転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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100話なのになんだ、このタイトル…。


100 ヲ級

数日後 マルタ島鎮守府

 

 

「…ツー事デ、ヨロシクナ!」

 

 

「「……………」」

 

数日程、姿を見せなかったレ級がやって来た為に出迎えた滝崎と高塚が見たのはレ級と何故か居る空母ヲ級。

レ級から事情を聴くと、深海棲艦地中海方面艦隊司令部からの呼び出しを受け、『事情聴取』を受けていた事。

そして、マルタに収容された深海棲艦の様子を見る為&レ級との『深海棲艦同士』の連絡の為にヲ級が派遣された事を告げられた。

そして、挙句の果ては…『このヲ級をヨロシクな!』であった。

 

 

「いやいやいや、君との連絡係でしょう!?」

 

 

「ダカラ、当分ハソッチノ負傷者優先ダカンナ〜。私トノ連絡ハ時々ダシナ〜」

 

 

「いや、それより、サラリとヤバイ事言ってないか? 司令部に呼ばれた上にヲ級連れて来ていいのかよ!?」

 

滝崎のツッコミをマイペースで躱し、更に高塚のツッコミに関しては……

 

 

「ホラ、事前ニ紹介シテオカナイト、攻撃サレルジャン」

 

 

「「いや、違う、そこじゃない!」」

 

 

「大丈夫、大丈夫。私ニ任セテオケッテ」

 

2人のツッコミもどこ吹く風、と言いたげにレ級は言った。

 

 

 

 

暫くして 食堂

 

 

「まあ、こう言う時は第六駆逐隊が適役だからな」

 

 

「それには同意する」

 

レ級と『伝令』ヲ級を連れて松島宮の所へ行き、一連の事情を説明(松島宮はレ級を見ながらもの凄く呆れた視線を向けていたが)し、レ級は間宮へ、ヲ級と滝崎・高塚は病室へ向かい、明石・ヴェスタルから状況説明を受けた後、食堂へと足を向けた。

食堂には例のコックさんと鳳翔、本日の手伝い要員である第六駆逐隊が居たのだが、時間帯が時間帯なので第六駆逐隊は手持ち無沙汰らしく、自然的にヲ級の相手をしてくれたのだった。

 

 

「にしても、レ級はなんであんな事を言ったんだ? まあ、敵さんがヲ級を使ってレ級と連絡取ったりするのは普通だ。レ級がそのヲ級を連れて来て、ヲ級がこっちで収容している深海棲艦の報告役だって話に嘘も無いし、そもそも、レ級がわざわざそんな嘘を言いに来る必要も無い。だが、何故にレ級はその事をアッサリと俺らに話した? しかも、レ級から『周りにはあのヲ級も私と同様にながれって事にしといてくれ』なんて文言まで用意していた…何故だと思う?」

 

冷静且つ、真剣な顔で高塚は滝崎に問う。

 

 

「……レ級が嘘を言う必要は無い事は確かだし、レ級の目は真面目だった。なら、考えられるのは…レ級が言う『地中海方面艦隊司令部』がレ級の行動を認めてる、って事だな。ヲ級の事を話す事も兼ねて」

 

 

「やっぱか…方面艦隊司令部がレ級を騙してる可能性は?」

 

 

「高塚、レ級がそんなん奴でない事を知ってるだろう?」

 

 

「だよな」

 

なんとも釈然としない『地中海方面艦隊司令部』の動きに疑問を抱きつつ…2人は密かに『まさか』な考えもしていた。

 

 

 

数日後 マルタ鎮守府

 

 

 

「はじめの心配は何処へやら…だな」

 

 

「あぁ、まったくだな」

 

レ級に連れられ、ヲ級が来てから数日が経過した。

ヲ級は第六駆逐隊があちこちに連れて行った為か、鎮守府の人間が誰もが知っている存在になった。

また、第六駆逐隊をはじめとした駆逐艦達の有志でヲ級の頭の艤装の触手(?)に青いリボンを両側につけた事により、これが目印になった。

 

 

「…で、この数日、ヲ級を見るとどう思う?」

 

 

「まず、工作員とかではないな…当然だけど」

 

ヲ級に視線を向けながら松島宮が言う。

これに対して滝崎は苦笑いを浮かべながら言った。

 

 

「ふむ…レ級の言葉と言い、なんと言い、何かしらの策を有しているのはわかるが…どうも、見え透いているのが気に掛かる」

 

 

「あぁ、しかも、わざと見せて感があるから、敵対行為ではないと見たが…」

 

そんな話をしている時に2人の肩が叩かれた。

 

 

「お話し中に悪いがお二人さん、レ級がちょっと話があるんだとさ」

 

そう言って高塚が輪に入る。

 

 

「ほう、我らが怪しんでると感じたかな?」

 

 

「と言うより、ヲ級の行動をどう見て観察しているかを知りたかったか…まあ、とりあえず行くか」

 

 

 

 

暫くして 高塚執務室

 

 

 

「んで、わざわざ俺に2人を呼びに行かす用事ってなによ?」

 

 

「イヤ〜、マア、ソロソロ3人供二気二ナルト思ッテサ」

 

高塚の問いにレ級はマイペースで答える。

対して松島宮、滝崎、高塚は頷く。

 

 

「マア、小難シイ話ヲスルノガ嫌イダカラ、単刀直入ニ言ウガ…ウチラ深海棲艦ノ首脳陣トシテハコノ戦イヲ終ワラセタイ」

 

レ級の言葉に意外に感じはした…レ級が言った事にだ…が、3人はふむふむと頷く。

 

 

「つまり、君が『ながれ』としてこの鎮守府周辺を縄張りにして、こうして接触してきたのも…」

 

 

「ソウダ。マア、前々カラコノ周辺ヲ縄張リニスル予定ダッタシ、イザッテ時ノ妨害防止役デモアッタンダケドナ〜」

 

高塚の言葉に先程とはうって変わってマイペースになるレ級。

 

 

「だが、首脳陣や…君の言葉からして、この地中海方面司令部にその意思はあっても、なかなか難しいと思うが? 特に君が『ながれ』を装う以上、現場司令部の一部がそう動いているだけであって、残りの大半と末端は何も知らない、と言う事になるぞ」

 

 

「ウン、ダカラコソ、コウシテルノサ。マア、ソレニハソッチモ気付イテルダロウケドナ」

 

 

「やれやれ…松島宮、どうする?」

 

 

「地中海だけなら、私の胸1つで済むが…まあ、どちらにしろ、各国のお偉い方の説得が先だな」

 

 

「あ〜あ、まったくだ」

 

 

 

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