転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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……まったく、センスも何も無い題名。


131 間幕 何時もの如く

翌日 朝 訓練場

 

上空で多数のエンジン音を立て、艦戦同士が空中戦を演じる。

グラーフのFw190と翔鶴・瑞鶴の零戦52型が錬成中の航空隊に模擬戦を仕掛けており、中々激しい空中戦になっている。

そんな空戦が20分程続き、終了と共に互いの編隊長機に集まり、帰還する。

 

 

「うん、短期間とは言え、ここまでよく練度を持っていったな」

 

 

「当然でしょう。『第二機動艦隊』で私の姉妹なんだから」

 

双眼鏡でその様子を見ていた滝崎の言葉にエンタープライズがさも当然と答える。

 

 

「朝から使ってしまってすまない、グラーフ。そして、錬成ありがとう」

 

そして、側に居るグラーフに礼を言う。

 

「エンタープライズと共に2人の訓練教官をしていたんだ。これくらいは同様だ。それにその言葉は助教の神鷹やアクィラに言ってほしい」

 

 

「わかった…さて、これなら、ホーネットにヨークタウン、そして、紫電改を含めた2人の艦載機隊も次の作戦に動員できるな。何時になるかわからないが」

 

以前、収容・浄化作業を行っていたエンタープライズの姉妹であるホーネット・ヨークタウンの浄化が完了し、また、新型艦載機のロールアウトも開始された事から2人の錬成も兼ねた新型艦載機の配備試験をエンタープライズとグラーフに任せていた。

 

 

「最初から載せていた上に、ホーネットが初運用していただけに向上効率が良いな」

 

 

「うーむ、バフと言うべきか…兎にも角にも、紫電改を含めた2人の錬成を続けてくれ」

 

 

「わかった」

 

 

「うむ、引き受けた」

 

エンタープライズとグラーフの返事を聞き、滝崎は頷いた。

 

 

 

同じ頃 食堂

 

 

「バー…あ〜、バールの事か?」

 

 

「憲兵さん、工具は関係ない」

 

 

「いや、イタリア語発音だと、酒場の事はバールって言う。まあ、それは置いとこうか」

 

朝食の片付けと昼食の下拵えの音が厨房方向から響くなか、ほぼ誰もいない食堂で高塚と早霜が話していた。

 

 

「場所なら、このホテルのバー跡を使うつもりだけど?」

 

 

「まあ、それに関しては別に問題無いが…しかし、なんでバーなんだ?」

 

 

「…純粋にお酒を楽しむ場所が無いからです」

 

 

「うーむ、まあ、わからんでも無いが」

 

『居酒屋 鳳翔』が『居酒屋』であり、小料理屋化している事を踏まえて見れば確かに早霜の言う通りである。

 

 

「あと、加賀さんから聞きましたけど、副官も憲兵さんも余りお酒は飲まない上に、憲兵さんはどちらかと言うとビールよりカクテル派と聞いたので」

 

 

「むぅ、たしかにな」

 

ある意味弱いところを指摘され、渋々頷く。

 

 

 

「それで、返答は?」

 

 

「おいおい…まあ、俺は良いと思うよ。とりあえず、話は滝崎達に上げてみる」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

昼食中

 

 

 

「つまり、ホーネットとヨークタウンも投入出来ると」

 

 

「あぁ、あの2人の加入は心強い」

 

本日の昼食である焼き鯖を腹に収めながら2人は喋る。

 

 

「で、早霜の件だが」

 

 

「バーの話だな…呑んべい達の士気は上がるな」

 

 

「皮肉こもりまくりだな」

 

 

「だが、事実だ」

 

 

「あぁ……まあ、空間の有効活用ってとこだな」

 

 

「よく言うよ」

 

互いに皮肉な笑いを浮かべる。

 

 

「……すまん、クレタ奪還を後回しにさせて」

 

 

「なに、逆に戦力強化時間を貰った様なもんだ。それに人の命がかかっているんだ、当然だろう」

 

 

「…あぁ、そうだな」

 

 

 

午後3時頃 滝崎執務室

 

 

 

「……なにこれ?」

 

並べられるたるは間宮の茶菓子、これに松島宮・レナータ・エーディットがワザと滝崎に引っ付いている光景。

 

 

「「「旦那成分取得」」」

 

 

「アッサリ言ったよ、この人達!!」

 

 

「夫婦漫才でしょうか?」

 

 

「違うと思うよ、不知火ちゃん」

 

3人の返答に滝崎がツッコミを入れ、不知火の言葉に苦笑いを浮かべる羽黒。

 

 

「相変わらずの仲ね。4人は」

 

そして、第三者(?)なフッド嬢。

 

 

「マイティ・フッド、お戯れはやめてほしい」

 

 

「まあ、この姿から貴方の真の恐ろしさはわからないわね」

 

 

「フッド嬢」

 

 

「ところでフッドさんは何故、副官をご存知なのですか?」

 

 

「東海岸攻撃後の第二機動艦隊先導の命を受けた時、チャーチル卿が教えてくれたのよ。但し、『転移者』では無く『敵に回してはいけない者』として」

 

不知火の問いにフッドは優雅に答える。

 

 

「ん、それだと、チャーチル卿も『艦魂』としてのフッド嬢を見れた、と言う事に…」

 

 

 

「いや、あのチャーチル卿だぜ。見えたって不思議じゃあないだろう」

 

松島宮の言葉に滝崎が言った。

 

 

「故にチャーチル卿は貴方を敵に回す事をしなかった…それは松島宮の読み通りかもしれないわね」

 

 

「滝崎の話を聞いての判断だったがな」

 

 

「ただ…もし、ジェネラル・高塚も来てたら、チャーチル卿はショックで寝込んでいたかもしれないわね」

 

 

「なんでそこに高塚が出てくるんですか?」

 

 

「まあ、確かに高塚も凄いよね」

 

 

「あぁ、あの状態で2人が転生していたら、ほぼ陸海では負ける事は無いからな」

 

 

「まあ、狂気の持ち方が異なる以外は似てますしね」

 

……この会話の間、高塚は連続でクシャミをしていたのだが、その理由がわかるのは夕飯の時になるのだった。

 

 

 

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