転生提督・副官のマルタ島鎮守府戦記   作:休日ぐーたら暇人

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またまた長らく更新出来なくて申し訳ありませんでした。
仕事と意欲の上下差で遅れてしまいました。


88 備えあれば今がある

マルタ島鎮守府

 

 

「敵空母部隊の航続距離から考えてまだ1日はある。充分時間はあるから、慌てず冷静に素早く手抜き無く準備してくれ。あと、要請・意見はドンドン上げてくれ」

 

鎮守府では無く、あえて外に『司令部』と立看板を立てた簡易テントの下で指揮を執る高塚。

そんな中、民兵隊・海兵隊・カラビニエリ隊・艦娘達・妖精達は忙しく動き回っている。

 

 

「指揮をとるのはいいが、なんで外なんだ?」

 

 

「砲兵だもん、建物の中や地下で指揮を取るより、直接見るのが解るから」

 

 

「そう言う問題か?」

 

エーディト質問に高塚は笑いながら答える。

しかし、そうは言ってもエーディトは止める気すら無い…慣れてるから。

 

 

「しかし、航空戦力は大丈夫か? まあ、戦艦もそうだが…何かアテはあるのか?」

 

 

「とりあえずはある…が、まだ未確実だからな。保留だ」

 

 

「とりあえず同志、部隊の配置は完了した。あとは…配置だけだな」

 

 

「わかりました。さて、まだ充分に時間はありますね」

 

ニヤリと笑いながら鎮守府周辺図を見ながら思考モードに突入する高塚。

 

 

「……滝崎を知っているから解るが、思考を張り巡らす時の真剣な表情は瓜二つだな」

 

 

「何を言うかね、中佐。同志は陸海空に戦史をも精通する異色の将校だ。そうでなければ同志の親戚がここの指揮を預ける訳があるまい」

 

 

「まあ、確かにな…やれやれ、私も相当染まったな」

 

 

「私は最初から染まっているがね…まあ、同志はイザとなれば正面から堂々と喧嘩を仕掛けられる奴だ。世界標準基準にもならない元陸自の幹部とは訳が違うさ」

 

 

「……高塚も大佐もホントに元の所属先をデスるな」

 

 

「名誉も求めず、未来も読まず、ただ惰性的に過去からの事を続ける組織だったからね。挙句が思考の硬化と柔軟性の損失、更に後輩育成の欠陥…挙げればキリが無い程のダメ組織になったしまった」

 

他人事の様に語りながら何処か苦々しい思いをちらつかせる物言いの山本大佐。

 

 

「敗戦国とは無様な物だよ。まあ、最後のラインを維持したドイツやイタリアには…おっと、エーディト中佐には要らぬ話だった。失敬」

 

山本大佐からそう言われ、微妙な気持ちになるエーディトだった。

 

 

 

 

その頃 ジュゼッペ・ガリバリディ艦橋

 

 

 

「………だ、そうだ」

 

高塚が送ってきたマルタの現状報告と救援拒否の通知に滝崎は素っ気なく伝えた。

 

 

「…これは高塚には鎮守府の残存戦力だけで撃退出来る自信があると言う事か?」

 

 

「まあ、あいつは変な対抗心や精神主義で死守や作戦立てる事は絶対にしない奴だし、今までジブラルタルからの反攻にも備えていた訳だから勝算はあるだろう。それに、こっちの事を知っててそう言ってるんだし」

 

 

「ホント、マサヨシもタカツカもこう言った時の頼もしさは同等ね」

 

 

「お褒めありがとう…それは置いとくとして、ウチらはウチらで前に集中しないと。これで負けて帰ったら、高塚の働きどころも無駄になってしまう」

 

 

「まったくだ。各艦、並びに部隊にも言っておかなければならないな。しかし、アドリア海部隊だけでも取って返してもいいんじゃあないか?」

 

 

「アドリア海の深海棲艦を出れない様にしただけだから、今はこのまま進出・掃討してもらう。どちらにしろ、アドリア海部隊は前線に貼り付けだ」

 

 

「ふむ、そうか……レナータ、そっちは?」

 

 

「私はマサヨシの意見に従うよ〜。ねえ、アレッシア参謀長?」

 

 

「少し危ない気もしますが…同意します」

 

その言葉に後ろに居た残りのイタリア艦隊首脳陣(野郎共)がずっこける。

 

 

「「「「「「「参謀長がアッサリ過ぎる!!」」」」」」」

 

 

「あんた達より断然マシだからよ!」

 

このやり取りが日常化したため、滝崎も松島宮も普通に眺めているだけである。

 

 

「あー…ゴホン…何時ものヤイヤイなら後でやってほしいんだが…」

 

 

「そうね、後で投げとくわ」

 

 

「ホント、参謀長は元気ね」

 

((いや、投げなくていいから))

 

レナータの微妙にズレてる評価と高塚・松島宮の静かなツッコミを入れる。

 

 

「それで、高塚の通知通りにするとして、我々はどうやって敵を叩く?」

 

 

「ふむ……一度退いてみるか」

 

「退く…あぁ、慌て救援に行くフリをして、敵を罠に嵌めるのか」

 

 

「そう言う事。できそう、レナータ?」

 

 

「イタリア艦隊は出来るわよ。後はイギリス艦隊が芝居が出来るかどうかよ」

 

 

「外交で二枚舌、三枚舌が出来るんだから、何とかなるだろう」

 

 

「よし、じゃあ、誘い込むわね。ユリシーズのレベッカ艦長に繋いでくれる?」

 

 

「了解です」

 

アリッシア参謀長がテキパキと通信を繋ぎ始めた。

 

 

 

夕方頃 マルタ鎮守府

 

 

「あ〜〜〜〜、とりあえず、設置終わり〜〜〜〜」

 

擬装された大型テントの下に野外寝具を広げていたところに大の字で寝転がる高塚。

 

 

「大丈夫かね、同志?」

 

 

「あ、山本大佐…いえ、指示を出して、ちょっと手伝いをしただけですから」

 

 

「あはは、そうか、まあ、気付だ。グイッとやりたまえ」

 

そう言って渡された小グラスを言われた通りに一気飲みする。

だが、噎せてゴホゴホと咳き込む。

 

 

「……なんです、これ?」

 

 

「うむ、度数の低いウォッカをほんのちょっぴり入れて、多量の水で薄めたんだが?」

 

 

「ウォッカだったんですか」

 

 

「ロシア流の気付だよ…で、勝てるかね?」

 

 

「勝ちますよ、もちろん」

 

 

 

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