IS(インフィニット・ストラトス) 未来(あす)を目指す超越者と純粋な存在 作:ナハト・リコリス
第1話 IS学園の入学なんだが、嫌だなあ
「(色々と周りからの視線が嫌なんだけどなぁ~)」
そう思いながら、俺は机に座っていた。刹那に関してはこの周りからの視線で少し嫌な気持ちになっている上に、このIS学園には刹那がこの世で最も嫌悪し、憎悪すら持てるほどの人間がいるこの場所でいるのも嫌であろうが、思い切りいって我慢してもらっている。
というかだ、席に関しては中央で、しかも同じ列の前側3列に男子を集中させている為、俺達を見世物のパンダのような感じの視線が思い切りいって堪らなかった。
実際問題俺もおもいきり言って悪いが、IS学園で在籍するなんてのはこの世で最も嫌であるのだが、一応テスラ・ライヒのいち平社員の扱いでここに来ている俺に取って、職業上の我慢も必要だと思っている。
というかだ、俺と刹那の二人がこの学園にいたくないと思うのは、二つの理由があるからだ。
一つはこの学園にいる俺と刹那以外の男性操縦者であり、世間では『初めてISを動かした男性』扱いされている『織斑秋斗』がいる事と、ブリュンヒルデと言う世界最強の称号を持っているIS乗り『織斑千冬』がこの学園にいるからだ。
これは調べたら簡単に分かったのだが、俺達としては織斑千冬とは一番関わりあいたくなかった。
彼女がこのIS学園にいる理由に関してはある意味最低で、なんと『家族との時間を今後は大切にしたい』等とほざいていたらしいのだ。
流石のこの言葉には刹那が思いきりキレており、刹那の恋人連中全員がぶちキレていた。
まぁこの結果を知った時には俺もキレていたのだが、刹那の方面が俺よりも滅茶苦茶怖かったうえに、更には元々が祟り神でもある『洩矢諏訪子(もりやすわこ)』様が一番怖く、思いきり黒いオーラを纏って『呪殺してやろうか?』と言っていたほどで、滅茶苦茶怖くて堪らなかった。
(紛争介入している時よりも怖くて恐ろしく、後でパンツを見たらチビっていた)
秋斗に関しては表では好い顔をして『神童』という称号をほしいままにしていると言っても過言ではないのだが、裏では結構薄汚く、自分の元に来ている女子を喰い物にし、男子はそれなりの部下にしていた。
そして自分にとってその相手が気に入らなければ、自分の手を汚さない・ばれないで男女共に苦しめていたのだ。
立証しようにも証拠が存在しないので仕方ないのだが、それでもこいつのこの思想が原因で刹那の『友人』が幻想郷に幻想入りし、偶然にも永遠亭である意味に恒例になっていた『輝夜VS妹紅の殺し合い』に巻き込まれたのだが、その時の彼の目には『生きる意志が一切無かった』と永琳先生に言われたほどだ。
その問題の刹那の友人に関しては、今は永琳先生の薬の実験体にされたり、鈴仙と一緒に色々と苦労している苦労人になった上に、少し前に永琳の実験の効能と、鈴仙の目を見てしまって暴走し、永遠亭メンバーと偶然来ていた妹紅と慧音先生と肉体的関係を持ったらしく、それを面白半分で教えた人(紫)によって月の姉妹まで来て大騒動になったのは記憶に新しいと言えた。
というかだ、その二人も師匠である永琳先生に唆されて身体と能力を使えない状態にされ、無理矢理暴走状態になったそいつと関係を持ってしまい、そいつに関しては完全に悶絶していたが、20歳になった時には輝夜・妹紅・永琳と同じ『蓬莱人』になると宣言しており、永遠亭で一生入るとまで言ったのだ。
それを知った刹那も当初は悲しんだのだが、俺が前に刹那に言った『可能性』の存在でも『死』というものは回避できないので、仕方ないと諦めていたが、同時に友人の幸せに関して祝福していた。
そしてもう一つの嫌な理由と言うのは、この俺達がいる1年1組にいる『イギリスの代表候補生』の『レイナ・バーン』が原因でもあった。
彼女は刹那の恋人でもある『クリスティナ・グレイス』こと旧名『セシリア・オルコット』を破滅に追い込んだ張本人でもあるからだ。
彼女はイギリスが開発した第3世代型ISで、BT兵器採用機体『ブルー・ティアーズ』を得る為に、当時から貰う可能性が高かったセシリアを『国家反逆者』に仕立て上げ、セシリアの家でもある『オルコット家』を潰しただけに飽き足らず、セシリアと彼女の友人でもある『チェルシー・ブランケット』の両名を二度と表の世界に出られないようにするため、裏の世界に存在する『人身売買組織』に売ろうとしていたのだ。
正式にはその組織は2人を慰み者にした後に、戦争・企業のために利用する『慰安婦』のような存在に人体・精神改造をする組織で、そのためその組織事態が戦争を起こす可能性のある組織でもあったため、俺達がエクシアを纏って組織を潰したのだが、その際に刹那が2人を保護したのが、後数分遅かったら2人は一生元の世界に戻れなくなるような感じにされかけていた。
俺としてはその際にこの組織の全データを調べた後、この2人の名前と、そして依頼者の名前でレイナの名前を知ったのだ。
容態や精神面でも安定した2人にそのことを話したら、2人もレイナが自分達にこんな事をした主犯と知って驚いていたが、俺も2人から話を聞いてヴェーダを使って調べて見たら、イギリス政府に対して報告された内容は何と偽造で、その報告の証拠等を提出したのは『バーン家』だったとわかったのだ。
これには流石の2人も驚いていたが、俺は彼女達の安全を考えて今までの名前を捨てさせる事にした。
そうでもしなければ2人は死の危険性どころか、表には一切出ることが出来ない存在にされる可能性が高いからだ。
俺はヴェーダの演算処理を使ってセシリア・オルコットとチェルシー・ブランケット両名を死亡した扱いにし、そして同時に二人が死んだと見せかけるため用の事故を起こし、それを利用させてもらったのだ。
セシリアもチェルシーの2人も自分達の帰るべき家を潰した存在を許す事もできず、俺達と一緒に戦う事を決意してくれた。
まぁセシリアに関しては同時に俺がオルコット家の事で知った事実である彼女の父親のことを言ったら、当初は全否定したのだが、彼女の幼馴染であるチェルシーが俺が言った事が事実であると言うと、彼女は涙を流した。
知らなかったとはいえ彼女は父親を嫌い、そして嫌悪していたのだ。
だがしかし、その事実を知った後大粒の涙を流した後、彼女は自分の意思で変わろうとしていった。
まぁその結果なのかは分からないが、クリス(セシリア)は刹那の恋人になり、フィン(チェルシー)に関しては裏の会長でもある俺の仕事を補佐する存在になってくれた。
まぁ話を元に戻すが、そんな事をしてイギリスの最新ISを手に入れた彼女が一緒にいる教室と言うのは、俺達2人に取って二重の意味でも最凶最悪だとしか言いようが無かったのだ。
そして副担任である山田真耶先生の懇願などで織斑が先に自己紹介をする事になった。
「織斑秋斗です。趣味は料理で、家でも結構作っています。ISを動かした初めての男性ということですが、IS方面の知識は無いので、皆さんよろしくお願いします(キラッ)」
そう言って笑顔を見せたら、この教室の女子の大半が黄色い歓声を上げた。
というかだ、その歓声が原因で耳がキィーンとなったのだが、最近の女性って超音波系の兵器なのかと思ったくらいだ。
その後織斑千冬が入ってきて、俺達に先に自己紹介をするように言った。
「わかりました。草薙和輝だ。年は19歳とここにいる皆よりも年上で、テスラ・ライヒのいち平社員でもある。一応会社からは出向扱いでこの学校に来ているので、給料は貰えるが、平社員なので皆に対して大人の対応は出来ないので許してくれ。後、会社からの用事で学校の授業に来れないかもしれないが、これは当初から話し合っているので気にしないでくれ」
「草薙刹那だ。兄である和輝とは血は繋がっていないが、固い絆で結ばれている。IS適正があると分かってテスラ・ライヒの人間としてここに来ている。俺は兄と違って仕事で来れないと言う事は無いので安心して欲しい」
「ちょっと待て。お前は私の弟である『織斑一夏』だ!!何故他人の名前で言う、一夏?」
織斑千冬が刹那の事を『自分の弟』のような感じで言い寄ってきたが、俺が止めた。その際に織斑千冬から睨まれたが、俺としてはこんな奴の睨みなんぞ、怖いとも思わなかった。
逆に俺を怖がらせるならあの時の諏訪子さんクラスを軽く超えるほどのオーラをもってこいと言える。
「失礼ですが、刹那が言ったように、俺と刹那には血の繋がりはありませんが、固い絆で結ばれている俺の弟です。貴方の弟さんは確か調べましたが『事故で死んだんでしょ』?他人の弟に貴方の弟の面影を重ねないで頂きたい。彼は俺『草薙和輝』の弟、『草薙刹那』です」
「なんだと。そいつは間違いなく私の弟の『織斑一夏』だ。もう一人の弟の顔を私が間違えるはずが無い!!」
「知りませんね。俺は貴方の顔なんてTVの特集かIS関係の物でしか見たことがない。それに、同じ顔の人間はこの世には3人ほどいると言われているんですよ?死者と間違われるなんて不愉快です。俺の名前は今兄が言ったように草薙刹那だ。織斑一夏と言う貴方の弟で、しかも事故で死んだ人間でもないし、貴方の弟でも無い。例えそうでも、貴方の栄光と名誉を得る為に死んだと言われている弟さんに同じ口が聞けるか、知りたいものですね。ブリュンヒルデ」
「くっ」
刹那は思い切り織斑千冬の言った発言を否定した。
これに関しては織斑千冬の自業自得とも言える。あの時の誘拐事件のさい、彼女は『自分の大切な家族である弟の命』ではなく、『自分自身の栄光と名誉』をとったのだ。そんな人間に今さら『家族面』されていい顔をするはずが無い。
それにだ、あの事件の後に俺が与えた今の名前で、刹那は自分にとって大切で大事な人達を得ている。
そんな人達と一緒にいる刹那にとって、今の織斑千冬の言葉は『家族を心配していると世間に見せている』偽証でしかないのだ。
それと『織斑一夏』に関しては俺がその時に作っていた最初のヴェーダを利用し、あの誘拐事件後に『死亡した』という嘘の記事を世間に公表しておいたのだ。
ちなみに死亡理由に関しては誘拐事件現場から数キロ離れた所に何かの戦闘跡があり、その場所に『織斑一夏』の学生証があった事で、マフィアか何かの抗争に巻き込まれて死んだ者扱いにされている。
織斑一夏誘拐事件に関しては当初は伏せられていたのだが、この学生証が発見された事で露見し、政府が会見で『目的は不明です』などとほざいたので、俺がツイッタ―等を使って『織斑千冬の2連覇阻止』を強調し、さらに『2連覇が理由で実の弟を見殺しにしたのでは?』と言う風に書き込みをしてやったら、一部は批難してきたが、一部は賛成の意向を示した結果、政府は真実を報道した。
ただし、織斑千冬本人は一切知らなかったと言う扱いであったが。
まぁそんな理由もあって色々と当時は叩かれていたが、俺も刹那もどうでもいいと思った。
俺としては篠ノ之束と強い関係を持っていた人物で、あの白騎士事件で白騎士であった可能性が一番高い織斑千冬が世間からどう思われようと関係なかったし、刹那も家族の命よりも栄光と名誉をとった人物にはどうでもよかったのだ。
そんなこんなで最初のHRは険悪な感じで終ったのだが、俺としては面倒でしかなかった。
その後最初の休み時間に篠ノ之束の妹である篠ノ之箒が刹那に文句を言ってきた上に、殴りかかろうとしたので、俺は彼女を止めるだけにしておいた。
何しろこの娘、自分がどういう状況下にいるのか一切理解もしようとしなければ、逆にそれを他人のせいにして生きているだけの自己中女でしかないと刹那との会話を聞いてそう思ったからだ。
ちなみにその時には織斑も来たのだが、俺達はあまりこいつとは関わりあいたくも無いのでそれなりに話をして無視しておいた。
その次の休み時間に問題のレイナがやって来たのだが、思いきり関わり合いたくないのだが、俺と刹那は織斑千冬の言った事が原因で後の人の自己紹介に関しては知らないと言う風にしておいた。
当初彼女は激怒したものの、チャイムが鳴って次の授業の時間になったのだが、授業を開始する前にクラス代表を選ぶ状態になった。
まぁ結果で言えば俺・刹那・秋斗の3人だけだったのだが、レイナが思い切り言って俺達を否定した挙句、織斑千冬の前で暴言を吐いたので、秋斗が喧嘩を売り、そして織斑千冬が俺・刹那・秋斗・レイナの4人で代表を決定する戦いをするとなったのだ。
だがしかし、俺は授業を開始する前に少しだが時間を貰った。
当初織斑千冬も副担任の山田先生も不思議そうにしていたが、俺はISレコーダーをクラスの皆に見せるようにして出した。
流石のレイナもそれを見て顔を青くした。
俺がICレコーダーを持っていたのはIS方面ができた事で女尊男卑になり、会社方面では同意の上で書類にサインをしたのに、後でそれを『脅迫されてした』と嘘の証言等をした女性職員が結構多くなってしまい、結果今や営業周りの人間の必須アイテムになっているのだ。
ちなみにそれをした女性達だが、事実がばれた後に会社から懲戒免職処分にされた挙句、警察に留置されて刑務所行きになっている。
本当は刹那も俺と同じ物を持っているが、ここで報告する事はないのでいいだろう。
「レイナ・バーンさん、貴方は国家代表候補生であるならば、これの意味が分かりますよね?」
「そ、それは・・・」
「貴方はこのクラスの担任でもあり、ISの世界大会でもあるモンド・グロッソ2連覇という偉業を成し遂げたブリュンヒルデ『織斑千冬』の前で暴言を吐き、しかも貴方のような女尊男卑の思想をこの世に出させる事になったISの生みの親の故郷はこの『日本』なんですよ?しかも私は自己紹介で言いましたよね?テスラ・ライヒからの出向扱いであると」
流石の彼女も何も言えなくなった。公私をうまく分けない人間など、社会では何の役にも立たないのだ。
幾ら女尊男卑の社会になっているとはいえ、営業周りの多い会社方面では女性だろうが男性だろうが、相手に対して『自分は信用できます』という感じを持たれないと意味が無いため、色々と苦労もあるのだ。
「まぁ今回は故郷であるイギリスから日本に来て色々あったのだろうと思い、不問にします。ですが、代表候補生であるならば、それとバーン家はイギリスの名家と言う事をついさっき思い出しましたので、ノブレス・オブリージュをお忘れなく」
俺はそう言ってISレコーダーに記憶していたこれまでの授業のデータを消し、そして皆に謝ってから授業を行なった。
レイナに関しては俺が座った後にクラスの人間に謝罪したのだが、座る時に見た顔を見た限りでは反省はしていないだろう。