始めは書き溜めはせずに投稿します
二話
[常盤台]
静寂に満ちた廊下は長く感じられて。いつまでも続くのではないか。と文化祭などで訪れた人達は口々にそう言う。
御坂は特にそのようなことを考えることもなく、ただ目的地に向けて移動していた。
永遠と続く同じドアの連続に飽き飽きしていたが普通のドアではない一際豪勢なドアが視界に入って少し安堵の息を漏らす。
コンコンコン
いい音が3回鳴り響き、ドアは開いた。
「どうしたのぉ?御坂さんが自分から私の所に来るなんて、明日は天変地異かしらぁ?」
クスクスと笑いながら現れたのは長い髪を縦に巻いた少女。
しかし、本当の彼女ではない。
「アンタに伝言よ」
「まぁいいわぁ、偶には二人きりで話し合いましょ?」
「そうね、そうするわ」
同意した御坂は少女を押しのけ扉の中に入った。
「乱暴なんだから……」
綺麗な内装をくぐり抜け一際大きな扉に御坂はたどり着いた。
「入っていいわよぉ?」
逆撫でするような喋り方で少女は促し御坂を置いて帰っていった。
「相変わらず趣味の悪い……」
ため息混じりにドアを引いた。
「ごきげんよう、御坂さん」
「相変わらずね」
目の前には中学生離れしたダイナマイトボディを持つ学園都市レベル5の第五位。
食蜂操祈。心理掌握、メンタルアウトと呼ばれ洗脳など、一秒あれば百人にできるような能力。
「でも、ホントに予想外なのよ?まさか御坂さんが来るとはねぇ……」
「考えが分からないのがそんなに怖いの?」
「怖くはないわぁ、ただ少しだけムカッとするけどぉ」
「あっそ、私は伝えることだけ伝えればサッサとお暇するけど」
犬猿の仲、水と油、御坂と食蜂は周りの人の印象からすれば途轍もなく仲が悪いと噂されている。
実態は、確かに仲は良くはないが悪いわけでもない。ただ一方的に御坂が気に食わないだけ。
「『ただいま』だって、……ったくどういう意味なのよ」
「辛気臭い伝言ですわねぇ、誰からなのぉ?」
食蜂は苦笑いしながら痛々しいものを見る目で問い返した。
「誰って……」
言おうとして口ごもる、さっきの敗北が頭に浮かんだからだ。
しかし口を開く、それが約束。
「食蜂弥勒からよ、アンタのお兄さんなんでしょ?」
「本当に!?」
食蜂は取り乱した。未だかつて他人には見せたことのないほどに。
「う、嘘じゃないわよ、さっき私が喧嘩ふっかけて返り討ちにされたし……」
言葉の最後の方はもはや御坂本人にしか聞こえていない。
「……わかったわぁ、取り乱して申し訳なかったわ」
食蜂は慌てて体裁を整え、いつもの女王様に戻った。
「それで御坂さんはリベンジはするのぉ?」
「もちろんよ!アンタの兄に負けるなんて私のプライドが許さないわ!!」
クスクスと食蜂はそれを嘲笑う。
「諦めなさい、御坂さん。兄にはあなたじゃあ一億年修行しても勝てないわぁ」
「そんなのやってみないと分からないでしょ!絶対勝つから見てなさい!!」
御坂は雑魚のモブキャラが使いそうな安い捨てゼリフと共に勢い良くドアを開け食蜂の部屋を去った。
「そう………終わったのねぇ」
自分以外に誰もいない部屋で食蜂は一人呟き、彼女の大きな瞳からは一筋の涙が溢れた。
「おかえりなさい」
最後にそう口にして食蜂はベッドに入り目を閉じた。
今回は早めに投稿させてもらいました!!
でも次回からは少しずつ書くと思うので遅くなる可能性大です!!
感想くれるととっても嬉しいです!!