層攻略後間もなくのことだ。あの一歩間違えれば全員死亡の危機があった戦いの後、俺は武器の素材を取りに下層に降りてレベルアップの助けにならないMobを狩って、必要素材を集め終わり、いざ帰ろうとしていた時、彼らに出会った。

 俺は見たところ非常にバランスの悪いこのパーティーを見過ごすことはできず応援に入り、彼らの手助けをした。

 その後、お礼をしたいとのリーダー・ケイタの言葉に甘んじて、俺は宴に呼ばれた。その席でレベルを聞かれた際、俺は下層荒らしと思われたくない故に自分のレベルを20も下と言ってしまった。そしてその流れで同じレベルならギルドに入ってくれないかと言われた。

 ここで断ることももちろん出来た。でも、それをしなかったのはこのアットホームな空気に惹かれていたからだ。殺伐としたこのデスゲームの中、その雰囲気は俺にとってとても心地良く、そして眩しいものだった。

 

 だからこそ、今のこの空気にまだ浸っていたいし、いざという時には俺が助けに入れば何の問題もないから俺はそれ以上強く言えなかった。

 

「大丈夫だって、臆病だなぁ、キリトは」

 俺の薄っぺらい言葉をササマルが一蹴し、ダッカーが宝箱を開けた途端、周囲の空気が変わった。アラームが鳴り響き、入ってきた扉は閉じられ、杖を持つ小人型とゴーレム型のMobが大量にPOPしてくる。

 

「トラップだ!皆脱出するんだ!」

 俺は叫んだ。

 これはアラームトラップ、今までにあったトラップの中でも最悪と言われている、攻略している層の安全マージンが取れていてもこれにハマったら生き残れないと言われるものだ。

 このトラップに初めてあったのは血盟騎士団のチームだった。その時は結晶アイテムもなく、絶望的と思われたが自分の指揮で安全を取りつつパーティー全員でMobを粗方片付け難を逃れたとアスナが言っていたのを覚えている。これはおそらくたまたま行っていた最前線より遥か下層というのも幸いしたのだろう。

 でも、この状況は違う。

 攻略組でもない彼らが安全マージンを十分に取っているとはいえ、相手の数は無数といっていい、マージンなんてあってないようなものだ。

 瞬時にそれを理解した俺はこのフロアから離脱することを勧めた、のだが……

 

「転移!タフト!!……?転移!タフト!!」

「クリスタルが、使えない……」

「クリスタル無効化エリアか」

 

 最悪だ……、まさかこんな組み合わせが存在するなんて。

 俺が……、俺がちゃんとこの層の危険性を注意していれば……俺のレベルを公表していれば、彼らを納得させられたはずなのに!

 ……後悔してる場合じゃない、彼らを守る、この層に来た時から……いや、このギルドに入った時から決めてたことだ。

 だけど、数が多い。俺が出てくるモンスターを彼らに近付けないようにしても、全方位から向かって来る敵を俺一人でどうにか出来る訳もなく……

 

「うわっ!」

「ダッカー!!……クッ!」

 ダッカーが後ろから殴られたらしく、前に倒れこむ。

 俺は彼を助けに行こうとするも無数のモンスターが邪魔をし、フォローをしに行くことができない……

 そんな間にもダッカーの周りに小人型のMobが集まりだし倒れた彼を攻撃しようとしている。

「ダッカー!!」

 俺が手を伸ばすもそれはゴーレム型の奴に邪魔をされ、思うように進めない!くそっ、このままじゃ……

 

 だが、その杖が振り下ろされる直前、上から何かが降ってきて途轍もない爆音と共に俺の視界を白煙が支配する。その直後、ポリゴンの割れる音がし、ダッカーがやられたのかと思い目を凝らすと俺の予想を嬉しい意味で裏切ってくれた。

 人影がひとつ見える。勿論、シルエットだけだが、あの影はモンスターのものではない、故にダッカーがそのイレギュラーな事態に即座に反応して、周りのモンスターを蹴散らしたと思ったのだが……違った。

 よく見れば、ダッカーは俺がはっきりと最後に見た姿勢のまま倒れている。じゃあ、あの人影は?と思って視線を上に上げると攻略組きっての異端にして実力はその中でもトップクラス……フレッドの姿があった。

 

フレッドside

 

「いや~、まさか宝箱を開けたら部屋全体の床がぱっくり割れるなんてねぇ……、正直予想外だったわ」

 という訳で10秒くらい前の俺は絶賛落下中だったという次第だ。

 

 ホントだったら空中にちゃぶ台広げて一服するというギャグ漫画でしか見られない光景を実践したいところだが、今俺がいるアインクラッドという鉄の城は一層辺り100m、俺が28層の底面から27層の底面に落ちるまでの時間は概算√20.4=4.5秒なんてことをコンマ1秒程度で考え終わるとすぐに行動に移した。

「レオン。《コール・ネイチャー》」

 コール・ネイチャー―――命名=俺―――は12層の時にカイやシリカを逃がす時にコイツが発動した《自然操作》のことだ。いかんせん成功率が低いがまぁここはコイツに任せてみよう。

 限界まで壁際に寄り、足を付け摩擦……というより俺の体術技である《煌脚》とimmortal objectと表示される紫の障壁の反発を利用し上に跳ぶ。両手剣を背負ってる為に《跳躍》は使えないが、この方法だったらそれを使わずとも、割と高めに跳べ、尚且つ今までに上がった落下スピードはキャンセルされ、またゼロからのリスタートとなる。

 そして、その間に冷静さを取り戻したレオンが吠える。と、同時に壁の一部が盛り上がり木の幹が生えてくる。

 俺はその幹に掴まり、27層底面への落下を免れた。

 

 で、現在に至る。

「いや~、助かったぜ。レオン。たまには成功するじゃないか!」

「GaAU♪」

 俺がレオンを褒めその鼻を撫でてやると嬉しいという感情表現を俺に見せてくれる。やっぱり、コイツは可愛いなぁ~。どっかの両薙使いの誰かさんとは大違いだぜ。

 

カイside

 

「はぁっくしょん!!」

「隊長、風邪っすか?」

「んなわけねぇだろ!この電脳世界で?ありえねぇって……」

 どうせどっかのリーダー様が噂してんだろ……、しかも俺が感じるこの空気は確実に悪い方の噂だ、後で締める!

 っと、集中しねぇとな。取り巻き終わったから次がクエボス、一応気を引き締めねぇとな。

「さて、てめぇら!次がボス戦だ。基本的にてめぇらは武器や盾でガードしつつ、隙を狙って攻撃。タゲは俺が取り続けてやんから、派手にぶっ放しな!」

「「「「「応!!」」」」」

 

フレッドside

 

「しかし、これからどうしたものか……。結晶使えねぇみてぇだし」

 俺は掴んだ幹によじ登り、今は幹の上であぐらをかいてる状況だ。

 さっき使ってみたが、ここは結晶無効化エリアに指定されているらしく、転移することができなかった。

 下が閉じ込め空間の可能性もあることを考えるとやっぱ上に登るしかねぇか、壁ジャンプ連続実行で。だいたい落ちた距離が落ちた時間から逆算して上から60m程度だろう。と、なると60mをジャンプで、しかも空中ジャンプができない訳だからフロアの壁と壁を蹴り続けていかねぇといけないわけか。マジ、めんでぇ……

 まぁ、レオンに頼んで階段みたいに樹木生やしてってくれたらいいんだが、成功率の低さもあるから時間めっちゃ苦茶にかかるだろう

 でもさっさと登っていかないと、あいつら騒ぎ立てるだろうしなぁ……

 

 そんな時、周囲の空気が一瞬にして変わった。アラームがけたましく鳴り響き、下から声が聞こえてきた。

「―――い―――――フト―――!」

 下に誰か居んのか……、よくよく見りゃ確かにひい、ふう、みい、と5人のパーティーか……って事は、つまり下には外へ通ずる道がある訳だな、ラッキー!

 ……って言ってる場合じゃあねえな。コイツはアラームトラップ……この層でのこのトラップとなると攻略組……俺やヒースクリフさん、ディアベル辺りだったら全然余裕で対処できるだろうが、それ以外だとかなり危険だな……

 チッ、仕方ねぇ。下に道があると教えてくれた礼に助けてやんか!

「行くぜ!レオン、しっかり肩に掴まってな!」

「!?Gauuuu……」

 レオンの表情を見るに全然予想外って感じだったと思うが関係ないな。

 

 背に負ってる両手剣=アルティマハイトをストレージにしまい、《跳躍》で出せる瞬発を生かし、目標まで一直線に跳ぶ。

 目標、黒い……黒い?奴の前方5m付近。黒って言うと彼を思い出すけど、彼がギルドに入ったり作ったりとは到底思えないから違うだろう。

 って、やべ!目標地点に黄色いマント着た奴乱入!幸い寝っ転がってんな……そのまんまの姿勢維持してくれよ!

 俺は床の方向に頭という姿勢から足を無理に床方向へ持っていき、ちょうど又の間にマント男が来るように調整して着地した。その時、マントの周りにいたMob共二匹程度を潰しポリゴン片に変えてやったが、更に二匹俺を襲おうとしやがったのでそいつらも二連撃回転蹴り《デュアル・スマッシュ》でポリゴンに変えてやる。

 うしっ、マント男にはぶつかってないな、今の俺の行動は100点と言って過言じゃないだろう。

 って、あれ?さっきの黒いやつ、真面目にキリト君じゃないか。なんで、こんなところに?しかも彼に表示されるアイコン見るに攻略組でもないギルドに入ってるし……

 

「フレッド……、どうしてここに?」

「挨拶は後回しにしよう、フッ!今は生き残りたいだろう、ハッ!」

 迫ってくるモンスターを軽くあしらいながら、俺はキリト君に提案し、それにほかのメンバーも合わせて頷く。まぁ、誰だって生き残りたいだろう。気持ちは分かる。

「じゃあ、今から言う通りにしな!セイッ!質問は受け付けねぇ!今からキリト君、君にレオンを渡すから他の奴は彼に掴まりな!全員掴んだら、合図しな!てぇやっ!」

 どうでもいいけど、会話しながら戦闘って結構疲れるのな、意気込みしながらじゃないと戦闘が続かねぇな……

 俺は肩のレオンを促してキリト君の方へ駆け出すようにし、その間、俺はモンスターが彼らに注意を向けないようにする。

 

阿呍(あん)!!』

 

 《威嚇》……パーティーに危険があった時を見越して入れておいたスキルだが、最初の本気(マジ)使用が他のギルドのために使うことになるとは……

 俺の発した声に釣られ、この部屋にいたMobが全員俺をタゲしたようだ。

 タゲされた俺は向かってくる奴らの攻撃を躱しまくる。言っちまえばこれは《同士討ち》の派生だ、既知のモンスターなら俺に死角はねぇ、まだ一層のネペント共の方が躱しにくかったぜ。まだ、《跳躍》も入れてなかった頃だしな。

 

「フレッド、全員俺に触ってる、次にどうすんだ!!」

キリト君から合図がある、それによって再び何体かがキリト君達をタゲる。

「後は何も喋るな!レオン!《隠蔽最大(ハイディング・マックス)》!!」

「GAO!!」

 再びレオンの咆哮が響く、その瞬間彼らの姿は透けていき数秒後には完全に見えなくなった。

 

 これにより、彼らをタゲしていたゴブリンみたいな奴共はターゲットを見失い、俺を再びタゲする。だが、ゴーレムみてぇな野郎は視界情報がほとんどない奴らしく、顔をこちらに向けないのと向ける奴で半々といったところだ。

 俺はそいつの元に真っ先に向かいソードスキルの《煌脚》でポリゴン片に変えてやる。若干邪魔してきた奴がいたが、《跳躍》を持つ俺としてはほとんど意味がねぇ。全く無駄なことを……

 しかし、この数相手だと時間がかかっちまうなぁ、いくらなんでも。先にやかましく鳴り響いてる宝箱を壊しちまうかと思い、そちらに向かう。だが、辿りついた俺の目にキラッと光るものが映った瞬間、俺は発動中のソードスキルの標的を宝箱の近くにいたゴブリンに変え、潰した。

 何かあるな……、しかもアラームを上に被せてるあたりなかなかのレアアイテムと見た。じゃあ取って帰るべきでしょ!

 となると、しょうがねぇ。アレ使うか……

 

「Mob共!俺の超絶技術(テク)を受けて死ねること!ありがたく思いな!!ハッ!!」

 俺はその場でジャンプを行い、後ろから迫っていたゴーレムの攻撃を躱す。そして、俺の両足が青のライトエフェクトを(まと)い《踏覇》を2回(・・)そのゴーレムに放つ。だが、そのゴーレムをポリゴン片へと変えても俺の攻撃はそれだけでは終わらず、ゴーレムを2回目に蹴った足を《跳躍》の初動と同期させて再びジャンプ、そして近くにいた雑魚を文字通り潰す。あとはそれの連続だ。

 若干敵の動きに気を付ける必要があるが《同士討ち》を得意とする俺にはこの程度、赤子の手を捻るより楽なことだ。

 

「これが、《跳躍》+《体術》の合わせ技……《無限跳躍》さ!!」

 

 

 




一話で終わんなかったなぁ~、と思いつつもここまで来ればいつも通りのフレッド無双ですww

レオンの能力戦闘向けにしようかなぁ~と思いつつ、この話の為にフレッドには全く使う意思がない危機回避系統の能力にしたっていうのはウラ話です。

ご感想・ご意見等は引き続きビシバシとお願いいたします。

今回はこの辺で……ではでは!
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