艦娘が寝起きする兵舎前にある連絡掲示板に『新型魚雷搭載・運用試験を行う駆逐艦娘の募集』とでかでかと書かれた紙が貼られたのは、新型魚雷Mk.25魚雷が届いたその日の晩のことだった。
着任してすぐのグリッドレイは座学に演習とみっちりつまったスケジュールにへとへとになっていたが、この紙を見てそんな疲れなど意識の外にすっ飛んでいった。
紙には魚雷、新型魚雷、Mk.25魚雷、酸素魚雷。紙にはそんな文字が踊っている。グリッドレイの頬が緩む。
この試験は新型のMk.25魚雷が艦娘に搭載したときにちゃんと機能するかを確かめるためのものらしい。
Mk.25魚雷は日本から技術資料として持ち込まれた九三式魚雷の機構をコピーし、水上艦艇用のMk.15魚雷に組み込んだ代物なのだが、"艦娘が扱ったとき"の試験はまだ行っていない。もちろん研究所などで試験はしている。しかし、実際に艦娘が扱ったときに魚雷の弾頭や発動機が作動するか、威力がちゃんと発揮できるかどうなるか、ということは実際にやってみなければ分からない。仕様書に書かれているスペックは良くても、不良品が多い、整備性が悪い、使用する際の危険性が大きいなど、兵器としては落第、という兵器は歴史の中で多々ある。熟練兵が新型兵器を嫌うのもこのような理由からである。
それに艦娘というものは技術的にはオカルトに近い存在である。ただの艦だったころと同じ砲でなければ威力や命中精度が大幅に低下することもあれば、夜になれば異常な威力を発揮する兵器だってある。
このMk.25魚雷に限らず、艦娘の艤装、装備は使ってみなければ、使えるのかどうかも分からないのだ。
通常、艤装や兵装の試験は後方で暇をしている艦娘や艤装実験に適した艦娘が行うのだが、米海軍にはまだそうした艦娘はいない。そもそも設備が充実している基地はシンクレアーズ基地しかないので、ここで行うしかないのだ。
そんなことはさておき、グリッドレイは食い入るようにその『新型魚雷搭載・運用試験を行う駆逐艦娘の募集』の紙を見つめていた。
これ受けよう。これを他の駆逐艦に任す理由などない。私こそが試験を行うべきだ。グリッドレイはすぐに決断した。
砲熕兵装主体の米駆逐艦の中で水雷兵装を重視されたグリッドレイ級として、魚雷というものはアイデンティティに関わるものなのかもしれなかった。
「あまり多くはないな」
ディロン司令は新型魚雷試験に募集した艦娘の名簿を見ながら、つぶやいた。
一覧表に書かれていたのは7名。フブキ、ファラガット、ニコラス、グリッドレイ、プリングル、ベンハム、そしてなぜ名前がある軽巡のマーブルヘッド。やつはおっちょこちょいだから『新型魚雷搭載・運用試験を行う駆逐艦娘の募集』の「駆逐艦娘の募集」というところを見落としていたのだろう。ディロンはマーブルヘッドの欄に横線を引いた。
実質的には6名。Mk.25魚雷の付属艤装一式は3セットしか送られていないので、6名という数は逆にちょうど良かった。連絡掲示板の方に貼られた名簿に記入させるのではなく、窓口まで行って記入させる方法がうまくいった。
ディロンは本棚から分厚いファイルを取り出す。これはシンクレアーズ基地に所属している艦娘ひとりひとりの性能や健康状態やら様々な情報をまとめたファイルで、これを見ながらディロンは試験を行う3名を決めることにした。
最終的に決まったのは吹雪、ニコラス、グリッドレイの3名。
吹雪は過去、実際に酸素魚雷を扱っている。もしかしたら日本駆逐艦娘が使えて、米駆逐艦娘は使えないという自体が起こったら、それはそれで重要なデータになる。いわば対照実験といったところだ。
ニコラスを選んだのは先行投資だ。ニコラスはフレッチャー級駆逐艦の1隻。フレッチャー級は175隻建造されたという話だから、これから着任してくる駆逐艦娘の多くがフレッチャー級になるのは間違いない。今のうちに色々と試験や実験をして経験を積んでおけば、後にくるフレッチャー級の艦娘もやりやすくなるだろう。
グリッドレイに関してはやはり武装だ。16本もの魚雷を一斉に発射できるのは非常に魅力的である。それが雷跡の見えない酸素魚雷ともなれば非常に大きな戦力になり、姫や鬼といった強力な深海棲艦の撃破の助けになるのは間違いない。しかし、気になるのは報告にあった「海上における直立安定性が不足気味」のことだった。この直立安定性というのは簡単に言えばトップヘビーか、トップヘビーではないかを見定める基準になる。それが不足気味ということはトップヘビー気味ということであり、これ以上の過装備はまずい、という意味でもある。
「所詮、魚雷とその付属機器を取っ替えるだけだから大丈夫だろう」
重量が増加するにしてもほんの少しだろうし、問題になればそれはそれで改修すれば良い。ディロンは安易に考え、吹雪、ニコラス、グリッドレイの3名に新型魚雷試験を任せることにした。
「これで……OK。ちょっと動かしてみて」
改修が一番早く終わったのはグリッドレイの艤装だった。魚雷発射管を取り付けるためのフレキシブルアームが4つもあるおかげでグリッドレイの背部艤装は大型なのだが、改修ではそれは良い方向に働いた。Mk.25魚雷を運用するための専用発射管、酸素発生器、それに付属する配管。曲がりくねった変な配置にする必要もなく、綺麗に取り付けることができた。
グリッドレイは背部艤装を背負い、魚雷発射管のフレキシブルアームを展開して色々動かしてみるが、特に支障はない。
「じゃあ、魚雷の装填するから艤装降ろして」
艤装整備員達がクレーンから伸びるフックやチェーンなどを艤装に引っかけて、グリッドレイは背部艤装を降ろす。
ちょっとそこ持ち上げてくれ。
こうか?
よし、もういいぞ。魚雷くれ、魚雷。
ほい。
艤装を取り外している間は暇なので整備員達が行っている作業を眺める。慎重に受け渡されて魚雷発射管に込められるMk.25魚雷。Mk.25魚雷の外見はMk.15魚雷よりも少し長くなったのと、不発だったときに回収しやすくするため、オレンジ色に塗られていること以外、Mk.15魚雷と変わらない。
「機構もMk.15とそんなに変わらないですか?」
「ん? ああ、そんなにはな。送り込む気体が酸素か空気か、って所しか違わないし」
酸素魚雷、特に圧縮酸素を発動機に送り込むタイプは整備員が言ったように、普通の空気魚雷と構造は魚雷のエンジンの酸化剤に空気を使うか、酸素を使うか、という違いしかない。九三式魚雷も最初は空気で燃焼を開始し、徐々に酸素に切り替えるという手法を取るので、発射した時だけは酸素魚雷ではなく、空気魚雷と言うことができるかもしれない。
「でも弾頭の炸薬はトーペックスからHBX爆薬に変えられているね」
「安定性が上がってるんですよね。HBXは」
「そうそう。PBX爆薬を使えれば一番なんだけど艦娘の技術はオカルトだからね。相性が良くないんだよ、たぶん」
トーペックスは1942年にイギリス王立兵器工廠で魚雷、爆雷用として開発された軍用爆薬で、HBX爆薬はトーペックスを改良したもの。PBX爆薬は現行兵器でも使われている爆薬のことである。
「おい、もうこっちは終わったぞ」
「ニコラスの艤装も終わった。シラユキのは? どうした妙に手こずって」
「日本の規格で造ってあるから、うまくいかないんだ。3番と5番のチューブ、予備があったろ。持ってきてくれ」
吹雪の艤装の改造もなんとか終わり、グリッドレイ達は海に出た。
うきうきとした様子を見せるグリッドレイに吹雪は話しかける。
「酸素魚雷、楽しみ?」
「ええ、それはもう!」
グリッドレイは元気いっぱいに答えた。気持ちが艤装の方にも伝わっているのか、魚雷発射管がカタカタと小刻みに動いている。
北上さん、いや大井さんと話が弾みそうな子だよね。吹雪はグリッドレイについてそう思う。大井は日本の艦娘の中でも特に魚雷(と北上)についてこだわりを持っていて、魚雷の試射には(北上関連の用件がなければ)こぞって参加するし、「九三式魚雷って冷たくてすてき」などと魚雷に頬を当ててうっとりとしている様子がまれに目撃されているし、他人の魚雷が早期爆発するのが非常にむかつくと言って、(北上関係の用件がなければ)魚雷の信管調整などの講習会などを開いたりする。奇行(と北上への執着など)はさておいて、そういう世話を焼く所はさすが元練習艦と言ったところだろうか。大井とグリッドレイが出会えば、師弟のような関係になるに違いない。
「それにしてもトップヘビー大丈夫?」
「分かるんですか?」
「分からないはずないよ。見てすぐに分かるくらい体が揺れているよ」
吹雪にとってグリッドレイの揺れ具合は心配するくらいだった。正直言って、台風の中に飛び込んだら転覆してしまうくらいには揺れている。建造されたばかりの初春なども同じくらい揺れていた。
「今度、重心位置の改修要請を出した方がいいよ」
「出したら、魚雷降ろさないといけなくなるかな? それは嫌だよ」
グリッドレイは悲しそうにうつむいてそう言った。
米海軍艦艇は1944年辺りを機にエリコンFF 20㎜機銃やボフォース40㎜機関砲などの対空火器を増強している。これは航空機の脅威が以前にも増して大きくなったこともあるが、特攻機の存在が大きい。
被弾しようが、火を噴こうが、突っ込んでくる膨大な数の特攻機に艦艇が対処するには対空弾幕を厚くするしかないからである。ボフォース40㎜機関砲ですら、米海軍は威力不足と考え、Mk.33 3インチ(76.2㎜)連装速射砲という1秒に1発撃てて、特攻機を一撃で撃破できる対空砲を開発している位なのだ。
太平洋戦争中、グリッドレイ級はブローニングM2 12.7㎜機銃をエリコンFF 20㎜機銃に換装しているが、ボフォース40㎜機関砲は重量があり、搭載することはできなかった。日本軍が特攻隊を編成、作戦を実行し始めた後には「対空火器が貧弱なグリッドレイ級は太平洋に置いておけない」ということで魚雷発射管2基撤去し、大西洋方面の任務に携わることになる。
重心調整をすれば魚雷発射管をいくらか降ろすことは確実だ、ということをグリッドレイは分かっているのだ。
しかし、その心配は杞憂だ。
「大丈夫だよ。艦娘は改修で何とでもなるから。日本海軍で一番のトップヘビー駆逐艦だった初春なんて改二になった後は以前にも増して艤装が大きくなっているんだもの。グリッドレイも大丈夫」
「そうかなぁ?」
「そうだよ」
吹雪は元気づけるように優しく言った。
「ニコラスちゃんはなんでこの試験に申し込んだの?」
吹雪はもう1人の艦娘、フレッチャー級のニコラスにもこの試験に参加する気になったのかを聞いてみる。ニコラスは深い蒼色の瞳、1つにまとめたクリーム色の長い髪を持った艦娘だ。
「私がフレッチャー級だからだ。第二次大戦の米海軍ではフレッチャー級がスタンダード。今、こういう試験をクリアしておけば、後々建造されるフレッチャー級にフィードバックされる」
フレッチャー型がスタンダード。175隻も建造されたのだから標準と言っても間違いではないだろう。これを聞いたらファラガットは「ファラガット級以降の艦級はあたしのモデルチェンジみたいなものなんだから、あたしこそがスタンダードだ!」と言うかもしれないが。
ニコラスの艤装は陽炎型と同じようにフレキシブルアームが左右から伸びた背部艤装と朝潮型の様に腕に魚雷発射管を付けた形だ。駆逐艦娘は基本的に足に機銃やら魚雷発射管を取り付けているのが普通だが、ニコラスにはそれはない。今後付けるのか、整備性などを重視してその様にしているのかは吹雪には分からない。
「アメリカは世界の中心で、世界をリードする存在でなければならない。艦娘戦力の増強はそれの最善策。だから私はこの試験に参加するんだ」
ニコラスは静かに、しかし強い声で言った。それはまるでニコラス自身に言い聞かせているようにも吹雪は聞こえた。
今回、新型魚雷の目標として用意されたのはオンボロのタグボート2隻と赤錆びだらけの大型漁船1隻。魚雷が当たって弾頭が炸裂すれば粉々になり、被害状況などの確認などできないレベルの小型船だが、大型船はほとんどが深海棲艦に沈められてしまっているし、新たに建造した戦時標準輸送艦や軍艦を標的にするわけにもいかない。第二次大戦では物量と安定した質を併せ持つアメリカだが、今のこの世界のアメリカ今は贅沢を言っていられる余裕はない。
そのため、誰が3隻の中で一番大きい漁船に魚雷を撃つか? というのでグリッドレイとニコラスが揉めた。
「16本でしょ! そんな本数が当たったら漁船は粉々で威力の試験にならない!」
「16本でも1本でも当てれば粉々! ならいかにその威力があるかを証明するためにニコラスより私が撃つべき!」
「アメリカ駆逐艦のスタンダードなフレッチャー級こそ今、試験する必要がある! たった4隻の建造で終わったグリッドレイ級はおとなしくタグボートでも沈めていろ!」
「建造数で優劣が決まるわけじゃないでしょ!」
「末期には大西洋に回されたくせして、なんて生意気な!」
「フレッチャー級は台風で沈んだくせに! この先祖返りの平甲板が!」
「なにを! このトップヘビー・シップが! そのでっかい胸は先頭の邪魔じゃないのか! 」
「嫉妬!?」
フレッチャー級としてのニコラスの誇り。16本もの魚雷がアイデンティティのグリッドレイ。言い争いはすぐにヒートアップした。いろいろと理由をこねくり回しているが、実際は両方とも大きな船を沈めた方が気分がいいから、自分が漁船を沈める、と主張しているだけである。
吹雪はため息をついて、日向から預けられた日本刀「瑞草」を腰から抜いた。
夏の太陽光を反射し、紫電のように鋭く煌めく「瑞草」。それを見て、2人はすぐに言い争いをやめた。
「喧嘩するんだったら、私が漁船を沈める。いいね?」
あっはい。ニコラスとグリッドレイはぎこちなく了解した。
放たれた8本のMk.25魚雷はエンジンに送り込む気体を空気から少しずつ酸素に変えていく機構上、最初こそは白い雷跡を残していたが、次第に薄くなって酸素魚雷特有のぼんやりとした青白い航跡になった。
そして漁船に命中。九三式魚雷8本のものよりも一回り小さい水柱を立ち上った。
「おお……」
グリッドレイが小さく歓声を上げる。ニコラスは静かに水柱を見つめている。
吹雪としてはこんなものだろう、そう思った。Mk.25の直径は55.3㎝、九三式は61㎝。同じ酸素魚雷といっても直径が5.7㎝も違う。弾頭炸薬量が段違いなのだから、威力が九三式よりも低いのは当然だ。
続けてニコラス、グリッドレイの順番でタグボートに魚雷を発射した。動かない目標に当てるのは容易なことであり、全弾が命中して大きな水柱をあげた。そのときである。
ガギンッ!
魚雷の炸裂音と共に金属と金属がぶつかったようなな甲高い音が響いた。少し遅れてグリッドレイの悲鳴。吹雪が駆け寄る。
「どうしたの?」
「何か、鋭いものが」
グリッドレイの二の腕には鋭いナイフで切ったような直線上の傷があり、血が出ている。そして艤装のフレキシブルアームの基部には小さな金属片が刺さっていた。ニコラスも駆け寄ってくる。
「どうした?」
「タグボートの破片が飛んできたのかな?」
アームの基部に刺さっている金属片は錆があり、魚雷がタグボートに当たって炸裂した際に出た破片には間違いなさそうだった。吹雪はさっきまでタグボートが浮かんでいた地点を見るが、タグボートの姿は全く見えない。8本と16本の魚雷で全て砕け散ってしまったのだろう。
ニコラスが引き抜こうと指で金属片をはさんだが、とても熱かったのか、すぐに指を放した。
「たいした損傷じゃないよ。魚雷はちゃんと機能したみたいだし、帰ろ……」
帰ろう。そう、グリッドレイが言おうとしたとき、海面下で爆発が起こった。不発だったMk.25魚雷の弾頭が今頃になって炸裂したのだ。
爆発は海面を膨らませ、波となる。
そこまで大きな波ではない。ニコラスと吹雪は対応できたが、グリッドレイは傷に気を取られていたこともあり、すぐに対応ができなかった。それでも普通の艦娘なら立ったままでいられる。しかし、グリッドレイはトップヘビーな艦娘だった。
バランスを崩し、後ろにいたニコラスの方にグリッドレイは転倒した。ニコラスは受け止めようとしたが、突然のことでうまくいかず、ニコラスの腕に装着していた魚雷発射管がグリッドレイのアーム基部の金属片の部分に当たった。それは金属片が奥に押し込むような形になり、金属片が押し込まれた先は酸素魚雷に使う酸素を造り出すための酸素発生器だった。
破損した酸素発生器から高濃度の酸素が噴き出す。艤装の内部のみならず、外にも漏れだし、煙突から出る排煙の煤に引火した。煤は油や微粒子状の炭素なので燃える。
煙突はまるでバーナーのように火を噴いた。
「熱い! 熱い! 熱い! 熱い!」
グリッドレイは叫ぶ。当たり前だ。頭の後ろで火柱が立っているのだから、熱くないはずがない。
「ど、どうすればいい!?」
「どいて!」
吹雪は慌てるニコラスを押しのけ、「瑞草」を抜き、グリッドレイの背中と背部艤装の間に差し込み、
重力に従って落下する艤装。それに伴いグリッドレイも浮遊能力を失い、足から海に沈み込む。グリッドレイは助けを求めて反射的に手を上に伸ばす。
吹雪は刀の柄から左手を放して、グリッドレイの手をしっかりつかんだ。
「え、あ……ん!? ああ、ありがとう」
グリッドレイは何が起こったのか、状況がつかめないようだったが、助かったことだけは理解した。
「ニコラスちゃん、ちょっとグリッドレイちゃん持ってあげて。刀収めるから」
「あ、ああ。分かった」
ニコラスは吹雪からグリッドレイを預けられたが、自分の艤装が邪魔で背負うことはできなかったし、片手でつり下げるようにするのもどうかと思ったので、いわゆるお姫様だっこをした。
グリッドレイは自分が落ちないために両手をニコラスの首に回し、体を密着してくる。そうなればグリッドレイの胸がニコラスの体に当たるのは当然で、それにニコラスは少々顔をしかめた。艦の大きさや基準排水量はフレッチャー級の方が大きいのだがな、とニコラスは思う。
「さっきはごめん。こけたりなんかして」
「謝らなくていい。意図してやったんじゃないだろう?」
グリッドレイは小さく頷く。
「重心改善、今度しておいてよ。こっちも言い争いのこと謝る。すまない」
「そんなこと……。そっちも漁船を沈めたかっただけなんでしょ。別にいいよ」
「そうか」
「仲直りした?」
「瑞草」を鞘に収めた吹雪は2人に聞いた。
「まあ、そうかな」
「なら良かった。さ、帰ろう」
最近私用が忙しい上に、秋イベも重なって更新が1週間遅れてしまいました。ごめんなさい。
秋イベはE-3攻略が辛かったこと以外は特に苦労していません。嵐もグラーフ・ツェッペリンもゲットしたし。あとはE-5ボスをたたきのめすだけです。
しかし、艦これ運営さんめ、よくもドイツ海軍唯一の海上航空戦力であるグラーフ・ツェッペリンを実装しやがったな……。また設定をこねくり回すのが大変になるじゃないか……!
ドイツ唯一の海上航空戦力をどっか遊ばせに行くなんて普通ではあり得ない。ビスマルクやレーベ・レヒトマース、マックス・シュルツなんかはノウハウ吸収という点でドイツ側にも利益はあるが、グラーフ・ツェッペリンは日本空母とは運用コンセプトが根本的に違う空母だから日本に派遣したってあまり意味がないような気がする(電探搭載型天山はよ出せ)。こうなるとドイツ海軍の潜水艦以外の艦娘はイギリス海軍の指揮下にでもあるのだろうか?
今回のイベントはベラ湾夜戦やコロンバンガラ島沖海戦がモチーフですね。ベラ湾夜戦にはグリッドレイ級のクレイヴンとモーリーが参加しています。
そして今回のイベント報酬艦である嵐、萩風と前イベントの報酬艦である江風をを沈める大きな要因になった魚雷を撃ったのはクレイヴンとモーリー2名とマハン級のダンラップの第12駆逐群3隻です。
イベント前には先制魚雷撃ってくる駆逐艦クラス深海棲艦が出てくるんじゃないかと、恐れていましたが、杞憂でした。
軍事用語ちょこっと解説の内容に各種徹甲弾(APDSやAPCRなど)それぞれの詳しい解説、劣化ウラン弾、爆発反応装甲の解説を新たに追加、対艦HEAT兵器をHEATの所に追記しました。どうぞ見ていってくださいな。