生徒会の庶務の一存   作:加賀直 冴池 

1 / 6
駄弁る生徒会①

 

席の位置

 

ホワイトボード

桜野

杉崎 紅葉

 

深夏 真冬

笹鳴

 

キャラ紹介

 

桜野 くりむ

見た目は子供、頭脳も子供なロリっ娘生徒会長。何事にも一生懸命。お子様なため少々考えたらずだったりするが時々妙に的を得たことを言う。

 

杉崎 鍵

優良枠にて生徒会入りしたハーレムを目指して歩み続ける変態的副会長。しかし、勉強は優秀、顔も悪くはない、とけっこうハイスペックではある。エロ……もといギャルゲ大好き男子高校生。

 

紅葉 知弦

会長とは別物の長身的なモデル体型を持った美女。しかしその内面はブラックなものとドSな心で出来ている書記。生徒会の参謀的な存在だが一度嵌るとなかなか思考の渦から抜けれなくなるときがある。

 

椎名 深夏

ボーイッシュなツインテール美少女。運動神経抜群という域を超えた超人副会長。杉崎とは同じクラスな上隣の席だがデレる様子のない正統派ツンデレ少女。

 

椎名 真冬

深夏の妹。姉とは正反対でインドア派かつ儚げな美少女。ゲームなどが大好きな半廃人会計。腐女子の気もあり、そこらへんの面では杉崎や笹鳴に恐れられている。

 

笹鳴 涼

杉崎と同じく優良枠で入った2年生。入る気がなかったがテスト後交通事故で入院し、優良枠の存在を教えられなかったというか教えてくれる人がいなかった哀れなソロ充庶務。少々ひねくれた性格をしている。目つきが悪く、前髪が長いため根暗と言われやすいが一応顔は整っている。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

「世の中がつまらないんじゃないの。貴方がつまらない人間になったのよ!」

 

俺の正面に座る見事なロリボディをした我らが生徒会長桜野くりむが何処かで聞いたことがある言葉を叫んでいた。

しかし珍しくマトモなことを名言に思わずなるほどと思う。杉崎も思うことがあるのか会長の言葉に頷いていた。

人は何かに飽きながら生きている。知ってその物事につまらなさを感じて生きている。

学校生活も楽しいのは始めだけだった。

青春に対する憧れも始めだけだった。

恋に対する幸せも始めだけだった。

初めては知らないから楽しめる。だが知れば知るほどそれに対して飽きや退屈さやくだらなさを感じられる。

特に友達なんかがいる奴はそれが如実に現れている。彼らは常に新しさを求めて動く。たとえそれが同じものだとしても些細な違いがあればそれを新しいものとして捉えようとしているのだ。そうやって現実を歪めて捉え、自分たちの都合の良い方向に持っていく。そして何か不都合があれば責任を誰かに押し付ける。まるで肉食動物に襲われた草食動物の群れのようにだ。

こうして誰かに責任を押し付けた後は自分が押し付けられないように生きていく。楽しそうに笑いながら怯えて暮らしていかなくてはならないのだ。

つまり、そこから至る結論は……。

 

「じゃ、童貞もそんなにわるくないってことですか?」

「つまりぼっちは最高だということですね?」

「ぶっ!?」

 

俺と杉崎の答えに茶を吐き出す会長。

危かった。もうすぐで俺の制服にかかるとこだった。

 

「おい杉崎。貴様のくだらない発言のせいで会長がギャグ漫画張りにお茶を吹いちまったじゃねえか」

 

「俺のせいにするなよ!今のはお前のせいだろ!」

「どっちもよ!」

 

吐いたお茶を拭き終わった会長が机をバシッと叩きながら叫んだ。

 

「なんで杉崎と笹鳴はさっきの話でそんな結論を出せるのよ!」

「甘いですね会長。基本、俺の思考回路はそっち方面に直結するようにできてます!」

「いや俺は普通に今までの体験と今の言葉を真剣に検討した上で出た結論ですよ」

「なにを誇らしげに!杉崎たちはもうちょっと生徒会役員という自覚をねぇ……」

「ありますよ、自覚。この生徒会は俺のハーレムだという自覚なら充分ーー」

「ごめん。杉崎は役員としての自覚はいいから、まずはそっちの自覚を捨てることから始めようね」

 

会長は杉崎が繰り出すボケたちに真摯にツッコミを入れていた。

疲れないだろうか?俺だったら早々に投げ出している自信がある。

さて、会長のいつものツッコミを見たことだし、本でも読んでいるか。

と俺が本を取り出す中、会長は先ほどは吹き出したお茶をティッシュでせっせと拭き取っていた。そして使ったティッシュを丸め、片目をつぶりながら真剣に狙っている。しばらく狙いを定めた後、いざ投げ入れようとしたとき。

 

「会長。好きです」

「にゃわ!」

 

杉崎の突然の告白によってあらぬ方向に、ティッシュは飛んで行ってしまった。

俺はいつもの事なので気にせず本を読み進める。「俺ガイ◯」マジ最高。

 

「杉崎はどうしてそぉ軽薄に告白できるのよ」

 

いやー比企◯君マジでかっこええわー。というか、共感出来てしまうとこが多々あるんだよね。このキャラ。

 

「本気だからです」

 

雪◯下さんもクールでいいよなー。うちの書記をしている先輩を彷彿させるキャラだよな。まあ、スタイルに天と地ほどの差があるけど。

 

「嘘だ!」

 

由比◯浜さんもいい味だしているんだよな。あの優しさという強さは尋常ではない。少なくとも俺には無理だな。

 

「『ひぐ◯し』ネタは微妙に古いですよ、会長」

 

しかし、何故平◯先生は結婚できないのだろうか。こんなにもーー

 

「「少し自重しろよ(なさいよ)!その思考!」」

「おおう!」

 

あーびっくりした。何なんだいったい?

 

「その意味わかんないみたいな顔やめろ。少しはあっちの事情を考えてろよ!」

「ん?ああ、安心しろ。ちゃんと伏せ字を使うから」

「いやいやいやいや。そうゆう問題じゃないからね!」

「まっ。次から気をつけるわ」

 

そう言って本を閉じる。どうやらその態度に納得したようだ。今度からは富士見書房の本を持ってこよう。ガガ◯文庫は家で読めばいいや。

というかこいつらさりげなく俺の思考回路を読んできたんだけど。なにこれ怖い。

 

「それでなんの話をしてたんだ?」

「俺の愛がどれだけ本気なのかという話だ」

「なんだ。そんなことか。それなら軽いという結論以外ないだろう」

「おいっ!」

 

俺の出した答えに何か言おうとするが、それを会長に遮られる。

 

「そうよ!だいたい杉崎が初めてここに顔出した時の、第一声を忘れたとは言わせないわよ!」

「なんでしたっけ、えぇと、『俺に構わず先に行け!』でしたっけ?」

「初っ端からどんな展開よ生徒会!」

「違うだろ杉崎。『俺の屍をこ◯ていけ』だろ」

「だから何があったのよ生徒会!っというかそれはあの名作に対して失礼よ!」

「えぇと、『ただの人間には興味はありません。宇宙人、未来人ーーー」

「危険よ杉崎!いろんな意味で!」

「大丈夫です!原作派ですから!」

「何の保証⁉︎あと、アニメの出来は神よ!」

「おい待てお前ら。人に注意しといてそれかよ」

 

流石にばつが悪かったのかそこでこの危険なネタをやめた。人に注意して自分がやらない奴は最低だと思います。

と、ここになってようやく杉崎が正しいことを言う。

 

「『皆好きです。超好きです。みんな付き合って。絶対幸せにしてやるから』でしたよね?」

「そうよ!あの時点で、この生徒会に貴方のいいかげんさは知れ渡っているのよ!誰でもいいから付き合えなんて堂々という人間に、誰がなびくっていうの!」

「失礼な。誰でも良いわけではありません」

「そうだな。美少女じゃなくちゃいけないんだよな」

「その通りだ!」

 

まあ、その基準はわからなくもない。普通の男なら可愛い娘の方がいいもんな。まあだからといって堂々とハーレムの一員になってくれなんて言わないけどな。

しかし会長は納得していないようだった。

 

「可愛いなら誰でもいいってことじゃない!」

「一途なんです!美少女に!」

「括りが大きいわ!」

「希少種ですよ、美少女」

「そうゆう問題じゃない!複数の人間に告白していることが不誠実なのよ!」

「ええー。ふらふらしている主人公よりもよくないですか?こう『ハーレムルートを俺は行く!』みたいに宣言している方が、潔いでしょう」

「残念ながら貴方はギャルゲの主人公とはスペックが違うわ」

「じゃあなんの主人公だと言うんですか!こんなに女の子が好きなのに!」

「基本的に主人公じゃなくて悪よ!淘汰される側よ!もしくは主人公の軽い親友タイプよ!」

 

その言葉に会長がそっち関連にも詳しいことがわかった。とても役に立ちそうにない知識だ。

しかし、この話を聞き俺はある結論が浮かぶ。

 

「なるほどそうなると俺が主人公ということに……」

「ならないわよ!そしてゲームの理論を、現実に持ち込まない!」

 

俺の至った結論をバッサリと斬る会長。いや、最初にその例えを持ち出しなの会長でしょ。

と俺が少しボケを入れていると杉崎が会長が外したティッシュのゴミを拾ってゴミ箱に捨てていた。

 

「…………」

 

会長はその様子を少し複雑な顔をして見ながら着席をする。杉崎も席に座り、少し首を傾げながら問いかける。

 

「どうしました?会長」

「杉崎はたまに気が利くというか優しいわよね。……無意識に」

「ええ。そういうギャップって好感度の上昇幅大きいでしょう?」

「狙い⁉︎しまった!既に私の中の好感度はいくらか上昇していまったわ!」

「いや、それって対象に教えたら意味なくなるだろ」

「しまったあぁぁぁあああ!」

 

馬鹿なんじゃなかろうか。

しばらく自分の失策に嘆いていた杉崎だがしばらくしてすぐ持ち直した。……タフな奴だな。

 

「ま、多少は狙っているとしてもほとんど無意識ですよ。というか、昔からのクセですね。女性にモテるための。今じゃ習慣となりつつありますから」

「尋常じゃないエロパワーね」

「そうだな。他のことに使えないことが悲しくなるほどにな」

「うるせぇよ!まあハーレムルートを行くからには体力は必要不可欠になっていきますからね」

「あーなんの体力かは言わないでね」

 

そう言って耳を手で塞ぐそぶりをしている。まあ、このロリロリッとして容姿通り会長はこの手の話が苦手だ。

しかし、これって言わなくても言おうとしていることが分かっている証じゃあ……。

杉崎もそのことに気づき会長指摘すると。

 

「…………。……はぅ」

 

赤くなってしまった。その様子を恍惚の顔で眺める杉崎。正直セクハラして喜ぶおっさんにしか見えん。

まあ、俺もちゃっかりその顔をばれないように写真に収めたのだが。よし、後はこれを家で印刷して会長ファンクラブの会員どもに売りつけよう。これなら1000円はいける。

と、俺が今後のビジネスについて考えていると生徒会室の扉が開いた。

 

「だめよキー君。あんまりアカちゃんいじめちゃ」

 

そう言いながら入ってきたのは会長と同じ3年生。書記の紅葉先輩が入ってきた。

ちなみにキー君とは杉崎のことだ。彼の名前は「鍵」と書いて「けん」と読むからキー君。

で、アカちゃんとは会長のこと。くりむ→クリムゾン→真紅→アカちゃんとなった。べつに赤ちゃんのようだという意味ではないらしい。……たぶん。

ついでに言うと俺は普通にリョウ君。基本的に彼女は年上は苗字で年下は名前で呼んでいる。だからといって別にアダ名で呼ぶことに好感度は関係ないらしい。本当かどうかは知らないが。

そんな彼女は席に座ろうとした時俺にしか聞こえないだろう絶妙な声音で俺に話しかける。

 

「あとでその写真送ってちょうだいね」

「っ⁉︎」

「じゃないと……」

 

……後で絶対にこの写真を送ろう。俺の明日が消える。

俺が断固たる決意を固めていると、紅葉先輩が杉崎の前に座ると同時に杉崎は先ほどの言葉に対する反論をする。

 

「いじめてなんかいませんよぉ。ただ辱めていただけです。」

「それ余計に悪質じゃない」

「大丈夫ですよ。同意の上ですから」

 

その言葉にまた会長が「嘘だ!」とまた言っていたが杉崎はそれを無視して紅葉先輩に話しかける。

 

「しかし、今日はどうも集まりが悪いですね。俺のハーレム」

「ハーレムじゃなくて生徒会ね。いいんじゃないかしら特にこれといったことはないし」

「集まっても駄弁るか菓子食うぐらいしかしないしな」

 

紅葉先輩の意見に深く賛同する俺。実際やることないしな。

しかし、杉崎は納得していないようだった。

 

「分かってないですねぇ。基本的に好感度は、直接合わないと上昇しないんですよ。ほら、ギャルゲなんかでもよく行く場所によってヒロインが決まるでしょう?」

「当然の知識のように言われても困るけど」

「つまり!生徒会室に来ないということはイコール俺との愛を育めないということになるんですよ!」

「「だから来ないんだろ(じゃないかしら)むしろ」

 

俺と紅葉先輩が杉崎を攻撃する。

しかし、それくらいでは挫けないのがこの男だ。その言葉をポジティブに捉える。

 

「でも、知弦さんは俺との愛を育みに来てくれたんですね!」

「…………。……あ、うん、そうね」

 

否定の言葉より酷かった。完璧に上の空だった。あえて言うなら適当だった。

俺だったらもう彼女に話しかけることは断念するだろう。しかし、それでも諦めないのが杉崎鍵という男だった!

 

「しかし!こうゆうクールな女性ほど惚れたら激しいに違いない!」

「あ、それは正解。激しいわよ、私。小学校の頃、初恋の男の子に『好きです』の言葉だけを羅列した手紙を一日三百通出して、果ては精神崩壊までに追い込んだから。あまりに脆かったから冷めちゃたけどね。……貴方はどうかしら」

 

目を細めながら言う紅葉先輩。

怖っ怖いよそれ。その初恋の男の子の末路が気になってしかたがないよ。取り敢えずその男の子に合掌。

流石の杉崎もその恐怖対談に畏縮したのか黙り込んでしまう。

このまま終わりかと思ったとき、杉崎は立ち上がる。

 

「分かりました」

「え、この話を聞いた上で覚悟できたの?私の全てを受け入れるって?それ、ちょっとポイント高いわ、キー君。確かにキー君フラグが私の中で若干ーーー」

「知弦さんとは体だけの関係を目指します!心はいりません!」

「…………。……さ、次の問題は、と」

 

本当に馬鹿だなこいつ……。今自分が建てたフラグを一瞬で自分で折ったぞ。哀れというか愚かというか……。

ふと、会長の方の存在を思い出し目を向けると紅葉先輩の持ってきたお菓子に一生懸命手を伸ばしている会長がいた。

いや、何勝手に食べようとしてるんだこの人。一言断りを入れるべきだろ普通。

 

「何勝手に食べようとしてるんですか貴方は」

「うっ……」

「断りくらい入れましょうよ」

「つっ机の上に置いた時点で皆のものだもん!」

「ジャイアンですか貴方は」

 

いや妙に正論じみた言い訳を言ってくるぶんジャイアンよりも質が悪いと言えるんじゃなかろうか。

と、俺たちの会話でこちらの様子に杉崎達が気づいたようだ。

 

「会長、太りますよ」

「うぐっ!だっ大丈夫、胸と背に栄養分を回せば問題なし!」

「腹に回った時のリスクは計り知れないですけどね」

 

確かにな。それに一度太ったら戻るの大変らしいからな。

だがそんな杉崎の警告を無視して会長はお菓子を食べてしまった。あーあ。

 

「えっと次の問題は……『メタボリックシンドローム』ね、よし正解っと」

 

……本当にそんな問題があったのだろうか。内臓脂肪型肥満、高血糖、高血圧、脂質異常症のうち二つ以上合併した状態を何というか。みたいな問題だろうか。保健の勉強とかでもしてたのか?

まあ何がともあれ、その紅葉先輩のセリフがクリティカルヒットした会長は崩れ落ちてしまった。後悔するなら食べなければいいのに……。

だが、あまりの落ち込みようにかわいそうになったのか杉崎が会長のそばへ寄った。

 

「会長。大丈夫ですよ、太ったら…

…」

「えっ杉崎、太って醜くなってもすきでいてくれるの?」

「仕事に生きればいい!」

「リアルアドバイス!?」

「俺、陰から応援してますから!プログで匿名で励ましのメール送りますから!」

「陰からなんだ!匿名なんだ!太ったら見捨てられるんだ!」

「だから太っちゃだめですよ。太っちゃ」

「あーうー」

 

訂正。ただの追い打ちだった。

会長は受けたダメージ(メンタル)のせいでピクリとも動かなくなっていた。

 

「頑張れ会長!俺のハーレムに残るために!」

「あっ、私太ってもいい気がしてきたかも」

 

と思っていたら鍵の一言で即復活を果たす会長だった。この態度で彼のハーレムへの道のりの険しさがよくわかる。

そんな感想を抱いた時、生徒会室のドアが開く音がした。

 




感想、誤字、評価、批評、コメントなどがありましたらドンドン出してください。
お待ちしてます。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。