とある魔術の禁書目録 Another story   作:笑顔

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そんなに期間が空いていませんが投稿します!!


四話 一位×六位×??

「あ、食蜂弥勒です。新人の」

 

弥勒はインターホンに向かって声を発していた。右手にはノートパソコンが持たれている

 

「あ、食蜂さんですね。鍵開けるんで入ってください!」

 

元気な声に弥勒は予想する。

中学生。と頭に浮かべながら扉を開けた。

広くはないマンションの一室ような間取りに資料やパソコン、机にソファ、最低限の家電器具が置かれている。

 

「あなたが食蜂弥勒君ね?」

 

現れたのは大人っぽく見えるが高校生ぐらいであろう少女。

予想が外れた。一瞬弥勒はがっかりする。

 

「うわっ!イケメンさんです!!」

 

少女の後ろにあるソファからインターホンと同じ声が弥勒を捉えた。

容姿、声、間違いなく中学生。弥勒は歓喜した。

頭には花飾りがつけられている。

 

「固法美偉、能力はレベル3の透視能力よ」

 

「初春飾利です。能力はレベル1の定温保存です」

 

突然始まった自己紹介タイムに動揺しつつも弥勒も続けて自分を紹介した。

 

「えっと、食蜂弥勒です。能力は……見てもらった方が早いかな」

 

少し得意げに指を構える。

そして少しの間をあけて指を鳴らした。

 

「……何も起きてないんですけど?」

 

「そうね、見た感じ、変化は……」

 

何もない。はずはなかった。

 

「ウソ……でしょ」

 

窓の外を見た固法は目を見開いた。

目に写ったのは奇妙な光景、植物の葉が見えている。

 

空中で止まった状態で。

止まっているのは葉だけではない。

車、人、信号、全てが静止している。

 

「時間が止まってるわけではないですよ」

 

「なら、これは……」

 

気が動転しているのか固法は少しふらつくと近くにあるデスク用の椅子に座り込んだ。

 

「俺の能力は『物体掌握』(フィジカルアウト)って呼ばれてる」

 

そして最後に強調するように弥勒は付け加えた。

 

「……第六位のレベル5」

 

初春はただ唖然としているなか、固法は違和感に気が付いた。

 

「どうして情報処理担当を?」

 

レベル5でなおかつ全てを制圧する力をもつ弥勒に対する疑問、考えればすぐに浮かぶ疑問を固法は聞いた。

 

「あんまり人を傷つけるのは好きじゃないからです」

 

弥勒は即答した。

他意はない。そう意思表示をしているようだった。

 

「なるほど、とりあえずコレ解いたほうがいいんじゃないかしら?」

 

固法が窓の外を指さし言った。

初見にしてはあまり驚かない固法に驚きつつも弥勒はもう一度指を鳴らした。

 

「あ……動き出しました!」

 

車、信号、葉、動きだしたことに初春は酷く感心していた。

 

「いやーあれだけ止めると演算式がハンパないんですよ」

 

笑いながら言ってのける。

そんな弥勒を見て固法は少し引き攣った笑顔を見せた。

 

「でも、まだ白井さん帰っけきてないですよ?」

 

「あ……」

 

弥勒の頭に選択肢が浮かぶ。

 

もう一回やるorやらない

 

答えは一つ。

 

「白井って人には悪いけどやらないでおくよ」

 

正直言って面倒。とは口が裂けても言えないので弥勒は黙っておいた。

 

「は〜、ただいまですの」

 

と、そこにさっきとは違う声が突然出現した。ドアを開けた音はしていない。

 

「……」

 

弥勒は少し考えて答えを出した。

 

「あら、そちらの殿方は?」

 

「食蜂弥勒さんですよ、新人さんの」

 

「はじめまして、白井さん」

 

白井は首を傾げる。ツインテールが揺れる。

 

「どうして私の名前を?」

 

「初春さんが言ってた」

 

「なるほどですの」

 

「食蜂弥勒です」

 

「あなたがお姉様が言ってた……」

 

白井は怪訝そうな顔を露骨に表した。

それを見た弥勒も少し顔をしかめる。

 

「御坂か?」

 

「よくわかりましたわね、いつもは一度は誰か聞かれるのですが、話が早くて助かります」

 

「そりゃあ、どうも」

 

「私は白井黒子と申します。能力はレベル4の」

 

「テレポート、だろ?」

 

間髪入れずに弥勒は言った。

白井は驚いた顔をしたがすぐに元の顔に戻した。

 

「どうして知ってるんですの?」

 

その疑問は弥勒ではなく初春に向けられた。

初春は慌てて手を振った。

 

「私じゃないですよ!」

 

「初春さんからは何も聞いてない。白井さんが帰ってきたとき、ドアの音がしなかった。答えは二通りある。一つはもともとここにいた。でもこれは初春さんが帰ってきてないと言っていたからまずない。もう一つはドアを開けずに入る術を持っている。まぁ、テレポートぐらいしかないけど」

 

いやらしく笑った。

当然のこと。と言わんばかりに。

 

「固法さん、俺は何から始めればいいですか?」

 

唐突に話題を切り替えた。

 

「そうね……詳しくは初春さんが教えてくれるわ」

 

「えぇっ!?固法さん、押し付けましたね!!」

 

突然に押し付けられた理不尽に初春はぐったりしつつも手招きで弥勒を呼んだ。

 

「えぇっと、簡単に言いますと報告書の制作と事件資料の管理ですね。基本的には報告書を作ることですね」

 

「なるほど……報告書の形式は決まりがあったり?」

 

「しませんね。よほど拙い言葉遣い、文章でなければ大丈夫です。それと……」

 

初春は立ち上がって棚の中から二十枚ほどの紙を取り出した。

 

「これを元に報告書を作ります。この紙はここに溜まっているのでここからとってください」

 

そう言って初春は棚の中にあるファイルを指さした。

 

「りょーかいです」

 

気をつけからの敬礼を繰り出した弥勒に初春は笑顔をこぼした。

 

「じゃあ、早速やりましょうか。半分渡すのでそちらをよろしくお願いします。わからないことがあれば呼んでくださいね」

 

初春は手に持った紙の半分を弥勒に渡すとすぐにパソコンに向かった。

 

「……やりますか」

 

渡された文章の多さに呆れながらもソファに座りノートパソコンを開いた。

 

固法はすぐに取り掛かる姿勢に感心しながら満足そうに笑い、自らも職務を全うするためにパトロールに出かけていった。

 

白井は奥の部屋で仮眠中。

 

部屋は沈黙した。

 

カタカタカタカタカタカタカタカタカタ……

 

キーボードを叩く音が響く。

 

「弥勒さん、あとどれぐらいかかりそうですか?」

 

一足先に作業を終えた初春が弥勒の隣に座った。

 

「これを仕上げれば終わりです」

 

「弥勒さん、敬語じゃなくて大丈夫ですよ?私もその方が助かりますし……」

 

「了解」

 

敬礼しつつも片手はキーボードを打ち続けていた。

 

初春が作業を終了するまでにかかった時間は約30分。

ベテランだからこそのタイムだが、弥勒はそれに劣らない速度で作業をこなしていた。

 

「はい、終了」

 

「早いですね、私なんて始めたばかりの時は亀より遅かったですよ〜」

 

終了したデータを保存し弥勒はノートパソコンを閉じた。

終了宣言のように大きく伸びをして弥勒は一気に脱力した。

 

「二人きりですね……そうだ!!」

 

何かを閃いた初春は立ち上がると奥の部屋に消えていった。

 

「コレやりましょう!!」

 

持ってきたのは重そうなチェス盤とその駒。

一つ一つがクリスタルで出来ている高価なものだ。

白は透明、黒は不透明なクリスタルのチェス盤に初春は意気揚々と駒を並べだした。

 

「みなさん、あんまりチェス知らないんですよね。知っててもあんまり強くない人ばっかりで……」

 

「俺で良ければ相手になるよ」

 

「さすが弥勒さん、てことで先行は私からいきますね!!」

 

勢い良く初春はE2のポーンを全身させた。

 

 

 

それから30分が経過した。

 

「チェック」

 

「えぇ!?え、えぇっと……」

 

初春は苦戦していた。

現在、盤上には初春のクイーンは存在しない。

そして『チェック』の状態だった。

将棋でいう王手の状態に陥っていた。

 

「……あと四手でチェックメイト」

 

「そうはいきませんよ!!」

 

一手、初春がチェックメイトを阻止するためナイトを一番後ろのキングの横につけた。

 

二手、ナイトと逆方向のポーンがクイーンに成り上がった。チェック。

 

三手、初春がビショップをキングの横に移動させる。

 

「チェックメイト」

 

四手、三手目でできた隙間からビショップがチェックメイト。

 

「つ、強過ぎです……」

 

「まぁまぁ、楽しかった。また勝負するか?」

 

そう言って弥勒は手を支部の出口ドアに向けた。

キョトンと初春が首を傾げる。

 

「どうかしたんですか?」

 

「まぁ、見てて」

 

その数秒後ドアが勝手に開いた。

 

「おかえり、固法さん」

 

そこには固法が幽霊でも見たかのような顔をしてドアノブを掴む形で固まっていた。

 

「あら、気が利くわね」

 

固法はビニール袋にお茶とお弁当など女性にしては少し重たい荷物を片手にしている。

 

「台所でいいですか?」

 

「そうね、お茶は適当に冷蔵庫に入れといてくれると助かるわ」

 

「りょーかいです」

 

やる気の無さそうな返事とは裏腹に荷物は一人でに動き出した。

お弁当は台所の上に四つ綺麗に並べられ、同時にお茶は丁寧に冷蔵庫にしまわれた。

 

「ありがと、やっぱり女性には優しくなくちゃね」

 

そう言って笑顔を作った固法の顔には少し驚嘆の表情も含まれていた。

 

「便利な能力ですね……羨ましいです」

 

「まぁ、贅沢をいうならもっとオンリーワンの能力がよかったかな。第一位と二位みたいな」

 

「確かに贅沢ね……」

 

まぁ、俺はこれで十分ですけど。と言って弥勒は笑う。

 

「てことで初春さんの罰ゲームを決めるか」

 

嗤う。

 

「ま、まさか、弥勒さん、命に関わることはしないですよね?」

 

「……」

 

弥勒は頷かない。

 

「しないですよね!?」

 

「まぁ、それなりの恐怖体験にはなるのは確実だな。よし……」

 

自慢の携帯電話をポケットから取り出した弥勒はロックを高速で解除し写真フォルダを開いた。

 

「俺とパトロールしてるときにコイツを見かけたら『すいません!どうしてロリコンもやしが歩いてるんですか?』って話しかける。おーけー?」

 

見せた写真に写っているのは白い男性。

中性的な顔立ち。

目付きは悪いが端正に整った顔のパーツ。

真っ赤な瞳。

 

初春は急いでパソコンをは知らせた。

カタカタとキーボードを叩き学園都市の能力者リストを開いた。

 

該当する人物は一人しかいない。

 

「無理です!!私死にます!!固法さーーん!!」

 

固法に助けを求めるが虚しくも固法は乾いた笑顔を向けるだけだった。

画面に映る人物の名前は一方通行。

学園都市の序列第一位に君臨する、最強のレベル5。

能力はベクトル変換。と書かれている。

 

ベクトル。すなわち向きを操る。

物体の運動は必ず向きが存在し静止していてもそれは同じことで彼は触れることですべての向きを変えることができる。

 

「まぁ、しばらくは私と一緒にパトロールに出かけるからその心配はないわよ。よかったわね初春さん。ってことで……」

 

固法が弥勒の手を握り勢いよく引っ張った。

 

「わっ!!」

 

勢い良くソファから立ち上がり勢い余って壁にぶつかりそうになるところをギリギリでテレキネシスで自らの体を止めた。

 

「ご、ごめんなさい、ちょっと強くし過ぎたかも……」

 

「壁に埋める気ですか!?」

 

「い、いえ、今から一緒にパトロールに一緒に行こうと思っただけで……」

 

「なるほど……じゃあ行きましょう。今、今すぐ、なう」

 

最後の方は少し早口になっている弥勒は急いで身支度を整えた。

腕章を付けただけだが。

 

「そ、そうね、初春さん後十五分で白井さん叩き起しておいてね」

 

「わかりました!」

 

元気良く返事をした初春はニヤニヤといやらしく笑っていた。

弥勒にはその意味がわかった気がした。

 

 

 

街は特に変わった様子もなく平和の二文字が良く似合うほどだ。

そんなことを弥勒は歩きながら思う。

 

「今、弥勒君、平和過ぎてつまらないとか思ったでしょ?」

 

横から顔を覗かれ弥勒は少し横に飛び跳ねた。

 

「すごいな透視能力、まさか心も見透かすんですか?」

 

「まさか、そんな気がしただけよ。図星?」

 

小悪魔のような笑みを浮かべる固法を見て少しため息をつく。

 

「当たりですよ。せっかく素晴らしいボディーガードが付いてるっていうのに何もないなんて……」

 

「あら?じゃあもしものときは守ってくれるのかしら?」

 

「当たり前です!」

 

いつになく強い口調で弥勒は言った。

 

「……そう、頼りにしてるわ」

 

「任せてくだ―」

 

最後まで言葉が続くことはなかった。

 

大通りに突如破裂音が鳴り響いたのだ。

コンクリートの砕ける音が響き辺りは騒然としている。

 

「……向こうで何かおこっているらしいわ!行きましょう!!」

 

固法掛け声とともに二人は駆け出した。

 

が、音の正体はすぐに割れた。

 

「いいぜ!来いよ腐れメルヘン野郎ォ!格の違いってやつをお前の足んねェオツムに教えてやるよ!!」

 

「んだと!今度こそもやし炒めにするぞごらぁ!!」

 

道路のど真ん中で啖呵をきっていたのは二人の学生。

共に長点上幾学園の制服を纏っている。

 

一人は異常なまでに白く赤い瞳。

もう一人はホストにでも勤めていそうな茶髪のイケメンだった。

しかし残念なことに弥勒にはどちらとも面識があった。

 

「ごめん固法さん、アレを無傷で止めるのはちょっと無理かもしれません……」

 

頭が痛くなってくるのを感じた弥勒は眉間を押さえた。

 

「あれは……さっきの!!」

 

固法も気付いたようだ。第一位がいることに。

しかし悲劇は終わらなかった………




またまた投稿いたしました。
自分でも少しやりすぎでは?と思いますがなんとなく投稿したい気分でしたのでやってしまいました!!
よろしければ評価、コメントの方もよろしくお願いします!!
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