ゲート~永遠に幼き紅い月と愉快な仲間たち、彼の地にて斯く戦えり~ 作:S²提督
定期試験前の息抜きという名の現実逃避()に書いています。
作者は男です。お嬢様口調は頑張って書いています。
あと、作者はゲート0(知らない人のために書いておくと、ゲートの銀座事件を描いた公式前日譚です)も途中まで読んでいますが、その設定はスルーしてオリジナル展開にします。あの腐ったものを偶然目撃してしまった婦警さんや善良な一市民さんなどは登場しません。銀座事件の発生もコミケ2日目ではなく初日になっています。ご了承ください。
私は気付くと生まれ変わっていた。
というのが定型文なのかしら。
まあ、そんなことはどうでもいいわね。転生しているのに前世の記憶が残っているっていうのも今はどうでもいいわ。いやまあある意味どうでもいいことではないかもしれないけれど。
一番の問題は、転生した体よ。
『東方Project』のレミリア・スカーレットだったのよ。転生先が。
それも幻想郷ではなく、前に生きていた世界から十数年ほど前の並行世界の現代日本に。なぜ並行世界かとわかったかというと、人物の名前などが若干違ったりしたからよ。
政治家や政党の名前が若干違ったり、歴史的事件の日付が数日ずれていたり、とかね。
……レミリアは500歳くらいだったはずだし、気が付いた時点ですでに今とほぼ同じ体だったから憑依と言った方がいいかもしれないわね。幸い、体の影響か自然とお嬢様口調になるし、憑依前の習慣や記憶が若干残っているっぽいから、周りに怪しまれることはなかったわ。
まあ、そこは大した問題じゃないわ。前世での妹が今世でもフランドール・スカーレットとして妹になっていたり、すでに今世でも親が亡くなっていて遺産だけが残っていたり、実際は吸血鬼だけど公にはイギリス出身のここ数年程の最近最近日本に引っ越してきた、人間の上流階級出身の肌の弱い上見た目が幼い謎に日本語がうまい外国人令嬢(銀髪赤目)という属性盛りすぎな扱いになっていたりしたけれど、それよりももっと大きな問題があったの。
この世界にも『東方Project』が普通にあった。
お酒大好きな神主さんはいるし、紅魔郷はリメイクが出て、⑨は算数教室をし、ナイトオブナイツが原曲だと一定数の人に勘違いされる。
つまり普通に前世と変わりなく存在しているのよ。
オタク的には嬉しいのだが、これは非常にまずいことよ。
今の私は見た目も名前も能力もレミリア・スカーレット(偽)なの。
ただのクオリティーがすごい高い、自らの役を演じ切っているコスプレイヤーだと思われるだけならまだいいわ。
何かの拍子にまぎれもなく本物(中身をのぞく)だとバレたら一体どうなることか。
まずオタクたちが狂喜する。これはまだいい。
次に政府に東方の情報が伝わる。政府の中枢にオタクがいたらこの過程は飛ばされるかもしれないわ。
すると十中八九国は私たちを危険視するわ。だって「運命を操る程度の能力」や「あらゆる物を破壊する程度の能力」なんて持っている者がうろうろしてたら誰だって危険視するでしょう?私が政府の立場だったらそう思うわ。
そしたら、ジ・エンドね。もしかしたら「吸血鬼だから人権はない」とか言って実験動物にされたり、解剖されて……なんてことも考えられるわ。
そんなことにならないため、私たちはいくつかのルールや習慣を考えたわ。
まずその1。能力を人前で使わない。これは当たり前ね。
その2。できるだけ外に出ない。これも、そもそも日の光を浴びたら焼けるし、雨の日はそもそも外に出れないし、親の遺産が人生数百年分はあるし、買い物とかにはメイドの咲夜(彼女は転生者ではなかったわ。咲夜「転生?すみませんお嬢様、私は無神論者なので……」)が行ってくれるし、特に問題はなかったわ。
でも、ずっと家に引きこもっているわけにはいかない事情があるのよ。いろいろ。たとえば、コミケや例大祭に行っていろいろ入手したり、友人と遊びに行ったり、とかね。
そうそう、今世での私は、友人ができたのよ。それも同じ転生者のね。
それが博麗霊夢と霧雨魔理沙よ。
霊夢の方は逆にネットとかで話題になっていない方が不思議な気がする博麗神社というそのまんま過ぎる神社に生まれたそうよ。ほんと、こんなにインターネットが発達している時代、東方好きの一人や二人が発見して話題になってそうなものだけれどね。幻想郷とは違い、食べものとかを持ってきてくれる人もほとんどいない中で、極限……とまでではないけれど実質サバイバル生活をしていたようね。一応何者か(十中八九八雲紫でしょうね。それか私たちをこの世界に転生させた何かか。まあ本人が紫から博麗の巫女に必要なあれこれを教えてもらったって言ってたから紫なのはほぼ確定ね。)による
魔理沙の方は、やはり霧雨店という想像通りな名の古道具屋生まれだそうよ。この世界には当然ながら某スコットランドの古城を利用した危機管理がなってなさすぎる魔法学校や巨大海燕に乗って通う孤島の魔法学校なんて物はないのでその魔法の使い方がわからず、持て余していたそうだけれど、私たちと出会ってからは
とまあ紹介はこれくらいにして、明日は待ちに待ったコミックマーケットよ!この日のために念入りに服も洗濯してもらって、霊夢の分も含めたお小遣いを咲夜に☆
ふふっ、こんなにも月が紅い(※うそです。皆既月食でもないし、普通にいつも通りです)から、早く寝るわよ。
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俺、伊丹耀司は、銀座の指定された待ち合わせ場所で困惑していた。すごく困惑していた。
ネッ友4人と今日、ここでこの時間に待ち合わせをする予定だったのに、その時間その場所に行っても、それらしい奴が見当たらなかったからだ。一応凄い高クオリティーなコスプレ美少女が4人いるが、まさかこいつらではないだろう。
「お姉様、彼ずっと困惑してるよ?」
「フラン、彼は現実を受け入れられていないだけよ。受け入れるまで少し待ちなさい。」
何か言っているが困惑している俺の耳には入らない。入らないったら入らない。
しかし、いつまでもこうしているわけには行かないからな。意を決して話しかけてみる。
「……えー、ネット上で『幼き紅月』とかいう名前使ってるやつ、ここにいないよな……いや、まさk」
「私よ。」どやぁ
「えぇ……」
東方Projectのレミリア・スカーレットのコスプレをしている幼女がなぜかどや顔で答える。
「……じゃあ、『破壊神(怪獣王にあらず)』とかいう名前の奴は……」
「私よ!私!」
フランドール・スカーレットのコスプレをした幼女が飛び跳ねながら答える。
「じゃあ『万年貧乏』とか言ってたやつは……」
「私よ。実際貧乏なんだから」
「霊夢、それは誇れることじゃないぜ」
博麗霊夢のコスプレをしたやつが答える。
「じゃあ『普通の魔法使い見習い』は……」
「私だぜ」
霧雨魔理沙のコスプレをしている奴が答える。
俺は頭を抱えた。ネット上での一部の書き方からおそらく女性だろうということはわかっていた。しかし、まさかこんな奴らだと予想できるわけがないだろう。予想できたらそいつは預言者か頭がおかしい奴だ。
兎にも角にも、目の前のコスプレ集団がほぼ間違いなくネッ友だということで頭を痛めつつも、俺は自己紹介をした。
「はぁ……俺は伊丹耀司、しがないオタク自衛官だ。ネット上では『アベンジャー』と名乗っている。座右の銘は『趣味の合間に人生』、よろしく。」
「あなたほんとに自衛官なの?」
「ほんとだよ!これ見ろこれ!」
思わず情報を抜かれる危険性なども忘れてレミリアコスの奴に身分証を見せてしまう。
「……陸上自衛隊三尉、伊丹耀司……ほんとだったのね」
「いや別に疑う根拠も理由もなかっただろ。そういうお前らはナニモンなんだそんなクオリティーがたけーコスプレして」
俺は逆にコスプレ集団に問いかけてやった。
「永遠に幼き紅い月、レミリア・スカーレットよ。」
「黙る子も泣く悪魔の妹、破壊神のフランドール・スカーレットよ!」
「楽園の素敵な巫女っぽい人、博麗霊夢よ。」
「普通の魔法使いになりたい霧雨魔理沙だぜ!」
「俺は本名を聞いてるんだよ。」
俺は呆れて問いかけなおす。他にも保護者はどこいるんだとかいろいろ言いたいことはあるが。
「本名も何も、これが本名よ。信じるか信じないかはあなた次第だけれどね。」
レミリア(仮)がふふっと鼻で笑う。その様子が、やけに本物らしく見え、俺は追及する気も失せた。考えるのをやめたともいう。そこで俺はあることを思い出し、腕時計を見て言った。
「……わかった、そろそろ移動しないと時間もまずいし、もうさっさと行くぞ。」
この後、この現場を見たお巡りさんに職質されて大ピンチに陥ったものの、何とか抜け出すことができた。
もっとも、この後待ち受ける、職質のことなんてどうでもよくなるような大事件のことを、今の時点では誰も気付くことができなかったのは、また別の話なのだが。
やっと書けました。やったー。
第3話くらいまでは構想と原型ができていますので、そこら辺までは最低でも書けると思います。