ゼンゼロの被害1割で抑えたけど、病ませちゃった奴の英雄譚 作:怒飲焼
今回からゼンゼロの二次創作を書いていきます
今回は少し特殊で、途中までサブ主人公視点がメインで進んでいきます
では、お願いします
「………は?」
目の前の、イゾルデさんから聞いた言葉が理解出来なかった
ただ、短い言葉だったのに…
脳が理解を拒んでいる
「……その…もう一回言ってもらってもいいですか…」
言葉が震える、喉が引き攣る
お願いだから、そんなことを言わないでくれ
そうだドッキリだ
彼はそういうことをしてくる人だった
なら、貴女達も協力しているんでしょう?
ねぇトリガーさん、貴女のそのバイザーの青色も…嘘なんでしょう?
鬼火さん、なんで今は静かなんですか?
そんなのまるで…
「もう1度言おう………彼は……「柊ミツメ」は11年前の……旧都陥落で命を落とした。旧都陥落で命を落としたのは彼を含めて数十名…それ以外の人間は…彼が救ったと言っても過言ではない」
苦しそうな声音で告げるイゾルデさん
その顔には拭いきれない後悔、悲しみが浮かんでいる
その言葉を聞いて膝から崩れ落ちる
涙が止まらない…声を抑えるのも忘れてただひたすら泣いてしまう
後ろからリンちゃんが肩を撫でてくれる
その日、私は自分の想い人の死を告げられた
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私の名前は「篠沢リンネ」
日本で普通の大学生と暮らして、普通の女の子として好きな人に告白するはずだった
だが、ある日から私の想い人…「柊ミツメ」が突如姿を消してしまった
あれからは地獄の日々だった
彼の家族と、友人と、力を合わせてひたすらに彼を探したが、数年間探しても見つからなかった
諦めていたその時、突如目の前に謎の物体…この世界で言う「ホロウ」が現れ、連れ去られてしまった
それからはビデオ屋を経営しながら、ホロウを進む人たちを導く「プロキシ」であるリン・アキラ兄妹のお世話になって生きてきた
だが…澄輝坪へと訪れてきた時に…一時協力関係を結ぶこととなった防衛軍…その大佐であるイゾルデさんから聞かされた言葉ですべてが崩壊してしまった
「……リンネ?大丈夫?」
部屋の外から、リンちゃんの声が聞こえる
その声は心配一色で、本当に私のことを心配してくれていることが分かる
「うん…私は大丈夫…」
「そっか…もう少しでご飯みたいだから…出来たら呼ぶね?」
「うん…ありがとう…」
リンちゃんの靴の音が離れていく
少しの受け答えだが、少し疲れたのか、眠気が襲ってくる
瞼がだんだん落ちていき、そして…眠りに落ちてしまう
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おい…リンネ?
(んん…まだ寝てたい…)
「お~い。もう放課後だぞ」
「まだもうちょっと…」
「はぁ…毎回そういって放課後寝てるんだろ?」
(あれ…この声…)
「ミツメ!」
「わ!急に起きんなよ!」
目を開けた時、最初に目に飛び込んできたのはミツメだった
ミツメは驚いたような顔をしており、そのまま固まっている
「嘘…」
「何が嘘なんだよ。もう17時だぞ!?授業終わったの15時だよ!2時間も寝てたんだぞ!」
「それはごめん……って、2時間も待っててくれたの?」
「…まぁな。お前を1人にして帰るわけにも行かないし…」
「へ、へぇ…」
思わずニヤついてしまう
それほど自分を思ってくれたのだと思うと…
「えへへ…」
「はぁ…呑気な奴だ…ほら、帰るぞ」
ミツメが手を差し出してくる
リンネはその手を見つめ、手を握ろうとする
だがその時、手がすり抜ける
「っ!?」
ミツメはそれにも関わらず、先に歩き出してしまう
「ミツメ!待ってよ!ミツメ!?」
どれだけ叫んでも彼は振り返らない
ドアの向こうは廊下のはずなのに、強い光で何も見えない
走っても、追いつけない
そのまま手を伸ばしても、届かない
「ミツメ!待ってよ!置いてかないで!」
「ミツメ!」
大声を出して起きてしまう
天井に向けて手を伸ばしていて、全身は汗でびっしょりだった
その天井に伸ばしていた手で目を覆い、目尻から流れる涙に触れる
こんな夢を見てしまうほど…自分は恋焦がれていたのか…
「ホントに…嫌になる…」