転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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15 平和なる一時

1週間後……マルタ島鎮守府 提督執務室

 

 

「平和だな〜」

 

 

「……現実逃避してないよね?」

 

 

「違うに決まってるでしょう!」

 

……本日は松島宮の手伝いの為、提督執務室に来ている滝崎。

現在、執務中であるのだが……。

 

 

「提督、本土から命令文が…」

 

 

「ほら、みろ。現実逃避なんて言うから、地獄耳の様に本土からの命令だ」

 

通信文を手に入って来た大淀に松島宮は言った。

 

 

「うぅ〜ん…違う様な気がするが……大淀さん、内容は?」

 

 

「簡潔に言いますと『早期にマルタ島周辺海域を確保せよ』との…」

 

 

「それを言って来た上にはこう返せ。『今は準備中だから黙ってろ』とな」

 

大淀の報告に松島宮はジロリと睨みながら返事を言った。

 

 

「松島宮、その返事は大淀さんが困るから…上層部には『準備不足の早期攻勢による失敗は地中海全体の制海権確保に影響する。また、皇族の戦死はマルタ島鎮守府を含めた外交的影響を及ぼす重大事項である』と返信して下さい」

 

 

「わかりました」

 

滝崎の返信内容を聞き、大淀は敬礼の後、執務室を退出した。

 

 

「まったく、少しは落ち着いて、腰を据えて構える事は出来んのか?」

 

 

「順調にマルタ島の制海権を確保していたからね。後は排他的経済水域の確保でマルタ島安定化が終わる、と踏んでるから、落ち着いていられないんだよ」

 

 

「ふん、それで失敗すれば再び1からやり直しだぞ、馬鹿者共め。まあ、こっちは様子を見ながらやるしかないな」

 

 

「そうだな、上層部の慌てぶりに付き合う必要はないしね」

 

滝崎がそう言った時、訓練をしていたバレアレス、五月雨、神通、U954が執務室に入ってきた。

 

 

「う〜、疲れた〜」

 

そう言ってU954…クイヨがソファーに倒れこむ。

 

 

「大丈夫か、クイヨ? にしても、今日も猛訓練ですね」

「うーん、私を追尾・雷撃させた後、爆雷回避訓練って、訓練爆雷を大量投下してましたよ」

 

 

「……本当にお疲れ様だね。お茶にしようか」

 

バレアレスの話とクイヨの状況を見て滝崎が提案する。

 

 

「私も乗った!」

 

 

「あぁ、松島宮は執務を終わらせてね。まあ、直ぐ終わるよ。神通、五月雨もお茶しよう」

 

 

 

お茶の時間終了後………執務室

 

 

 

「護衛任務か…しかも、ウチへのか」

 

 

「あぁ、イタリアのタラントからマルタ島への補給船団だ。さすがにここまで鎮守府が拡充出来たのだから、自前で護衛ぐらいは出せるであろう?」

 

松島宮が先日届けられた命令書を見ながら言った。

 

 

「確かにな。で、護衛部隊は?」

 

 

「旗艦は夕張、睦月、如月、初春、初霜の5人だ。輸送船団は4隻…足りるかな?」

 

滝崎

「対潜警戒ならギリだな。待機部隊は?」

 

松島宮

「霧島、蒼龍、龍驤、最上、陸風、島風の6人。偵察部隊として、鈴谷、熊野、瑞穂、那珂、雪風、朝顔。残余の扶桑、川内、時雨、夕立、綾波、潮は哨戒部隊だ」

 

 

「……まあ、それぐらいあれば大丈夫か。実施は明日かな?」

 

 

「あぁ、朝早くに出発…」

 

松島宮の言葉を遮ったのは突然の爆発音だった。

 

「な、なんだ!?」

 

 

「あれは…工厰だ! 行ってくる!」

 

窓から覗いた滝崎は工厰から立ち上る黒煙を見て、執務室を飛び出した。

 

 

 

工厰

 

 

「明石さーん! 明石さーん! 大丈夫ですか!?」

 

未だ黒煙が立ち上る工厰の入り口を覗き、明石を探す滝崎。

 

 

「あちゃ〜…あっ、副官、私も妖精も大丈夫だよ」

 

 

「それは良かった…で、これはいったい?」

 

 

「実は…ほら、提督が建造やってじゃない?」

 

 

「あぁ、やってるな……ん? じゃあ…」

 

視線を黒煙の発生源に向けると……建造カプセルがあった。

 

 

「うん…なんか、建造カプセルが暴走しちゃって…でも、建造自体は緊急ロックが掛かって停止状態なんだけど」

 

 

「やれやれ…これは残り3基も緊急点検ですね。一番機は直りますか?」

 

 

「技術者の名誉に掛けて修理するよ。任せて」

 

 

 

再び執務室

 

 

「とりあえず、今から修理に掛かるってさ」

 

 

「そうか……当分は建造できないのか…」

 

 

「気にするところが違う。なお、一番機の建造再開は何時になるか解らないそうだ」

 

 

「ふむ……なあ、滝崎、嫌な予感がするのは私だけか?」

 

 

「……止めよう。なんか、実現しそうでヤバいから」

 

 

 

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