とある魔術の禁書目録 Another story   作:笑顔

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少し空いてしまいました。申し訳ないです。

読んでくれている人は超ありがとうございます!!

感想なども募集しているので宜しくお願いします!!


三話 六位×五位×三位

 

「じぁあ、アンタ、私に嘘の能力を教えてたのね?」

 

「いや嘘ではない。あっ、レベル5てのも本当だから」

 

御坂はただため息をついた。

 

だが、本当にため息を吐き出したいのは弥勒の方だった。

 

「で、改めて操祈に合わせてやるとかいっておいて集合場所がゲームセンターっていうのは今時の女子中学生としてどうかと思うけど……」

 

「う、うっさいわね!!いいでしょ!集合場所なんてどこでも!!」

 

「はいはいわかった。それで?」

 

「私と勝負しなさい!」

 

人差し指を勢い良く御坂は弥勒に突きつけた。

辺りの視線が少し集まる。

 

「またぁ?懲りないな〜」

 

呆れたように弥勒は首を捻った。

 

「確かに、能力で勝負したんじゃ悔しいけどアンタには一生勝てないわ……でも!」

 

御坂は弥勒に指しつけた指を別のモノに向けた。

それはゲームセンターにあるゲーム。

 

「これなら能力は関係ないわ!!」

 

自信満々に高らかに御坂は宣言した。

恐らく指さしている格闘ゲームにはよほど自信満々あるらしく、既にそれに座っていた。

 

「自分の得意なゲームでリベンジって……思ったよりも小さいな、第三位」

 

「う、あ、あっれ〜第六位さんは〜中学生の少女に挑まれた勝負が怖くて逃げたしちゃうのかな?」

 

なんてわかり易い挑発をしだした御坂を汚物でも見るかのような生暖かい目で見ると仕方なしという雰囲気で向かいのそれに座った。

 

「なぁ、ホントにこれでいいのか?」

 

「いいわよ!ボッコボコにしてやるんだから!!」

 

「……後悔するなよ?」

 

「後悔はアンタがするんでしょ?昨日みたいに猫かぶった喋り方しなかったことを後悔するのね!!」

 

こうして御坂の一方的な戦いは幕を開けた。

 

そして勝負は20戦目に突入した。

 

「……そろそろ負け、認めたら?せめてダメージぐらい喰らわせてからリベンジしてくれると助かるんだけど」

 

向かいに座る御坂はただただあっけに取られていた。

このゲームを初めて三年間御坂は負けたことがなかった。理由はチート。今回も例外ではない。

にも関わらず負けた。

 

「もしや……アンタ!チートしてるわね!!」

 

チートに勝てるのはチート。そう決めつけた御坂はチート疑惑を弥勒に投げつけた。

 

「チート?あぁ、御坂がしてた、自動標準回避、当たり判定操作、MP即回復のことか?」

 

「う……」

 

自分のしていたことが全て筒抜けであることに驚き御坂は返す言葉がなかった。

 

「だいたい、あのゲームで俺に勝てるやつなんてこの世に存在しない。ランキング見てみろ」

 

ゲーム終了後に流れるランキング200位から始まり高速で1位を目指し上昇している。

 

そこに現れたのは驚異の数値。

 

1位2000戦2000勝0敗 【36】

 

2位との差は1031勝。

 

「まさか……アンタが!」

 

御坂はこの【36】というプレイヤーを見たことがあった。

見たことがある人は恐らく学園都市全てのゲーマー。

その頂点に君臨する究極のゲーマー。ただ一つの敗北もなく、すべてのゲームを極めた者。

 

「そう、今思ってるので間違いない。さ、案内してもらおうか?」

 

「……わかってるわよ、そろそろ着く頃だからちょっと待ちなさい」

 

実を言うと来るように伝えたが本当来るかどうかは微妙であることを御坂は隠している。

 

「なあ」

 

「な、何よ?」

 

突然話しかけられ御坂は少し動揺しつつも聞き返した。

 

「隠し事はやめた方がいいと思うけど?」

 

そこにいたのはさっきまでとはまるで違った目付きをした弥勒だった。

鋭い眼光が御坂を突き抜ける。

 

「……な、隠し事なんてしてないわよ!」

 

「まぁ、いいや、もう来たし」

 

御坂は振り返った。

そこにいたのは食蜂操祈、こんな場所に来るはずのない常盤台の女王。

 

「久しぶり、操祈。ただいま」

 

鋭かった眼光を柔らかなものに変えて弥勒はジッと会いたかった妹を見つめた。

 

「……おか、えりっなさぁい、うぐっ、お兄様!」

 

食蜂は椅子に座る弥勒に抱きついた。

優しい手付きで弥勒は優しく頭を撫でる。

彼女は涙を流していた。心の全てを司る彼女は自分の心を決して他人に見せない。

まして、泣くことなどあるわけがない。

目の前の異常な光景に御坂はキョトンとしている。

目の前の女は本当にあの食蜂か?

実は偽物では?

という疑念が御坂の頭を横切るが、それもすぐにただの疑念として頭の片隅に消え去っていく。

 

「会いたかった……会いたかったわ!!」

 

「元気にしてたか?」

 

「うん、元気にしてたぁ!」

 

涙を抑えて笑みを作る。

それはいつもの笑顔ではなく心からの笑顔。

 

「これからはもう、俺は自由だから安心していい」

 

「うん……うん」

 

二度頷く。

御坂既に空気と化していた。

ゲームセンターの騒がしい音でさえ二人にとっては再開のBGMでしかない。

 

「あらぁ、まだいたの御坂さん?」

 

「おい操祈、一応その御坂さんがこういう機会を作ったってのは忘れてやるなよ」

 

「そうよ!ていうか兄妹でなにイチャイチャしてるのよ!」

 

「はぁ、お前は俺達の感動の再開に水をさすっていうのか?」

 

「何が自由よ!もともと自由でしょうが!!」

 

御坂は憤怒する。自分と弥勒の違いにただ嫉妬して。

しかし弥勒はすぐに口を開いた。

 

「筋ジストロフィー」

 

その言葉で御坂の熱は氷点下まで下がった。顔色も当然悪くなる。

しかし弥勒の追撃は終わらない。

 

「DNAマップ」

 

次々と飛ぶ単語に御坂が驚嘆するも弥勒の知ったことではない。

 

「クローン」

 

そしてトドメの一言が決まった。

コイツは知っている。あの極悪非道なあの実験を、一人のレベル0が終わらせたあの実験を……

御坂はあの時のように睨んだ。

 

「そう睨むなよ、怖いな。お前のことは当事者に聞いてるから知ってるだけだ」

 

「……当事者?」

 

「一方通行、あいつは俺の唯一の友人といってもいい。しかも、それはもう、済んだことだろ?」

 

「……そうね、悪かったわ。じゃあ、アンタは一体なんだったのよ?」

 

「……」

 

弥勒は答えない。沈黙を貫こうとした。

 

「『お掃除』のお仕事よぉ、御坂さん。そこは自慢の察知力でさっしなさい」

 

お掃除という言葉にアクセントをおいた返答が弥勒からではなくその妹から返答された。

涙はなくいつもの女王様に戻っていた。

 

「もしかして、御坂さんは風紀委員や警備員が完全にこの街を守ってると本当に思ってるのかしらぁ?」

 

「はぁ?そうに決まって……」

 

そうに決まってるでしょ?

そう言おうとした御坂の口が止まった。

心当たりがあったからだ。

多数の爆発、人間の死、それらが屋外であったのにも関わらず警備員はおろか風紀委員すら動かなかったあの実験。

 

「……仮にそうじゃなかったらぁ?」

 

意地悪に食蜂は笑う。

 

「この学園都市の闇はお前が思ってるより遥かに暗く深いってことだ」

 

弥勒も結んでいた口を解く。

 

「って言っても今日から俺、風紀委員だから。そういうことでよろしく」

 

「は?」

 

すぐ目の前の少女はマヌケな声をあげた。

 

「だ・か・ら、今日から風紀委員だからって言ったんだけど?」

 

「……まさか一七七支部、じゃあないわよね?」

 

「どこから情報漏洩してんだよ。ったく……」

 

呆れたように弥勒がボヤく。しかしそれもゲームセンターの熱気にかき消されかけている。

 

「あ、それより操祈、ちゃんとアレ持って来てくれた?」

 

「もちろんよぉ、これでしょ?」

 

と言って食蜂はリモコンを構えた。

ピッという音とともに執事のような男性が姿を現した。手には赤いヘッドフォンが丁重に持たれている。

 

「それそれ、いや〜やっぱりコレだよな」

 

弥勒はすぐさまそれを受け取ると慣れた手つきで首にかけた。

 

「よし御坂、これを付けたからにはもうビリビリはやめてくれ。コイツは超精密機器だから」

 

「それはフリってことよね?」

 

「やったら殺す」

 

割と本気で言われたその言葉に御坂は少しビビったがすぐに話題を切り替える。

 

「ていうか、それなら早く支部に行ったらどうなの?」

 

「大丈夫だ、まだ14時5分前だろ?」

 

「お兄様〜、何時に集合なんですか?」

 

「14時だ」

 

「もう間に合わないじゃない!?」

 

「なら余裕ですねぇ」

 

御坂に対して二人は至極落ち着いていた。

 

「ってことで行ってくるわ操祈。何かあったら連絡してくれ」

 

「行ってらっしゃい、お兄様」

 

食蜂は立ち上がると少し背伸びをして弥勒の頬に優しくキスをした。

赤面した。……主に御坂一人が。

 

「な、なな、アンタ達何してるのよ!兄妹でそんな……」

 

「何ってぇ……キス?」

 

食蜂が可愛くおどけて見せるが御坂の混乱は治まらない。

 

「そんなのは見ればわかる!!」

 

「行ってきますのキスだろ?そんなこともわからないのか?他意はない」

 

そう言われて御坂は発電しかけのところをなんとか抑えた。

 

「じゃあまた近いうちに」

 

そう言って弥勒は指を構えた。あの時御坂にしたように。

 

パチンッ

 

気持ちがいいような音が鳴り響いたと二人が感じた時には既に目の前に弥勒はいなかった。

 

「じゃあ、御坂さん私帰るわね」

 

「私も帰るわ」

 

「車乗る?」

 

「……お言葉に甘えて乗らせてもらうわ」

 

珍しく素直な御坂といつになくご機嫌な食蜂はガチャガチャとしたゲームセンターから出ると普通の道路には似合わないリムジン車に乗り込み自らの寮に帰っていった。

 




すぐに投稿したりしなかったりですが、こんな私をどうかよろしくお願いします!!
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