転生先が平賀さんな件   作:スティレット

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 25時50分って考えれば1日一話投稿したことに(震え声)


割と面倒だけどやらないといけない山場

「キュルケ、返事を先延ばしにして悪かった。あの空気が壊れるのが怖かったんだ。だが、ここで返事を出そう。俺もキュルケのことが好きだ。だけど、来るものは拒まない姿勢だからルイズとシャルロット、メイドのシエスタが既に付き合いの中に入っているけど、それでもいいのか?」

 

「いいのよ。それに、学院に帰ってきてからすぐに耳にしたけどダーリン、あなたタバサを救うつもりで叙勲を断ったらしいわね。あくまで叙勲を断ったのとこの間二人でガリアに行ってたことの関連性についての推測のうちなのだけど・・・・・・女の為に爵位を断る。普通の貴族には出来ないわ。だからこそあなたがいいのよ。ダーリン」

 

 

「そうか・・・・・・一応女性同士で相談しておいて欲しい。ルイズは自分が一番なら細かい事は気にしないらしい。シエスタは俺を支えていくには自身だけでは力不足だから囲える甲斐性があれば何人でも構わないって状態だ。シャルロットは、まだ恋人の関係になって日が浅いから、それも含めて相談しておいてくれると助かる」

 

「分かったわ」

 

 ふう、地味に大変だったな。でもこういうことはしっかりしておかないといけない。

 

 

 

 キュルケへの返事も行ったし、ここ最近の動きをまとめていこう。

 

 まず、ウェールズだが、アルビオンに帰った。アルビオン王政府を復興させるのだ。これにはアンリエッタも涙を呑んで見送ったらしい。あちらには多大なる貸しを作ったから同盟を組ませるのに便利だろう。

 

 アンリエッタはウェールズが帰って一時期元気が無かったもの、別に死んではいないので戦後処理などを真面目にこなしている。流石に原作みたいに家財一式を売り払うような極端な真似をせず、戦没者の遺族には常識の範囲内での報奨金が出たとか。まあ、今回アルビオン王統派とロマリアが本格的に参戦してたから被害は分散されたのだろう。

 

 一番の金星を上げたのは裏で糸を引いていたガリアと、軍の再編成を余儀なくさせた俺の所属するトリステインだ。ガリアは港一つだけ取って後はいらんと言った状態で、トリステインはアルビオン復興に協力する名目だからアルビオンにその手柄をまるっとでは無いが渡すだろう。そうなると肩身が狭いのはロマリアだ。ゲルマニアは牽制してただけなのでそもそもあまりガツガツしてない雰囲気だし、残るロマリアは目立った戦績を上げていない。全面的に弱かったわけではないのでいくつかの権利は主張するだろうが、最悪しばらくの間風石の採掘権といくつかの土地が接収されるだろう。

 

 そんなわけでトリステインはアルビオンに大きな貸しを作れる。大隆起を止めるには平民の魔術が必要だが、風石の採掘量が減ってしまっては大変だ。そもそもその他の魔術は日常ではあまり必要の無いもの。こちらも免許制にして、岩盤の下に眠っている風石の縮小はきちんとした仕事として成立させてしまったほうがいいのかもしれない。そうすればとりあえずは火と水の魔術があれば、平民は楽が出来ると考えてのことだ。

 

 まあ、ひとごこち着いたから水精霊にアンドバリの指輪を返しに行った。その時のログがこれ。

 

 

 

 Mizunoseireiさんがログインしました。

 

 こんにちは、Mizunoseireiさん

 

 なにかようかな?

 

 アンドバリの指輪すごいですね

 

 それほどでもない

 

 ところで、秘宝盗まれましたか?

 

 盗まれた;;

 

 すごくないなー憧れないなー

 

 取り戻してくらふぁい;;

 

 取り戻した

 

 えっ

 

 アンドバリの指輪取り戻してきた

 

 返しテ!返しテ!早く!早く!

 

 指輪をおごってやろう

 

 わぁい^^

 

 ついでにこっちの指輪の修理を頼みたいのですが

 

 いいぞ

 

 封印が解けられた!

 

 我は彫金スキル(水属性限定)も青字だからこれくらいちょろいこと

 

 

 - Mizunoseireiが合成をした -

 

 

 - エルフの指輪(水)を合成した! -

 

 

 ほらよ

 

 すごいなー憧れちゃうなー

 

 じゃ、水系の仕事があるからこれで

 

 Mizunoseireiさんがログアウトしました。

 

 

 

 と、言うのが俺の脳内で直接やり取りして行われたわけだ。何で水の精霊はブロ語だったんだろう?

 

 まあ、どうでもいいか。そんな考えをしながらも、表面ではルイズへの王位継承を予定していると言うアンリエッタからの発表があった。これに黙っていないのがヴァリエールの実家だ。一人で行かせたら杖を取り上げられ塔に幽閉と言うこともありうる。呼び出しを喰らったのでルイズ共々馬車で向かうことに。今回の馬車はサスペンションと軽量化した金属フレームのゴムタイヤを装備しているので揺れに強い。これでエンジンを搭載したら立派な自動車だ。

 

 まだしばらくコルベール先生は旅立たないとのことなので、一気に色々製作したのだ。主にエンジンを使うものをメインに。チェーンソーもキチンと作り、これはゲルマニアでキュルケの実家にて売ってもらうこととなった。所持には許可証が必要で、植林が義務付けられる。油もツェルプストーから現在は独占販売なので、かなり美味い。2割が俺、1割がコルベール先生の懐に入る。あの人は別にツェルプストーの家がパトロンになっているから少なめでも良いらしい。ついでにギーシュに構造を覚えさせて、グラインドブレードを作らせた。オーバードウェポンシリーズはそれ自体が一つのゴーレムだ。この間ヴェンジェンスは作らせたので、追加でこれを装備させるのだ。最近あいつの攻撃力のインフレがすごい。

 

 ギーシュで思い出したがマリコルヌは最近ブリジッタと言う娘と付き合いだしたらしい。笑い方もウェスカーと化しているので、悪役めいたニヤリ笑いが堂に入っている。グラサンとピンセットをプレゼントし、眉毛の形を整えてやったらオールバックも相まってもうこれウェスカーじゃん。って思った。成長の度合いが早く、ラインにも上がったし。スクウェアになると偏在が肉弾戦をしかけてくるのか。胸が熱くなるな。

 

 権限だけは子爵クラスなので、実質的な専用侍従としてシエスタが付いている。なんか指名権が回ってきたのでとりあえず無難にシエスタを指名しておいた。おかげで今回の旅もシエスタが同行しているのだ。最近ルイズとシャルロットばかり構っていたので構ってやれなかったし。いかんな。ハーレムを維持しようとか思ってないんだが、情が移っているせいかどうもバランスを取ろうと考えてしまう。俺らしくない。

 

 御者にゴーレムを作り、馬車を操らせる。誤って人を轢いてしまわないように脳内センサーに注意を置きながら、二頭立ての馬車が行く。

 

「なんでも今回は殿下も説得に回ってくれるそうだ。それに何か悪いことをしたわけでも規則を破ったわけでもない。気にする必要も無いさ」

 

「そ、そうよね。規則を破ったわけじゃないものね!母さまからカッター・トルネードを受けずに済むわ。でも、父さまの説得はどうしようかしら?」

 

「それも殿下に何か考えがあるそうだ」

 

「アンリエッタ王女殿下が味方に回ってくださるなら安心ですよ。ルイズ様も気負いすぎです。旅を楽しみましょう」

 

 最近のシエスタは肝が据わった気がするな。俺の周りでは色々なことが起こるから耐性でも着いたのだろうか?特に何か起こることも無く、旅路は進んでいった。

 

 

 

 ヴァリエールの屋敷に着き、公爵と夫人、そしてカトレアが待っていた。エレオノールは現在地下の風石のせいでアカデミーで缶詰らしい。

 

「ルイズ、そしてヒラガ殿。長旅ご苦労だった・・・・・・と言いたいところだが、夕餉の後に聞きたいことがある」

 

「ええ、父さま。私も報告したいことがあるの。大事な話です。才人からもあるそうだから聞いてあげて」

 

「よかろう」

 

「おかえりなさい、ルイズ。それにこんにちは、サイト君とシエスタちゃん。前より仲がよくなったみたいね?」

 

「ごきげんよう、カトレア様。お加減はどうですか?」

 

「そんな他人行儀じゃなくていいのよ?あなたは恩人なのだから。それにルイズのいい人みたいだし、お姉さんって呼んで?」

 

「わかりました。カトレア姉さん」

 

「よろしい」

 

 相変わらずニコニコしている。カリンちゃんも相変わらずだ。

 

「・・・・・・」

 

 余計なことを言わず、戦艦クラスの眼光を放っている。胸は駆逐艦・・・・・・あんまり考えないほうがよさそうだ。

 

「では、夕餉まで休むといい。ジェローム、後は任せたぞ」

 

「かしこまりました。旦那様」

 

 そのまま客間へ通された。俺の恋人と言うこともあってシエスタも同等の扱いらしい。

 

 

 

「さて、まずは戴冠についてだが・・・・・・」

 

 まあ、そうなるな。だが、ここで邪魔が入る。

 

「そこまでです!先はわたくしが説明させて頂きますわ!」

 

「殿下?今日は夕餉を控えてお休みになるはずだったのでは?」

 

 やっべ、おしゃべりに付き合わされて引っ張り出されたネタ持ってきやがった。

 

「ルイズはおともだちであるわたくしを全力で応援するために敢えて責務を負おうとしているのです。そしてサイトさん、話は聞きました。おともだちを助けたらしいですね。よって、爵位を受勲してもらいます!」

 

 MM○の可変ネタとか分かる人いるのかね?

 

「な、なんですってー!?」

 

 一応ここまでテンプレなのでネタに付き合ってやる。その得意げなドヤ顔やめろ。むふーってやりきった顔すんな。

 

「そういうわけです。ルイズ、あなたの話したいことを話してください」

 

 ネタは半分なのだろうが、ルイズの戴冠の説得の為にここに来たんだよなこの人。面倒だから放置でいいや。

 

「ええ、私は学院の卒業と共に王位に着きます。そして、才人も爵位を授与されたので私の婚約者にしてください!」

 

 その言葉に固まる公爵。カリンちゃんは目を細め、カトレアはあらあらと言った具合だ。

 

「た、確かにヒラガ殿の活躍ぶりは聞いておるが、ルイズ、私の可愛いルイズをやるわけには・・・・・・」

 

 葛藤する公爵。はあ、仕方が無い。

 

「閣下、納得いかないのは分かります。よって拳を握ってください。私は閣下の父としての一撃を甘んじて受けにここに来ました」

 

「ヒラガ殿・・・・・・」

 

「さ、どうぞ」

 

 歯を食いしばり、どこを殴られてもいいよう身構える。

 

「その意気や良し!だが儂は貴族だ。杖での一撃を受けてもらう!」

 

 公爵はウォーター・ウィップを詠唱し、思い切り俺を殴り飛ばした。顎にいいのを受けるも、受け流しは考えない。

 

「ぐふっ、良い一撃です」

 

 流石、接近戦においてはカリンをも凌ぐと言われただけある。一撃が重い。朦朧としながらも、俺は立ち上がった。後で脳が揺れたので治療しとこう。

 

「ヒラガ殿、あなたは筋を通しに態々殴られにここまで遠路はるばる来ました。よって、私からは何もしません。ただし、ルイズを悲しませるようなことはしないように」

 

「ありがとうございます・・・・・・」

 

 カリーヌ夫人からお許しの言葉を貰った。

 

「サイト君、やっぱり男の子ね」

 

 カトレアはしょうがないわねと言った顔だ。そういやこの人社交界に出始めて求婚がひっきりなしとか。

 

「では、私から話したいことがあります」

 

 ようやくあの話が出来るよ。

 

「カトレア姉さんに定期的に使われている私が伝授した魔術、これを王家から許可を貰い広めてもらおうと思いました」

 

「!?」

 

 公爵に電流が走る。カリーヌもやや表情を硬くし、俺の言葉を疑っているようだ。

 

「本来これは平民でも使えるものです。そしてエレオノール様の報告が上がっていると思いますが、ワルド子爵の協力の下調べ、ハルケギニアの地下深くに風石が埋まっており、これにより大隆起が近いうちに起こります。時間稼ぎはしていますが、限界があり、ならばいっそ着火や桶に水を貯める程度の魔術を平民に伝授し、風石を変換してもらおうと言うものです」

 

 カトレアとアンリエッタもこの報告にやや強張った顔をする。そりゃ災害がこれから起こるって聞かされればね。

 

「それと同時に、この技術が広まれば、カトレア姉さんも自由に動けます。そろそろ姉さんも快復してきているでしょうし」

 

 まだ公爵と烈風のサラブレッドであるカトレアはその精神力を持て余しているだろうが、結婚相手に大源(マナ)変換が使えれば応用で小源(オド)吸収を使ってもらうと言うことも出来る。それにこれはかなり集中力がいるので、戦闘などでは使えないし俺くらいの熟練度にならないと吸収には時間がかかるのだ。発動自体は出来るが。

 

「以上です。ハルケギニアの危機を救う好機です。色よいお返事を期待していますね」

 

 最後にインテリオル風味に締めくくった。

 

「少し、時間をくれ」

 

 公爵は搾り出すように言い、解散となった。




 水の精霊とは脳内チャットなのであんな感じです。

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