転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

86 / 131
そして、何時もの通り。


86 激闘は続く

2日後 ジュゼッペ・ガリバリディ艦橋

 

 

 

「予想は出来ていたが、なかなか折れんな」

 

 

「作戦開始から1週間だからな…こっちも疲労を考えないとね」

 

そんな会話を松島宮と滝崎はしていた。

無論、1週間24時間戦い続けではない。

しかし、戦闘による疲労の蓄積は徐々に現れつつあるのが現状である。

 

 

「早くすませたいが…さて、こればかりはなんともな」

 

 

「よく『我が苦しい時は敵も苦しい』とは言うが…果たして今回はそうなのだろうか?」

 

 

「…難しいね……なんとも…」

 

松島宮の問いに絞り出したかの様な滝崎の一言だった。

 

 

「むぅ…そうか…」

 

 

「あぁ…まあ、気になる事も無いわけではないけど」

 

 

「ん? なんだ?」

 

 

「この報告さ」

 

そう言って松島宮に渡したのはここ2、3日の敵航空攻撃の状況分析であった。

そして、それを一見した松島宮はあるところで目が止まった。

 

 

「……なんだ、これは?」

 

 

「さて、なんだろうかね、これは」

 

その記載に滝崎も興味が湧いていた。

 

 

 

 

その頃

 

 

 

「敵航空隊、此方の迎撃を突破!」

 

 

「全艦対空戦闘用意!」

 

赤城を中心とする空母部隊とこれを守る加賀・扶桑・山城ら第ニ機動艦隊を中心とするメンバー達が周りを固める。

そして、迎撃隊を突破した敵航空隊と遂に接触した。

 

「三式弾、撃ち方始め!」

 

加賀の指示に三式弾を装填していた扶桑達が砲撃を開始する。

データリンクによる管制により適切なタイミングに調整されていた時限信管が狂い無く炸裂させる。

それでも潜り抜けた敵航空隊は目標に向け降下する。

 

 

「近接対空戦闘開始!!」

 

たちまち、高角砲・対空機銃が吼え出す。

そんな中、主に狙われたのは………

 

 

「龍驤! 今日もお主が狙いのようじゃ!」

 

 

「なんやて!? ほんま、ウチ、恨みかう事しとらんで!! 堪忍してや!!」

 

龍驤とペアを組んでいた初春の言葉に龍驤は迷惑そうに言う。

しかし、そんな龍驤に関係無く敵機はまるで親の仇かの様に襲い掛かる。

 

 

「ちょち、ホンマ、冗談ちゃうで! こんなん、餓島以来やって!」

 

しかし、そこは日本海軍空母部隊創生期に鳳翔と組んでいた古参艦だけに巧みに回避していく。

それでも執拗に狙う敵攻撃隊であったが……

 

 

 

「鍾馗隊! 徹底的に叩いてやりなさい!」

 

 

「Open free fire!!」

 

集中的に龍驤を狙った為に防空専門の神鷹の鍾馗隊や防空巡洋艦であるアトランタの対空砲火の的になり、次々に堕ちていく。

 

 

「あぁ〜、危なかった…おおきに、神鷹! 厚狭!」

 

 

「艦隊防空が私と鍾馗隊の仕事ですから」

 

 

「防空巡洋艦のお仕事なんで」

 

龍驤の礼に2人は役目なので、と返す。

この日も何故か龍驤ばかりが狙われたが……故に敵攻撃隊は大損害を受けた割に戦果はあがらなかった。

 

 

 

戦闘終了後暫くして ジュゼッペ・ガリバリディ艦内 食堂

 

 

「お疲れ様、龍驤」

 

 

「お疲れ様やて? もう、ウチだけ堪忍や〜、なんでウチばっかり狙われるんよ〜、副官に『集中攻撃手当』請求すんで」

 

 

「なんだよ、その手当は…」

 

さて、それは集中攻撃を『された』から出るのか、集中攻撃を『した』から出るのか……認定基準でかなり変わる様な気がするが…。

 

 

「にしても、なんでウチなんよ〜、ウチ、恨みかう事なんてしとらんちゅーに……まあ、こっちでの話やけどな」

 

 

「まあ、確かによく狙われてるな、龍驤は……まさか、神鷹・祥鳳のパターンかな、これ」

 

 

「レキシントン案件かいな? なら、ウチの場合は……」

 

この時点で滝崎も龍驤もほぼ確実と言っても過言ではない名前が1人上がっていた。

しかし、これを確かめようにも手段がない。

 

 

「……はよう、この戦闘終わらんかな?」

 

 

「うーむ、今回は厄介な敵と厄介な味方だからね…向こうさん次第のところもあるからなんとも…ね」

 

滝崎としてもギリシャの厄介事にはクレタ奪還以後付き合うつもりはないが、今は現状が現状な為に付き合わざるおえない。

 

 

「さて、さっさと食って仕上げるものを仕上げるか。龍驤も休んどけよ」

 

 

「明日も狙われてるんは勘弁やな〜」

 

 

 

暫くして 飛行甲板下退避所

 

 

 

柵にもたれ掛かる滝崎。

書類や事務仕事を処理し、夜の海風にあたりたくなったのでこうしている。

人によってタバコの一本でも吸うであろうが、滝崎は喫煙者では無いからしない。

 

 

「マサヨシゲッチュ〜」

 

そう言って背後からレナータが抱き付いてきた。

 

 

「…司令兼パイロットが夜更かし?」

 

 

「残念〜、まだそんな時間じゃあいりませ〜ん」

 

そう言われてデジタル式腕時計(電波式)を見る。

確かにそんな時間では無い。

 

 

「…おかしいな、部屋の時計と時間が…」

 

 

「何も知らないわよ〜、私はね〜」

 

 

「うん、それは何か知ってるパターンだね」

 

今更過ぎてもうツッコミを入れる気すらおきない滝崎だった。

 

 

 

次号へ




ご意見ご感想をお待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。