春風千桜の弟 in ムラサキノヤカタ   作: ふーみん

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お久し振りです。本編です。

これから今年受験生なので勉強に時間をさいたり他に執筆しているものもあるので更新にかなり時間がかかります。

一応続けるつもりはあるので気がむいたら読んでください。


友達を助けてくれるのはいつだって友達だ

 部活も終わり、千鶴がアパートに帰ると朝よりは元気のあるナギが縁側で1つの冊子を読んでいた。

 

「ナギ」

 

「ん。おお、千鶴。今帰ってきたのか?」

 

「おう……って手に持ってるの何?」

 

「これか?これは同人誌即売会のパンフレットなのだ」

 

「ああ。姉ちゃんが明日行くんだったな。ハヤテが手伝うって聞いてたけどナギが行くのか?」

 

「うむ。ま、千桜に頼まれて仕方なくなのだがな」

 

「そっか」

 

 千鶴はナギが少し元気になったことに喜びを感じていた。

 

「じゃ、俺は自分の部屋に行くわ」

 

「おお。また後でな」

 

 ナギが冊子に目を戻すのを見てから千鶴はアパートの中に入り、「ただいま~」と言いながら靴をぬぎ、二つの「おかえりなさい」を聞きながら自分の部屋に向かった。

 

 部屋に入ると千桜が明日行く準備をしていた。

 

「ただいま」

 

「おかえり」

 

「明日ナギと行くんだってな」

 

「ああ。綾崎君に頼まれてな」

 

「そっか」

 

 千鶴はかばんを部屋の端に置くと、その横に座った。

 

「明日ルカのライブあるけどそっちには行くの?」

 

「今のところ行く予定はないな。お前は行くんだろ?」

 

「おう。『お姉さんのほうは見に来てくれたのにあなたは見に来てくれないの?』ってトップアイドルに言われちゃったからな」

 

「それじゃあ行かなくちゃな…っと準備終了」

 

 ちょうどその時ハヤテから晩ご飯だと言われ、二人は共同スペースに向かった。

 

 

 

 

 

 □ □ □

 

 

 

 

「ふああ」

 

 目を覚まして周りを見ると隣で姉ちゃんがまだ寝ていた。

 

「今何時だ?」

 

 姉ちゃんがいることからまだ7時にもなってないだろうと思い、時計を見ると短い針が5を、長い針が6をさしていた。

 

 まだ5時半かよ。

 

「……眠くねえし素振りでもするか」

 

 布団から起き上がり、適当に顔を洗って、ジャージに着替えて、姉ちゃんの机に立てかけておいた竹刀を持って、庭に向かった。ちなみに俺の机は折り畳み式だ。

 

 庭に向かう途中、ハヤテに会った。こいつこんな早起きなのかよ。

 

「おはようございます、千鶴。今日は早いですね」

 

「なんか目が覚めちまってな。ハヤテは飯の準備か?」

 

「ええ。千桜さんにおいしいお弁当をお願いされましたから。千鶴は昼ご飯をここで食べてから出掛けるんでしたよね?」

 

「ああ。お前はどうすんだ?チケットの枚数的にナギには付いて行けないし昨日来んなとも言われてたよな?」

 

「…確かに僕はチケットも持っていないしお嬢様には来ないないでほしいと言われました。ですが!」

 

 ハヤテはグッと拳を握った。

 

「僕は行きます!なんとかして会場内に入り、お嬢様をを陰ながら見守ります!」

 

 朝からこのテンションについていけねえ。もう、行こう。

 

「そっか。ま、頑張れ。俺は素振りしてくる」

 

「はい。あ、お風呂沸かしておきましょうか?」

 

「頼む」

 

 

 

「朝からそんな動いて疲れねえか?」

 

「はっ!はっ!……って、タマ?」

 

 なんかでっかい猫(トラ)がいた。

 

「別に疲れねえよ。むしろあ朝に体動かしたほうが調子良い」

 

「お前変わってんな」

 

「お前ほどじゃねえよ。で、なんかようか?」

 

「いや、ただ声かけただけだ」

 

「そうかよ」

 

 タマから目を離し、もう一度素振りを始める。

 

「はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!はっ!「なあ!」はっ!…って何?」

 

 二度も中断させられるとイラっとくる。

 

「掛け声っていんの?」

 

「声出したほうが力入るらしいぜ。俺ははっ!ってのが一番言いやすいからこうしてる」

 

「ふ~ん」

 

「タマ」

 

「なんだ?」

 

「次中断さしたら叩っ斬る」

 

「り、了解」

 

 さて、やるか。

 

 

 

 

 

「部屋にいないと思ったら素振りしてたのか」

 

「姉ちゃん」

 

 いつの間にかタマがいなくなり、代わりに縁側に姉ちゃんが歯を磨きながら立っていた。姉ちゃんが起きてるってことは、

 

「ちょっと気になることがあったからそれを忘れようと思って。今7時くらい?」

 

「さっき時計見たら6時50分だったぞ」

 

 どうやら1時間以上やってたみたいだ。

 

「風呂入ってくるわ」

 

「ああ。私はナギを起こしてくる」

 

「まだ寝かしといてやったら?」

 

「昨日と違ってすぐ起きないかもしれないだろ」

 

「確かに」

 

 姉ちゃんと共に部屋に行き、竹刀を置いて俺は風呂場に、姉ちゃんはナギの部屋に行った。

 

 風呂から上がり、共同スペースに行くとふてくされながら飯を食っているナギがいた。他に誰もいないのを気にしながらナギの隣に食事が用意されているので自分の分だと思い、そこに座る。

 

「出掛ける前になんて顔してんだよ」

 

「千鶴!聞いてくれなのだ。昨日出るのは8時と言っていたのに千桜は7時に起こしにきたのだぞ!おかしいではないか!?」

 

「いや出掛ける一時間前に起きるのはそんなおかしくないと思うぜ」

 

「何なのだ!千鶴は私と同じ人種ではなかったのか!?」

 

 いや同じ人種って何?ニート?「二人とも騒いでないでご飯食べてください」

 

 キッチンからこちらに来たマリアさんにナギが怒られた…あれ?二人ともって俺も?

 

「何て顔してるんだよ。いただきます」

 

「気にすんな。いただきます。姉ちゃんはどこ行ってたんだ?先に食べてると思ってたんだけど?」

 

「綾崎君と少し話してただけだよ」

 

「ああ、昼飯の話か?」

 

「まあな」

 

 それ以後特に話すこともなく飯を黙々と食べ、8時頃に出掛ける準備をすませたナギと姉ちゃん、見送りの俺とマリアさんとハヤテ(こいつは後で行くけど)が玄関にいた。

 

「ナギ。あまり千桜さんに迷惑かけるんじゃありませんよ」

 

「ええい!子供扱いするな!」

 

「お嬢様、乗る電車や降りる駅を間違えたり切符を落としたりしないよう気をつけてください」

 

「二人揃って何なのだ!」

 

「姉ちゃんも気をつけてな」

 

「ああ。千鶴もな。ナギ、行くぞ」

 

「では、行ってくるのだ」

 

「行ってらっしゃいませ。お嬢様、千桜さん」

 

 二人が出掛けていき、アパートには三人が残った。……暇だし、勉強でもするか。

 

 

 

 

 昼になり、飯を食おうと部屋を出て歩いていると庭にマリアさんがいた。

 

「マリアさん」

 

「千鶴君。お昼ご飯ですか?」

 

「あ、お願いします。…庭の手入れですか?」

 

「ええ。放っておくとひどいことになりますので」

 

 ……メイドさんとはいえ、女性が庭をいじってるのに俺が眺めてるだけって気分良くないな。

 

「あの、時々俺がやりましょうか?いや、やらせてください」

 

「けれどそれだと私の仕事がなくなり時間が空いてしまいます」

 

「いやハヤテもいるからってこれだけ大きな建物で家事をやってて暇になることはないと思うんですけど」

 

「前住んでたところに比べれば半分どころか10分の1もありませんよ」

 

 この人前どんな家に住んでたんだよ!しかもナギとハヤテとマリアさんの三人、いやハヤテは少し前にきたって言ってたから実質マリアさん一人でここの10倍以上をなんとかしていたと……マリアさんやべえ。

 

「ですがどうしてもというなら今度やり方をお教えします」

 

「あ、ありがとうございます」

 

「ではハヤテ君が作ってくれていた物があるのですぐに食事の用意をしますね」

 

 マリアさん。俺の中のメイドのイメージが超人になりました。

 

 

 

 

 昼食をおいしくいただいた俺はルカのライブ会場に来ていた。

 

 まだ始まるまで時間があるがそういう時こそス○フェスだ。この前のイベントはナギに負けたが今回も上手く行くと思うなよ、ナギ!

 

 Three,Two,One,Live!

 

 

 

 

 

「千鶴」

 

 ライブ開始まで数分となったところで後ろからよく知る声をかけられた。

 

「姉ちゃん。それにナギも」

 

「千鶴、お前ライブに行くとか言ってなかったか?何でこんなところに」

 

「何だよ、姉ちゃんから何も聞いてないのか?ま、もう始まるからさ」

 

「そうだ。黙ってみていろ、すぐにわかるから」

 

「始まるとかわかるとか、何が?」

 

 俺達姉弟はナギの質問に答えることはなかった。なぜならちょうどライブがはじまり、凄まじい歓声が聞こえてきたからだ。

 

「な……な……なんなのだこれは!」

 

 混乱しているナギを姉に任せ、ステージに目を向けるとルカが出てきた。

 

「いくよみんなーーー!!!」

 

 ルカの声が会場に響く。客席から歓声がもれる。誰もがステージで踊り歌う一人の少女に魅せられている。もちろん俺もその一人。

 

「うおおおおおお!!!!」

 

 両手にブレードを持って曲に合わせて振りまくる。隣でナギが引いているように見えたが知らん!

 

「さあみんな!まだまだ行くよー!!」

 

 一曲目のサビに入る。会場のボルテージはさらに上がる。今この空間は彼女に、水蓮寺ルカに支配されている。

 

 二曲目、三曲目とどんどん進んでく中、衣装も変わっていき、いつの間にかナギも俺と同じように両手を振り回していた。

 

 そしてラストの曲となりおなじみの『夢・カーニバル!!』がルカの声とともに流れ始め、色んな着ぐるみたちが出てきて踊り始めた。

 

 ……あれ?一体だけ変な感じがするぞ。

 

「……」

 

「ん?どうした、千鶴」

 

「いや、あのロボットみたいなのから違和感を感じるっていうかなんというか」

 

 そんなことを言いながらその着ぐるみを指さすと、なぜかメイド服を着たハヤテに蹴り飛ばされステージ裏に吹き飛んでいった。

 

「……」

 

 なんや今の!?

 

 とか心の中で突っ込んでるのは俺だけじゃないようで会場がざわつき始めた。

 

「へい!!」

 

 だがそれもステージに立つルカによって一瞬で収まった。

 

 人指し指を天に向け、少し助走をつけてあざやかに一回転。これで客の目は、心は彼女に釘付けになった。ただ、

 

「なあ今一瞬綾崎君が見えた気がしたんだけど…」

 

「さ、さぁ。どうかな?」

 

「気にしたら負けだ」

 

 一瞬だけ出てきたやつが知り合いだった俺達はすぐには元に戻れなかった。

 

 

 

 そして、ステージは終了した。姉ちゃんがルカにコンタクトをとろうとしたがどうやら体調をくずしたらしく会えないそうだ。後でお疲れメールでもしておこう。

 

 帰り道、

 

「今日はすばらしい一日だった」

 

 ナギが語る。

 

「色々な人と会い、体験をし、様々な事を知った。だから…私ももう一度まんがを描く!とりあえず来月のコミサン!私は同人誌を出すぞ!」

 

 今日ナギとライブでしか一緒にいなかった俺にとっては何があったかはほとんど謎事態だが、やはり俺ではなく姉ちゃんに任せて正解だった。次に読めるナギの漫画が楽しみだ。




久しぶりにサンデー読んだらナギがスクフェスの話していたのでいれてみた。新巻にもあったしね。

次回、子連れ生徒会長爆誕。

感想募集中。批判遠慮中。誤字あれば教えてください。

現在更新できません。(たぶん2月くらいまで)
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