…なぜ?
~三人称視点~
「あーもう!ここどこー‼」
暗い洞窟の中、ネプテューヌの叫びが響き渡る。
珍しく女神の仕事をしに洞窟の中に入ったのはいいが、迷ってしまった。
「もうこうなったら…」
ネプテューヌは深呼吸をし、右手を挙げて
「ヘイ!タクシー!」
高らかに叫んだ。
さすが革新の大地を守護する女神。
考えている事が普通では無い。
だが、まさかのびっくり仰天。
前方から一台の黒いバイクが走って来た。
「きたきた!私の幸運EXは伊達ではないね!おーい!」
だがバイクはネプテューヌを素通りして行った。
「ここまで呼んでるのにまさかの素通り⁉」
あのネプテューヌがあまりの驚きにツッコんでしまった。
バイクはUターンしてネプテューヌの前に止まる。
そしてバイクの乗り主がフルフェイスのヘルメットを脱ぎ、素顔をさらす。
茶髪寄りの黒髪、空の様に青い目、見た目的に高校生に見える若さだ。
そしてニコッと笑顔を見せながら、
「洞窟の中でタクシーを呼ぶアホなヤツの顔を見に来たら…とんだ小娘だったか」
「ねぷ⁉」
表情に似つかない毒舌を吐いた。
「失礼な!私はプラネテューヌの守護女神パープルハートだよ!」
「ああ、知ってるよ」
「ねぷ⁉」
「それより今迷子か?」
「あ、うん」
驚いてばっかりのネプテューヌだったが、胸の中に淡い希望が宿る。
しかし、現実は甘く無い。
「そっか、まぁ頑張れよ」
彼は再びヘルメットを被りだす。
「ちょっと!そこは"それじゃあ、後ろに乗りな"って言う所でしょ!」
「え~…」
「可愛い女神様がお願いしてるんだよ?」
「可愛さは要らねぇ。やっぱりセクシーさだろ?」
「ねぷ⁉」
「冗談だ。悪い奴じゃなさそうだな。乗りな」
「ありがとう!じゃ、遠慮無く」
ネプテューヌは目にも留まらぬ速さで後ろに乗る。
「ちょっとは遠慮しろよ。で、速度はどうする?」
「お任せで!」
「ほう…良いんだな?」
エンジン音の爆音が鳴り響き、そして音を忘れる勢いで走りだした。
「速い速い~!」
「速いのは慣れてるのか?」
「だって、女神化したらコレ以上に速く飛べるから」
「…マジで」
思っていた反応じゃなくて気を落とす彼。
そんな彼にネプテューヌは平然と会話する。
「お兄さん名前は?」
「ファクトリー」
「ファクトリーか…トリーで良いかな?」
「好きにしろ…今回会って、それっきりだ」
「何で?また会うかも知れないよ?」
「それは無い…みんな離れて行くだけだ」
「友達は?」
「…そんな物は居ない」
ファクトリーの背中が寂しい何かを物語った。
そんな彼にネプテューヌは後ろから力いっぱい抱きしめる。
「おい⁉何してんだ⁉」
「ん〜?ねぷねぷにしてあげてるの!」
「はぁ?」
意味が分からないファクトリー。
だが、クリスタルを埋め込まれた時に感じた同じ暖かさがネプテューヌから流れてくる。
「よし!これでオッケー!」
ネプテューヌは腕を解いた。
「ねっぷねぷになった?」
「…少し」
「少しかぁ…それじゃあ友達になろうよ!」
「…何で?」
「私と友達になったら君はボッチ卒業だし、もし暇だったらプラネテューヌに遊びにおいでよ!」
「…あんた変だな」
「もう友達なんだからネプテューヌで良いよ!」
「ありがとう、ネプテューヌ」
「どういたしまして」
こうして二人の友情は深まった。
…って終わる訳も無く。
「なぁネプテューヌ」
「何?」
「友達として聞いてくれ」
「うん」
「実は俺も迷子だ」
「ねぷ⁉」
やはり現実は甘く無い。
~現在~
「まぁネプテューヌらしいわね」
「まぁまぁ、それ程でも~」
「褒めて無いわよ…次は私ね」
…続く
誤字脱字がありましたらご報告お願いします。