いつも2000字程度で一話を切っていた自分とは思えない。
さて、ちょっと遅くなりましたが第二話投稿です。
フレッドside
さて、さっきのネペント達との戦闘で俺のレベルは5になった。そして何故か多めにあるリトルネペントの胚珠……コペルにやったのを含めないでも3つある。この二つの材料さえあればこれからやろうとしていることに関してはなんとかなるだろう……
先程までの戦闘で周囲のPOPが激減したのかそうでないのか、森を出るまでは異様といっても良いくらいにMobが出現しなかった。その後、森を出て街へ戻る最中、そろそろ来るだろうと思っていた元β組と思われる奴らと何回かすれ違った。
「うっす、調子はいかがよ?」
「……え、あ、あぁ。ぼちぼち……って感じかな……ハハッ」
しかしこんな感じの返事しか返ってこない。
まぁ、あの宣言の後じゃ、気が萎えるのも無理ないっちゃ無理ないとは思うけど。
……俺みたいなお気楽者を除いては。
始まりの街へ戻る最中も猪一匹と遭遇しただけで難なくここへ戻って来れたわけだが……
「武器、どうしよっかなぁ……」
正直、この両手剣は他のこの系統の武器に比べると攻撃力が大幅に劣る。
その分武器耐久はあるし、軽いから使いやすいっちゃ使いやすいんだけど、今後も乗り切っていくには些か不安が残る。
この村でもうひとつ買えるアイアンブレイドは攻撃力がグレートソードより少しだけ高いかわりに武器耐久が低いし重いしで、何より初期の時点でグレートソードが700コルだというのにアイアンになると1200コルも取られるのは腑に落ちない……。
「ま、保留っつーより却下だな、ホルンカの村を一つ越えた先の村「べへムート」のあのクエ受けるまではこいつを研いでいくか」
そう、片手剣に必須のクエがあるように両手剣にもその類のクエストが存在する。少々難易度が森の秘薬と比べると高いが決して乗り切れないクエストではない……
今の所持金はさっきの植物共を相当蹴散らしたおかげで、初期の所持金の3倍程度あるにはあるが、無駄遣いは禁物だ。
ふとボーンブレイドの耐久値を見ると、刃こぼれなどがひどく雑魚戦でも折れてしまいかねない状態……とまでは行かなかったが、猪ですら2~3体を倒すのが限界だろう。
「もうちょい早めに帰ってこれてたらなぁ~」
時刻は現在夜の11時を周り、ほとんどの店は閉まり、武器を研いでくれるところもない……。
これじゃ仕方ねえ、とりあえず適当に宿取って寝るか……。
ところが、このあと大いに時間がかかった。……宿が見つからないからである。
まぁ、当然といえば当然か、直径一km有り、それでいて既に何百人単位でログアウトしており、更に何百人かはこの街を出ていたとして、残り9千人程は未だこの街に残っている。宿がなくなるのも頷ける……か。
「仕方ねえ、広場に陣取って今日のレベルアップとかでもらったポイント振りでもしているか」
足早に広場へ向かうとパッと見でも千人は居るだろう数のプレイヤーが寝たり、すすり泣いていたりしていた。
「(……スゲエ数だな。てかこの、広場全体に漂う陰鬱な雰囲気……、どうにかならんかね?)」
まぁ、その陰鬱な雰囲気を極力無視し、俺は広場の北端にある何のためにあるかよくわからん台の上を占拠しメニューを開く。
スキルスロットは初期値2でたしかレベルが8の倍数の時にスロットが一つ増える仕様だった訳だからまだ増やせねえ、となるとポイントの振り分けなんだが、さっきので得たポイントが13、これを筋力敏捷の内どちらかに割り振らんといけねえのか……。
俺はこの後あぁでもないこうでもないと試行錯誤した挙句、筋力値寄りの8:5に振り分け、目覚ましを朝7時にセットしそのまま眠りについた。
じりりりりりりりり!!!!
自分にだけ聞こえるやかましい音と共に俺の脳が覚醒していく。
「……朝か」
俺は目を覚ますと同時に広場の方へ目をやる。
まだ起きてる奴は大していないが、好都合である。
俺は7時に開店するこの街の中では最も早いNPCの鍛冶のところへ行き武器を研いでもらう。そして、いろいろ必要なものやポーション系を買い込み、気づいたら8時を過ぎていた。
「さすがに今からそこらの狩場に向かっても益は薄い、一時間ほどこの場で待つとするか……」
と思ってたら、門の方から見慣れた顔が……
「はぁ…はぁ…、戻ってきたよ」
「ご苦労、コペル。さて、早速だがちょっと耳貸しな。」
俺がコペルの耳元で今からやろうとしていること、そしてコペル自身に頼みたいことを告げると……
「……相変わらずむちゃくちゃ言うね。僕は一刻も早く先へ進みたいんだけど?」
「まぁ、そう連れない事言うなや。俺だって攻略組に入ることは決定事項なんだ。お前の目的とだって被んだろ?」
コペルは数分唸りながら考えてたようだが、決めたようだ。
「……分かった。あんたにはどうせ逆らえそうにないし……、引き受けるよ。じゃ、早速行ってくる」
「頼んだぜ、俺もそっちに合流できるようならすぐに行くからさ」
「はいはい、期待しないで待ってますよ~」
コペルは俺に背を向けた状態で手をヒラヒラとさせて再び門を出た。
「……さて、そろそろだな。」
俺は9時になったことを知らせるチャイムが鳴り終わると同時に声を張り上げた。
「この場にいる皆々様!!!」
突然の大音量に広場中の視線が自分に集中する。
「皆様に聞いていただきたい!思い出したくはないであろうが、昨日の茅場晶彦の発言、あれを俺は真実と思っている!!」
その瞬間、俺を見る目が少なくなった。バカと思われたのか、現実を直視しないように耳を塞いだか……まぁ、聞く気がないやつは知らん。ほっとく。
「俺はその茅場晶彦の挑戦を受けるためにこのアインクラッドを攻略することを決めた。だが!いかんせん一人でできることには限界があるというのもまた事実だ……。よって俺は新しくギルドを立ち上げることを決めた!!とはいっても上の層にあるクエストを受けなければギルドは作れないが、めんどいので以降ギルドという!名前はまだないが目的ははっきりしている。このアインクラッド攻略はもちろん人命を第一と考え、このSAOの中で俺の知っている限りの生き抜く手段を全て教えよう。俺は幸いにもβテストを経験している、故に!その方法に関しては十分に信頼に足るはずだ。もし、信用できないのであれば、昨日の夜にその実力を証明するために狩りに出た。そしてその成果を今、ここに見せる!」
俺はそう言いメニューを開きその中からステータスを選びビジブルのボタンを押す。そして俺はそれを広場の方へ向け見せる。一連の操作を見て俺の方へ寄ってくるプレイヤー達。
「これ以外にも俺はレアアイテムを3つ同種のものだが手に入れた!これで実力の証明にはなったと思う!」
辺りからポツポツと上がる歓声……、まぁここまではいい、問題はこのあとだ。
「そして、今俺の言葉を聞いて入団する気になったら声をかけて欲しい。ただし、俺は正直に言ってここに居る全員を誘おうとは思わない。なぜなら、全員をギルドに入れるとなれば俺自身にも行動の制限がついてしまう。それは俺の目的の一つであるアインクラッド攻略の重荷になってしまうからだ。よって、俺が誘うのは子供、強いて言えば中学生程度までと限定させてもらう!」
その瞬間、周囲にいた大人と思われるプレイヤーから「なんで子供限定なんだ!」とか「大人を差別してんじゃねえ!」だとか「理由を説明しろ!」といった罵声が響き渡るがあくまで聞き流す。
「簡単な話さ。大人は自分の考えで動き生活することが可能だ、先の見通しもできるはずだしな。だが、子供は違う。まだ、そういう能力がなく誰かが支えてやんなきゃなんねぇ。そうしなきゃ死ぬ確率が最も高いと言える。ただの好奇心で街を出て右も左も分からず殺されちまうことは容易に想像できる。そうでない奴もいるにはいるが生粋のゲーマーとか、その類だろう」
「……………」
流石にここまで言えば黙るか……、おっとフォローを入れないとな。
「もちろん、だからといってこの世界で右も左も分からねえ大人を見殺しにする理由にはならねえから明日朝10時より、集まったギルドメンバーと共にこの世界での戦い方をレクチャーしてやる。これを安全圏から見学しててもいいし、参加するもそれは自由だ。ただし、このレクチャー会で行うのは基本アクションのみだ。もし、その後俺らに頼らず街を出ても、俺がそこで教える範囲では次の村までが限界だろう。その後はMob共の特性などを覚えなきゃいけないからな。単純に考えても、そんな情報を必要としないのはこの辺りだけだろうってのは想像がつくだろう?俺はギルドに入ったメンバーになら全てを教えてもいい。これから長い付き合いになる奴らだからな。それぐらいは当然だと思っている」
今度もあたりがざわつき始めるが、これは「おいどうする?」とか周りのプレイヤーと相談してんだろうな……。
「俺はここで、本日夕方の6時まで待つ。それまでに集まった奴をギルドに入れようと思う。そして言い忘れたが、ギルドに入る条件として500コル支払うこととする。これは、ギルド結成後、全員投票で信頼の置けるやつに渡す。これはある種の信頼の証と思っている。お互いがお互いを信用していなきゃこんな行為はできないからな。もちろんこれは俺自身も適用する、だから……」
そう言いながら、俺はさっき雑貨屋で買った貯金箱と所持金から500コル取り出す。
その500コルを指で弾き貯金箱に納める。
「これらの条件を満たせるものだけこの場に来てくれ、今日は以上だ!!」
「…………」
俺は言い終わると台の上にあぐらをかいて座る。
正直最初の方に参入希望者が来るとは考えていない。
まず、このレベルを見てもらっても実力の証明にはなろうが、内面の問題は解決しない。つまりは俺がその徴収した500コルを持ち逃げしてしまう可能性を考えるだろう。
言ってしまえば、なんの保証もなしに自分の今の生命線であるコル、これの初期値の半分を取ろうというのだから、いくら相手を子供に限定したところでどうしたって胡散臭さっていうのは消えない。事実俺が逆の立場ならすぐには信用できないだろう。
さて、時間まで何人集まることやら……。
「あの!」
「ん?」
俺が目線を下にやると、短い髪を左右で分けた女の子が立っていた。
?side
私が起きてから数分経ったあとに広場の方から大きな声が聞こえてきた。
私は昨日の茅場って人が言った事が信じられなくて、これは悪い夢なんだと思ってすぐに眠った。
そして、今目が覚めてこれが現実であるということを思い知らされてしまった……。
「あたし、どうしてここにいるんだろう……?」グスッ
いつの間にか涙が止まらなくなってしまい、そのまましばらく惚けていた時、
「この場にいる皆々様!!!」
開けていた窓からあの大きな声が聞こえてきた。
「―――よって俺はギルドを新しく立ち上げ―――」
着替えを済ませて広場に出てみると、演説をしている男の人はよく見る初期装備で、そんなに人を見てはいないけど、かなり整った顔立ちの人だった。特徴を言えば、アホ毛……って言うんだっけ?髪の毛が少しはねている感じの、があることだった。
そんなことを考えている時、あたしの耳に入ったある言葉が、衝撃的だった。
「―――人命を第一と考え、このSAOの中で俺の知っている限りの生き抜く手段を全て教えよう―――」
生き抜く手段……!それは今あたしが最も知りたい事だった。
どんな事をしたっていい、あたしはここから出てもう一度お父さんやお母さんと会いたい!
そんな思いがあたしの中に溢れていた。
だけど……
「―――ギルドに入る条件として500コル支払うこととする―――」
その後の条件の所でどうしても戸惑いを覚えてしまった。
だけど、生きてここを脱出したい―――、その為だったら……!
台に立っている男の人の演説が終わった後、脇目もふらず駆け寄り、そして
「あの!」
「ん?」
「ギルドに……、あなたのギルドに入れてください!」
思い切って目の前の人に言い放った。
「……おやおや、可愛らしいお嬢さんだことで。来てくれたことはありがたいが、俺の方から少しばかり質問に答えてもらってもいいかな?」
「えっ……、あ、は、はい……」
その場の流れで、はいとか言っちゃったけどあたしに答えられる事……だよね。
「一つ。君は今の俺の演説を聞いて、来てくれたんだと思うんだけど正直に答えて欲しい。君は俺の演説を最初から最後まで聞いていたかい?」
「……さ、最初の方は聞き逃したと思いますけどギルドを立ち上げるって言ってた所からは聞いていたと思います……」
「結構。だとすると、ひとつ腑に落ちないな。君は最後の条件―――コルのことについても聞いてたはずだ。そのことについて迷いとかはなかったのかい?」
「……たしかに、ちょっと迷いました」
「じゃあ、なぜ?」
「それでも!……あたしは、現実に戻りたい!!元の世界に戻ってお父さんとお母さんに会いたい!友達とだってもっと遊びたい!だから……!」
気づけば、あたしは必死になって目の前の人に言い寄っていた。
「……ふっ、ハハッ、なるほどね。まぁ大概はそういう理由だろうさね。だけど、ここまで語気を強めて言える奴はそうそういないだろうな。でも、俺自身が入会金紛いの500コルを持ち逃げすることだって考えられたろ?それに関してはどう思ってた訳?」
「!」
そういえばそうだ、でも……
「今気付いたって感じだよな、その顔……。まぁいいや、だったらもt……」
「でも、それを事前に告知してくれるんだからそういう気はないんじゃないですか?」
目の前の人は私が割り込んで入れた言葉に目を丸くしていた。そして、その硬直から解けると、
「ははっ、確かにな。……分かった。君の意志も硬いようだし、それだったら俺が拒む理由はもうどこにもないな。歓迎しよう……、おっと名前を聞くのも教えるのも忘れていたな。俺の名前はフレッド、君は?」
「はい、シリカっていいます」
「シリカちゃん……か。では、今後よろしく!」
フレッドside
シリカちゃんが入ってからのギルド参加人数の増加は俺の予想をはるかに裏切るすごいもんだった。
一回誰かが入ってしまえば、ということだったのかどうかは知らんが、ほんとにこの街にいる中学生以下の奴らが全員来たんじゃないか?
貯金箱の中を確認するとまだお昼前の段階で既に50kコルを超え、まだ上がっていく。
そろそろ打ち止めにしとかないと支障が出かねないな。
「広場にいる方々、俺が作るギルドには既に想定の100人を超え、未だ増加している。このことを踏まえ、時間を大幅に短縮してこれにて打ち切らせてもらう。
どうしてもというプレイヤーがいたら明日のレクチャーのあと俺に直談判してくれ。では、今日はこれにて!」
俺は広場にいるプレイヤーに向けて言い放ち、ギルドに集まったプレイヤーを連れて広場を離れた。
「さて、俺のギルドに集まってくれた諸君。まずは礼を言う。正直こんなに早くメンバーが来てくれるとは思わなかった。ありがとう、ありがとう!」
「おい!」
「質問を受け付けよう。なんだ?」
俺が振り向くと背は小さい……ヘタをすれば小学生と言われても気づかない子が俺を睨んでいた。
「俺はχ(カイ)、あんた一体なんで俺たちみたいな子供に限定してギルドを作ったりしたんだ?正直、大人を選んだほうがあんたの言う目的達成の為には好都合だったんじゃないか?」
「……あんたではなくフレッドと呼んでくれ。さっき言わなかったかい?このSAOの中では最も死亡率が高いのは子供だと思ったから……、ただそれだけさ」
「それだけじゃないと思ってんだけど?」
なかなか鋭いなこの子、ちょいと理由でも聞いてみようかね。
「……確かに君の言ったようにそれだけが理由じゃない、でもそう思った理由は?」
「フレッドの演説を聞いて、ギルド結成の目的聞いてたけどアインクラッド攻略目的にすんなら大人のみを参入させて、子供はレクチャーのみにすればそれこそあんたの目的の、なるべく生存者を増やしてここを攻略するってのに効果的と思った。フレッドが言うには大人の方が使えるんだろう?」
「……さっきの演説を聞いてそう聞こえてしまったのなら謝ろう。ただ、俺としてはここの中では大人より子供の方が強いと思ってるね。」
「どうして?」
「単純な話さ。茅場も言ってたろ?「これは、ゲームであっても遊びではない」ってさ。大人より子供の方がゲーム得意そうってイメージあんだろ?そして、この世界ではセオリーってものがまだ確立されてねえ。ネット繋いで情報検索って訳にもいかねえし……。こういう場合は子供の方がゲームに適応し易いのさ」
今言ったのは事実だ、子供のゲームに対する理解力ってのはすげえもんだ。
俺にも9つ離れた弟がいるが、あいつのゲームに対する理解力は半端ねえ、っていうよりは興味を持ったものに対しての理解力が高いんだろうな。まぁ、あと子供を選んだのにはもう一つ理由はあるがそれは言わねえ、それを意識させてしまえば大人も子供も関係なくなっちまうからな。
「ふぅ~ん、まぁ、そういうことにしておくよ。それにその理由だったら俺も旦那を信頼できそうだ。これからよろしく」
旦那……ねぇ、まぁ言われて悪い気分じゃねえが、手を差し出してくるコイツの顔を見た俺はその気分が吹き飛んだ。
この人を小馬鹿にしたような顔……なにか隠してるって感づいてやがんな、腹立たしいことこの上ないが、まぁ我慢しておこう。
「あ、あぁ、今後とも頼むよ。……ん、決めた」
ちょっと、この一枚上手だぜ的な顔をしたこいつを少しばかし困らせてやりたいという、俺のちょいとばかし黒い感情が反応した。
「?……何を決めたのさ?」
「カイ君、君をサブマスに任命する。」
「は……はぁああああああ!?」
やったね、予想大的中。
そしてこのあとも俺の予想通り反論が来たよ。
「いや、なんでだよ。そういうのってみんなで決めるもんじゃねえのかよ!」
「ふむ、じゃあ、聞いてみよう。シリカちゃん、君どう思うよ?」
「えっ、あ、あたしですか?」
ちょっと不意を突かれた感じで慌てるシリカだったけど、そのあと少し考えたようで……
「いいと思いますよ。フレッドさんに最初に意見を言えるって結構な度胸だと思いますし」
「ちょっ、てめえ!さては旦那の差金だろ。俺が選ぶ!そこの茶髪男子!」
そう言って、χ自身が選んだのはこの集団の中で唯一明らかに茶色って感じの男子だった。
「……言い方ひどくないかい?私にもDELTA(デルタ)って名前があるんですけど?」
デルタというこの少年もそれがすぐに自分って分かるあたり観察力はありそうだな。
「まぁ、いいや。自分もそれでいいと思いますよ。こういう場合先陣切ってリーダーに質問できるっていうのはそれだけでリーダーの資質があるって感じですよ」
……俺は気づいたけど、この、いかにも優等生……相当に策士の顔持ってんな。一瞬だけ、スゲエ黒い顔してたぞ。まぁ、自分にとっては好都合。
「ま、というわけだ。納得できないなら、皆に聞いてみようか?諸君!この中でこいつがサブマスターになるのに反対する奴はいるか?!」
案の定、誰も手を上げない。
子供に限らず人ってもんはだいたい流れに身を任せるものだからな。
流石に折れたようで、χ自身も―――
「わぁ~ったよ。このギルドのサブマス引き受けてやんよ。ただし旦那が使えないって思ったら、即刻このギルドから出てってもらうぜ?」
―――と軽口混ぜながらほざきやがった。
「結構。じゃ、俺はこのあと用事あるんで、真近の戦闘を体験してみたい奴いるか?」
俺が呼びかけると、χとシリカの二人が手を挙げた。
「俺が見極めてやんよ、旦那がどのくらいできるかってのを」
「あたしも見てみたいです」
……まあ、予想はしてたんだけどいきなりマスターとサブマスいなくなるってどうなのよ……
しゃあねえ、一抹の不安はあるがコイツに頼むか……
「そうかい、……じゃあ、デルタとか言ったっけ?」
「はい」
「この貯金箱は君に預けておくとしよう。大切に持っていてくれ。ギルドの大事な共通財産だからな」
「いいんですか、私なんかで?」
「あぁ、責任持てないってんなら俺らが出てってから残りで決めてくれ、あとありえないとは思うが……」
俺は最上級に睨みを効かせて、
「持ち逃げだけとかしようとは考えるなよ、俺は裏切りという行為をこの世で最も憎んでる。それを心に留めといてくれ。それはギルドメンバー全員に言えることだ、いいね」
ちょっと睨みを効かせすぎたか、デルタは若干放心気味、その隣にいるにいる女の子なんて震えてしまってるし……、まずったな。
俺は表情を戻して、その女の子の肩に手を置き皆に告げた。
「悪ぃな。だが、ほんとにこれだけは気ィつけてくれ、俺は裏切りがあった場合、自分を制御できねえ可能性もある、っつーわけだ。だから頼むぜ、デルタ」
「……はっ、はい!分かりました。これは責任をもってお預かり致します!!」
俺が呼びかけると、我に戻た様子で理解してくれたようだった。
「じゃ、一時、解散だ。カイ君とシリカちゃんは俺と。他は夕方七時に俺が演説していたところにもう一度集合してくれりゃ文句はねえ。OK?」
その言葉に何人かは、はいと答えてくれたので良しとしよう。
「っとその前に、この紙に名前書いといてくれ。じゃねえと、あとが大変になっちまう」
俺はこれまた雑貨屋で購入しておいた羊皮紙+羽ペンセットでここに居る全員の名前を紙に書き入れたのを確認し、
「じゃあ、カイ、シリカちゃん、行くよ!」
「おう!」「はい」
二人を連れてある場所へと出発した。
はい、嫌な予感しかしませんね、もう。
ギルドメンバー初期で100人超ってどうなのよ?とか子供にしたってもうちょっと疑うだろうとかいう意見が聞こえてきそうで怖いですが、まぁご都合ってことでご勘弁を……
さて、今話からご意見にあった”間”と台本形式(といっても、一人称視点は相変わらず)を改めさせてもらいましたがいかがだったでしょうか?
異議がなければ今後もこれで通したいと思っております。
そして、原作ではなにかと不遇なシリカちゃんを出させていただきました。
リズも何とかして出したいとは思うんですけど、戦闘班じゃないからどうしてもシリカと比べると劣ってしまう気がないではないですが、何とかして出します^^;
そしてスキルスロット、これはキリト君のSAO攻略時のステータスから逆算したのですが、すると9で一つスロット増える感じなのでキリ悪いから12を最高スロット数だとして8で一つ増える仕様にしてみました。9よりは8のほうが良い……よね?
それと、読者の皆様に聞いていただきたいのですが、今後水中での戦いも視野に入れたいのですがSAOで水中ってどうなんでしょう?
本編見る限りは再現が難しいってだけで特に触れられていなかった気がするんですけども……
実際にALOでは水中戦も一応可能だってことをリーファも言っていますし。
ちょっとこれに関して読者の皆様のご意見をお聞かせ願えれば幸いです。
ご意見ご感想は引き続きビシバシ言ってやってください。
では長くなりましたが、今回はこのへんで……、ではでは!