更新は亀さん以上かも…。
1 最北端の拠点
今や世界の敵である深海棲艦に対する日本の北方拠点は大湊鎮守府と単冠(ヒットカップ)湾泊地である。
だが…それは間違っていないが、『大規模な拠点』と言う意味であり、『小規模な拠点を含んだ』場合では間違っていた。
日本の最北端に位置する対抗拠点は千島列島北端にある占守(しゅむしゅ)島の『占守島海軍分駐所』である。
多数の提督が在籍する大規模拠点と違い、分駐所は1人の提督によって運営されていた。
そして、この分駐所と周辺海域を守っていたのは……雪の様に白い髪を靡かせる齢16歳の提督だった………。
占守島海軍分駐所 提督執務室
古い石油ストーブの上のヤカンが沸騰した事を報せるかの様にピューと音を鳴らし、カタカタカタと揺れ出す。
そんな中でも執務机で海軍公報を読んでいる白い髪の少女。
「珍しいわね。貴女が私達と自分以外の他人に興味を持つなんて」
呆れた様子でそう言いながらヤカンをストーブから上げる秘書艦叢雲(むらぐも)。
それを聞いた白髪の少女……提督は顔を上げる。
「憲兵なのに提督、しかも女性…叢雲は気にならない?」
「ここは北方よ? 南方の無人島に居る提督なんか、興味無いわ」
ヤカンを置いてプイっと横を向く叢雲。
「なに、叢雲。嫉妬したの?」
そう言いながら白髪少女提督は海軍広報から顔を上げ叢雲に視線を向ける。
「ふん、マリアなんか知らないわ」
他人が見れば、本当か?…と問いたくなるぐらい耳と頬を赤くしている叢雲。
しかも、『提督』と言わず『貴女』か『マリア』……この白髪少女提督の名前……と呼ぶぐらいの親密な様だ。
「な〜に〜、もしかして、久々に『夜戦』の相手でもしてほしいの?」
「な、なにいってるのよ! このバカマリア!!」
耳元で囁かれた言葉に叢雲は顔をトマトの様に真っ赤にさせながら怒鳴る。
しかし……その割にはまんざらでは無さそうである。
「2人揃って何を言い合っておるのかと思えば…何をなさっているんですか?」
そう入ってドアの所に居たのは遠征隊旗艦の不知火だった。
「あら、不知火、お帰りなさい」
「だだいま帰りました、司令。此方が報告書です」
まるで関係無いと言わんばかりに何時ものクールな印象で報告書を渡す不知火。
「ちょっと、不知火。見てたなら、あんたも止めなさいよ!」
「不知火には関係ありませんので」
叢雲の言葉に素っ気なく答える不知火。
だが、報告書では無く、不知火の腕を掴み引き付けて来たマリアが耳元で囁いた事で状況は一変する。
「あら、私は3Pでもいいわよ、ぬいぬい」
「っぅ…司令、ふざけないで下さい」
……唇を噛みながら真っ赤になった顔を見せまいと顔を反らす不知火。
しかし、これに叢雲が煽りを入れる。
「あら、不知火。あんたもまんざらじゃあ無いみたいね」
「あら、この不知火に落ち度でも? 叢雲は落ち度ばかりですけど」
「あんたね……その身体を曲げるわよ!」
「……なら、貴女が持っていない酸素魚雷を撃ち込んで楽しい寒中水泳をさせましょうか?」
「いいわ! 後でピイピイ泣かないでよ!」
「それはこちらのセリフです!」
途中から互いに罵倒合戦に変わっている。
その罵倒合戦を止めたのは提督のマリアだった。
「はいはい、叢雲にぬいぬい。それ以上しちゃうと、今夜は可愛がってあげないけど…いいの?」
そう言われて2人は大人しく矛を納めて引き下がる……お互いに顔を真っ赤にさせながら。
「さてと…今夜は久々に心地よく眠れそうね…楽しみ♪」
その目は賎しく光っていた……が2人は何も言わなかった。
次の日の朝、提督寝室のベッドで3人一緒……しかも、真っ裸……で眠っていた。
なお、外部には秘密なのだがこの朝の光景は占守島分駐所では何時もの……ではないが頻繁に見る光景であったりする…。
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