今日は日曜日。
年中無休を売りにしているはずの俺の店は閉めている。なぜなら、ブランに頼まれた服を仕上げる為だ。
いつも着ている服は薄手のワンピースにコートというルウィーの女神の癖に寒そうな服装だ。
今回は少し趣向を変えて巫女風にして、可愛らしさと暖かさを出すようにする。
まぁコレも苦労しますわ。
着物自体作るのが大変なのにそれを今風にデザインするのがかなり大変。
でも、何としてでもやらなければならない。
実は期限が既に過ぎているから。これは仕方がない。
だって材料が無かったんだもーん。
…すまん。キャラが壊れた。
着物に使う布を扱う店がゲイムギョウ界に無かったんだ。
だから一から全部作らなければならなかった。
染め方とか縫い付け方とか色々と苦労した。
そして今最後の仕上げに取り掛かっている。
集中力が限界まで達したその時、
ダンダンダン‼
と、店のドアを叩く音が響いた。
チッ誰だよ。ドアに掛かってあるCLOSEの文字が見えんのか?
そうやってイラ立ちながらも無視して作業を続けるが、
ダダダダダダダダダダダダダダ‼
更に音を増して叩いてくる。けど根気良く無視を続ける。
すると勘弁したのか音が鳴り止んだ。
しかし次は
ピロリ~ン♪
以前ネプギアに試作品として貰ったスマフォみたいな携帯端末が鳴り出した。
着信なので画面を押すと
『…てめー、無視とはいい度胸じゃねぇか』
修羅の声が聞こえた。
俺は今している作業を止めドアを開けた。
「…無視した理由は?」
「先程まで集中していまして…」
「言い訳は聞いてねぇんだよ‼」
「そんな、理不尽な…」
「まぁ本当みたいだから許すわ。…入っても良い?」
「も、もちろん」
いきなりの変化に驚きつつも、ブランを中へと案内する。
「…完成した?」
「あともう少しだ」
「そう…なら待っているわ」
ブランは黒いソファに座りだした。
ちなみにそのソファは俺の手作りで、とてもふかふかしていて女神達のお気に入りである。
ブランは店のカタログを見始めた。
俺は再び作業に取り掛かる。
「…ファクトリー」
「何だ、ブラン?」
ブランが話かけたので作業しながら応答する。
「何か強い武器ない?」
「何だ作って欲しいのか」
「…えぇ」
「ダメだ」
「…なんで?」
「女神達が争っている状態で俺が片方に加担する訳にはいかない。作った武器で女神達が殺し合いをしたらお得意様が居なくなってしまう。」
「流石にあなたでも"女神を殺せる武器"なんて作れないでしょ…」
「……」
つい無言になる。
"女神を殺せる武器"
俺の頭の中にある魔剣が思い浮かんだ。
「大丈夫…?」
「はっ⁉」
いつの間にかブランが俺の顔を覗き込んでいた。
「あ、あぁ。それより出来たぞ」
その場を濁す為ついさっき出来た服を綺麗に畳みブランに渡す。
「ちょっと試着してみてくれ」
「分かったわ…覗くんじゃねぇぞ」
ブランが声を低くして忠告する。
俺はそんなブランに可哀想な顔をしながら
「……面白いジョークだな」
って言った瞬間、俺の体が宙に舞った。
数分後ブランが試着室から出てきた。
「…どう…?」
よし、恒例の最終チェックだ。
上着は巫女風の白いジャケット。
その下に帯が着いた赤いワンピース。
ワンピースのスカートの部分は折り目がキチンと着いており、丈は太もも辺り。
そして白いニーソックス。
よし、ミスは無い。
「あぁ似合ってるぞ」
「……ありがとう」
「また後日来てくれ。修繕とお代はそこで頼む」
「分かったわ」
そう言うとブランは店を出て行った。
そして、俺は店奥の扉を開けて、そこに続いている廊下を歩き一番奥にあった部屋に入る。
部屋の中には一振りの古びた剣が鎮座していた…
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