転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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また、変な題名に…。


121 喧嘩させたら変化あり

数日後 マルタ島鎮守府 松島宮執務室

 

 

 

「で、ワシントンの様子は?」

 

執務中に松島宮が滝崎に訊いてきた。

 

 

「ハンバーガー偏食をやめて、三食キッチリバランス良く食べてるよ。まあ、高塚曰く『ハンバーガーにも細工はしてたがな』だ、そうだけど」

 

 

「アイツは…どうせ、あのコックと何かしろ結託していたのであろが…霧島との方は?」

 

 

「露骨な喧嘩腰はないな。まあ、あそこまでやられたら、話は別だろう。ノースカロライナ曰く、『大人しいから楽』ってさ」

 

 

「…それはそれでどうかとも思うがな…」

 

松島宮がそう言った時、ノックと共にレベッカとシェロンが入って来た。

 

 

「どうした、2人共?」

 

 

「フランス海軍本部から連絡があって、マルタへのテコ入れに新実装のリシュリュー型戦艦一番リシュリューが新たに加わる事になった」

 

 

 

「こっちも同じく、イギリスから新実装の駆逐艦ジャービスが派遣されるそうよ」

 

そう言って渡された書類に目を通した滝崎は松島宮に渡しながら言った。

 

 

「こうしてくると言う事は、ここが山場とみたんだろうな」

 

 

「クレタが奪還されれば、地中海はほぼ制圧したも同然だからか…まあ、地中海が後方化すればフランスはシェロンの指揮下の艦娘を中心にこれから実装される子の育成が出来るから、テコ入れも当然ね」

 

 

「まあ、クレタを奪還しても簡単にはいかないけどな」

 

苦笑いを浮かべながら滝崎が言った。

 

 

 

暫くして 鎮守府入り口

 

 

 

「ふぇ〜、参った参った。地中海でも通り雨か」

 

仮説警衛所から通り雨をひっかぶりながら鎮守府の玄関まで突っ走って来た高塚はそう呟きながら迷彩帽を振って雨粒を振り払う。

 

 

「いや〜、まさか、ちょっと見に行く程度だったのに、色々とあって長話になっちまった…ん、あれはワシントンか?」

 

ふと廊下の方に視線を向けると、先日、出入りの訪問販売から買ったパーカーを着たワシントンの後ろ姿が見えた。

 

 

「おーい、ワシントン。どうしたんだ?」

 

 

「ひゃあ! あ、え、MPの高塚少佐…」

 

 

声を掛けた瞬間、驚いて身体をビクリとさせるワシントン。

 

 

「そんなに驚かなくても…にしても、何をしてたんだ? パーカーのフードが随分濡れてるみたいだが…」

 

 

「え、あ、ちょっと…そう、軽く走ってたのよ」

 

 

「ふーん…走ってた、ね」

 

 

「そうそう、じゃあ、私は…『クゥゥン〜』あっ…」

 

 

「……なんか、可愛い音が響いたが…」

 

 

「お、お腹よ! 少し走ったから小腹が空いて…」

 

 

「嘘が下手だな。顔しか向かずに身体で何を隠してんだ?」

 

そう言って前に回ると…あった物は……

 

 

 

暫くして 松島宮執務室

 

 

 

「「「「「「可愛い〜〜〜」」」」」」

 

 

「いつか見た光景だな」

 

 

「しゃーない」

 

黄色い声を挙げる第六駆逐隊を含めた集団を横目に見ながら話す滝崎と高塚。

そして、集団の視線は高塚が連れてきた狸のタヌ(坊)の腹を枕に眠る子犬に注がれている。

 

 

「ですから、別に子犬を拾ってくる事には問題はありません。問題はそれをコソコソ持ってくる事がダメなんです」

 

 

「So、Sorry」

 

そして、その横で大淀に説教されているワシントン。

 

 

「てか、なんでコソコソ持ってこうとしたんだ?」

 

 

「えっ、日本人って犬鍋するでしょう?」

 

 

「「「しね〜よ!!」」」

 

 

「つーか、それやるのは今だとチャイナとコリアだから」

 

松島宮、滝崎、大淀がツッコミを入れ、高塚が苦笑いを浮かべながら指摘した。

 

 

「えー、じゃあ、あんなにビクビクしながら連れて来た意味って…」

 

 

「「「ない」」」

 

 

「骨折り損のくたびれ儲け、の典型的な例だな」

 

このやり取りに周囲から笑いが巻き起こる。

 

 

「やれやれ…なお、その子犬の世話はワシントンが責任を持って積極的にやる事。いいな?」

 

 

「YES、わかってるわ」

 

 

「よし、この話は終わり。それより…」

 

手を叩きながらそう言った滝崎の視線は窓の下へと向いている。

 

 

「ん? どうした、滝崎?」

 

 

「…なあ、高塚。ウチに装甲輸送車なんてないよな?」

 

 

「カラビニエリや海兵隊、民兵隊以外に持ってる人間は知らんぞ。つーか、なんでそんな話を…」

 

そう言いながら高塚は滝崎の視線を追って窓の下へと顔を向ける。

すると……明石・夕張が『装甲輸送車』の側で集まったギャラリー相手にやいのやいのしているのが見えた。

 

 

「……あれ、ウチ(陸自)の73式APCじゃねえかよ! あー! あいつら、MBTの代わりにAPC作ったのか! すまん、ちょっと締めてくる!」

 

そう言ってダッシュで高塚は執務室から出て行った。

 

 

「……大変だな。高塚も」

 

 

「あぁ…よし、子犬の名前決めよう。なにか候補ある人はいるか?」

 

 

松島宮の言葉に肯定しつつ、滝崎はとりあえず、その件は高塚に任せる事にした。

 

 

 

 

その夜 居酒屋鳳翔

 

 

 

 

「…なんて事があった」

 

 

夜、居酒屋鳳翔に寄った滝崎は昼間の話をしていた。

 

 

 

「だから、あの憲兵さんがいないのね?」

 

 

「多分、今頃書類作成中。まあ、もう慣れたってこと呟いてたから、大丈夫だろうけど」

 

話を聞いていた足柄の言葉に滝崎は頷きながら言った。

 

 

「はい、副官さん。焼き鳥の塩です」

 

 

「あぁ、ありがとう、潮……ん? 潮? アルバイトか?」

 

注文品を持って来た割烹着姿の潮に二度見しながら訊く滝崎。

 

 

「はい。少しお手伝いしてもらってます」

 

奥から鳳翔さんが代わりに答える。

 

 

「ふーん…偉いぞ、潮。そろそろ、艦娘の本格的な娯楽とか色々考えないとな」

 

潮を見ながら滝崎は呟いた。

 

 

 

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