それと更新遅くなってすみません。それでは本編をどうぞ。
「他人との触れ合いやぶつかり合いがあってこそ、人は成長していくのよ!」
俺の正面に座る見事なロリボディをした我らが生徒会長桜野くりむが何処かで聞いたことがある言葉を叫んでいた。
いつもだったら聞き流しているこの名言だが、今回は聞き流すわけにいかなかった。
「会長……」
「どうしたの?笹鳴?」
いつもは誰かの後から発言をする俺が一番始めに発言したからだろう。会長は不思議そうな顔をしていた。
そんな会長に俺は……憤慨して言う!
「ついに会長もぼっちの敵になりましたか!」
「どうしたのよ急に!?」
何やら会長が困惑しているようだがそんな事は関係ない。俺は今、非常に怒っているのだ!
「他人との触れ合いやぶつかり合い。……それができない人間もいる。そんなこともわからないんですか!」
「そんなの知らないよっ!というかそれは本人の問題でしょう!」
「結局会長もリア充の一員てわけか!ぼっちという思想を認めない寂しい人種なんですか!」
ああ……遂に生徒会までもリア充どもの思想へ染まってしまったのか。
俺が悲しみに包まれる中紅葉先輩がフォローに入った。
「まあまあアカちゃん、リョウ君。落ち着きましょう。取り敢えずリョウ君の話は置いといて、結局今日は何をやるのかしら?」
さりげなく俺の意見は置いていかれてしまった。まあいい、まだ論する時間はある。
「まったく。笹鳴のせいで遅れたじゃない。今回はこれをやるわ!」
そう言って会長はバンッとホワイトボードを叩いて回転させる。そこにはこう書かれていた。
「ラジオ放送?」
何度読んでもそう書いてある。書いてはあるんだが……結局何をやるんだ?
周りを見渡してみるがどうやら他のメンバーも何をやるのか理解できていないようだった。
「そう!これから生徒会でラジオをやろうと思うの!」
「らっラジオってあれですよね。その……音楽かけたり喋ったりするやつのことですよね」
椎名妹がおっかなびっくり聞く。
「ええっ!そうよ!」
その質問に対して堂々と答える会長。その答えに椎名妹は少し顔色が悪くなったような気がした。まあ、引っ込み思案な彼女にはそれはまさにキツイものだろう。
「あの、なんで生徒会がラジオをやるんですか?そういうのは放送部の仕事だと思うんですけど……」
杉崎の疑問は皆が思い浮かんだことだろう。本来、そういった放送関係のことは放送部の仕事であり、生徒会は何かの連絡事項以外には関わらない。
しかし、そういった常識が通じないのが我らが生徒会長で……。
「政権放送よ!」
「政権放送?」
「そう!生徒会の主な仕事がない今、私たちの存在感は薄くなっているわ!だからこそアピールのために政権放送をするのよ!」
などど言っているが俺は知っている。昨日、高視聴率のクイズ番組で『政権放送』をテーマにした問題が出たことを。……思いっきり影響されやがったなあのお子様会長。
まあ、わざわざ指摘するようなことでもないだろう。指摘してもそこには悲しみしか生まれない。
「そんなわけでラジオをやるわよ!ラジオ!」
「まあ会長さんのことだから文句言ってもやるんだろうけどよ……。なんでラジオなんだ?映像の方がいいんじゃねえの?」
「うん。私もそう思ったんだけどね。放送部に押しかけたら『いま、渡せる機材はこれしかありません』って泣かれたからラジオなの」
「かっ完璧に準備されちゃってます……」
取り敢えず哀れな被害者である放送部の皆さんと椎名妹に合掌。所詮平民は権力という名の暴力に逆らうことはできないのだよ。
この世の真理を垣間見た俺はその無情さに虚しさに襲われていた。
「ほら、最近は声優さんとかがラジオによく出てるじゃない。なら、美少女が集まって喋っていればリスナーは満足じゃない」
「思いっきりパーソリティーやリスナーを舐め切った発言ですよね」
「男子リスナーなんてそんなもんじゃない」
「全男子リスナーに謝れ!そんなんのに引っかかるのは俺くらいだ!」
「杉崎は引っかかるんだ……。あと、まあ、六人もいるんなら大丈夫。いつも通り喋っていれば問題ないでしょう」
「いつも通りって……」
「あっあと杉崎は喋らないでね発言が放送コードにへっかかりそうだから」
「もはや存在が放送コードにかかっていると思うがな」
「ひでぇ!!」
まあ、俺のは冗談だとして、会長が言っていることは割とマジな話だ。あいつすぐエロ発言とかセクハラなセリフとか言い出しそうだもんな。
そうこうしているうちに準備が終わったようだ。パソコンが起動していることから録音式なのだろう。なら、いざとなったら後で編集すればいい。よかったよかった。
と、一安心した後、麦茶で喉を潤しておく。まあ、やるからにはしっかりと準備しておかなくちゃな。
他のメンバーもある程度覚悟と準備を終えたようだ。それを確認した会長が始まりの合図を出す。
「それじゃあよーい、アクション!!」
「なんでラジオを始めるのに映画風の始め方をしたんですか」
*
桜「桜野くりむの!オールナイト全時空!」
杉「放送範囲デケェ!?」
笹「政権放送のタイトルじゃないだろ……」
♪ オープニングBGM ♪
桜「さあ始まりました。オールナイト全時空」
紅「夜じゃないけどね」
笹「今から徹夜なら仮眠をとらせてください」
桜「この番組は富士見書房の一社提供でお送りいたします」
夏「……どうしたんだよ富士見書房。無駄な出費も甚だしいぞ、おい……」
桜「まあ、ギャラにも放送枠にも機材にも費用がかかってないから、スポンサーにしてもらうことなんてないんだけどね」
冬「じゃあなんで提供を呼んだんですか……」
桜「いいじゃないラジオぽくて。うん!今のところとてもラジオぽいわ」
冬「……はあ。良いですけど」
桜「こら真冬ちゃん!そんな低いテンションじゃだめよ!リスナーはもっと女子の明るい会話を望んでるんだから!」
冬「そうでしょうか……」
桜「うん。男子リスナーなんてそんなもんでしょ」
杉「いやいやいやいや!何男子リスナーを見下げた態度をとってるんですか!?」
笹「そうです。そんなのは杉崎だけです」
杉「そしてお前はなんで俺を見下げた態度をとるんだ!」
桜「パーソナリティあってのリスナーでしょ?」
笹「杉崎を見下げないやつなんていないだろ?」
杉「リスナーあってのパーソナリティだ!!そしてその認識はお前だけだ笹鳴!!」
夏「鍵がまともな事言ってる!ラジオ効果すげぇ!!」
笹「杉崎の普段の変人っぷりがよくわかる反応をありがとう椎名」
桜「……そうね。私が間違っていたわ、杉崎」
杉「わかればいいんですよ。わかれば……」
桜「うん。やっぱりある程度媚びてなきゃね。うん、私、大人」
杉「だからそういう発言を堂々と…………」
桜「お便りのコーナー!!」
杉「無視!?ラジオなのに言葉のキャッチボールを拒否!?」
紅「それがアカちゃんクオリティ」
杉「なんで貴方はところどころでしか発言しないんですか!?」
紅「…………」
杉「ラジオで無言はやめましょうよ!!」
桜「それでは一通目のお便りはラジオネーム『ツナっち』さんからのお便り!」
杉「進行重視か!!会話の流れは無視ですか!!」
笹「違うぞ杉崎。会長はきっとお前だから無視してるんだ」
杉「それもひどくね!?」
桜「『生徒会の皆さんこんばっぱー!』はい、こんばっぱー!」
杉「え、なにその恥ずかしい挨拶!恒例なの?」
杉、笹以外『こんばっぱー!』
杉「男子以外の共通認識!?」
笹「まあ、知っててもこんな挨拶したくないけどな」
桜「『オールナイト全時空いつも楽しく聞かせてもらってます!』ありがとう!」
杉「嘘だ!これはまだ、第一回の放送のはずだ!」
桜「時系列なんて些細な問題よ杉崎。このラジオにおいてわね」
杉「流石全時空!!」
笹「ん?この放送、もしかして生で流れてないか?」
桜「うん、そうだよ。まあ聞いている人も少ないだろうから明日の昼でも流すけどね」
杉「道理でメールが来るはずだ!!っていうかそれならもっと発言に気をつけてください!!」
桜「はいはい、それじゃお便りの続きね。『ところでみなさんに質問なのですが、みなさんはどういった告白なら成功すると思いますか?私、今恋をしているのですが、どう告白しようか迷っています。くりねぇ、是非アドバイスをよろしくお願いします』」
杉「くりねぇって呼ばれてるんだ!こんなロリのくせに!」
桜「そうねぇ……。これはなかなか難しい問題ね。でも、恋愛経験豊富な私から言わせてみたら……」
杉「男と手を繋いだこともないくせに……」
笹「寧ろ最もそういったことから離れた人だよなこの人は……」
桜「普通に告白すればいいと思う」
杉「なんかすげぇ適当なアドバイスをされた!?」
桜「知弦はどう思う?」
紅「そうね……好きにすればいいんじゃないかしら。私には関係ないし」
杉「パーソナリティがリスナーに冷てぇ!!」
桜「真冬ちゃんは?」
冬「えっ、ええっと………………わかりません」
杉「わかりません発言キターーーーーーーー!!」
桜「深夏は?」
夏「当たって砕けろ!以上!」
杉「もっとリスナーの心を労ってあげようよ!」
桜「笹鳴は?」
笹「失恋だって立派な恋だと思うぞ」
杉「リスナーが振られること前提のアドバイスをするんじゃねえよ!」
桜「それじゃあ次のお便り」
杉「えっ!?今の答えで終わり?何も解決してないのに?」
桜「むっ、それじゃあ杉崎も何か案出してよ」
杉「……ふっ、安心しろこのラジオを聞いているであろうツナっちさん。俺はどんな告白だろうと断らないから!」
笹「……次のお便りに行きましょう会長」
桜「そうね。そうしましょ」
杉「まさかの完全スルー!?」
笹「当たり前だろ」
桜「それじゃあ気を取り直して次のお便り!『妹は預かった。返して欲しくば指定の場所に…………』ってこれ間違いメールじゃない。ちょっとスタッフー、しっかりしてよね」
杉「スルーしていいの!?今の内容そんな簡単にスルーしていいの!?」
笹「スタッフって誰なんだよ。……もしかして放送部?……可哀想に」
桜「次のお便りはラジオネーム『ヘルプミー』さんからのお便り。『生徒会の皆さん、こんばっぱー!』はい、こんばっぱー」
杉、笹以外『こんばっぱー!』
杉「だからなんでこれだけ皆ノルの!?いつの間に打ち合わせしたの!?」
笹「ハブか……。ふっ、これもぼっちの宿命ってやつか」
杉「お前も何を急に悲しいことを呟いてんだよ!!」
桜「『くりねぇ。どうしよう。私、早急にお金が必要で……。というのも妹が誘拐されちゃて……。両親も金策を練っているんだけど中々集まらなくて。どうしたらいいかな?」
杉「ディープなお悩みきたああぁぁああああ!?っていうかこれ絶対さっきのメールと関係ありますよね!!」
笹「というかこのメールの差出人はこんなとこで油を売ってないでとっとと警察にいけよ」
桜「ううんどうしよ……。うん決めたわ!ラジオネーム『ヘルプミー』さんには富士見書房から『まとまったお金』をお送りします」
杉「用意しちゃうんですか!?しかも勝手にスポンサーから引き出す形で!!」
笹「この人スポンサーの使い方間違えすぎだろ」
桜「全ては富士見書房次第ね」
杉「なんであんたはそんなに偉そうなんですか!?」
桜「さて、それではここで一曲。先月リリースされた私のニューシングル《妹はもう帰ってこない》です。それではどうぞ」
杉「空気読めよおおぉぉおおおぉおおおお!!」
♪ 妹はもう帰ってこないFULL再生 ♪
桜『さて、聴いていただきましたのは、絶賛発売中のニューシングル《妹はもう帰ってこない》でした。デビューシングルの《弟は白骨化していた》も合わせてよろしくね!」
杉「あんたの過去に何があったんだ!」
桜「じゃあここで恒例のコーナー!《椎名姉妹の、姉妹でユリユリ♪》」
杉「そっそれはちょっと聴いてみたいかも」
笹「さて、携帯の録音スイッチをオンにするか……」
冬「先輩方!?そこはちゃんとツッコンでください!!」
夏「そうだ!聞いてないぞ、こんなの!!」
桜「このコーナーはリスナーから送られてきた恥ずかしい百合っぽい脚本を椎名姉妹が演じるという人気のコーナーです」
杉「人気なんだこのコーナー。俺が言うのもなんだが大丈夫かこの学校?」
笹「まあ、お前が通っている時点で大丈夫とは言い難いだろうな」
杉「うん、もうお前のその辛辣さにも慣れてきたわ」
桜「私個人としてはやりたくないんだけどね……、。ほら、ご機嫌取りよ、ご機嫌取り。これなら男子リスナーなんて簡単に満足するだろうから」
杉「だから本番中にそういった発言は控えて下さい!!」
桜「ほら、これが台本ね。」
冬「うぅ……。ほっ本当にやるんですか?」
夏「うわっ!なんだよこれ!こんなの読んでられるか!!」
桜「こら深夏!逃げないで!これを乗り越えてこそ真の副会長よ!」
杉「副会長の資格と全く関係ないでしょう、これ……」
笹「寧ろ乗り越えちゃダメな部類だと思うんだが……」
夏「……やるしかないようだな」
杉「なに納得してんの!?」
冬「真冬も、覚悟を決めました!」
笹「何がきっかけで、そんな覚悟を決めれるんだよ……」
紅「ふ……それでこそ椎名姉妹よ」
杉「貴方はどうして思い出したかのように変な場所で、発言するんですか!?」
桜「それじゃあ、よーいアクション!」
笹「だからなんで映画風なんですか……」
♪ 耽美なBGM ♪
夏『真冬っ!私……もう!』
冬『あっ、んんっ……お姉ちゃん』
夏『真冬……かわいいよ、真冬』
冬『あっ!おねぇ……ちゃん。んっああ!』
杉「待て待て待て待て!個人的にはドキドキワクワクだけど、これは校内放送でやっていいレベルを超えている!!」
笹「というか風紀委員に怒られるだろ、これ……」
桜「うっうん。これはなんかやりすぎたわね……」
冬「ええええええ!これだけやらせておいて!?」
夏「ひでえ!そういう反応をされると、私たち本格的にいたたまれねぇじゃねぇか!!」
紅「椎名姉妹の絡みは放送コードに引っかかるわね。……そういうのはプライベートだけにしてもらえるかしら」
夏「勘違いされるようなこと言うなよ!プライベートでこんなことをするわけねぇだろ!」
冬「そっそうです!リスナーの皆さんっ、信じないでくださいねっ!」
紅「ええそうね、そういうことにしとておくべきだったわね。ごめんなさいね二人ともそういった配慮が欠けていたわ」
椎名姉妹『もうやめてえぇええええええ!!』
桜「じゃっじゃあ、次のコーナーにいってみよう!」
笹「このラジオ、予想以上に被害者が多いですよね」
感想、誤字、評価、批評、コメントなどがありましたらドンドン出してください。
お待ちしてます。