~過去~
白い病室の中で俺は白いベットで寝ていた。
高校生活を送っていた真最中に心臓に異常が発生した。
母と父は笑って見舞いに来てくれたけど目を真っ赤にしていた。
そんな両親の反応と心臓の痛みからして恐らく俺は長くないのだろう…
ふと、母が置いて行ってくれた鏡を見る。
白い病室の中、俺の"黒い髪と目"が異彩を放っていた。
俺の目から涙が流れた。
「嫌だ…死にたくない…」
自然と俺の口から嗚咽が漏れた。
「怖いのか?少年…」
声が聞こえた。
声がした方を振り向くとそこには男が立っていた。
窓から入ってくる光の反射で顔は見れなかったが綺麗な青色の目は見えていた。
「何の用ですか…」
歳上らしき立ち振る舞いをしていたので敬語で話かける。
「生きたいか?」
男の言葉に感情は無かった。
それが無性に腹が立って仕方が無かった。
「あなたに何が分かるんですか⁉」
俺は男にぶつける様に言った。
「俺は…死にたくない‼」
俺の言葉に男は何も言わなかった。
「…帰ってください」
「分かった。でも、その前にお土産をやろう。」
男はポケットからクリスタルらしき物を取り出した。
「…ありがとうございます」
正直要らなかったが一応お礼を言った。
男はベットの近づいた。
そしてクリスタルを俺の心臓辺りに押し当てた。
「‼…あれ?痛くない」
驚いたが痛みは全然無かった。
むしろ温かい何かが流れ込んできた。
「またな…少年」
男は煙の様に去って行った。
そして俺は目を閉じた…
~現在~
目を開ける。
光に慣れてない目で周りを見渡すと病室だった。
「女神達の制裁のおかげでここに居るんだっけ」
この前のチャラ男事件で女神達に恥ずかしい言葉を言っていた俺。確かに乙女の純情を弄ぶのは悪い。
だがあんな言葉で落ちるのもどうかと思う。
それよりも…
「あの時の夢を見るなんてなぁ」
何十年も前の事だから最近は見なくなっていた。
多分病室に居るからだろうか?
再び病室を見渡す。
昔と変わらず発狂する程の白さだ。
変わっていたのは俺の容姿ぐらいだった。
あの日、あの男から変なクリスタルを埋め込まれて以来、俺は髪と目が変化し、老いが無くなった。
そのせいで両親からも昔の友人からも避けられた。
だけど、あの男に怨みは無い。
そのおかげで俺は生きているし、丈夫な体を手に入れた。
逆に感謝しきれない程だ。
ガラッ!
そんな余韻に浸っていたら病室の扉が開く。
「やっほー!元気にしてた?」
「うるさいわネプテューヌ!」
「お見舞いに来たわ…」
「暇だと思ってゲームを持って来ましたわ」
「フルーツも有りますよ」
「結構元気にしてて良かったです」
「お兄ちゃん良いなぁ。私も入院してみたいなぁ」
「…私も」
女神達とその妹達が入ってくる。
「やっぱり変わったな…」
「トリー何か言った?」
「何もねぇよ。あとうるせぇぞ」
「ねぷっ⁉」
もう何も怖くない。
俺には女神達が居るから…
え?話の温度差が激しい?
…気のせいですよ。