とは言っても自分の分の質によっては下がる可能性もありますが、ありがとうございます。
これからも良ければ私のSAO世界を楽しんでいただければと思います。
さて、前置きはこのくらいにして新話どぞ~!
カイside
ま、ゲージが少ないから予想はしてたけど、コイツは一ゲージ減る毎にパターン変えてくるヤローか……面白ぇ、このままB隊にスイッチさせないまま勝ってやんよ!
しかしさっきから思ってたんだけど、コイツ全然動かねぇな……肩から背中にかけて生えてる腕は気持ち悪ぃくらいずっと動き続けてんが体の方は弱点突かれた仰け反りの時以外のリアクションが全くない。正直気味が悪い。
他の攻撃隊が又弱点を攻撃したことでボスがノックバックを起こす。その隙にでけぇ攻撃を叩き込んでやろうと思ったが急停止をかけた。なぜって明らかにさっきまでのノックバックと度合いが違う。こいつぁノックバックの行動にカモフラージュされた……ブレス!!
ホントなら吸収してそのまま大ダメージを狙いてぇが、コペルやディアベルのダンナから嫌ってほど注意しろって言われてんから一回は見させてもらうか。
「てめぇら!そいつァブレスだ!避けるかガードしねぇと危険だぞ!!」
今の俺の脳裏にあるのは25層のボスのブレス。俺自身は別にどうってことなかったが他の奴らの戦意を大いに削ぎ落としてくれたあの特殊攻撃。今回も何かあんなと踏んで一応声はかけたがどん位聞くことか……
攻撃態勢に移っていた連中の内、俺に近かった数人が一気に回避もしくはガードの態勢に移る。そして声が届かなかったらしい連中にも横目でそのことが見えたのか次々と攻撃態勢から移っていくが、やはり全員には伝達しきらず、ボスの目が光ると同時に奴の口から灰色のブレスが発射され、攻撃態勢に入っていた数人を巻き込んだ。
「やっぱ、ブレス攻撃だったか……今回はどんなとんでもびっくり能力がついてるやら……」
まぁ、ウチの連中から言われてる通りただで済むってことはねぇだろう。ただ単に威力の高いブレスだったら何回もボス戦で見てるし、デパフ能力付加なんてのも割と見る。なんせ2層の時点でサンダーブレス吐いてくるような奴がいるからな。インパクト的には25層のやつの特殊能力上回ってもらわねェと面白くねぇな。
んなこと思ってるとコペルが横から話してきた。
「へぇ、ちゃんと注意して戦闘してるってのもあながち嘘じゃないみたいだな。一瞬でのけぞりとブレスの初動の違いを見極めるまでならいざ知らずブレス攻撃を吸収してたたっ切ろうって考えなかったのは正直驚愕だよ」
「はん、当たり前だろ、なにせ俺だぜ?あの程度のカモフラでごまかせると思ったら大間違いだぜ。それにいくら楽しいからって死んじまったらその楽しみも減っちまうからな」
俺が得意げに話してやるとコペルの奴は「あぁ、いつものカイで安心したよ」と失礼なことを言いつつボスの方を向いた。
まぁそろそろ煙幕切れる頃だしブレスの効能も分かんだろ。いつまでもコペルと論争してるのもバカバカしいしな。
煙が晴れかけてる所を見るとゲージは見える……って事は即死系のブレスじゃあねえ。だけど、チョイ妙だな。HPゲージはブレスの攻撃判定はとっくに終わってるはずなのにまだ緑……もっと言えば全快なんて奴のも見える。……ってぇっと特殊能力に偏ったブレスか。
完全に視界が開けたあと、俺の目にゃ何人かのプレイヤーは確認できたが、そいつらは全員ガード状態だった。だが、問題はガードか回避ができなかったやつだ。
プレイヤーの形はある。少なくとも前みたいなオカルトチックな能力じゃねえ。むしろ
大抵のRPGはその効果を魔法でやっちまうもんだから全然意識してなかったが、よくよく考えりゃそんなこたァなかったな。2層ボスのサンダーブレスだったり属性攻撃なんてのがあんだ。敵さんには魔法チックな攻撃があったとしても不思議はねぇわな。
だが、50層ボスの能力としてはお粗末すぎんな。確かに麻痺なんかとは比べモンになんねぇくれえのデパフだが今の流れで弱点が分かった。一つはガード出来ちまう点、当然ガード不能ならガード体勢のやつだって石化してるはずだがそんなことはなく今も石化しちまった奴に話しかけてやがる。第二もあったんだがその可能性はすぐに潰された。
「ぎゃあああああ!!」
「うわぁあっ!!」
石化しちまった奴らを心配して近寄ってきた奴らにボスの拳が連続で降り注いでいく。当然石化した奴らの近くにいたプレイヤーを襲っているのでもちろん石化したやつらにも当たっていく。
……っつーことは。
石化したプレイヤーに拳が当たった途端、そのアバターは粉々に砕け散り数瞬後に今度はポリゴンの欠片となって消える。
「なるほど、石化の扱いは鬼畜仕様か……。一回でも石化状態で攻撃に当たればブッ壊れてゲームオーバーか。これなら25層よりムズくなったって言ってもいいかもな。
だけどよ―――
「皆、聞け。石化攻撃は脅威だが、ガードしたプレイヤーには効いていない!!だったら盾を装備したプレイヤーと攻撃部隊がセットになればさほど恐るべき攻撃じゃない!取り乱すな!!むしろそっちのほうが危険だ!!」
ダンナに俺が言いたかったこと取られちまったな。
だけど、その言葉を聞いても石化というデパフを見た連中の騒ぎは収まらなかった。ダンナの影響力をもってしてこの程度じゃ俺が言ったところで効果は更に薄かったな。っと考えてる場合じゃねぇな。行くぜ!
「オラオラ!デカ物、てめぇの相手はこっちだろーが!!俺相手によそ見してんじゃ、ねえよ!!」
ガッキぃイイン
「(クッ、硬いのは相変わらずか……)」
ボスを振り向かせようと俺が放ったソードスキルは10連撃《旋風独楽》全HITでさっきはダメージを食らわせ今回もヘイトを稼げるはずだったが、微動だにしねぇ……硬さにさらに磨きがかかったんか?
「チッ、これでもダメとなるとやっぱり弱点への精密攻撃が必要か……、っておい!そんなトコ突っ立ってるとやられるぞ!!」
俺の目に止まったのは風林火山のメンバーだ。ボスはボスでそいつを狙ってるらしくブレスの準備中だ。にも関わらず動く気配がない。ったくコイツも他の奴と一緒で放心してんのかよ。
っつっても今俺はソードスキルの硬直時間中だから動けねぇ。やられたな。
だけど、現実にはそうはならなかった。ヒースの旦那が間に入ってブレスをガードしプレイヤーを守っていた。
「B隊スイッチ!!A隊は即座に後退!!戦闘の邪魔にならない所に石化したプレイヤーを発見したら連れて退避せよ!!」
ヒースの旦那のセリフに触発された数人が行動を開始した。近くにいる放心したプレイヤーに声をかけ現実に引き戻す。次いで後を託されたB隊が部屋へなだれ込んで我先にと言わんばかりにボスを攻撃する。
もうちょい戦いたかったが、仕方ねぇ。ここは大人しく下がるか。
俺はちょっと離れたとこにいた件の風林火山のプレイヤーを連れてボスの部屋を出た。
キリトside
ヒースクリフの合図と共にボスの部屋へなだれ込む。
さっきまでの戦いで最も注意することは石化のブレス攻撃だろうな。だけど一回見た限りではブレスは直線状、的確にガードできるプレイヤーと協力しながらなら大したことはない。
「セイントセーバーズの諸君、我らの力を誇示する時だ!!私に続け!!」
「「「おぉおおおおおおお!!!!!」」」
……まるでそれ以外はおこぼれでも拾っててくださいと言わんばかりだな、ブランシュの奴。まぁあっちがそのつもりならこっちはこっちで独自に戦おう。
「ケイタ、A隊の戦いぶりを見るにディアベルの提案した戦法が有効だと思うんだが、どうする?」
俺に振られたケイタは少し迷った後、ギルド全体に言った。
「そうだな。班は僕とテツオ、サチとキリト、ササマルとダッカーの組でいこう。皆異論は?」
当然あるべくもないというように皆首を横に振る。俺は俺でクリスマスの時の指揮ぶりを見て心から任せられると思うし、作戦通りガードのできるサチ、テツオ、ササマルが振り分けられている、問題はない。
「よろしく、キリト」
「こっちこそ。じゃあ、行こう」
A隊が残した情報によればあの異様に多い腕のどこかに亀裂がありそこが弱点。それ以外は大して攻撃が通らない、と……
確かに戦いにくい相手かもしれないが、弱点が明確ならそれなりに戦い方もある。
連続技に拘らず、単発技をちょっとした隙に入れていけばそれだけでもダメージは入る上に、ブレスも含め攻撃は全てが単調な直線状攻撃でガードが可能だ。
それだけじゃなく、今は頼れるパートナーがいる隙の大きい攻撃を出してもカバーしてくれる
「サチ、スイッチ!」
「了解、キリト!」
俺の《ヴォーパル・ストライク》の閃光が亀裂の位置を完全に捉え、遂にボスのHPをイエローゾーンまで追い込んだ。
そして狙い違わずボスをタゲした俺に向かって流星群の如き拳の連撃が俺に降り注ぐが、それをサチの金属製の盾が防ぐ。流石にどちらもノーダメージとまではいかなかったが、直撃するより大幅なダメージカットでどちらも最大HPの一割ほどが減少する。そして、俺の方は更に戦闘時回復により10秒毎に350の回復があるからポーションを飲むほどのダメージじゃない。
「それ、バトルヒーリングだよね。ダメだよ、あれって熟練度上げるの危険なんでしょ?」
「まぁな。だけど、コツを掴んだら上げるのに危険は大してないさ。それにソロで攻略してた時は大ダメージを受けるなんて日常茶飯事だったからついでに習得してただけだよ。サチ達と一緒に行動してからは大して熟練度上げもしてないから次の機会にでも新しいスキルと入れ替えるさ」
「……それなら、いいけど」
俺のHPゲージを見てたのかサチが心配そうに俺を諭す。そもそも、ボス戦、強いて言えばこのSAO、フィールドに出てしまえば安全なことなんかひとつもない気がするんだが……
まぁ、俺自身このスキルはギルドに所属している現状必要なくなったスキルなのであくまでオマケとして付けていることを伝え、場を収める。
「ブレス攻撃が来る!全隊ガードもしくは回避態勢に移れ!!」
前線にいたメンバーから通達が入る。それを聞いていた俺は攻撃終了後のサチの目の前に入り防御体制に入る。盾なしといえど各種ソードスキルの中には防御に特化した技も存在する。
俺は自分の片手剣を目の前で回転させソードスキルを発動させる。ソードスキルのライトエフェクトも相まって光の盾を形成しブレスを防ぐ。片手剣防御剣技《チェルキオ・ディフェーザ》物理属性の攻撃には弱いがブレスのような特殊攻撃には滅法強い防御技だ。
……ちょっとまずいな。俺達B隊に俺とサチはブレスを防げたがどうしても長時間の戦闘になると連携が崩れてくる。今もブレス攻撃を躱しきれずにセイントセーバーズのメンバーが何人か石化してしまった。
だけどその為の2大隊戦法だ。全体が疲れてきたならスイッチをすればいい。スイッチの合図は基本的には大隊長のヒースクリフかブランシュに任せられている。俺はブランシュに一回下がって戦線を立て直すように言いに行く。
「ブランシュ、一回後退だ。体勢を立て直そう」
「何を言っている!まだ部隊は戦える。戦意がないなら邪魔をするな!セイントセーバーズ諸君突撃だ!」
「そっちこそ何言ってるんだ!今は安全を第一に皆を引かせてA隊にスイッチし石化してしまったプレイヤーを保護するのが先決……!?」
俺はブランシュの目を見た瞬間気づいてしまった。やつの瞳には昔の俺とある種同種の炎が宿っていた。
―――執念。あるものに執着しそこから離れられなくなる。理性のみでは抑え難い衝動。かつて俺もソロだった頃、蘇生アイテムを得るためにレベル上げに執着した。その結果、俺はフラグMobに殺されそうになった。
そこを助けてくれたのが今の俺の仲間である“月夜の黒猫団”だった。彼らの献身によって俺はその執念から解放された。
この男に執念を抱かせているのは間違いなくラストアタック・ボーナスだ。だけどその向こう側にもう一つ。この世界がゲームであること故に誰もが陥りやすい最強という名への固執。尚且つブランシュはこの世界で最強に近い存在だ。だけど、ここにいるプレイヤーに誰が最強かという質問をすれば間違いなく全員がヒースクリフと答えるだろう。
それをブランシュ自身も認めてしまっているからこそその劣等感はとてつもないものだろう。だからこそLAに固執する。
「行け!力を示すのだ!!」
「うぉおおおおおお!!!」
チッ、このままじゃ埒があかない。このままここにいても多分ブランシュは聞き入れない。どころか、俺がいないことでサチ達の負担が増えるだけだ。今の俺は他人を守るっていう大仰な事はできない。
それに無理にスイッチをしたところでブランシュが引かないという意思表示をすれば大混戦になり余計に不利になってしまう。
そう思った俺はその場をあとにしサチ達のもとへ向かった
「全く何を考えているんだ、石化したメンバーも増えてきたっていうのに引かせないなんて……」
「仕方ない、あいつ自身が撤退の意思を見せるまでなんとか持たすしかないな」
この作戦、失敗だったかもな。ヒースクリフは冷静な判断を下せるからスイッチのタイミングもいい感じだったがもう一人のスイッチ権限者がLAに固執してこの状態のまま倒そうとしている。
だけど幸いゲージは最後の段に突入して……突入して?そうだ!コイツは一段削ったらパターンが変わった。だとしたら、今回も又……
「やつの命はもはや風前の灯火!者共!突撃だァ!!」
「待て!ボスのゲージは最後の段に入った。ここは様子を見てパターンの変化に慣れてから―――」
「構うな!セイントセーバーズは無敵。俺に続け!!」
ケイタの言葉に耳を貸す風でもなく部隊に突撃の命令を出すがなんの情報もないのに突っ込ませるは利口な判断じゃない!
そう言ってるあいだにもセイントセーバーズはボスに近付きそれに気づいた奴も攻撃態勢に入る。
「対ブレス攻撃用意!!」
ブランシュが言うと同時に後ろに控えていた壁仕様の数人が前に躍り出て防御姿勢を作りブレスを防ぐ。
「Gugu!?」
「ハッハッハ!我が隊に死角はない!そもそも疲労なぞあるものか!!」
いかれてやがる!疲労があるかないかなんて火を見るより明らかだ。あんなにスイッチや高度な《剣技》を連発して疲れていない訳がない。
「死ねぇ!」
全部で4連擊……あの技は両手斧にカテゴリーされる剣技の中でも最上の技、ダイナミック・ヴァイオレンス。両手斧はそもそも総ダメージが最も稼げる武器の一つであり弱点に当たった時のやつの脆弱さを考えればレッドまで持っていくことはたやすいだろう。だがそう簡単にいくとは到底思えない。仮にも50層つまりハーフポイントのボス、まだなにか特殊な能力があるだろう、だからこそ―――
「やめろ!そのボスにはまだ―――」
だが、遅かった。ブランシュの一撃目は見事にボスの亀裂に閃光を散らしてHITした。
その瞬間だった。HITした箇所から灰色の煙がブランシュを含め近くにいたプレイヤーを丸ごと飲み込んだ。
数秒後煙が晴れるとそこにはプレイヤーの石像が出来上がっていた。
さて、自分の小説のオリキャラを窮地に持っていくのは少ないですが、次の話では原作キャラも被害に遭うと思いますよ。
フレッドの登場までにはまだ時間がかかると思います。
ご感想・ご意見は引き続きビシバシ言っていただければ幸いです。
今回、推敲する時間がそんななかったので誤字脱字が多いかなと思いますがあれば指摘して頂ければと思います。
では、今回はこの辺で……、ではでは!