いじめからは逃げられたけど、今度は兄が苦労している。 作:紡縁永遠
僕の兄さんはちょっと特殊だ。無個性の僕と違って個性を持っている。ただ、たまに変なものを持ち帰ってくる。鎌とか煙管とか、鉄扇とか。
一昨日は刀を持ち帰ってきた。
「出久〜これどう?」
刀身まで黒塗りの、禍々しいオーラを放つ刀だった。
怖くて触れなかった。
他にも定期的に女性の人が遊びに来る。大抵変態だった。物凄く怖い。こっちを恍惚な顔で見てきたり、下ネタしかない会話をしていたりと色々と可怪しい。
兄さんは、ケタケタと笑いながら行っていた。「人と共にいたいからだよ」って。
「出久は?出久はどうしてるんだ?」
人の回想に入ってきた。兄さんの名前は
「それは俺の話だろ?出久の話は?」
いい加減、回想に入ってくるのもしつこいので、僕の話に移ろう。兄さんが呼ぶ通り、僕の名前は出久だ。
個性はないから虐められてきた。
前回の虐めで、僕が気絶をしてしまったら、教室が壊れていた。兄さんは土下座していた。ミスったって言ってた。もともと虐めに関しては、母さんに心配させないようにしていたんだけど、今回の件でそれがバレて、引っ越すことになった。
引っ越す際、女性の方たちは何故か逆さ十字のイヤリングをくれた。中に紙が丸まって入れてあるけど出したら危険だから出さないようにって説明された。
兄さん…本当にこれ何?聞いたら真面目な返答が返ってきた。引き寄せないようにするための盾だよ、そう言っていた。何を引き寄せるのかは教えてくれなかった。
女性の方たちにはもう会えないらしい、ちょっと可笑しかったけど姉みたいで、よく勉強を教えてくれたりした。変態だったけど………
今から行くのは見滝原市という街だ。兄さんは笑っている。ヤバイやつらがいるって言っていた。そして夜に出歩くなとも。
そう言えば兄さんから引っ越す前に、鎖がちぎれた昔ながらの手枷をくれた。ねぇ、本当になにこれ?てかなんで手枷なの?
「気にするな、ヒーローになりたいなら使いこなせるようになれよ」
余計に怖くなった。そして、見滝原について早々、夜の街を歩いていった。よく門限を無視して変な道具を持って帰ってくる兄だ。本当にわけが分からない。何より、寝言で世界滅亡がどうとか言っているのが怖い。
ホーラー全開だけど怖くない!
変態だらけの怪異と重すぎる魔法少女、感が良すぎてキュゥべぇから嫌われる九十九!ツッコミ担当の出久でお送りします!