ドロテアさんの研究棟での書類整理をしていたが、すでに昼時になった。書類整理って案外時間が過ぎるもんだよな・・・ドロテアさんも欠伸をしながら俺に声を掛けてきてくれた。
「ふぁ~・・・ふむ、もう昼になったのぅ。そろそろ食堂に行くか?」
「・・・あの~、お昼ごはん・・・俺が作りましょうか?」
「おっ?良いのか?」
「はい!簡単なものなら作れます」
「それなら頼むか。ここから食堂が少し遠くてのぅ」
「任せてください!」
研究所の中に併設されてある給湯室を借りて、簡単な昼食を作ることにした。食パンとか卵があったし、サンドイッチにしてみた。野菜が無いけど、厨房じゃないから仕方ないよな。
卵サンドイッチとハムサンド、あとはピーナッツバターサンドを作ってみた。このところ、料理をする機会が増えたから作れる範囲を増やしておいて良かったな・・・
・・・料理人になりたいわけじゃないが、喜んでもらえるなら上手になりたいし・・・
ささっと作ってドロテアさんに出すととても好評だった。
「うむ、美味いな!しかし料理ができるとは・・・兵士志願じゃったろう?」
「そうなんですけど、できることは多いほうがいいって、剣術を教えてくれた人が・・・」
「ほぉ~、殊勝なことじゃな。女でも料理が出来ない奴もおるような時代じゃというのに」
ドロテアさんが指についた卵を舐めとりながら、「やれやれ」と続けて俺に言ってきた。
・・・ワイルドハントの女性隊員・・・コハルさんかコスミナさん、アオイさんあたりができないってことなのかな・・・
そう思ってると「こんにちはー」と声が聞こえてきた。
濃い青色系の上着を着た、俺より少し年上の男だ。隣には同い年ぐらいの少女もいる。
「イェーガーズのウェイブです。ドクターから頼まれ・・・あっ・・・じゃなくて!Dr.スタイリッシュに頼まれてレポートを持ってきたんですけど・・・」
「・・・」
「おぉ、イェーガーズのか。すまなかったのぅ」
どうやらやってきた二人は特殊警察イェーガーズの隊員の人らしい。スタイリッシュさんと、セリューさん、ランさんは少し挨拶したはずだが・・・
俺と同い年ぐらいの人も働いてるんだな。この子も軍に所属してるのだろうか・・・?
「こっちがレポートです。あと、そっちのは・・・?給仕の人に見えませんけど」
「あっ、あの、ワイルドハントで試験雇用させてもらってます!タツミです!」
「へー、試験雇用されてる奴ってお前か。俺はウェイブだ。帝国海軍からイェーガーズに入ったばっかなんだ。よろしくな!」
「よ、よろしくお願いします!ウェイブさん!」
「あはは、敬語とか使わなくていいぜ?試験雇用つっても、お互いに帝都の平和を守るための同僚みたいなもんだろ?」
「え、えっと・・・じゃあ、ウェイブ。よろしくな!」
「おう!」
ウェイブさん・・・じゃなくて、ウェイブの言葉が優しい。いや、ワイルドハントの人たちが優しくないわけじゃないけど、すごくとっつきやすくて・・・感動する・・・!!
それになんだか、親近感が湧いてくる。なんでかは分からないけど。
そう思っていると、視線を感じる。
どこからだ?と思っていると・・・
・・・黒服の少女が、じっとこちらを見つめていた。
「・・・」
「・・・あ、あの・・・」
そんなにじーっとみられるとなんだか気まずいというか、俺の顔に何かついてるのか!!?それともなんか俺に変なところがあるとか・・・?
「クロメ、どうしたんだよ」
「・・・美味しそう」
・・・どうやら目の前の女の子は俺が作ったサンドイッチが美味しそうに見えたらしい。
「おぉ、腹が減っておるなら食べるか?妾はかまわんぞ」
「い、いいんですか・・・?」
「気にするな、イェーガーズの若いの。代わりならあるからな。お前も食べるといいぞ」
「ありがとうございます」
代わり?・・・俺、おかわりは用意してなかったけど・・・?もしかしたら、お菓子とか持ってるのかもな。
ドロテアさんに勧められて、二人がサンドイッチを食べ始める。
「これ、美味しい」
「おー、これは美味いな」
「ふふん、ここにいるタツミが妾のために作ったものでなぁ」
「あはは、喜んでもらえたなら幸いです」
ウェイブとクロメの二人にもサンドイッチを御馳走した時に教えてもらったが、ウェイブとクロメも帝具使いということが分かった。
ウェイブは『修羅化身グランシャリオ』、クロメは『死者行軍八房』という帝具らしい。
「へー、やっぱりイェーガーズの皆さんも帝具を持ってるんですね」
「あぁ、そうだぜ。セリューが連れてた犬っぽいやついただろ?あれも帝具なんだぜ」
「・・・ランもドクターも、帝具を持ってるよ」
そういう話を聞くと、やっぱり帝国軍からの正規雇用以外だと・・・帝具を持っていたほうがいいようだ。イェーガーズもワイルドハントも帝具持ちで構成されてるし
(イゾウさんとアオイさんだけは違うけれど)
「俺も早く正規雇用して、帝具を持ってみたいなぁ」
「おぉ、目標ができたみたいじゃな」
「頑張れよな。応援してるぜ!」
「・・・頑張ってみたらいいんじゃないかな。サンドイッチ美味しかったから、また作ってもらいたいし」
そんな感じで、なんとか昼は和やかに過ごすことができた。知り合いも増えたし、益々やる気が出てきた!
午後からもさっそく頑張らないと
ロッドバルト「さぁ、次回もまだまだドロテアさんのターンですね。いやぁ、今まで出番が少なかった分を取り戻してますね。それではまた次回」