SAO ~属性を操りし豪剣士~   作:ALHA

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サブタイのうまい言い回しなかなか思いつかないっすねぇ~。
どうも、ALHAでごぜえます。
とりあえず日曜更新できて内心ホッとしとります。

さて、今回からフレッド……壊れます。
まぁどんな風にかは本編見ていただけたらいいかと思いますので早速どぞ!!


第二五話 ~風と火と~

フレッドside

 

 属性結晶……武器にその結晶に対応した属性を付加し、様々なメリットを及ぼす魔法のないこの世界ならではの特殊なアイテム。故に使用者が多い……というわけでは実はない。これは属性結晶の持つデメリットの為にほかならない。

 

 一つに各属性のメリットを受けると共にその属性の持つ固有のデメリットが重いというのが挙げられる。例えば風属性の結晶「疾風結晶」を用いればメリットとして“特殊攻撃の完全無効化”を得られると同時に、“物理攻撃を受けた時ダメージの倍加”という痛いデメリットを受ける。もし、この世界が普通のゲームの世界ということであれば使用者は多かったかもしれねぇが、この世界での死=リアルでの死という状況の中ではメリットを捨ててでもなるべくデメリットは排したいと思うのは当然のことだろう。

 それともう一つプレイヤーがこの結晶を使いたがらない理由が存在する。それが武器の耐久の減少速度の増加である。これはあらゆる属性結晶に言えることで、属性結晶を用いて武器を扱ってる間は例え何もしていなくとも耐久値は減っていき、今の最前線の武器でも3分程で武器破壊を起こしてしまうほどに武器に負担をかける。実際俺のアルティマハイトも3分かそこらで破壊されてしまうだろう。そして属性結晶で減った耐久値は二度と戻らない。自分の今まで使ってきた相棒を壊してまで属性を得るというのはプレイヤーからしたらあほらしいとしか思えないだろう。

 この二つの理由からある程度のメリットと引換えにとてつもないデメリットを及ぼす属性結晶を使うプレイヤーはほぼ皆無だ。

 もうひとつ理由を挙げるのであれば、非常に手に入りにくいアイテムである故に殆ど認知されていないというのも使われない原因の一端だろう。主にこのアイテムは最悪級のトラップを被せた宝箱の中にあったり、フロアボス級の強さを誇るMobに守られていたりと入手が困難な為、そもそも一介のプレイヤーが知ることのできるようなアイテムじゃない。攻略組の中でもほんのひと握りの高レベルプレイヤーのみが存在を知ってるアイテムだ。情報屋に売ったとしてさっき言ったようなデメリットの方が強く一面には飛び出ないだろうな。

 故に運良く手に入ったとしても知らない奴は売却額に釣られて大抵は売っちまうだろうし、効果を知ってる連中なら尚更持ってても使い道のない高額アイテムをストレージに入れてわざわざ圧迫する必要はないから結局売られてしまうアイテムだった。

 

 だが、エクストラスキル“豪大剣”を手に入れた俺からしたらそんな勿体無いことはない。

 この豪大剣というスキルはこの属性結晶を使う事が前提の代物らしく、属性結晶を用いた専用のソードスキルが存在する。しかもそのソードスキルのどれもがイカれた性能を誇り、こと戦闘においては無類の強さを発揮する。

 

 そして、目の前にいるコイツは石化特化型のビルドらしいからな。特殊攻撃を防ぐ風属性のメリットはまさにコイツにとって天敵となりうる訳だ。

「さて、時間がないんだ。3分で決めさせてもらうぜ?《エア・バースト》!」

 風を纏った剣に緑のライトエフェクトが追加される。それを刀身で仰ぐように剣を振ることで前方に突風が吹く。すると部屋中のガスがボスのいる方向へ流されフロアの出入り口に穴が空く。……3分程度じゃ出入り口には戻らんだろうからして、これでキリト君とケイタが入ってこれるようになったろう。

 

 次はこれだ。

「《ウインド・カッター》!!」

 俺がX字状に剣を振ることで緑の斬撃がボスに向かって飛び、ボスにしちゃかなりゲージが減る。これが10層のNPCが言ってた遠くより敵を討つ攻撃なんだろうな。

 

 やっぱり俺の思った通りだったな。コペル達曰くコイツは防御が異様に硬い。だがそいつはあくまでSAOのプレイヤーの技の殆どが物理攻撃だったからだろう。本来であれば敵に対してどの属性が弱点かは攻撃してみるまで分からないが、大抵のゲームでは物理防御が強い奴は特殊防御に弱いっつージンクス的なもんが存在する。だから、本来の弱点も勿論存在するだろうが、コイツには特殊攻撃で攻めていけば物理で攻め続けるよりかは効率的にダメージを与えられるっつー俺の推察は正しかった訳だ。

 

 しかし、ダメージ量からして遠距離からずっと攻めててもこれじゃ3分で瀕死に追い込む事は出来んだろうな。だったら、俺のいつも通りの攻め方に変更するとしよう。……近づいて体ん中に直接属性ダメージを通す。

 

 俺が走り出すと同時に奴も迎撃しようと石化ブレスを吐いてくるが、今の俺に特殊攻撃は完全に無意味。とっとと決めようと更に加速した所、目の前に影が現れる。割と着くのが早かったなと思いつつ、俺はその影をボスと断定し新たなソードスキルの準備をしていた―――

 

 ―――次の瞬間前半身に鈍い違和感を覚えた。

「なっ!?」

 俺にぶつかってきたのはボスでもなんでもなく奴の周りに浮いてる金属塊の一つだった。それを認識した途端に俺の方めがけて次々と塊が飛んでくるがそれを俺はパリィやステップを駆使してダメージを防ぐ。

 風属性のデメリットである物理ダメージ倍加を受け、俺のHPは一気にイエローゾーンまで減っちまってた。……なるほど、これが戦意の増幅か。まあ、例の発作が来なかっただけマシだな……

 俺は一度下がってブレスによる煙の目隠しの外に出て体制を立て直す。思ったより厄介だな、あの特殊効果。実際問題として石化ブレスを目隠しにして塊を飛ばそうが、いつもの俺なら簡単に見切れてた筈だった。それができなかったのは戦意を掻き立てられ、冷静な判断を失ってた為と俺は勝手に思い、意識を再びボスに向ける。時間はあと2分、余計なことを考えてる暇はない。それまでに奴に近付いて一回ぶった斬りケイタとキリト君に繋がなければ結局、敗走しちまうことになる。あそこまで言っちまった手前そんなことは俺自身許さねぇ!!

 

 だったら、攻め方を変えるまで。あの目隠しブレスに阻まれればあの塊に当たる可能性はかなり高い。となれば、先にあの塊を除けておけばブレスを吐かれようが構う事は一切ない。

 そう思い立った俺は直接ではなく回りこむように走り出す。当然奴もそれを追ってくるが剛力を得てから一転敏捷値に極振りしている俺のスピードには叶うはずもなく10秒とかからずに後ろを取る。

 ボスはブレスが間に合わないと判断したのか、振り返りながら周りの塊を俺の方に、後ろに目がついてんじゃないかというくらいに精密に飛ばしてくるが、目隠しがなければこんなもんどうってことはない。

 “眼前のものはその豪なる刀身にて全てを粉砕す”豪大剣の前に生物以外のオブジェクトは無に等しいってことを教えてやろう。

 

「……《オール・デリート》!!」

 これはカイに感化されて俺が勝手につけたもんだ。本当の名前は知らん、てかそもそも存在しねぇだろう。

 目の前に迫ってきた塊を俺はソードスキルを発動せず(・・)に叩きつけるようにして剣とぶつける。その瞬間、その塊から紫の障壁が出るが、アルティマハイトはそれすらをもぶった斬り、二分された塊は俺の斜め後方の床と激突し、ポリゴンのかけらとなって消え失せた。

 オール・デリートと名付けたこの性能は豪大剣の基本性能であり、目玉の一つでもある。豪大剣はプレイヤーもしくは敵といったこの世界での生命体に触れられていない物体を問答無用にぶった斬り消滅させる。つまり、どういう理屈で浮いてるか知らんが奴と一切の接点を持たない塊如き姿が見えればなんのことはない。

 俺は続けて飛んでくる塊を全て一刀で斬り伏せるが、流石にそんなことをやってるとボスが振り向くには十分な時間を稼がれちまう。が、こっちもあいつがこっちを振り向いてブレスを吐くまでには全ての塊を壊すには十分だ。

 

 全ての塊を壊したはいいが、残りあと30秒……急ぐか!

「さて、年貢の納め時だぜ、ボスさんよぉ!」

 既に俺と奴の距離は5~10mって言ったとこ、時間的に大技のソードスキルは一発分しか撃てねぇだろう。だったら……!

 俺は更にボスに接近しながらアルティマハイトの刀身に人差し指と中指を当て根元から(きっさき)に向けて指をスライドさせる。これが武器を破壊する前に自発的に結晶の能力をオフにするやり方だ。だが、俺は今更アルティマハイトに対して惜しいと思ったわけでは当然なく、新たにポーチにあったもうひとつの結晶「火炎結晶」を取り出し、言い放つ。

「火炎・開放!」

 火の能力……それは相手の防御を貫通し、ダメージを与えた場合に一定時間物理攻撃以外の攻撃手段を全て封印する。それがメリットだが、デメリットも相応に厳しいものがある。

 それは発動している間、常に火を纏う為に起こる熱による自分のHPの減少である。しかもそのHPの減少は半端なスピードではなく1分で15000もの数値を削られる。単純に俺のMAXHPの4分の3を削る捨て身の属性だ。だがそれ故に叩き出すダメージは相手の防御を貫通するので風属性の比ではない。

 今の俺のHPは8000、30秒ではぎりぎり削られ切ることはないが、全身を炎の熱による不愉快な感触が身を包む。まぁんなこと言ってる場合じゃねぇな。速攻で決める!

 俺は炎を纏ったアルティマハイトを下からボスに向かって斬り付けそのまま剣を上空へ放る。それと同時に剣を放ったことにより一時的に解放される跳躍を発動し自分もボスの眼前まで跳ぶ。先に放った剣をキャッチしそのまま縦に真っ二つにする勢いで一気に地面まで斬り下ろす。今、俺の持つ最大級の攻撃力を誇る炎の豪大剣二連超重攻撃《ダイナミック・ブレイズ》、予想通りHPを1、2ドット残し、残りを消滅させる。

 本当だったらここで石化ガスが噴射されるだろうが炎の属性エフェクトによりそれら石化系統の能力は封印したんで当然出ない。

 あとは彼らの仕事だと思い、無駄と思いつつも俺は剣の炎を払う。

 

 だが奴もしつこい。さっきまで固まってた腕が動き始めその中の一つで咆哮を伴い、俺を狙うが、お前の命運は既に尽きてるんだぜ?

「はぁあああっ!!!」

 ケイタの気合の声と共に発せられた棍の一撃は奴の頭に見事HITしスタンを引き起こす。そして、スタンを引き起こしたボスに続けて放たれるは蒼白き斬撃、それがボスの腹辺りを中心に4本の線を描いた次の瞬間放射状に広がった。

 そして同時にボスは断末魔の叫びを上げ、この世界からデータの欠片も残さずに消え去り、俺の剣も同様に弾けて消えた。

 

キリトside

 

 フレッドの指示はこうだった。“俺がHPゲージを1、2ドット程度にしたらお前らで屠れ”その指示通りケイタの高確率スタン技《バイオレント・ノック》が頭に入った次の瞬間俺はボスの懐に入り4連擊《バーチカル・スクエア》を決め、何十人ものプレイヤーを殺した千手観音はポリゴンの欠片となって俺らの視界から消えていた。

 

 そして、目の前にCongratulation!!の文字が出てきたことで残っていたプレイヤーから歓声が上がった。

「やった……やったぁああああ!!」

「勝てたんだ、俺達50層のボスを倒したんだぁああ!!」

「すげぇええ!なんだったんだ今の!?」

 周りから口々にすごいだのやっただのの声が上がる中、俺自身もフレッドには驚かされた。フレッドが使っていたのは間違いなく属性結晶、武器にモンスターが使うような特殊効果を乗せるマジックアイテムだが、それと同時にデメリットとして自分の武器を破壊することになってしまう上に各属性特有のデメリットが戦闘中プレイヤーを襲う。

 俺自身一回迷宮区の宝部屋から「火炎結晶」を手に入れ使い捨ての武器で試したことがあるから分かるがあんなもん戦闘での実用性なんか一切ないし使いこなすやつがまさかいようとは思いもしなかった。

 

 そして、もう一人のMVPヒースクリフ、あれはそもそも見たことがない。さっきは戦闘中だったから皆何も言わなかったろうが、盾を使ったソードスキルなんて見たこともなければ聞いたこともない。

 俺と同じことを感じたのかディアベルがヒースクリフに問いかけた。

「ヒースクリフさん、さっき戦ってた中でのあの盾を使ったスキル。あれはなんなんです?」

「ふむ、あれはつい最近私のスキル一覧に現れたエクストラスキル“神聖剣”なるものだ。出現条件が一切分からない故、恐らくはユニークスキルの一種だと思われる」

 周囲がおぉという言葉で満たされる。ユニークスキルといえばあるプレイヤー専用のスキルと言われその性能は計り知れないと言われている代物だ。これは10層辺りでNPCが言っていたスキル……!?

「フレッド、もしかしてあんたが今使ってたスキルって……?」

「あぁ、多分考えてる通りだと思うぜ。このスキルの名前は“豪大剣”ま、あのNPCの言うことが正しければこれもユニークスキルの一つだろうな」

 こちらも再びおぉという声が上がる。さすがにこれは内容が分かってるからスキルの推察は出来た。フレッドが今戦闘で行った行為は敵を遠方から斬り付け、イモータルに設定されていたオブジェクトをシステムの障壁ごと真っ二つに切り裂く。まさにNPCの言った通りの性能な訳だしな……。

 

「あんまり、水挿したくねぇんだけどさ。気付いてる?石化したメンバーの状態異常が解けてないことに」

「えっ!?」

 フレッドの言葉を受け周囲を見渡す。……確かに、アスナみたいに完全に石化したプレイヤーは当然ながらシリカみたいにごく一部が石化したプレイヤーの石化すら解けていない。

 だけどわざわざ石化なんていう状態異常を課したということは回復手段も当然あるはず、でなければあれも即死という効果にすれば良かっただけなのだから。

 

 周囲が一転して暗い雰囲気に包まれているとヒースクリフが静かに口を開いた。

「第47層の《巨大花の森》……そこに《解除薬》なる薬を作るための素材を持つモンスターを討伐してくれというクエストがあった。そのアイテムは何かを解除するための薬だというのまでは分かるのだが詳細が分からなかった為、報酬がその《解除薬》なるアイテムのみだったクエストをまだ誰もクリアしていないらしい。もしかすると、そのアイテムは石化状態を治すためのものなのかもしれない」

 ……なんだそれ。俺自身は一回も聞いたことがないんだが、と思ってるとKoBの連中が確かにそんなクエスト見た記憶があると口々に言う。……俺が見逃していただけなのか。

 だけど、考えても始まらない。その話があるのは本当らしいし、それが本当に石化を治す為のものならこれでサチが助かる。もし、違くても十分に試す価値はある。

 

「……よし、じゃあ今日は皆疲れただろうから一回転移結晶で戻ろう。アクティベートできないのは残念だけど石化したプレイヤーをこのままにしておくこともできないし安全を帰して、な。で、その解除薬に関しては明日また50層の広場に集まって協議しよう」

 口には出さないが皆頷いてくれた為、了承はしてくれたようでポーチから次々に転移結晶を取り出す。

「転移!!アルゲード!!」

 そして、青白い光を放ちながら皆50層に転移していった。




いぇ~い、遂にやっちまったぜ!チート感バリッバリに出してしまった今回。これヤバイな、ハーフポイントのボスのめちゃめちゃ硬い一段の半分を3分でほぼ削ってしまうなんて正気の沙汰じゃない……ま、いっか。専用スキルってくらいだからこれぐらいチートしても問題ないっしょ。不死破壊はやりすぎ感あるんですけどね。

しかし、石化は倒されても解除されない……次回いい加減解決したいですw

さて業務連絡をば……このあとの展開なんですが~彼女達の恋心~と称してキリト君に対する原作とは違った出会い方をしたり、生きてらっしゃったりする原作ヒロイン達の恋心を描くルートを書こうかなと思ってるんですが、ぶっちゃけ悩んでます。一つに私ALHAは恋愛描写?何それ美味しいの?レベルで書いたことがない上に恋愛小説を読んだことがない。まぁ、だからこの小説、オリ主に対するヒロインがいないんですけどねぇ……。二つ、この話入るとオリ主であるはずのフレッドが空気になる。これってどうなんでしょう?オリ主いるのに空気になる、ぶっちゃけ駄目な気がするんですけど、できれば読者様のご意見伺えたらと思います。

例によって長くなってしまったんで今回はこのへんで……ではでは!
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