転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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朝早くから仕事で投稿遅延&安い題名。


109 『日常』の中で

マルタ島鎮守府

 

 

 

「では、これより、野外戦訓練を実施します」

 

進行役の神通以下第二水雷戦隊を中心に軽巡と駆逐艦の大半と有志の重巡以上の艦艇が参加しての『野外戦訓練』。

なお、教官は陸上部隊(海兵隊・カラビニエリ・民兵隊)の皆々様である。

 

 

「先ずは人工遮蔽物を使った平地戦闘です。お願いします」

 

 

「では、三隊の車輌を使用しまして…」

 

海兵隊の士官による説明が始まり、それを執務室の窓から覗く滝崎。

 

 

 

「副官も参加したいんですか?」

 

 

「まあ、一応、陸戦した身だしね」

 

そう言いながら加賀が出したお茶に滝崎は答える。

 

 

「あの類は高塚やエーディット達が知ってるだろうしね。基本は変わらないだろうけど、最近のアサルトライフルとか触らないから…アップデータみたいなもんさ」

 

 

「……最近の流行り言葉はわかりません」

 

 

「瑞鶴と仲がいいんだから、そっち方面から仕入れたら? まあ、最近は高塚と瑞鶴の仲も良くなってるらしいけど」

 

 

「なぜですか?」

 

 

「色々あるんでないの。あれで高塚も俺の親戚だし」

 

 

「血は争えない、と」

 

 

「そこまでは言ってないんだがな」

 

苦笑いを浮かべた時、ノックと共に土佐が入ってきた。

 

 

「加賀姉さん、副官、お仕事追加です」

 

そう言って小山の書類を持ってきた。

 

 

「はいよ〜…って、大半が改二改装実施者の経過報告か…一枚3秒で済むんだけど」

 

 

「ちゃんと確認して下さい。副官」

 

 

「はいはい」

 

そんな会話を挟み、取り掛かろうとした時、滝崎は土佐の視線に気付く。

 

 

「どうした、土佐?」

 

 

「あっ、えっと、さっきの副官と加賀姉さんのやり取りってなんだか、新婚の夫婦みたいだな〜、と」

 

 

「「はい?」」

 

ついついハモりながら互いに見合う滝崎と加賀。

 

 

「いや〜、なんだかさ……ちょ、あがねへはん、ギィフ、ギィフ〜」

 

 

要らない事を言った罰だと言わんばかりに加賀が柔らかくて延びる土佐の頰を両手で左右に延ばす。

 

 

「あー、加賀、やり過ぎない様にな」

 

 

「大丈夫です」

 

そう言いつつ、絶対に土佐の顔で遊んでる加賀を苦笑いを浮かべながら見ていた。

 

 

 

鎮守府敷地内

 

 

「陸軍の『提案』を受ける様だね」

 

 

「はい」

 

神通達の訓練を見ながら高塚と山本大佐は話していた。

 

 

「同志の事だから、今更だろうが…まあ、何をするかは想像出来るな」

 

ニヤリと笑う山本大佐。

 

 

「ふふふ、ご想像通りかと…その時はよろしくお願いします」

 

 

「やれやれ…まあ、私も色々と思う事はあるしな。協力するよ」

 

 

「ありがとうございます」

 

……密かに企みと協力が交わされていた。

 

 

 

マルタ島鎮守府 医務室

 

 

「もう、頑張るのはいいですが、やり過ぎは、め! ですよ」

 

 

「「「は、は〜い…」」」

 

エンタープライズ、瑞鶴、グラーフ・ツェッペリンの3人がヴェスタルに説教を受けていた。

 

 

「演習で張り切り過ぎですね〜」

 

 

「いやー、違うし、身内が原因だからな」

 

 

アクィラと加古の横目視線の先にはロープでぐるぐる巻きにされて転がされる卯月と見張り役(なのに無言で12糎単装高角砲で卯月を突いている)弥生。

 

 

「うーちゃんは悪くないぴょん! 『3人の誰が強い? 』って言ったら、ああなっただけぴょん!」

 

 

「その結果が3人共全力での艦載機での殴り合いはダメですね〜」

 

 

「卯月、煽っちゃダメ、って副官さんや憲兵さんに言われたでしょう?」

 

卯月の言葉にアクィラと弥生は普段の口調で応じる。

 

 

「そうですよ、卯月ちゃん。反省しないなら、憲兵さんと副官さんに報告しますよ。あと、提督の許可も貰ってお昼抜きですからね?」

 

ヴェスタルの言葉に卯月の表情が青色に変わる。

 

 

「やめてほしいぴょん! 鳳翔さんのハンバーグとコックさんのデミグラスソースオムライスのセットなんて言う全駆逐艦の楽しみを奪うなんて、死ねって言うに等しいぴょん!!」

 

 

「あら〜、こんな事をして置いて『罰は無い』なんてないですよ〜」

 

普段と同じ『優しい看護婦さんの笑顔』が悪魔か死神の笑みの様に見えるのは卯月だけの勘違いではなく、エンタープライズ達の顔も『うわ、ヤベェ』と顔をしてる時点でお察しである。

 

 

「なっ、卯月、そろそろ反省しないと、危ないぞ?」

 

個人的に親しい加古の言葉に……

 

 

「ご、ごめんさんぴょーん!!!!」

 

 

絶叫に等しい叫びが鎮守府内(野外戦訓練組を除き)に聞こえたのは言うまでも無い。

 

 

 

その日の夜 居酒屋鳳翔

 

 

 

「あっはっはっは、そんな裏話があったのか」

 

夜、滝崎は加賀と土佐、羽黒、不知火、エンタープライズを連れて居酒屋鳳翔に来て、エンタープライズかり昼の話の真相を聞いていた。

 

 

「さすが、鎮守府内で『怒らせてはならない艦娘』の二大巨頭の一角です」

 

 

「そのもう一角が彼方に居ますけどね」

 

不知火の言葉に土佐が横目で鳳翔さんを見る。

 

 

「卯月の物だけミニサイズだったのはそれか。本人は号泣しながら食べてたが…自業自得と言うべきだな」

 

 

「食べられただけでもマシな話です」

 

 

苦笑いを浮かべながら滝崎が呟き、加賀は普段のクール顔で言った。

 

 

 

「さて、そんは話は置いといて、久々に奢りだ。飲み食いしてくれ」

 

 

「ホントに久しぶりね。まあ、仕事が忙しいし、仕方ないけど」

 

そう言ってさっそくメニューをガン見するエンタープライズだった。

 

 

 

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