…その、毎回毎回謝っているのですが…。
今回ばかりはエタりかけていました。
そのですね、リアルがとても忙しくてですね、何というか…。
…言い訳はいらないですね。
小説を全くと更新しなかったばかりか、毎回謝っているにもかかわらず反省の兆しが見えないバカな作者をお許しください。
この場を借りて改めて謝罪させてください。
本当に申し訳ありませんでした。
今回は番外編です。
番外編が2つにおまけが1つ、という構成になっています。
相変わらず番外編はメタ発言が多いですが、そういった発言が苦手な方はそっとこの小説を見放して、他の作者様のもっとおもしろい小説を見に行くことをおすすめいたします。
おまけのほうに関してですが…。
読む人を選んでしまうようなひどい内容になっております。
あらかじめご容赦ください。
番外編その4 日常風景
ぴりりりりりりり……。
目覚ましの音が、遠くから聞こえてくる感覚…。
その音がどんどん近づいていくように、徐々に意識が覚醒します。
「…うぅ…ん…。」
目を覚ますと、毎日6時に鳴り続ける目覚ましを止めて起床します。
…朝起きると、少々の体の重さに襲われますよね。
でも、今日は何が起こるのかな、という期待と不安で朝を迎えられる私の人生はまぁまぁ充実していると思います。
…いいえ。
この部屋に、来たときから充実し始めたのでしょうか。
そんな比較的どうでもいい事を考えて、意識がハッキリするのを待ちます。
………よし。
私はしっかり目が覚めたのを確認すると、ゆったりと制服に着替えました。
…お気に入りの黄色い水玉模様のパジャマを脱いで…。
…寝ている間は身に付けていない、上の下着をつけて…。
…武偵高指定の防弾制服を着て、スカートを履いて…。
…最後に、髪を櫛で軽く整えてポニーテールにして…。
鏡を見てポニーテールがしっかり出来ていることを確認すれば準備完了です。
…完璧、パーフェクト、ばっちりです。
さぁ、今日も一日頑張りましょう!
リビングに行くと、同じように今しがた起きてきた白雪さんと鉢合わせました。
「おはようございます、白雪さん。」
「おはよう、詩穂。早速だけど私はご飯作るから…手伝ってもらえるかな?」
「…はい!もちろんです!」
私に対しても仲良くしてくれるようになって白雪さんは、最近よく料理に誘ってくれます。
もちろん私としてはとても嬉しいのですが…。
「…あはは…うーん、やっぱり普通だね…。」
「…ごめんなさい…。」
白雪さんは私の作った味噌汁を味見しながら、いつもどおり悲しい結果を伝えます。
…白雪さんの苦笑いが心に痛いです。
「味付けとかも見ていた限りでは無難だったし…今度、隠し味でも入れてみようか?」
「…そうですね、やってみます。」
…一応、今日のお味噌汁の味付けは少し変えてみたつもりなんですけど。
正直もうどうやっても味は変わらないのではないでしょうか…?
今度試しに砂糖の代わりに塩を入れてみましょう。
などとアリアさんとキンジ君を軽く生贄にささげながら、私は料理を続けました…。
順調に朝ごはんが白雪さんの手によって生産されていく中。
完成も間近というあたりで、白雪さんが私に向き直りました。
「…さて、後は盛り付けるだけだし…キンちゃんとアリアを起こしてきてくれる?」
「はい、了解です。」
白雪さんのどこかオカンのようなセリフをおかしく思いながら、私は2人が寝ている部屋に足を運ぶのでした…。
コン、コン。
軽く寝室のドアをノックしますが…。
返事は無く、どうやらまだ2人とも寝ているようですね。
「…失礼しまーす…。」
ガチャ、と扉を開けると…。
案の定というか、2人とも割とぐっすりと眠っています。
…まずは…。
ピコーン♪
・アリアさんを起こす
・キンジ君を起こす
…ってなんですかこの脳内選択肢!?
のう○メのパクリはいらないですよ!
そしてこの選択肢に何の意味があるのでしょうか…?
大した差ないですよね…。
…とりあえず…。
ピコーン♪
・アリアさんを起こす
が選択されました!
だから選択肢いらないですって!
「…アリアさん、起きてください。朝ですよー?」
「うぅ…ん…くぅ…。」
声をかけてみますが、アリアさんは若干唸っただけで起きてはくれませんでした。
…仕方ありません。
少しだけ体を揺すってみましょうか?
「アリアさん。起きてくださいー。」
ゆっさゆっさ。
肩の辺りに手を添えて、やさしめに揺すります。
「うにゅ…うぅ…ん…しほ…?」
アリアさんは瞳は閉じたままですが、声を上げてくれました。
よかった…起きてくれたみたいです。
「アリアさん、おはようございます。もうご飯です…?」
「うぅん、しほ~…。」
「へ?うわわっ?」
起きたと思ったアリアさんはまだ寝ぼけていらっしゃったようで…。
私の手を取って、ものすごい力で布団のほうに引っ張ります。
当然、余裕でベッドに倒れ込んでしまい…。
「えへへぇ、しほ~…。うにゅ…。」
「ふわっ!?ちょっとアリアさ…!」
そのまま抱き枕の如く私を全身で抱きしめ…。
アリアさんは再び夢の世界へと旅立っていきました…。
…じゃなくて!
「あ、アリアさん!離してください…!」
「みゅぅぅ、くぅ…。」
ダメです。
このままだといつまで経っても離してもらえそうにありません…!
ど、どうにかしないと…!
「うぅん、しほ~…ふふ…。」
「…アリア、さん…。」
ネコのように私の胸を頭でゴシゴシしながら、幸せそうに眠るアリアさんを見て…。
なんだか、私まで幸せな雰囲気になってしまって…。
「…私も、少しだけ…。」
「…うん、まぁ、そういう日もあるよね、うん。詩穂は2人を起こしに行っただけなんだよね?でもたまたま寝ちゃったんだよね?ね?詩穂?私起こしに行ってくれって言ったはずなんだけど…。まぁ、人間誰でもミスはあると思うよ?うん。でも流石に寝ちゃうのはどうかと思うんだ?あの時キンちゃんが自分から起きてくれて起こしてくれなかったら、折角作った朝ごはんも無駄になっちゃうところだったんだよ。そこらへんについてはどう思うのかな?かな?」
「…いえ、本当に申し訳ありませんでした…。」
リビングにて。
当然、一緒に少しだけアリアさんと寝てしまった私は。
正座で白雪さんにガッツリお説教を食らっていました。
…いえ、確かに悪いのは私ですけど。
白雪さん的には、どちらかというと私の行動ミスよりも朝ごはんが冷めちゃうから怒っているっぽいです。
…オカンなのかな?
…3分くらいのミニ説教が終了した辺りで、白雪さんは注目を集めるようにパン!と手を叩きました。
「さぁさぁ、3人とも食べちゃって。…味噌汁は詩穂が作ったやつだよ。」
白雪さんがオカンの如く号令を掛けると、皆席に着きます。
そして白雪さん、なんで味噌汁は地雷みたいな言い方するんですか。
アリアさんとキンジ君はその言葉を聞いて、とりあえず味噌汁を飲み…。
「………。」
「………。」
2人とも真顔になって別のものを食べ始めました。
…マズイってわけではないんでしょうけど、なんでしょうこの敗北感…。
「…今度本当に実行するしかないみたいですね…。」
「詩穂?なに独り言をいってるんだ?」
アリアさん、キンジ君…覚悟です。
あなたたちは今度、塩コーヒーの海に沈むのですよ…。
「…ごちそうさま。」
「ごちそうさまー。」
「ごちそうさま、です。」
「おそまつさまでした。」
4人とも食べ終われば、次は学校に行く準備です。
私たちは一旦各々の部屋に戻ると、学校に行く準備を始めました。
…イロカネシズメなる日本刀を背中に差して…。
…銃身が長い妙な形の銃をホルダーに収めて…。
…鞄の中にバレットブレーカーとマフラーを入れて…。
…
さて、これで私の準備は完了です。
皆さんもそろそろ準備は出来たでしょうか…?
―現在7時20分―
私は時計を確認してバスに余裕で間に合うことを確認すると、リビングに向かいました…。
リビングに行くと、もう私以外の3人は準備が整っているようでした。
「ご、ごめんなさい…お待たせしましたか?」
「いや、そんなに待ってないぞ。」
「さっさと行くわよ!」
キンジ君はフォローするように声を掛けてくれます。
アリアさんは私の姿を確認するともう玄関のほうへ歩き出してしまいました。
私たちもいつもどおりなアリアさんを苦笑いで追いかけ、玄関を出るのでした…。
私たちの通学は、基本的にバスです。
まぁ、通学が楽だからというのも理由のひとつですが…。
やはり、キンジ君の自転車が『武偵殺し』の一件で大破してしまったことが大きいです。
キンジ君はそれまででもバスで通っていたそうですが、自転車がないおかげで絶対に寝坊が出来なくなってしまいました。
南無三。
そんなわけで現在バスの中。
バス停で合流した武藤君や不知火君と共に学校へと向かうバスに揺られます。
「…ってことがあってよぉ…。」
「…はは、相変わらずだね武藤君は…。」
「…お前には落ち着きが無いんだよ、武藤…。」
私の右隣に吊り革に捕まって立っているキンジ君と武藤君と不知火君は雑談しています。
内容は…どうやら武藤君が行った
「…でね、この前キンジが…。」
「…それはやっぱりキンちゃんは悪くないと思うよ…。」
私の左隣にもやっぱり吊り革に捕まって立っているアリアさんと白雪さんが雑談に興じています。
…うーん、私としては…。
ピコーン♪
・男子の雑談に混ざりたい
・女子の雑談に混ざりたい
・1人でボーっとしていたい
…今日は脳内選択肢が自重しませんね…。
うーん、これまた割とどれを選んでも微妙ですね…。
まぁ、ここは無難に行きましょう。
ピコーン♪
・女子の会話に混ざりたい
が選択されました!
「…2人とも、何の話をしているんですか?」
「ああ、詩穂。アリアがさっきから…。」
「キンジったら、この前の日曜日なんかは…。」
「…こんな感じの会話かな?」
アリアさんと白雪さんに話しかけてみたところ、どうやらアリアさんがキンジ君の日頃の愚痴を語っているみたいでした。
「ねぇ、信じられる!?あたしの胸に触ったのよ!?ありえないわ!」
「…それは、なんともうらやま…もとい、けしからん行為ですね。」
つい言ってしまいましたが、別にうらやましいことはあまりありませんでした。
だって、胸を触られるのは確かに恥ずかしいですし…。
でも、キンジ君になら…。
「でしょ!あ、あああんな何にもない場所でこけて、ああ、あ、あんななな…。」
アリアさんが事件当時の記憶を思い出したのか、言語機能が崩壊してしまいました。
「あ、あああ、あんな、こ、ことっががが…。」
…顔を真っ赤にしながら恥ずかしがるアリアさん…。
…かわいいなぁ…。
元々顔は整っている…どころか普通にかわいいし、性格も明らかなツンデレだし…。
…ああ、なんというか、ギャルゲをプレイしているときの感覚を現実で味わえるというのは…。
感動です…。
そんなアリアさんを楽しんでいると、すぐに学校についてしまうのでした…。
「うーん…やっと終わった。」
後のほうからアリアさんの疲れたような声が聞こえました。
…現在、学校の教室内。
今ちょうど、午前中の一般科目が終了してお昼休みに入るところです。
もうそろそろ中間考査も近いので、授業中も緊迫した雰囲気…になるはずですが、武偵高はその辺の高校とは違います。
今日も明日も、勉強のことは放っておいて武器の取引や
案の定アリアさんとキンジ君もその例に漏れないらしく、お昼休みということなので食事の準備を始めました。
…白雪さんは、『
嬉しいのですが、お弁当もアホみたいにおいしいので…ちょっと心にダメージです。
「……あれ?」
ふと教室のドアに目を向けると、叶さんと明音さんが連れ立って教室から出て行く姿を見かけました。
…うーん、いつも2人ともお昼休みにはいなくなってしまうので、気になりますね…。
さて、どうしたものでしょう…。
ピコーン♪
・いつもどおりアリアさんたちと食事を取る
・叶さんと明音さんを追う
・1人寂しく食べる
本当に今日はしつこいですね、
うーん、どうしましょうか…?
どっちでもいいっちゃいいんですけど…。
ピコーン♪
・いつもどおりアリアさんたちと食事を取る
が選択されました!
まぁ、叶さんと明音さんのことですし、どこか別の場所で2人きりで食事を取っているのでしょう。
私はいつもどおりの風景を楽しみたいです。
「アリアさん、キンジ君、ご一緒してもいいですか?」
「いつもご一緒してるだろ。」
キンジ君のツッコミを受けつつ、2人の席の近くで私もお弁当を広げました。
「…あ、相変わらず白雪の料理は凄いわね…。」
「…ですね…。」
アリアさんはハァ、と感嘆の溜息を吐きます。
…アリアさんも最近は白雪さんにケンカを吹っかけることは少なくなりました。
といっても、たまに事故でキンジ君をめぐって戦争が発生するのですが…。
「…むぐむぐ…ふぉういえば、ひんじ…。」
「喋りながら食うな。喋るか食うかどっちかにしろ。」
「…むぐ、むぐ…。」
「…食うのかよ…。」
アリアさんがキンジ君とミニコントをやっているのを目に留めながら、私も黙々とお弁当を食べます。
…武偵においては、食事中というのは非常に危険な状態です。
なぜなら食事中は睡眠中、入浴中と同じくらい無防備な状態になってしまうから。
そして食事時間というのは努力しだいで短くすることが可能です。
…まぁ、簡単に言うと。
「…ごちそうさま。」
「…ごちそうさまです。」
「…ごちそうさま。」
武偵は、食事がとても早いです。
ものの5分もせずに、完食してしまいます。
…つまり、お昼休みの時間がとても余ってしまうわけで…。
…以前なら理子ちゃんと駄弁っていることが多かったのですが、ここ最近はやることが定まっていません。
うーん、一体どうしたものでしょうか…?
ピコーン♪
・アリアさんと駄弁る
・キンジ君と駄弁る
・叶さんと明音さんを探す
・さすらう
…さすらう?
なんでしょう、さすらうって…。
うーん、なんだかよくわかりませんが…。
ピコーン♪
・アリアさんと駄弁る
が選択されました!
よし、アリアさんのところに行きましょう。
「…アリアさん。」
「ああ、詩穂。どうかした?」
アリアさんに声を掛けると、彼女は目線を校庭のほうから私に移しました。
「…外を見ていたんですか?」
「ううん。暇だったからボーっとしてただけよ。それよりも、どうかしたの?」
「…いえ、大した用事ではないのですが…。私も暇だったので、お話しませんか?」
アリアさんはコクッと頷きを返してくれます。
…うーん、話題は何か…あ、ありました。
「アリアさん、もうすぐ中間テストですね。」
「……中間テスト?…ああー、あったわねそんなの…。」
アリアさんは意外な単語を聞いた、と言わんばかりに気の抜けた返事をくれました。
…アリアさん…。
「別にいいのよ、勉強なんか。数学や英語が出来るよりも
「…いや、そりゃそうですけども…。」
単位とかも依頼やってれば稼げますしね…。
「…アリアさんって、点数はどのくらいなんですか?」
「え、うーん…。」
アリアさんは…確か、去年の三学期に東京武偵高に転入してきたはずです。
つまり、学期末の定期テストは受けているはずなのですが…。
「~~~~、~~~~…こんなもんね。」
「…割と高いですね…。」
点数を聞いてみたところ、イギリス帰りだからか現代文や古典の点数は平均少し下くらいでしたが、それ以外の教科は軒並み平均よりかなり上の点数でした。
「詩穂こそどうなの。あたしのだけ聞くなんて許さないわよ?」
「は、はい…。」
なんか妙に威圧されてしまいました。
アリアさんに去年の学期末のテストの点数を伝えます。
「~~~~、~~~~…っていう感じでしょうか…?」
「…oh…。」
ネイティブな感じの発音で驚かれてしまいました。
「ていうか全教科ほぼ満点じゃない!何よそれ、ウソじゃないでしょうね!?」
「あうっあうっ、ウソじゃないですやめてください!」
アリアさんが私の制服の襟首部分を持ってガクガクと揺さぶりました。
ぐわんぐわんと頭が揺れ、目の前のアリアさんのかわいい顔がブンブンと上下に揺れます。
少ししたら離してくれました。
「う、うぇ…少し気持ち悪いです…。」
「え、あ…ご、ごめんね、詩穂…?」
「大丈夫れす…。」
アリアさんはどうやらやりすぎたと思ったのか、心配してくれました。
…優しいです…。
「…ふぅ。そういえばキンジ君はどうなんでしょうか…?」
「キンジ?アイツのことだから多分ボロボロよ、きっと。」
アリアさんは横の席で突っ伏して寝てしまっているキンジ君を一瞥して、はんっと鼻で笑いました。
…キンジ君、あなたの知らないところでディスられてます…。
そんなことをグダグダと話しながら、昼休みは過ぎていくのでした…。
…そして、時は放課後。
強襲科での訓練も終わり、キンジ君とアリアさん、そして律儀に私たちを待っていてくれた白雪さんとも合流して帰路に着いていました。
「…うーん、今日の夜はどうしようかな…?」
「あたし、ももまんがいい。」
「お前はバカなのか…。」
「何よバカキンジ。凄い勢いで風穴開けるわよ?」
とまぁ、4人もいれば賑やかな帰り道です。
白雪さんがアリアさんとケンカするか、アリアさんがキンジ君を罵るかの大体二択ですが。
…私としては、このまま到着するまでこの平和な日常を堪能していたいものですが。
しかし。
…帰り道の途中には、私をこの幸せ空間から抜け出すよう誘惑してくる建物がひとつだけあります。
ゲームセンターが、見えてきました…。
「…うぅ、どうしましょう…?」
…っく、今私のお財布はまぁまぁ潤っている状態…!
そして何よりも、今日からドラム式洗濯機に新曲が追加される…っ!
どうする、どうしましょう…!?
ピコーン♪
・ゲーセンに単身ダイブする
・むしろみんなを誘う
…なん…だと…。
おとなしく帰るという選択肢がない…!?
うう、なんという選択肢でしょうか…!
私は今、人生最大級に戦慄しています…!
…仕方ありません。
ピコーン♪
・むしろみんなを誘う
が選択されました!
さ、誘うしかないのです…。
許せ、マイフレンズ…。
「あの…みなさん、ゲーセン寄りません?」
「…え?詩穂から誘ってくるなんて珍しいわね。」
アリアさんがびっくりしています。
…確かに、普段の私はあまり自分からは動かないですもんね…。
「私はいいわよ。白雪はどーせ星伽の掟でもあるんでしょ?先に帰ってれば?」
「なっ…!わ、私もキンちゃんと一緒に行くもん!」
「ちょっ…俺は行くとは言ってないぞ!」
「ところでキンちゃん…げーせんって、何?」
「ふん、そんなことも知らないの?白雪、遅れてるわね!」
やいのやいのと騒ぎながらも、皆さんもどうやら着いてきてくれるみたいです。
…コホン。
では、いってみましょう!
レッツ☆ゲーセンタイム!
「さて、私はちょっと一周してきますのでその間のんびりしていてください。」
「…うん、いってらっしゃい…。」
「おう…。」
「え、ええ?全部?こんなにあるんだよ?え、全部?」
アリアさんとキンジ君はもう知っているので反応が薄いですが、白雪さんは驚いてくれました。
あわあわしてる白雪さんは割とかわいいです。
…ごちそうさまでした。
さて、一周終わりましたけど…。
現在は、アリアさんたちを呼んでクイズマ○ックアカデミーをやっていました。
「うーん、結構難しいわね…これ。」
「…わからん。」
「き、キンちゃん、は、箱に文字が…!ぐるぐる回ってるよ~…。」
3人はあまりこういったゲームはしないのか、3人とも次々来る問題に頭を悩ませているようです。
…私はちょっとやりすぎて問題と答えを暗記しているので、あんまり楽しくは無いですが…。
まぁ、こういうゲームは多人数でわいわいやるのが定石ですからね。
というわけで、私は3人のプレイを後から見守っています。
「あー、もうわかんない!カンで勝負よ!」
アリアさんがいきり立ちながらテキトーに選択肢を選びました。
その答えは…。
ピンポーン♪
「あ、やった。当たったわ!」
…流石アリアさん。
今日もカンが冴え渡っているようです。
「くそっ、俺だって…!」
キンジ君もアリアさんと同様にカンで選びますが…。
案の定、はずしていました。
なんというか、キンジ君…。
ふぁいと、です…。
「え、え?どうすればいいの?どうしたらいいの!?」
白雪さんはそもそも画面をタッチするという操作を忘れているようで、画面を前にアタフタしています。
…星伽の掟のせいで、ゲームとかほとんどしたこと無かったんだろうなぁ…。
なんとも三者三様の風景を見つめながら、少しボーっとしていると…。
「…もう金が無い。」
というキンジ君のなんとも物寂しいセリフで現実に引き戻されました。
「だらしないわね、キンジ!普段から依頼を積極的にこなさないからよ!」
「うるさい!お前にはわかんないだろうよ畜生!」
「なによ!アンタがしっかりしてないのは事実じゃない!」
いつもどおりアリアさんとキンジ君の口ゲンカが始まってしまったので…。
「…そろそろ、帰りましょうか?」
時間もいい感じだったので、今日は解散となりました。
部屋に辿り着けば、みんなは各々の生活に戻っていきます。
私は部屋のお掃除。
白雪さんは夕飯の準備。
キンジ君はアリアさんのパシリでももまんを買いに。
そしてそのアリアさんはといえば…。
「…すぅー、すぅー…。」
ソファに寝そべって、お昼寝をしていました。
ついこないだまで『魔剣』騒ぎがあったので、アリアさんも疲れてしまったのかもしれません。
…アリアさん。
かわいらしい見た目に反して、いつも1人で頑張って、それを誇ることもせず、常に戦い続ける健気で寂しい
私は、少しでもあなたの力になれているでしょうか…?
アリアさんの穏やかな寝顔を見守りながら、私は不意に考えてしまいます。
私は、実は役に立っていないのではないか?
私は、彼女の重荷になっていないだろうか?
言い知れぬ不安を感じ、そして頭を振って悪い考えを払います。
…そうです。
そんなことは全てが終わった後に考えればいい。
今は…ただ、私に出来ることをやりましょう。
私は改めて心を決めると、アリアさんに掛けてあげる毛布を取りに部屋へと戻るのでした…。
夜。
私は普段から夜行性なので、皆さんが寝てしまってからが本番です。
今夜はこの間購入したギャルゲをまるっとプレイする予定です。
へっへっへ、今夜は寝かさないぜ…。
などとくだらない事を考えていると。
コンコン、と部屋のドアがノックされました。
「はい、どうぞ…?」
こんな時間に、どなたでしょうか…?
時計の針は既に0時を回り、もう皆さんは寝たはずなのですが…。
ガチャッ、と扉が開かれます。
そこに立っていたのは…。
「お邪魔していいかしら、詩穂?」
アリアさん、でした。
「アリアさん…。どうしたんですか?」
「ううん…ちょっと、ね。大した用事は無いわ。」
私は起動しようとしたギャルゲを閉じ、アリアさんの方に向き直りました。
アリアさんは何故か枕を持って、そこに佇んだままモジモジしています。
…ま、まさか…これはッ!
「その…今日、詩穂の部屋で…寝てもいい?」
やはり、お泊りイベント…!
しかし、私の部屋には色々と爆弾が転がっています…!
キチンと本棚に仕舞ってありますが、取り出されたら即アウト気味な同人誌やら漫画やらが数多く眠っているのです…!
これは、非常に残念ですが、断ったほうが…。
「その…だ、ダメ?よね…。」
「大丈夫です。」
うわああああ!
やってしまいましたああああ!
あまりにもかわいく小首を傾げながら不安そうな瞳で更に更にかわいらしい声で言われるとまさに脳髄に響き渡るような(ry
「そう…。よかった。じゃあ、一緒に寝ましょう?」
「ぐはッ…!あ、あい、寝ましょう…。」
なんだかもうヤバいですね。
もういいやー。
危険物が見つかったとか見つからなかったとかもういいですよねー?
「じゃ、じゃあ、電気を消しますね、うへ、うへへ…。」
「う、うん…どうしたの詩穂?」
「な、なんでもないですよ、へへへ…。」
パソコンの電源を落とし、さっさと就寝準備を終えた私は、アリアさんを布団の中に入れて電気を消しました。
ぱちっ…。
…すぐ隣に、アリアさんの吐息が、体温が感じられて…。
あ、これ寝れないやつですわー。
さっきからキャラ崩壊が著しいですね。
でもそんな些細なことはどうだっていいのです。
なんだか体が火照ってしまって、何がなんだか…!
「…ねぇ、詩穂?」
「ぎゃお、な、なんでしょうかアリアさん…?」
急に話しかけられて謎の声を発してしまいました。
「あたし…このまま進んでも、いいのかな…?」
「…アリアさん?」
アリアさんの不安そうな、怯えるような声色に居住まいを正します。
「今日、今日は特に詩穂と話した気がするの。それで…思ったの。詩穂を巻き込んだまま、詩穂をこのまま私のパートナーにしておいていいのかな…って。」
アリアさんは申し訳なさそうに、怖がるように悩みを話してくれます。
アリアさんの行動原理は、そのほとんどがカンです。
そのカンはおそらくアリアさんの中では絶対的なもので…でも、それは根拠が無くて、不安定で…他の人に理解してもらえないもの。
アリアさんはきっと、ずっと悩んできたのでしょう。
否定され続け、仲間も出来ず理解してくれる人もいない…。
そんな勝手な過去のアリアさんを思い浮かべつつ、私は布団の中でアリアさんに向き合いました。
「アリアさん、何度も言っていますが…。私だけはいつでもアリアさんの味方ですよ。あなたの言うことを信じます。あなたは正しいと、いつでも言ってあげます。」
「詩穂…。」
「こんな言葉なんかじゃ、きっとアリアさんを励ましきれませんよね…。でも、今夜くらいは…私と、ゆっくり落ち着きませんか?」
「…そうね。ちょっと焦ってたみたい…。」
アリアさんはふぅ、と息を吐くと優しい笑みを浮かべました。
「ありがと、詩穂。…大好き。」
「はうぁっ…がはっ!」
その一撃は反則でした。
多分友達としての意味でしょうし、私もアリアさんのこと大好きですが…。
ヤバいです、百合の花咲く道へと足を踏み入れそうです…。
「…おやすみ。また、明日。」
「…はい。また明日、です。」
そんな色々あった夜でしたが。
最後の最後はちゃんと穏やかな雰囲気の中、眠りの中に落ちていくのでした…。
翌日、起きた瞬間目の前にアリアさんの顔があってびっくりしたのはまた別のお話です。
番外編その5 フリートーク
詩穂「はい、というわけでフリートークです。」
キンジ「またか。」
アリア「これ2回目だけど、もうみんな飽きてきたんじゃない?あたしは飽きた。」
詩穂「尺が有り余っているんですよ。許してあげてください。」
アリア「まぁいいわ。…で、今回は何をするの?」
キンジ「そうだな。結局前回は本当に駄弁っていただけだし…今回からはなんかコーナーとか作ったほうがいいんじゃないか?」
詩穂「…ですね。流石に同じように駄弁るだけだとただの文字数稼ぎになりかねませんからね。」
アリア「え、そうじゃないの?」
詩穂「言っちゃダメです。」
キンジ「おいグダってるぞ。」
詩穂「仕方ありません…もう1人召喚しますか。」
アリア「召喚?」
キンジ「…おい、まさか…。」
詩穂「
フィーン…!
白雪「…あれ?私さっきまで部屋にいたはずなんだけど…あれ?」
キンジ「やっぱりか畜生。」
アリア「げっ、白雪じゃない…。」
白雪「アリアケンカ売ってるの?」
詩穂「うん、失敗した気がします。あかん人を召喚してしまいました…。」
白雪「…で、私は何をすればいいの?召喚されたからキスして契約すればいいの?」
詩穂「ゼロの使○魔じゃ無いんですから…。私とキスとか嫌でしょう?」
白雪「えっ…わ、私の始めてはキンちゃんに…でも、詩穂ならノーカン、なのかな…?」
アリア「本気にしてる!?」
白雪「アリアケンカ売ってるの?」
アリア「今の発言にケンカ売ってる要素無いでしょ!?」
キンジ「というか今不穏な単語が聞こえたんだが…。」
詩穂「キンジ君、気にしたら負けです。本人は隠しきれてるつもりっぽいですし、キンジ君も本編では気付いていないでしょう?」
アリア「まぁいろいろ置いといて…どうするの、このフリートーク。なんか収拾付かなくなってきたわよ?」
キンジ「仕方ない、人が多すぎる…俺帰っていいか?」
詩穂「もっと協力してくださいよ。3巻内容からは理子ちゃんも帰ってくるんですから。」
アリア「うあ、そうだったわね…。じゃあ次のフリートークとかもっと騒がしくなりそう。」
キンジ「理子か…。そういえば、原作では理子の一人称は『理子』、裏理子の場合は『あたし』だが…なんで詩穂に対する一人称はおろか裏理子の一人称まで『私』になっているんだ?」
詩穂「ああー、そういえばそうですね…。それについては過去色々あったのです。理子ちゃんの中で。」
アリア「まぁどうせ後付け設定でしょ。作者のバカがミスっただけに決まってるわ。」
詩穂「そうでしょうね。あとで画面越しに発砲しておきます。」
キンジ「設定変更といえば、俺はこの作品では強襲科になってるし転校のことも考えていないらしいが…。それだと俺のEランク設定と矛盾しないか?」
白雪「そういえばそうだね。原作のキンちゃんの設定だと、武偵に対するモチベーションが無くなってEランク…っていう設定だったよね?」
詩穂「そこについては、1年生時の終業式に色々あったからモチベーションが回復した、っていう話で説明できるように作者が設定していたはずですよ。」
アリア「えっと…つまり…。
1 キンジの兄が事故に遭い殉職
2 キンジのモチベーションが低下
3 キンジ、武偵ランク付け試験をサボる
4 1年生終了時にいろいろあってキンジ復活
5 現在の『強襲科Eランクのキンジ』という状況が出来上がる
…こんな感じかしら?」
詩穂「ですね。」
キンジ「だな。」
白雪「ふーん…そんなことがあったんだ。知らなかったよ。」
アリア「白雪が知らないって事は少なくともあたしたちは関係なさそうね。」
白雪「アリアケンカ売ってんの?」
アリア「白雪今日あたしへの当たり強くない!?」
詩穂「さて、メタい話はここら辺までにして…。そろそろどうでしょうか?文字数はあとどれくらい必要なんでしょうか?」
天の声『あと1000文字くらいやで。』
キンジ「多い!」
アリア「そもそもどうしてここ最近文字数多いのよ。最初の方とか今よりもっと少なかったじゃない。」
詩穂「そうですね、最初の方は確か…1話5000文字を目安に書いていたはずです。」
キンジ「どこからだっけか、多くなり出したのは…。」
白雪「…ああ、これじゃないかな?『第10話 てつやにはきをつけましょう』。」
詩穂「確かに…この話を境に、文字数の平均が大体10000文字になっていますね。」
アリア「だから更新が遅れるのよ。文章の質も下がるし読んでて飽きるし…バカじゃないのかしら?」
白雪「アリアケンカ売ってるの?」
アリア「ちょっとそろそろ落ち着いてもらえるかしら?」
詩穂「うーん、これを機会に文字数を減らしていって欲しいですね。私も1つの話でたくさん話したりするのは疲れます。」
キンジ「…そういえば、『魔剣』事件のとき思ったんだが…俺の出番削りすぎじゃないか?」
詩穂「…確かに、キンジ君の活躍するピッキングのシーンは丸々カットされていますし、片手版の真剣白羽取りも片手を凍らされただけになっていますし、アリアさんに言われて飛び出してみるも銃は暴発しますし…。」
アリア「あたしなんかもっとひどかったわ。飛び出すタイミングを伝えた…以上。」
白雪「もう私の独壇場だったようなものだしね。なんか、その…ごめんね、キンちゃん。」
キンジ「あとで作者に桜花をぶち込んでおこう。」
アリア「風穴スクランブルね。」
詩穂「どんどん作者への処刑が決まっていきますね…。まあ自業自得ですけど。」
白雪「そういえば『魔剣』事件のとき原作では私は一旦キンちゃんの元を離れたから私に変装した『魔剣』が登場したけど、そうならなかったね。」
詩穂「私に変装していましたね、ジャンヌさん。」
アリア「…今思えば、あの行為に意味があったのかしら?」
キンジ「油断させるため…だったらもっといい方法はいくらでもあるしな。」
詩穂「多分…あれですよ。一回やってみたかったんじゃないですか?」
アリア「…なんか、ちょっと納得したわ。」
キンジ「まぁどうせ作者の不備だろ。」
白雪「そうだね。ジャンヌに代わって作者を燃やしておくよ。」
キンジ「…さて、もういいんじゃないか?俺は帰りたいんだが。」
詩穂「キンジ君どんだけ帰りたいんですか…。」
アリア「でもあのよくわからない音が鳴らないわね。」
白雪「次で鳴るよ。」
ピンポーン♪
キンジ「マジかよ…。」
アリア「はい、じゃあ、かいさーん。こんなアホみたいなことに付き合ってられないわ。」
白雪「うん、じゃあ私も戻るねー。」
詩穂「…というわけで、フリートークにお付き合いいただきありがとうございました。次回からはまた本編が始まりますので、そちらにも是非お付き合いしてください。それでは、また次の番外編でお会いいたしましょう…。」
おまけ
※注意!
ここから先のおまけは、一部の方にしか伝わらない作者の自己満足世界です。
遊戯王ネタ…というか内容そのものが遊戯王です。
遊戯王OCGをプレイしている方、興味がある方、内容がわけわからなくてもいいよという心の広い方以外は飛ばしてください。
放課後。
いつものように強襲科での訓練が終わり、帰路につく途中…。
キンジ君の姿が見当たらないことに気が付きました。
アリアさんと白雪さんは先に帰ってしまっているのを確認しましたが、キンジ君はまだ見かけていないですね…。
私はキンジ君を探しに、あわよくば一緒に帰るべく校内を歩き始めました…。
探し回ると、キンジ君は自習室にいました。
…キンジ君と一緒に不知火君、武藤君の姿も見えます。
自習室はその3人以外の姿は無く、とても閑散としていました。
…まぁ、とにかく声を掛けてみましょう。
不知火君や武藤君とはあまり仲が良くないので緊張しますが、キンジ君を折角見つけることが出来たので声くらいはかけて行きたいです。
がららっ。
「…詩穂か。どうした、こんなところまで。」
私が入ってきたことにいち早く反応してくれたのは、やはりキンジ君でした。
「いえ、キンジ君の姿が見当たらないので、探しに…何をやっているんですか?」
3人は自習室の机の上にカードを広げていました。
…遊戯王カード。
「え?いや、遊戯王をやっていたんだが…如何せん武藤が強くてな。」
「武藤君…強いのですか?」
武藤君のほうを向くと、少し誇ったように胸を張りました。
「おう。少なくともこの2人には負けたことが無い。」
「武藤君は本当に強いよね。」
不知火君も困ったように微笑を浮かべています。
ほぅ…。
武藤君は遊戯王が強いのですか、そうですか…。
「まぁ武偵高に俺に勝てるヤツなんかいないだろうな!」
武藤君は気を大きくしたのか大きく出ました。
…その言葉に、私の熱いバーニングソウルが反応しました。
「…武藤君。その言葉…偽りはないと断言できますか?」
「え?おう…俺は強い!超強い!」
私は鞄からデッキケースを取り出すと、武藤君を真っ直ぐ見つめながら静かに声を出しました。
「現実というものを見せてあげましょう。」
武藤君はようやく私を
「俺は最強だ。悪いが茅間さん相手でも…容赦はしないぜ…?」
「「
ドンッ☆
とりあえず雰囲気的にそう言っておいたほうがよさそうなので、お互いに叫んでみました。
割と高揚感がヤバいですね。
「「じゃんけん、ぽん。」」
じゃんけんの結果…勝ったのは、武藤君でした。
「俺は先攻をもらうぜ。」
「了解です。」
お互いにお互いのデッキをシャッフルし、いざ、デュエルです!
「「よろしくおねがいしまーす。」」
※ここから先は、人物のセリフがわかりづらいためセリフの前に人名を置いていきます。
ご容赦ください。
武藤「俺のターン。スタンバイフェイズ、メインフェイズ。」
…彼はフェイズ確認をしっかりするタイプには見えないのですが…私とのデュエルは一応初回ですし、気遣ってくれているのでしょうか?
武藤「俺は手札から『ヒーローアライブ』を発動するぜ!」
武藤 8000→4000
ひ、『ヒーローアライブ』…!
自分フィールド上にモンスターが存在しないとき、ライフを半分払ってデッキからレベル4以下の『E・HERO』を一体特殊召喚する凶悪な魔法カードです…!
1ターン目からかなりピンチな予感です…!
武藤「デッキから…『E・HEROエアーマン』を特殊召喚だ!」
エアーマン「へあっ!」
くっ、やはりそう来ますか…!
エアーマンは召喚・特殊召喚成功時にデッキから『HERO』をサーチする…!
詩穂(手札に一応ヴェーラーは握ってありますが、ここで打ってもマスクチェンジでかわされる未来が見えますね。ここはあえて放っておいてみましょう。)
武藤「エアーマンの効果発動!俺はデッキから『E・HEROシャドー・ミスト』をサーチするぜ!」
エアーマン「うえーい!」
シャドーミストですか…!
手札にわざわざシャドーを持ってきたということは、もちろん…。
武藤「俺は手札から、『ブリキンギョ』を通常召喚!」
ブリキンギョ「ギョギョッ」
来ました。
『ブリキンギョ』は召喚時に手札からモンスターを特殊召喚するモンスター…!
おそらく先程サーチしたシャドーミストを特殊召喚するみたいですね。
ここでヴェーラーを打つしかありません!
武藤「『ブリキンギョ』の効果発動!」
詩穂「させません!手札から『エフェクトヴェーラー』を発動します!」
武藤「何っ!?」
ブリキンギョ「ちょwww」
ヴェーラー「ざまぁ」
ヴェーラーは手札から捨てることで相手フィールド上のモンスター一体の効果を無効化出来ます。
持ってて良かった、エフェクトヴェーラー。
武藤「…仕方ない、フィールドのエアーマンとブリキンギョでエクシーズ召喚!『
プトレマイオス「おっすおっす」
むぅ、またもや面倒なモンスターが出てきました…!
コイツはいろんなモンスターに化けるのでとても対処が厄介です。
武藤「カードを2枚セットしてターンエンド。プトレの効果でプトレの下にセイクリッドダイヤを重ねるぜ。」
プトレマイオス「どもっす」
…プトレマイオスは毎ターンのエンドフェイズ時にエクストラデッキからエクシーズ素材を補給する効果を持っています。
そして素材が3つ以上の場合、ランクの1つ高い大型エクシーズモンスターに変身することが出来るとてつもなく便利で厄介なモンスターです。
しかも変身は相手ターンにも可能というチート性能。
誰かこいつを止めてください。
現在のフィールド
武藤 4000 手札2枚
プトレマイオス、伏せ2枚
詩穂 8000 手札4枚
詩穂「っく、私のターンです!ドロー、スタンバイ、メイン!」
私の手札は5枚、武藤君のフィールドはプトレ一体と伏せが2枚…。
どうやって突破したものでしょうか…。
…よし、いきましょう!
詩穂「私は手札から『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚します!」
フォトスラ「へっへーい!」
『フォトン・スラッシャー』は自分フィールド上にモンスターが存在しないとき、手札から特殊召喚出来るモンスターです。
…まだまだ、です。
詩穂「更に、手札から『Emダメージジャグラー』を通常召喚です!」
ジャグラー「おはジャグラー」
よし、これでランク4のエクシーズの準備は整いました…。
しかし、やはり…。
プトレマイオス「どったの?」
…仕方ありません、1ターン目から暴力的ですが…!
詩穂「フォトスラとジャグラーでエクシーズ召喚!焼き払え、『励騎士ヴェルズビュート』!」
武藤「なん…だと…!?」
ビュート「いくぜ☆」
ビュートは相手のフィールドと手札の枚数の合計が私のフィールドと手札の合計よりも多い場合、ビュート以外のフィールドのカードを全て破壊する効果があります!
私の合計枚数は4枚、対して武藤君の合計枚数は5枚…!
さぁ、行きます!
詩穂「ビュートの効果発動!」
ビュート「くらうがいい☆」
武藤「くっ…!チェーン発動、『強制脱出装置』!ビュートはエクストラデッキに帰ってもらうぜ!」
ビュート「じゃあの☆」
『強制脱出装置』は本来フィールド上のモンスターを手札に戻す罠カードですが…。
エクストラデッキから特殊召喚されたモンスターに対して打つとそのモンスターはエクストラデッキに戻されてしまいます。
詩穂「うぅ…でも、ビュートの効果自体は成立しています!フィールド上のカードを全て破壊です!」
武藤「まだまだぁ!強制脱出に更にチェーン発動!プトレマイオス!」
プトレマイオス「ようやく出番かい?」
しまった…!
この状況で出てくるモンスターは…!
武藤「プトレマイオスの効果で、俺はプトレマイオスを素材として『始祖の守護者 ティラス』を特殊召喚する!」
ティラス「………。」
やはり、ティラス…!
ティラスはエクシーズ素材を持っているときカードの効果で破壊されないという耐性を持っています。
つまり…!
ビュート「くらええええ…え?」
ティラス「…効かんな。」
ビュートの効果が発動しても、破壊できるのは武藤君の伏せカードだけ…!
案の定武藤君のティラスは生き残り、私のビュートは強制脱出で消えてしまいます。
武藤君のもう一枚の伏せカードは…『リビングデットの呼び声』。
エアーマンでも蘇生するつもりだったのでしょう。
詩穂「っく…。私は墓地のジャグラーの効果を発動!デッキからEmカードをサーチします。私はデッキから『Emトリッククラウン』をサーチします。」
武藤「…『クラウンブレード』か…。」
とうとう武藤君に私のデッキがバレてしまったようです。
…いえ、ジャグラーを見せていた時点でバレていたのかもしれませんが。
私の手札は…罠カードが3枚、クラウンが1枚…。
通常召喚はしてしまいましたし、もうどうしようもないみたいですね。
…でも、この3枚の罠カードはどれも強力な罠カード。
まだまだ逆転は可能です!
詩穂「…カードを3枚セットしてターンエンドです。」
現在のフィールド
武藤 4000 手札2枚
ティラス
詩穂 8000 手札1枚
伏せ3枚
武藤「じゃあ、俺のターン!ドロー!スタン、メイン!」
武藤君はドローしたカードを見た瞬間、ニヤリと笑みを浮かべました。
武藤「どうやら俺には運命の女神様が付いているみたいだな…!俺は手札から、『ハーピィの羽根箒』を発動!」
詩穂「…そんな!」
羽根箒は相手フィールド上の魔法罠を全て破壊する強力な制限カード…!
私の、逆転の可能性が…!
詩穂「うあ、あ…!」
武藤「『激流葬』と『
そう、その罠カードたちはどれも武藤君の『HERO』には強力に作用するカードです…。
しかしそれすら奪われてしまったら、私は…!
武藤「まだまだ!俺は手札から『E・HEROシャドー・ミスト』を通常召喚!」
シャドーミスト「やぁ」
武藤「そしてフィールド上のシャドーミストを対象に速攻魔法『マスクチェンジ』を発動するぜ!」
…万事休す、でしょうか…。
『マスクチェンジ』はフィールド上の『HERO』を、対応する属性の『M・HERO』に変身させる速攻魔法…!
そしてシャドーミストの属性は…闇ッ!
武藤「現れよ、『M・HEROダークロウ』!」
ダークロウ「ヒャッハー!世紀末だぜぇ!」
ついに来てしまいました…!
『HERO』の最強戦士、ダークロウ…!
ダークロウはフィールドにいるだけで相手の墓地に行くカードを全て除外し、更に相手がサーチすると1ターンに一度相手の手札を除外してしまうという、強力な効果を持つモンスター…!
特に私のデッキは墓地を多用するデッキなので、コイツが出てくるだけで『詰み』状態になってしまいます…!
武藤「シャドーミストの効果発動!コイツは墓地に送られたときデッキから『HERO』モンスターを手札に加えることが出来る。俺はデッキから『E・HEROバブルマン』を手札に加える!」
そうでした…。
シャドーミストは最後まで働く過労死モンスター。
これで武藤君は更に手札が1枚増えたことになります。
武藤「さあ…バトルフェイズだ!ティラスとダークロウでアタック!」
ティラス「ふんっ!」
ダークロウ「オラオラァ!」
詩穂「…きゃああ!!」
詩穂 8000→3000
うぅ…ピンチです!
このままだと、負けてしまいます!
武藤「へへっ…茅間さんも俺の敵ではなかったな。ターンエンドだ。ティラスの効果でティラスの素材はなくなるぜ。」
現在のフィールド
武藤 4000 手札1枚
ダークロウ、ティラス
詩穂 3000 手札1枚
詩穂「うぅ…まだです!ドロー…!!」
絶望的な状況。
羽根箒強すぎるでしょう…。
しかし。
そんな私を励ますように、私の救世主をドローしました。
ネタのつもりで入れていたカード。
いつもなら、引いてもどうしようもなく邪魔でしかないカード。
そのカードが…今の状況を、打開する最強の逆転の切り札となります…!
詩穂「スタンバイ、メイン!いきますよ、武藤君…!」
武藤「無駄だぜ、『クラウンブレード』にこの状況を打開するようなパワーカードなんてほとんど無い!ましてや茅間さんの手札のうち1枚は墓地に行かないと効果が発動しないクラウンだ!ダークロウを突破することなんて…出来ない!」
ダークロウ「せやで」
…いける!
さぁ、逆転と勝利へ…!
詩穂「武藤君…。あなたは確かに強いです。『HERO』という強デッキ、引き運の強さ、そして相手に合わせて展開するカードを素早く展開できるプレイング…。でも、あなたは負けてしまうのです。」
武藤「…なんだと?」
詩穂「なぜなら、私の…バーニングソウルが、燃え上がっているからです!私は、手札から…!」
今までネタ扱いしてしまい申し訳ありませんでした…!
もうあなたは立派なデッキの切り札です!
詩穂「『カメンレオン』を通常召喚!」
カメンレオン「れろーん」
武藤「…カメン…レオン、だと…?」
そう、これこそ逆転のカード…!
『カメンレオン』は通常召喚に成功したとき、墓地から守備力0のモンスター1体を蘇生する代わりに、そのターン『カメンレオン』の効果以外の特殊召喚はエクストラデッキからしかできなくなってしまう効果を持っています…。
連続した特殊召喚を止めてしまうため普通のデッキでは採用は見送られてしまいがちです。
そして、私の墓地には…!
詩穂「『カメンレオン』の効果発動!私は墓地から…『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚です!」
カメンレオン「かもーん」
フォトスラ「ただいま!」
よし…。
これで舞台は整いました。
さぁ、終わりのときです!
武藤「…まさか、ランク4エクシーズで無理矢理突破するつもりか…!?」
詩穂「普通ならそうでしょうね…。でも私はエクシーズ召喚はしない!」
『カメンレオン』のもう1つの性質…それは、『チューナーであること』!
詩穂「レベル4の『カメンレオン』とレベル4の『フォトン・スラッシャー』をチューニング!」
武藤「シンクロ召喚…だと!?」
詩穂「私の中では最高のエース!シンクロ召喚!『レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト』!!」
スカーライト「出てくるとは思わなかったぜよ」
スカーライト。
私がカメンレオンと共に使いたいがためにエクストラに入れていましたが…まさか本当に勝負を決めるとは。
スカーライトの効果は単純にして強力。
スカーライトの攻撃力以下の攻撃力を持つ、スカーライト以外のフィールド上の特殊召喚されたモンスターを全て破壊しその数×500のダメージを与えます!
スカーライトの攻撃力は3000!
つまり…。
詩穂「スカーライトの効果を発動!フィールド一掃!」
武藤「…そ、そんな…!」
スカーライト「切り捨て御免!」
ティラス「無念なり…。」
ダークロウ「アイエエエ!」
武藤 4000→3000
詩穂「そしてそのままバトルフェイズ!スカーライトでアタックです!」
武藤「そんな…バカなぁぁ!!」
武藤 3000→0
詩穂「勝った!第三部完ッ!」
※ここからはセリフが元に戻ります。
「…ふぅ。ありがとうございました、武藤君。」
「いや、負けたな…ありがとうよ、茅間さん。」
デュエルが終わり、武藤君と握手を交わします。
交わした武藤君の手はゴツゴツしていて、何というか…。
とても、大きいです…。
「いやはや…ずっと見ていたけど、武藤君も茅間さんも凄かったね。」
「ああ…俺たちとは次元が違うな。」
ずっと横で見ていた不知火君とキンジ君も声をかけてくれます。
そういえば、この2人はいったいどんなデッキなのでしょうか…?
「あの、キンジ君、不知火君。お2人はどんなデッキなのですか?」
「え?こんなんだけど…。」
「うん、見ていいよ。」
お2人からデッキを受け取って内容を見てみましたが…。
まぁ、正直に言って。
初心者さんのようなデッキでしたね…。
キンジ君のはなんとなく光属性と闇属性の強そうなカードを入れて、カオスソルジャーを出す昔の『カオス』のようなデッキでしたが…。
墓地を肥やすカードも入ってなければ、魔法も罠もとても少なくモンスターだけで頑張る感じでした。
不知火君のデッキは魔法と罠は多かったですが…。
肝心のモンスターが何と通常モンスター軸。
しかも通常モンスターサポートの魔法罠は『思い出のブランコ』のみ、レスキューラビットも入っていません。
そして2人ともエクストラはなし。
…とてもじゃありませんが、武藤君の『HERO』には勝てないでしょう…。
「…2人とも、ありがとうございました…。」
「もういいのか?」
「…はい。満足ですよ…。」
…まぁ。
遊戯王は強いデッキを作って戦うのも楽しみではありますが。
一番は、やっぱり楽しむことですからね。
そこだけは間違えてはいけません。
「…いや、でもびっくりしたぜ、茅間さん。あそこでスカーライトが出てくるなんて…。」
「えへへ、実は私が一番驚いているんですよ。」
「にしてもあのときの詩穂はすごかったな。なんというか、こう…。」
「普段の落ち着いた茅間さんとは思えないくらい迫力があったね。」
「あ、あう…不知火君、あんまりいじめないでくださいよぅ…。」
こうして。
ある日の放課後遊戯王事件は、幕を下ろしたのでした…。
普段は話さない武藤君や不知火君とも、ちょっとだけ仲良くなれた気がするのでした…。
…後日。
「茅間さん、デュ↑エルだぁ!」
「…はい…。」
武藤君のデッキ調整に毎回付き合わされることになるのは、別のお話。
読了、ありがとうございました!
番外編その4はギャルゲを家でプレイしていたときに思いついたネタです。
別の選択肢を選んでいたら、という未来は皆様のご想像にお任せいたします。
フリートークは相変わらずメタ発言の塊です。
メタいですね…おっと誰か来たようだ(ry
おまけは遊戯王です。
原作2巻285ページでの武藤カードゲーム最強設定を見て思いつきました。
ただの自己満足以外の何者でもないです。
お目汚し申し訳ありませんでした。
感想・評価・誤字脱字の報告・詩穂のデッキの詳細希望などをお待ちしております。
特に評価をもらえると作者は泣きながら泣きます。
そんな姿は見たくないでしょうけど、よろしくお願いいたします。